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公開番号2024127180
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036158
出願日2023-03-09
発明の名称プログラム
出願人大成建設株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類G06T 7/62 20170101AFI20240912BHJP(計算;計数)
要約【課題】鉄筋コンクリート造の建物の建築に要する建材の二酸化炭素排出量を設計図書を用いずに簡便に計算するプログラムを提供する。
【解決手段】二酸化炭素排出量計算システムにおいて、プログラムは、建築部分が既定の色で着色された基準階平面図が画像として入力されると、画像内の既定の色の画素数を計算する画素数計算機能と、既定の色の画素数を基に、基準階における建築部分の体積を計算する建築部分体積計算機能と、建築部分の体積を基に、建材の種類毎に、基準階における当該種類の建材の重量又は体積を計算する建材使用量計算機能と、建材の種類毎に、当該種類の建材の重量又は体積と、当該種類の建材の二酸化炭素排出原単位を乗算して、基準階における当該種類の建材の二酸化炭素排出量を計算し、建材の種類の各々の二酸化炭素排出量の総和を、基準階の二酸化炭素排出量として計算する建物二酸化炭素排出量計算機能とを、コンピュータに実行させる。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
鉄筋コンクリート造の建物の建築に要する建材の二酸化炭素排出量を計算するプログラムであって、
コンピュータに、
前記建材が使用された建築部分が既定の色で着色された基準階平面図が画像として入力されると、当該画像内の前記既定の色の画素数を計算する、画素数計算機能と、
前記既定の色の前記画素数を基に、基準階における前記建築部分の体積を計算する、建築部分体積計算機能と、
前記建築部分の前記体積を基に、前記建材の種類ごとに、前記基準階における当該種類の前記建材の重量または体積を計算する、建材使用量計算機能と、
前記建材の前記種類ごとに、当該種類の前記建材の前記重量または前記体積と、当該種類の前記建材の二酸化炭素排出原単位を乗算して、前記基準階における当該種類の前記建材の二酸化炭素排出量を計算し、前記建材の種類の各々の前記二酸化炭素排出量の総和を、前記基準階の二酸化炭素排出量として計算する、基準階二酸化炭素排出量計算機能と、
前記基準階の前記二酸化炭素排出量を基に、前記建物の二酸化炭素排出量を計算する、建物二酸化炭素排出量計算機能と、
を実現させるためのプログラム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記建築部分は、床または柱を含み、
前記画素数計算機能は、前記床または前記柱に相当する部分が前記既定の色で着色された前記基準階平面図が画像として入力されると、当該画像内の前記既定の色の前記画素数を、前記床または前記柱に相当する前記部分の前記画素数として計算し、
前記建築部分体積計算機能は、前記床または前記柱に相当する前記部分の前記画素数を基に、前記基準階における前記床または前記柱の総面積を計算し、前記建築部分が前記床の場合には、前記床の前記総面積に、前記床の厚さを乗算し、前記建築部分が前記柱の場合には、前記柱の前記総面積に、前記基準階の階高を乗算して、前記基準階における前記床または前記柱の前記体積を計算する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記建築部分は、梁または壁を含み、
前記画素数計算機能は、前記梁または前記壁に相当する部分に沿って前記既定の色で線が引かれた前記基準階平面図が画像として入力されると、当該画像内の前記既定の色の前記画素数を、前記梁または前記壁に相当する前記部分の前記画素数として計算し、
前記建築部分体積計算機能は、前記梁または前記壁に相当する前記部分の前記画素数を基に、前記基準階における前記梁または前記壁の総長を計算し、前記建築部分が前記梁の場合には、前記梁の前記総長に、前記梁の幅と梁せいを乗算し、前記建築部分が前記壁の場合には、前記壁の前記総長に、前記壁の厚さと階高を乗算して、前記基準階における前記梁または前記壁の前記体積を計算する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記建築部分を構成する前記建材の前記種類は、鉄筋と、セメントを含み、
前記建材使用量計算機能は、
前記建築部分の前記体積と、単位体積当たりの前記鉄筋の量から、前記鉄筋の重量を計算し、
前記建築部分の前記体積と、鉄筋コンクリートの比重から、前記鉄筋コンクリートの重量を計算し、前記鉄筋コンクリートの前記重量から前記鉄筋の重量を減算してコンクリートの重量を計算し、前記コンクリートの前記重量を前記コンクリートの比重で除算して前記コンクリートの体積を計算し、前記コンクリートの前記体積に調合時の単位セメント量を乗算して前記セメントの重量を計算する、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート造の建物の建築に要する建材の二酸化炭素排出量を計算するプログラムに関する。
続きを表示(約 4,500 文字)【背景技術】
【0002】
二酸化炭素の排出量を削減する等、環境へ配慮することが求められている。日本においては、排出される二酸化炭素の4割程度が建築に関連するといわれており、建築において、二酸化炭素の排出量を評価する必要性が高まっている。例えば、建物を新築する場合においては、使用される建材に関する二酸化炭素排出量を計算することが求められる。
【0003】
これに関し、特許文献1には、建物に用いられる建設資材に関する二酸化炭素の排出量推定システムが開示されている。この排出量推定システムでは、二酸化炭素の排出量を直接算出する品目として選定された直接算定品目について、建物の総重量に占める推定使用重量からカバー率を設定し、直接算定品目の使用数量を入力データとして、二酸化炭素排出量の原単位を乗ずることで、それぞれの二酸化炭素排出量を算出し、入力データがある直接算定品目の二酸化炭素排出量及びカバー率を積算して合計排出量及び合計カバー率を算出する。そして、合計カバー率に含まれない建物に用いられる建設資材の割合に基づいて合計排出量を補正することで、建物に用いられる建設資材の総二酸化炭素排出量を算出している。ここで、直接算定品目については、推定対象となる建物における使用数量を入力している。このような排出量推定システムでは、コンクリート、鉄筋、鉄骨などの主要品目の使用数量を、例えば建物全体の80%以上の重量がカバーされる程度に入力することで、補正係数による補正の効果により、建物全体の二酸化炭素排出量の予測精度を向上させている。
【0004】
特許文献1の構成においては、上記のように、主要品目の使用数量を、例えば建物全体の80%以上の重量がカバーされる程度に入力する必要がある。しかし、建物の設計図書を基に、建材の種類と使用量を把握することは、容易ではなく、非常に手間がかかる、専門性が高い作業である。したがって、特許文献1に開示されたシステムによって、建物の二酸化炭素排出量を計算するのは、容易ではない。
また、例えば既に施工が完了した後の建物に関して、建物を建築した際の二酸化炭素排出量を計算する必要に迫られた場合に、設計図書が現存していなければ、建物の二酸化炭素排出量を計算すること自体が不可能となる。
このように、建物の建築に要する建材の二酸化炭素排出量を、設計図書を用いずに簡便に計算することが、望まれている。特に、施工、運用されている数が多く、将来においても多くが施工される鉄筋コンクリート造の建物に対し、二酸化炭素排出量を計算することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-91900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、鉄筋コンクリート造の建物の建築に要する建材の二酸化炭素排出量を、設計図書を用いずに簡便に計算することができる、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のプログラムは、鉄筋コンクリート造の建物の建築に要する建材の二酸化炭素排出量を計算するプログラムであって、コンピュータに、前記建材が使用された建築部分が既定の色で着色された基準階平面図が画像として入力されると、当該画像内の前記既定の色の画素数を計算する、画素数計算機能と、前記既定の色の前記画素数を基に、基準階における前記建築部分の体積を計算する、建築部分体積計算機能と、前記建築部分の前記体積を基に、前記建材の種類ごとに、前記基準階における当該種類の前記建材の重量または体積を計算する、建材使用量計算機能と、前記建材の前記種類ごとに、当該種類の前記建材の前記重量または前記体積と、当該種類の前記建材の二酸化炭素排出原単位を乗算して、前記基準階における当該種類の前記建材の二酸化炭素排出量を計算し、前記建材の種類の各々の前記二酸化炭素排出量の総和を、前記基準階の二酸化炭素排出量として計算する、基準階二酸化炭素排出量計算機能と、前記基準階の前記二酸化炭素排出量を基に、前記建物の二酸化炭素排出量を計算する、建物二酸化炭素排出量計算機能と、を実現させることを特徴とする。
このような構成によれば、建材が使用された建築部分が既定の色で着色された基準階平面図が画像として入力されると、当該画像内の既定の色の画素数が計算され、この画素数を基に、基準階における建築部分の体積が計算される。そして、この建築部分の体積を基に、建材の種類ごとに、基準階における当該種類の建材の重量または体積が計算される。このようにして計算された、基準階における建材の重量または体積に対しては、建材の種類ごとに、二酸化炭素排出原単位が乗算されて、基準階における当該種類の建材の二酸化炭素排出量が計算される。更に、建材の種類の各々について、計算された二酸化炭素排出量の総和を計算して、基準階の二酸化炭素排出量とする。そして、基準階の二酸化炭素排出量を基に、建物の二酸化炭素排出量を計算する。
このように、建物の二酸化炭素排出量を計算する基となる、基準階における建築部分の体積は、建築部分が既定の色で着色された基準階平面図を基に計算される。すなわち、基準階平面図に着色してこれを画像としてプログラムに入力するのみで、建物の二酸化炭素排出量を計算することができる。このため、例えば設計図書を読む等の、煩雑で専門性を要するような作業を行う必要がない。
また、上記のように、設計図書を用いなくとも二酸化炭素排出量を計算することができるため、仮に設計図書が現存しないような場合であっても、二酸化炭素排出量を計算することが可能である。
このようにして、鉄筋コンクリート造の建物の建築に要する建材の二酸化炭素排出量を、設計図書を用いずに簡便に計算することができる、プログラムを提供することが可能となる。
【0008】
本発明の一態様においては、前記建築部分は、床または柱を含み、前記画素数計算機能は、前記床または前記柱に相当する部分が前記既定の色で着色された前記基準階平面図が画像として入力されると、当該画像内の前記既定の色の前記画素数を、前記床または前記柱に相当する前記部分の前記画素数として計算し、前記建築部分体積計算機能は、前記床または前記柱に相当する前記部分の前記画素数を基に、前記基準階における前記床または前記柱の総面積を計算し、前記建築部分が前記床の場合には、前記床の前記総面積に、前記床の厚さを乗算し、前記建築部分が前記柱の場合には、前記柱の前記総面積に、前記基準階の階高を乗算して、前記基準階における前記床または前記柱の前記体積を計算する。
このような構成によれば、建築部分の床または柱に相当する部分が既定の色で着色された基準階平面図が画像として入力された際には、当該画像内の既定の色の画素数を、床または柱に相当する部分の画素数として計算する。上記のように、基準階平面図においては、床または柱に相当する部分が既定の色で着色されているため、この床または柱に相当する部分の画素数から、基準階における床または柱の総面積を計算することができる。そして、床の場合には、計算された床の総面積に、床の厚さを乗算することで、及び柱の場合には、計算された柱の総面積に、基準階の階高を乗算することで、基準階における床または柱の体積を、設計図書を用いずに簡便に計算することができる。
【0009】
本発明の別の態様においては、前記建築部分は、梁または壁を含み、前記画素数計算機能は、前記梁または前記壁に相当する部分に沿って前記既定の色で線が引かれた前記基準階平面図が画像として入力されると、当該画像内の前記既定の色の前記画素数を、前記梁または前記壁に相当する前記部分の前記画素数として計算し、前記建築部分体積計算機能は、前記梁または前記壁に相当する前記部分の前記画素数を基に、前記基準階における前記梁または前記壁の総長を計算し、前記建築部分が前記梁の場合には、前記梁の前記総長に、前記梁の幅と梁せいを乗算し、前記建築部分が前記壁の場合には、前記壁の前記総長に、前記壁の厚さと階高を乗算して、前記基準階における前記梁または前記壁の前記体積を計算する。
このような構成によれば、建築部分の梁または壁に相当する部分に沿って既定の色で線が引かれた基準階平面図が画像として入力された際には、当該画像内の既定の色の画素数を、梁または壁に相当する部分の画素数として計算する。上記のように、基準階平面図においては、梁または壁に相当する部分に沿って既定の色で線が引かれているため、この梁または壁に相当する部分の画素数から、基準階における梁または壁の総長を計算することができる。そして、梁の場合には、計算された梁の総長に、梁の幅と梁せいを乗算することで、及び壁の場合には、計算された壁の総長に、壁の厚さと階高を乗算することで、基準階における梁または壁の体積を、設計図書を用いずに簡便に計算することができる。
【0010】
本発明の別の態様においては、前記建築部分を構成する前記建材の前記種類は、鉄筋と、セメントを含み、前記建材使用量計算機能は、前記建築部分の前記体積と、単位体積当たりの前記鉄筋の量から、前記鉄筋の重量を計算し、前記建築部分の前記体積と、鉄筋コンクリートの比重から、前記鉄筋コンクリートの重量を計算し、前記鉄筋コンクリートの前記重量から前記鉄筋の重量を減算してコンクリートの重量を計算し、前記コンクリートの前記重量を前記コンクリートの比重で除算して前記コンクリートの体積を計算し、前記コンクリートの前記体積に調合時の単位セメント量を乗算して前記セメントの重量を計算する。
このような構成によれば、建築部分の体積と、単位体積当たりの鉄筋の量から、鉄筋の重量を計算することができる。また、建築部分の体積と、鉄筋コンクリートの比重から、鉄筋コンクリートの重量を計算する。そして、鉄筋コンクリートの重量から鉄筋の重量を減算することによって、コンクリートの重量を計算し、コンクリートの重量をコンクリートの比重で除算してコンクリートの体積を計算する。このようにして計算されたコンクリートの体積に、コンクリートを調合した際の単位セメント量を乗算することで、セメントの重量を計算することができる。このようにして、建築部分を構成する建材に含まれる鉄筋と、セメントの重量を、設計図書を用いずに簡便に計算することができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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