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公開番号2024057370
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-24
出願番号2022164067
出願日2022-10-12
発明の名称斜面安定化構造
出願人日鉄建材株式会社
代理人個人
主分類E02D 17/20 20060101AFI20240417BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】土砂崩れなどの斜面崩壊を防止することができるとともに、シカの食害による支圧板の支圧力低下を防止することができるシカの食害による斜面浸食防止対策を施した斜面安定化構造を提供する。
【解決手段】斜面G1に設置されて当該斜面を安定させるための斜面安定化構造1において、斜面G1の地中に所定間隔D1を置いて固定された複数のロックボルト2と、ロックボルト2に螺合する複数のナット3と、ナット3でロックボルト2に装着されて地盤を支圧して斜面G1の崩壊を防止する支圧板4と、を備え、支圧板4とナット3との間にブラケット材5を介装し、ブラケット材5にシカの侵入を防止するためのネット6を張設し、ネット6の張設高さを、斜面G1から所定距離に保持する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
斜面に設置されて当該斜面を安定させるための斜面安定化構造であって、
前記斜面の地中に所定間隔を置いて固定された複数のロックボルトと、前記ロックボルトに螺合する複数のナットと、前記ナットで前記ロックボルトに装着されて地盤を支圧して斜面の崩壊を防止する支圧板と、を備え、
前記支圧板と前記ナットとの間にブラケット材が介装され、前記ブラケット材にシカの侵入を防止するためのネットが張設されて、前記ネットの張設高さは、前記斜面から所定距離に保持されていること
を特徴とする斜面安定化構造。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記ネットは、少なくとも前記複数のロックボルトの左右端又は上下端のいずれかの端部列からシカが跳躍できない所定幅以上に亘り張設されていること
を特徴とする請求項1に記載の斜面安定化構造。
【請求項3】
前記ネットは、前記複数のロックボルトの左右端及び上下端の端部列から取り囲むようにシカが跳躍できない所定幅だけ帯状に張設されていること
を特徴とする請求項2に記載の斜面安定化構造。
【請求項4】
前記所定幅は、2.0m以上5.0m以下であること
を特徴とする請求項2又は3に記載の斜面安定化構造。
【請求項5】
前記所定距離は、300mm以上、600mm以下であること
を特徴とする請求項1に記載の斜面安定化構造。
【請求項6】
前記ネットは、前記複数のロックボルトの左右端又は上下端のいずれかの端部列から下方に折り曲げて張設されていること
を特徴とする請求項1から3又は5のいずれか一項に記載の斜面安定化構造。
【請求項7】
前記ブラケット材は、前記ナットの座金を兼用していること
を特徴とする請求項1から3又は5のいずれか一項に記載の斜面安定化構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、斜面安定化構造に関するものであり、詳しくは、シカの食害による斜面浸食防止対策を施した斜面安定化構造に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、土砂崩れなどの斜面崩壊を防止する対策として、斜面をコンクリートで固めて斜面崩壊を防止することが行われていた。しかし、斜面をコンクリートで固める対策の場合、斜面全体の樹木を伐採する必要があるため、自然環境を破壊してしまうという問題があった。
【0003】
そこで、出願人は、斜面に所定間隔をおいて削孔し、ロックボルトを挿入してグラウト材で固め、ロックボルトの外端に支圧板を装着し、ロックボルト外端同士をワイヤロープで緊結してがけ崩れを防ぎ、自然環境や景観も保全できる鉄筋挿入工を開発した(特許文献1、2参照)。
【0004】
例えば、特許文献1には、自然斜面において曲げ剛性のある複数のアンカー1を適宜の配列で土中に挿入し、前記各アンカー1の頭部に支圧板2を取り付け、各アンカー1頭部間を柔軟性を有する線状または帯状の頭部連結材3で連結する自然斜面安定化工法であって、斜面変位の初期の段階では前記アンカー1および支圧板2が斜面変位に抵抗し、斜面変位がある程度大きくなった時に前記頭部連結材3による抵抗が前記アンカー1および支圧板2による抵抗に付加されるように設定する自然斜面安定化工法及び斜面安定化構造が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0014]~[0031]、図面の図1~図4等参照)。
【0005】
また、特許文献2には、斜面に多数のアンカーを設置するとともに、各アンカーの頭部に支圧部材を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与え、かつ各アンカー頭部間をロープで連結する斜面安定化工法において、前記ロープに、表層土砂の斜面下方への移動を遮ることが可能な表層土砂流出抑制部材を取り付けることを特徴とする土砂流出抑制の斜面安定化工法及び斜面安定化構造が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0018]~[0027]、図面の図1~図6等参照)。
【0006】
特許文献1に記載の自然斜面安定化工法及び特許文献2に記載の土砂流出抑制の斜面安定化工法は、斜面を改変せずに施工するため、樹木伐採や切土・法面整形、植生工といった工程を省略でき、コスト削減及び工期短縮を図れるとともに、景観・環境が維持でき、CO
2
削減や、生物多様性保全にも貢献できる。
【0007】
しかし、近年、一部の地域では、シカの個体数が増えすぎて、特許文献1に記載の斜面対策構造や特許文献2に記載の斜面安定化構造の周囲の植生を食い尽くし、禿山になり雨水により地表面の土砂が流れて、支圧板と地面との間に隙間が生じ、支圧力が低減されて斜面安定化を阻害するという懸念が生じるに至った。
【0008】
このような問題を解決するためには、シカの侵入を防止する侵入防止柵を設けることが考えられる。しかし、柵の高さが低ければ簡単に飛び越えられてしまうし、高くすると台風などの暴風で倒壊したり損傷したりするおそれが高く、頑丈に作る必要があり設置コストが嵩むという問題があった。電気柵も考えられるが、電圧が常時4000V以上必要で維持コストが嵩むという問題があった。
【0009】
つまり、鉛直面の侵入防止柵は、設置コストや経維持管理のコストが嵩むという問題があった。そのため、簡易で設置コストが低く、維持管理が容易なシカの侵入防止対策が切望されている。
【0010】
一方、平面的な草食動物の侵入防止対策としては、特許文献3に、農場の出入口に至る通路に溝を掘削し、グレーチングを設けて鹿や猪などの野生動物が農場内に侵入することを忌避させ、農作物を食い荒らすことによる被害を防止する動物侵入防止装置が開示されている(特許文献3の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0013]~[0027]、図面の図1~図3等参照)。
(【0011】以降は省略されています)

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