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公開番号2024093784
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210364
出願日2022-12-27
発明の名称羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置、羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援システムおよび羽根付き鋼管杭の引き抜き方法
出願人日鉄建材株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類E02D 9/02 20060101AFI20240702BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】杭の引き抜きに関する従来の技術を改良し、羽根付き鋼管杭についてより効率的な引き抜き施工を実現する。
【解決手段】地中に打設された羽根付き鋼管杭を施工する重機の運転席に配置される表示装置に情報を表示する施工支援装置であって、前記情報は、引き抜き初期の摩擦切り工程における前記羽根付き鋼管杭の回転角度に基づく情報と、前記羽根付き鋼管杭の1回転あたりの引上げ量に基づく情報とを含む、羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
地中に打設された羽根付き鋼管杭を施工する重機の運転席に配置される表示装置に情報を表示する施工支援装置であって、
前記情報は、引き抜き初期の摩擦切り工程における前記羽根付き鋼管杭の回転角度に基づく情報と、前記羽根付き鋼管杭の1回転あたりの引上げ量に基づく情報とを含む、羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記回転角度に基づく情報は、前記回転角度が所定の閾値を超えたか否かを示す情報を含む、請求項1に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
【請求項3】
前記摩擦切り工程において、前記羽根付き鋼管杭には断続的にトルクが加えられ、
前記回転角度に基づく情報は、前記トルクの継続時間の間に前記回転角度が前記閾値を超えたか否かを示す情報を含む、請求項2に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
【請求項4】
前記回転角度に基づく情報は、前記トルクの継続時間の間に前記回転角度が前記閾値を超えなかった場合に前記トルクを増加させることを指示する情報を含む、請求項3に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
【請求項5】
前記トルクは、一方向にのみ加えられる、請求項3に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
【請求項6】
前記1回転あたりの引上げ量に基づく情報は、前記1回転あたりの引上げ量が前記羽根付き鋼管杭の羽根の螺旋ピッチに基づく所定の範囲に含まれるか否かを示す情報を含む、請求項1に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
【請求項7】
前記1回転あたりの引上げ量に基づく情報は、前記1回転あたりの引上げ量が前記範囲に含まれない場合に、鉛直方向の引抜力を新たに加えるか、または既に加えられている前記引抜力を調整することを指示する情報を含む、請求項6に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の施工支援装置と、
前記羽根付き鋼管杭の地上部周面に巻き付けられたワイヤーの巻き出しおよび巻き取り方向の変位を、前記回転角度を示す値として検出する回転角度センサとを含む、羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援システム。
【請求項9】
地中に打設された羽根付き鋼管杭の引き抜き方法であって、
引き抜き初期の摩擦切り工程において、前記羽根付き鋼管杭の羽根の螺旋が巻く方向とは逆方向にのみ断続的にトルクを加える、羽根付き鋼管杭の引き抜き方法。
【請求項10】
前記羽根付き鋼管杭の地上部周面に巻き付けられたワイヤーの巻き出しおよび巻き取り方向の変位によって示される前記羽根付き鋼管杭の回転角度に基づいて、前記摩擦切り工程の完了を判定する、請求項9に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置、羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援システムおよび羽根付き鋼管杭の引き抜き方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業装置にアームの角度を検出するアーム角度センサを取り付け、コントローラに接続されたモニタ装置をキャブ内に設けた作業機が記載されている。コントローラは、アーム角度センサからの検出信号に基づいて作業装置の先端部の作業高さと作業半径を算出する。モニタ装置は、コントローラが算出した作業高さと作業半径と、引抜力表とを含むガイダンス画面を表示する。このような構成によって、建設機械を用いた杭部材の引抜作業の効率を高めることができる。
【0003】
一方、特許文献2には、杭の周面摩擦を低下させることによって容易に杭を引き抜く方法が記載されている。この方法では、杭の弾性ねじり変形性能と地盤の繰り返し変形による強度低下特性を利用する。鋼管杭の杭頭に静的な正負繰り返しの回転力(トルク)を作用させることにより杭周面地盤に繰り返しせん断力を与えると、上部地盤のせん断強度が低下する。地盤のせん断強度の低下によって杭のねじり変形が大きくなり、杭の周面摩擦が低下する「摩擦切り」が上部から深部へと進展する。最終的に「摩擦切り」が杭先端まで到達すると、作用する周面摩擦が最小化され杭を容易に引き抜くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-153573号公報
特開2019-49131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献2に記載された方法では、特許文献1に記載されたようなシステム化されたオペレータへの情報提示は実現されていない。それゆえ、より小さい引き抜きトルクで効率的に杭を引き抜くことができる一方で工程の進行、具体的には例えば「摩擦切り」が完了したか否か、およびその後の引き抜きの進行については作業者の目視などによって管理されており、工程を効率化する余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような杭の引き抜きに関する従来の技術を改良し、羽根付き鋼管杭についてより効率的な引き抜き施工を実現することを可能にする羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置、羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援システムおよび羽根付き鋼管杭の引き抜き方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]地中に打設された羽根付き鋼管杭を施工する重機の運転席に配置される表示装置に情報を表示する施工支援装置であって、前記情報は、引き抜き初期の摩擦切り工程における前記羽根付き鋼管杭の回転角度に基づく情報と、前記羽根付き鋼管杭の1回転あたりの引上げ量に基づく情報とを含む、羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
[2]前記回転角度に基づく情報は、前記回転角度が所定の閾値を超えたか否かを示す情報を含む、[1]に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
[3]前記摩擦切り工程において、前記羽根付き鋼管杭には断続的にトルクが加えられ、前記回転角度に基づく情報は、前記トルクの継続時間の間に前記回転角度が前記閾値を超えたか否かを示す情報を含む、[2]に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
[4]前記回転角度に基づく情報は、前記トルクの継続時間の間に前記回転角度が前記閾値を超えなかった場合に前記トルクを増加させることを指示する情報を含む、[3]に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
[5]前記トルクは、一方向にのみ加えられる、[3]に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
[6]前記1回転あたりの引上げ量に基づく情報は、前記1回転あたりの引上げ量が前記羽根付き鋼管杭の羽根の螺旋ピッチに基づく所定の範囲に含まれるか否かを示す情報を含む、[1]に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
[7]前記1回転あたりの引上げ量に基づく情報は、前記1回転あたりの引上げ量が前記範囲に含まれない場合に、鉛直方向の引抜力を新たに加えるか、または既に加えられている前記引抜力を調整することを指示する情報を含む、[6]に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援装置。
[8][1]から[7]のいずれか1項に記載の施工支援装置と、前記羽根付き鋼管杭の地上部周面に巻き付けられたワイヤーの巻き出しおよび巻き取り方向の変位を、前記回転角度を示す値として検出する回転角度センサとを含む、羽根付き鋼管杭の引き抜き施工支援システム。
[9]地中に打設された羽根付き鋼管杭の引き抜き方法であって、引き抜き初期の摩擦切り工程において、前記羽根付き鋼管杭の羽根の螺旋が巻く方向とは逆方向にのみ断続的にトルクを加える、羽根付き鋼管杭の引き抜き方法。
[10]前記羽根付き鋼管杭の地上部周面に巻き付けられたワイヤーの巻き出しおよび巻き取り方向の変位によって示される前記羽根付き鋼管杭の回転角度に基づいて、前記摩擦切り工程の完了を判定する、[9]に記載の羽根付き鋼管杭の引き抜き方法。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、重機の運転席に配置される表示装置に施工支援装置による情報が表示されることによって、摩擦切りの進捗や、その後の引上げが適切に進行しているか否かを操作者が容易に判断することができる。これによって、より効率的な杭の引き抜き施工が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係る羽根付き鋼管杭の施工支援システムの構成例を示す図である。
図1に示したシステムで使用される回転角度センサの構成例を示す図である。
図1に示したシステムで実行される処理の例を示すフローチャートである。
図1に示したシステムで表示される情報の例を示す図である。
図1に示したシステムで表示される情報の例を示す図である。
摩擦切り工程におけるメッセージの表示条件を示すフローチャートである。
引上げ工程におけるメッセージの表示条件を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
(【0011】以降は省略されています)

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