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公開番号2024030408
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022133285
出願日2022-08-24
発明の名称掘進機と滑材注入方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E21D 9/06 20060101AFI20240229BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】掘進機の前方から後方に亘るオーバーカット領域の全域に滑材を行き渡らせることができ、掘進機を構成するカッタヘッドとスキンプレートの間の隙間を介して滑材が掘進機の内部のチャンバ内に引き込まれることを防止できる、掘進機と滑材注入方法を提供する。
【解決手段】スキンプレート20とカッタヘッド10とを有し、カッタヘッド10の前面には掘削ビット12が設けられ、前面の外周には外周掘削ビット14が設けられ、外周掘削ビット14によりカッタヘッド10とスキンプレート20の外周面11,21の外側にオーバーカット領域CAを形成する掘進機100であり、外周面11から外側へ延びて、スキンプレート20よりも外側へ張り出して滑材を注入する、第1注入管40の張り出し部41の端部にある第1注入口42が、カッタヘッド10とスキンプレート20の間の隙間70の外側に位置合わせされ、掘進方向後方に配向している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
シールド工法もしくは推進工法において適用され、筒状のスキンプレートと、該スキンプレートの掘進方向前方に回転自在に設けられているカッタヘッドとを有し、該カッタヘッドの前面には掘削ビットが設けられ、該前面の外周には外周掘削ビットが設けられ、該外周掘削ビットにより該カッタヘッドと該スキンプレートの外周面の外側にオーバーカット領域を形成する、掘進機であって、
前記カッタヘッドの前記外周面から外側へ延びて、前記スキンプレートよりも外側へ張り出し、滑材を前記オーバーカット領域に注入する、第1注入管の張り出し部の端部にある第1注入口が、前記カッタヘッドと前記スキンプレートの間の隙間の外側に位置合わせされ、掘進方向後方に配向していることを特徴とする、掘進機。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記張り出し部が、該カッタヘッドの外周面に設けられている姿勢保持部材により保持されていることを特徴とする、請求項1に記載の掘進機。
【請求項3】
前記カッタヘッドの前記外周面には、コピーカッタが出入り自在に装着されており、
前記第1注入管の前記張り出し部は、前記コピーカッタよりも掘進方向後方に配設され、かつ、前記カッタヘッドの正面視において該外周掘削ビットよりも外側へ張り出していないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の掘進機。
【請求項4】
滑材を前記オーバーカット領域に注入する複数の第2注入管の第2注入口が、前記スキンプレートに開設されている複数の開口にそれぞれ位置合わせされ、該スキンプレートの外周面から外側へ滑材が注入されるようになっていることを特徴とする、請求項2に記載の掘進機。
【請求項5】
前記スキンプレートの前記隙間に対向する外側の隅角部が面取りされ、前記姿勢保持部材の前記隙間に対向する隅角部が面取りされており、
双方の前記面取りが、前記カッタヘッドが撓んだ際に前記スキンプレートと前記姿勢保持部材が干渉するのを防止する干渉防止手段を形成していることを特徴とする、請求項4に記載の掘進機。
【請求項6】
前記カッタヘッドの背面にチャンバを備え、該チャンバには計測器に含まれる加速度計が装着され、
前記スキンプレートの内部に推進ジャッキを備え、該推進ジャッキには前記計測器に含まれる前記加速度計と油圧計とストローク計が装着され、該スキンプレートの内部には前記計測器に含まれる傾斜計がさらに装着されており、
前記掘進機には特定装置が搭載され、複数の前記計測器による計測データが該特定装置に取得され、該掘進機における振動発生位置と発生する振動の定量値が特定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の掘進機。
【請求項7】
シールド工法もしくは推進工法に適用され、筒状のスキンプレートと、該スキンプレートの掘進方向前方に回転自在に設けられているカッタヘッドとを有し、該カッタヘッドの前面には掘削ビットが設けられ、該前面の外周には外周掘削ビットが設けられ、該外周掘削ビットにより該カッタヘッドと該スキンプレートの外周面の外側にオーバーカット領域を形成する、掘進機を用いて、該掘進機から前記オーバーカット領域に滑材を注入する、滑材注入方法であって、
前記カッタヘッドの前記外周面から第1注入管を外側へ張り出させ、該第1注入管の端部にある第1注入口を、前記カッタヘッドと前記スキンプレートの間の隙間の外側に位置合わせして、掘進方向後方に配向させておき、
前記カッタヘッドの回転の際の前記外周掘削ビットにより前記オーバーカット領域を形成しながら、前記第1注入口を介して該オーバーカット領域に滑材を注入することを特徴とする、滑材注入方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、掘進機と滑材注入方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
シールド工法や推進工法においては、掘進機を掘進させながら地山を切削し、掘進機の後方においてセグメントトンネルや推進トンネルが施工される。推進工法では、掘進機による掘進に加えて、後方から元押しジャッキや中押しジャッキによるジャッキ推力により複数の推進函が推進されることになる。
シールド工法と推進工法のいずれの工法でも、掘進機の掘進においては、掘進機の外周面と周辺地山との摩擦を低減するべく、掘進機の例えば円筒状のスキンプレートの掘進方向前方にあるカッタヘッドの前面に取り付けられている多数の掘削ビットとは別に、掘進機の前面の外周に、径方向外側へ張り出す外周掘削ビットが取り付けられている。
カッタヘッドの回転による外周掘削ビットの回転掘削により、カッタヘッドとスキンプレートの外周面の外側にオーバーカット領域が形成され、掘進機の内部からオーバーカット領域に対して滑材を注入することにより、掘進機の外周面と地山との摩擦の低減もしくは解消が図られている。
【0003】
ここで、特許文献1には、スキンプレートと掘削孔の内壁面との間におけるスキンプレートの全周に亘って滑材を注入する、掘削機が提案されている。具体的には、円筒状のスキンプレートと、スキンプレートの先端に回転自在に設けられているカッター装置とを有し、カッター装置により地山を掘進するシールド機において、カッター装置の外周部分におけるスキンプレートよりも外方側でかつ後方側に向いている部位に開口部が設けられ、開口部を介してスキンプレートと掘削孔の内壁面との間に後方に向けて滑材が注入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-89167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の掘削機(掘進機)によれば、カッター装置の外周部分におけるスキンプレートよりも外方側の後方側に向いた部位にある開口部を介して、スキンプレートと掘削孔の内壁面との間に後方に向けて滑材を注入することにより、スキンプレートと掘削孔の内壁面との間に生じる摩擦力を十分に低減できるとしている。
確かに、掘進機の前方にあるカッタヘッド(ここではカッタ装置)から滑材を注入することにより、例えば、従来の掘進機のようにスキンプレートの途中位置から滑材を注入する場合と比べて、掘進機の前方から後方に亘るオーバーカット領域の全域に滑材を行き渡らせることができて好ましい。
【0006】
しかしながら、カッター装置の外周部分に滑材を注入する開口部を設けた場合、スキンプレートと掘削孔の内壁面との間に注入された滑材は、カッター装置(カッタヘッド)とスキンプレートの間の隙間を介して掘進機の内部のチャンバ内に入り込んでしまう(引き込まれてしまう)恐れがある。
具体的には、取り込んだ土砂を回転しながら撹拌しているチャンバの内部は数気圧程度の高圧雰囲気となっており、スクリューコンベアに撹拌土を搬出する過程でチャンバ内の一部領域が負圧になり得ることから、掘進機の外側に注入された滑材は、カッタヘッドとスキンプレートの間の隙間を介して、チャンバ内の負圧領域に流れ込んでしまう可能性が高くなる。
【0007】
本発明は、掘進機の前方から後方に亘るオーバーカット領域の全域に滑材を行き渡らせることができ、かつ、掘進機を構成するカッタヘッドとスキンプレートの間の隙間を介して滑材が掘進機の内部のチャンバ内に引き込まれることを防止できる、掘進機と滑材注入方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による掘進機の一態様は、
シールド工法もしくは推進工法において適用され、筒状のスキンプレートと、該スキンプレートの掘進方向前方に回転自在に設けられているカッタヘッドとを有し、該カッタヘッドの前面には掘削ビットが設けられ、該前面の外周には外周掘削ビットが設けられ、該外周掘削ビットにより該カッタヘッドと該スキンプレートの外周面の外側にオーバーカット領域を形成する、掘進機であって、
前記カッタヘッドの前記外周面から外側へ延びて、前記スキンプレートよりも外側へ張り出し、滑材を前記オーバーカット領域に注入する、第1注入管の張り出し部の端部にある第1注入口が、前記カッタヘッドと前記スキンプレートの間の隙間の外側に位置合わせされ、掘進方向後方に配向していることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、カッタヘッドの外周面から外側へ延びてスキンプレートよりも外側へ張り出し、滑材をオーバーカット領域に注入する第1注入管の張り出し部の端部にある第1注入口が、カッタヘッドとスキンプレートの間の隙間の外側に位置合わせされ、かつ掘進方向後方に配向していることにより、掘進機の前方から後方に亘るオーバーカット領域の全域に滑材を行き渡らせることができ、かつ、掘進機を構成するカッタヘッドとスキンプレートの間の隙間を介して、滑材が掘進機の内部のチャンバ内に引き込まれることを防止できる。
第1注入管はカッタヘッドの内部から延びてカッタヘッドの外周面を介して外部へ張り出し、張り出している張り出し部は例えば斜め後方に延びて、その先端にある第1注入口がカッタヘッドとスキンプレートの間の隙間の外側に位置合わせされる。斜め後方に延びる張り出し部の端部にある第1注入口は、掘進方向後方で斜め外側に配向することになる。
【0010】
ここで、「カッタヘッドの外周面から外側へ延びて」とは、第1注入管が文字通りカッタヘッドの外周面から外側へ張り出す形態の他にも、カッタヘッドの外周面とチャンバに対向する背面との隅角部もしくは隅角部近傍の背面側から張り出す形態も含まれるものとする。
いずれの張り出し形態であっても、カッタヘッドとスキンプレートの間の隙間の外側に第1注入口が位置合わせされることにより、この位置にある第1注入口から例えば高圧にてオーバーカット領域に注入された滑材が、隙間を介してチャンバ内に引き込まれる恐れは無くなる。また、第1注入口が掘進機の前方にあるカッタヘッドの外周に位置していることにより、掘進機の前方位置から後方に造成済みのオーバーカット領域の全域に滑材を注入することができるため、掘進機と地山との間に生じ得る摩擦力を効果的に抑制もしくは解消することが可能になる。
尚、第1注入管は、カッタヘッドの外周面の1箇所に設けられていてもよいし、周方向の複数箇所に設けられてもよいが、第1注入管の閉塞可能性を勘案すると、カッタヘッドの外周面の複数箇所に設けられている形態が好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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