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公開番号2024058785
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022166096
出願日2022-10-17
発明の名称振動補助装置及び施工方法
出願人調和工業株式会社
代理人個人,個人
主分類E02D 7/18 20060101AFI20240422BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】杭圧入機による鋼管の施工を、振動により補助するための装置であって、杭圧入機の機能が振動により損なわれない装置を提供する。
【解決手段】杭圧入機による鋼管(P)の施工を補助するために振動を発生する振動補助装置(10)であって、起振機(1)と、前記起振機(1)の下側に接合されかつ前記鋼管(P)を内側から押圧把持可能な鋼管チャック(5)と、前記起振機(1)の上側に接合され上方に延在する支柱部(4)と、前記支柱部(4)の周囲に間隔を空けて配置されかつ前記杭圧入機により把持可能な筒体(2A)と、前記支柱部(4)の外面と前記筒体(2A)の内面とを連結しかつ振動伝達防止機能を有する緩衝部材(3)と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
杭圧入機による鋼管(P)の施工を補助するために振動を発生する振動補助装置(10)であって、
起振機(1)と、
前記起振機(1)の下側に接合されかつ前記鋼管(P)を内側から押圧把持可能な鋼管チャック(5)と、
前記起振機(1)の上側に接合され上方に延在する支柱部(4)と、
前記支柱部(4)の周囲に間隔を空けて配置されかつ前記杭圧入機により把持可能な筒体(2A)と、
前記支柱部(4)の外面と前記筒体(2A)の内面とを連結しかつ振動伝達防止機能を有する緩衝部材(3)と、を備えた振動補助装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記起振機(1)が1つの回転軸(R)の周りで回転駆動される複数の偏心重錘(1A,1B)を有する一軸起振機である請求項1に記載の振動補助装置。
【請求項3】
平面視にて前記起振機(1)の輪郭形状が前記鋼管チャック(5)の輪郭形状の内側に収まる請求項1又は2に記載の振動補助装置。
【請求項4】
前記緩衝部材(3)が、防振ゴム(3A)と前記防振ゴム(3A)を両側から挟持する一対の金属板(3B)とを有し、前記一対の金属板(3B)の各々が前記支柱部(4)と前記筒体(2A)にそれぞれ接合される請求項1に記載の振動補助装置。
【請求項5】
前記鋼管チャック(5)が前記起振機(10)から取り外し可能である請求項1に記載の振動補助装置。
【請求項6】
前記支柱部(4)が前記起振機(1)から取り外し可能である請求項1に記載の振動補助装置。
【請求項7】
前記筒体(2A)が、前記鋼管(P)と同じ外径を有する円筒管である請求項1に記載の振動補助装置。
【請求項8】
杭圧入機と、請求項1に記載の振動補助装置(10)とを用いた鋼管(P)の施工方法であって、
前記杭圧入機を単独で用いて前記鋼管(P)を所定の位置まで圧入する工程と、
前記振動補助装置(10)を前記鋼管(P)に上方から挿入し、前記鋼管チャック(5)により前記鋼管(P)を内側から押圧把持すると共に、前記杭圧入機の杭チャックにより前記筒体(2A)を把持する工程と、
前記杭圧入機による圧入力と、前記振動補助装置(10)の前記起振機(1)の振動力とにより前記鋼管(P)を打ち下げる工程と、を含む施工方法。
【請求項9】
全周回転機である杭圧入機と、請求項1に記載の振動補助装置(10)とを用いた鋼管(P)の施工方法であって、
前記杭圧入機を単独で用いて前記鋼管(P)を所定の位置まで圧入する工程と、
前記振動補助装置(10)を前記鋼管(P)に上方から挿入し、前記鋼管チャック(5)により前記鋼管(P)を内側から押圧把持する工程と、
前記杭圧入機による圧入力と、前記振動補助装置(10)の前記起振機(1)の振動力とにより前記鋼管(P)を打ち下げる工程と、を含む施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、杭圧入機による鋼管杭や鋼管矢板等の鋼管の施工を補助するために振動を発生する装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
図12(a)~(d)は、杭圧入機100による鋼管Pの圧入施工の最終段階を概略的に示している。図12(a)に概略的に示す自走式の杭圧入機100は周知である。既設杭列の上方に位置する基台105の下面に設けられた複数のクランプ107が既設杭を把持することにより圧入の反力を得る。基台105には杭圧入機100を既設杭列に沿って移動可能とするスライド部106が設けられている。さらに基台105上の支持駆動部104は、前面に設けた昇降シリンダ103及びチャックヘッド102を支持し昇降の駆動制御を行うと共に、チャックヘッド102に備わる杭チャック101による鋼管Pの把持及び解放を駆動制御する。
【0003】
図12(a)は、杭圧入機100による限界レベルL1まで鋼管Pを圧入した状況を示している。この限界レベルL1は計画レベルL0よりも高い位置にある。鋼管Pを計画レベルL0まで打ち下げるために打下装置300を用いる。クレーン(図示せず)により吊り込まれた打下装置300は、上部の円筒外面をもつ被把持部301と、被把持部301の下に接合された鋼管チャック302とを有する。(b)に示すように、鋼管P内に挿入された打下装置300の鋼管チャック302が、鋼管Pを内側から押圧把持する。次に(c)の黒矢印で示すように、杭チャック101が鋼管Pを解放して昇降シリンダ103により上昇し、打下装置300の被把持部301を把持する。被把持部301は鋼管Pとほぼ同じ外径を有する。その後(d)に示すように、昇降シリンダ103を降下させることで鋼管Pを計画レベルL0まで圧入する。
【0004】
杭圧入場所の土質が硬質である場合、根入れ深さが深い場合、砂礫や転石のある場合等、杭圧入機100の昇降駆動能力のみでは圧入が困難又は不可となることが生じ得る。その解決手段として特許文献1、2では、杭圧入機と振動発生装置、例えばバイブロハンマの起振機との組合せが開示されている。
【0005】
特許文献1では、杭圧入機において鋼矢板を挟み保持する杭チャックの内部に起振装置を設けている。さらに起振装置の振動が昇降ヘッドに伝達しないように、杭チャックと昇降ヘッドとの間に振動吸収部材を設けている。
【0006】
特許文献2では、キャタピラで地上を移動する杭圧入機により把持された鋼管杭の内部にクランプとウエイトを備えたバイブロを遊挿し、クランプで鋼管杭を内側から押圧把持し、起振駆動させている。バイブロとウエイトの間に弾性部材を介在させることでバイブロの振動をウエイト及びそれに連結したケーブル(クレーンに接続)に伝達させないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
実開昭63-91533号公報
特開昭63-142122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
杭圧入機と振動発生装置を組み合わせた従来技術には問題点がある。特許文献1では、杭圧入機の杭チャックに起振装置が内蔵されている。振動吸収部材は上方の昇降ヘッドとの間に設けられているだけである。よって、振動発生時には杭チャックは直接的に振動の影響を受ける。また、特許文献2では、バイブロとウエイト及びケーブルとの間には振動伝達を防止する弾性部材を介在させているが、杭圧入機の杭チャックには鋼管杭を介して振動が直接伝達される。よって、特許文献1及び2のいずれにおいても、杭圧入機の杭チャックによる杭把持機能が振動によって大きく損なわれるため、圧入力を鋼管杭に有効に伝達できない。結果的に、振動は圧入を補助するのではなく妨げることになる。
【0009】
以上に鑑み、本発明の目的は、杭圧入機による鋼管の施工を振動により補助するための装置であって、杭圧入機の機能を損うことのない装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を提供する。括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり参考のために付するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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