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公開番号2024127214
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036213
出願日2023-03-09
発明の名称異種コンクリートの切替り特定装置
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E02D 5/34 20060101AFI20240912BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】異種コンクリートの切替りを精度よく特定することのできる、異種コンクリートの切替り特定装置を提供する。
【解決手段】所定の高さまで下方コンクリートC1を打設した後、下方コンクリートC1の上面Caよりも下方から異種の上方コンクリートC2を打設する際に、双方の切替りを特定する異種コンクリートの切替り特定装置100であり、ワイヤ41に接続されている錘体42と、ワイヤ41に作用する引き上げ力を計測するロードセル15と、回転しながらワイヤ41を巻き取るドラム22と、ドラム22を回転させる回転手段25と、ドラム22を移動させる移動手段37とを有し、錘体42が下方コンクリートC1から上方コンクリートC2へ引き上げられる前後のワイヤ41の引き上げ力の相違に基づいて切替りを特定し、回転手段25と移動手段37を同期制御して、ワイヤ41がドラム22の外周22aに隣り合うようにして巻き取られる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
所定の高さまで下方コンクリートを打設した後、該下方コンクリートの上面よりも下方から該下方コンクリートとは異種の上方コンクリートを打設する際に、該下方コンクリートと該上方コンクリートとの切替りを特定する、異種コンクリートの切替り特定装置であって、
ワイヤに接続されている、錘体と、
前記ワイヤに作用する引き上げ力を計測する、ロードセルと、
回転しながら前記ワイヤを巻き取る、円筒形のドラムと、
前記ドラムを回転させる、回転手段と、
前記ドラムの回転中心軸に平行な方向へ該ドラムを移動させる、移動手段とを有し、
前記錘体が前記下方コンクリートから前記上方コンクリートへ引き上げられる前後の前記ワイヤの前記引き上げ力の相違に基づいて、前記切替りを特定し、
前記回転手段と前記移動手段を同期制御して、前記ワイヤが前記ドラムの外周に隣り合うようにして巻き取られることを特徴とする、異種コンクリートの切替り特定装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
コントローラをさらに有し、
前記回転手段は、第1サーボモータであり、
前記移動手段は、第2サーボモータと、該第2サーボモータによって前記ドラムを移動させるボールネジ機構を備え、
前記コントローラは、
前記ドラムの外径データとワイヤ径を記憶し、
前記外径データと前記ワイヤ径とに基づいて、前記第1サーボモータと前記第2サーボモータの一方の回転速度を設定し、前記ワイヤが前記ドラムの外周に隣り合うようにして巻き取られるように他方の回転速度を設定し、
それぞれの回転速度に基づいて該第1サーボモータと該第2サーボモータを制御することを特徴とする、請求項1に記載の異種コンクリートの切替り特定装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記ドラムの外周に対して、前記ワイヤが隣り合うようにして巻き取られて第1ワイヤ層が形成された後、前記ボールネジ機構を反対方向に移動させて、該第1ワイヤ層の上に、前記ワイヤを巻き取りながら第2ワイヤ層を形成する制御を実行することを特徴とする、請求項2に記載の異種コンクリートの切替り特定装置。
【請求項4】
安定液で満たされた削孔内に鉄筋籠を建込み、該鉄筋籠の内部にトレミー管を挿入して、該削孔の下方からコンクリートが打設される場所打ちコンクリートの施工において、該削孔の所定の高さまで前記下方コンクリートを打設した後、該下方コンクリートの上面よりも下方から前記上方コンクリートを打設する際に、該下方コンクリートと該上方コンクリートとの切替りを特定する際に適用され、
前記鉄筋籠の所定位置に取り付けられて該鉄筋籠の側方のかぶり領域に張り出し、前記錘体を仮固定するための仮固定治具をさらに有し、
前記仮固定治具は、前記錘体の位置を規制する規制体と、該錘体の上方への移動を抑えて該規制体の内部に拘束する弾性体もしくは弾塑性体とを備え、
前記ワイヤが、前記弾性体もしくは前記弾塑性体から前記錘体が解放されて上方へ引き上げられる際の解放引き上げ力以上の引き上げ力にて引っ張られ、該錘体が上方へ引き上げられるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の異種コンクリートの切替り特定装置。
【請求項5】
前記規制体は筒体であり、
前記弾性体は、前記筒体の側方に取り付けられて該筒体の上方にその一部が張り出している複数の張り出し片であり、
前記複数の張り出し片の先端が、前記筒体の内部に収容されている前記錘体の上方に位置していることを特徴とする、請求項4に記載の異種コンクリートの切替り特定装置。
【請求項6】
前記筒体の下方には、該筒体に収容されている前記錘体の落下を防止する落下防止材が取り付けられていることを特徴とする、請求項5に記載の異種コンクリートの切替り特定装置。
【請求項7】
前記鉄筋籠のうち、前記仮固定治具よりも上方の複数箇所に取り付けられて前記かぶり領域に張り出し、前記ワイヤが挿通されて前記錘体の引き上げを案内するための案内治具をさらに有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の異種コンクリートの切替り特定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、異種コンクリートの切替り特定装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えば地中におけるコンクリート構造物は、深度に応じてコンクリート構造物に生じる応力が異なり、例えば場所打ちコンクリート杭においては、一般に杭頭部ほど地震時の応力が大きくなることに鑑み、杭頭部において必要となる曲げ耐力やせん断耐力を確保できるコンクリート強度と断面寸法にて場所打ちコンクリート杭の全体の設計及び施工が行われている。
そのため、杭頭部において必要とされる設計耐力は、杭頭部以外の領域において実際には必要ないことから、杭頭部以外の多くの領域は過大な設計耐力を有した状態で施工されることになる。このように、最大応力が生じる領域を基準にコンクリート構造物の全体を設計及び施工することにより、コンクリート構造物全体の過大設計に基づく施工に繋がり、施工コストが徒らに高騰することから好ましくない。
【0003】
そこで、特許文献1には、杭体底部、杭体中間部、及び杭体頭部に向かってコンクリート中のセメント量を増加させ、応力に応じて場所ごとにセメント量が変化している場所打ちコンクリート杭が提案されている。
また、この場所打ちコンクリート杭の施工方法は、コンクリート打設時におけるトレミー管の既打設コンクリート中への管入長さを2m内外に維持し、杭体底部と杭体中間部との境の部分、および杭体中間部と杭体頭部との境の部分のそれぞれ2mほど下部より、コンクリートの調合を変化させる施工方法である。
この2mの管入長さは、先行打設されたコンクリートの高さから、後行打設されるコンクリートの打設面が2m程度上昇した段階で、セメント量の異なる後行打設のコンクリートに完全に切り替わるとした、経験則に基づく長さである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-16787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の施工方法により施工される場所打ちコンクリート杭によれば、深度に応じた耐力を有し、過大設計に基づく施工が解消された場所打ちコンクリート杭となる。
しかしながら、その施工管理において経験則から2mの管入長さを設定しているものの、場所打ちコンクリート杭の杭径やコンクリートの仕様等に応じて、下方コンクリートと上方コンクリートが完全に切替るタイミング(高さ)は様々に変化し得ることに鑑みると、経験則に基づく2mの管入長さを前提とした異種コンクリートの打設方法は、あらゆる場所打ちコンクリート杭等のコンクリート構造物に対して汎用的に適用できるとは言い難い。
従って、実際には、下方コンクリートから上方コンクリートへの切替りの高さを正確に特定するべく、原位置においてフレッシュコンクリートを採取して切替り位置を特定する方法や、コンクリートが硬化した後にコアボーリングを行ってコアを採取し、コアに対して圧縮試験を行うことで切替り位置を特定する方法などが必要となるが、このような試験には手間と時間を要する。
より具体的には、フレッシュコンクリートの採取により異種コンクリートの切替りを特定する方法では、複数深度での実際の試料採取が困難かつ煩雑であることに加えて、例えば削孔内を満たす安定液がフレッシュコンクリートに混入されることで、水セメント比等が変化し、下方コンクリートや上方コンクリートの配合推定ができなくなる恐れがある。
一方、コアを採取して圧縮試験を実施し、異種コンクリートの切替りを特定する方法では、コンクリート構造物そのものを痛めるとともにその補修が必要になる。
【0006】
本発明は、異種コンクリートを高さ方向に連続して打設する際に、異種コンクリートの切替りを精度よく特定することのできる、異種コンクリートの切替り特定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、本発明による異種コンクリートの切替り特定装置の一態様は、
所定の高さまで下方コンクリートを打設した後、該下方コンクリートの上面よりも下方から該下方コンクリートとは異種の上方コンクリートを打設する際に、該下方コンクリートと該上方コンクリートとの切替りを特定する、異種コンクリートの切替り特定装置であって、
ワイヤに接続されている、錘体と、
前記ワイヤに作用する引き上げ力を計測する、ロードセルと、
回転しながら前記ワイヤを巻き取る、円筒形のドラムと、
前記ドラムを回転させる、回転手段と、
前記ドラムの回転中心軸に平行な方向へ該ドラムを移動させる、移動手段とを有し、
前記錘体が前記下方コンクリートから前記上方コンクリートへ引き上げられる前後の前記ワイヤの前記引き上げ力の相違に基づいて、前記切替りを特定し、
前記回転手段と前記移動手段を同期制御して、前記ワイヤが前記ドラムの外周に隣り合うようにして巻き取られることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、下方コンクリートから上方コンクリートへ引き上げられる錘体に接続されるワイヤを回転手段にて巻き取るドラムを、ドラムの回転中心軸に平行な方向へ移動手段にて移動させながらワイヤを巻き取る構成において、回転手段と移動手段を同期制御してワイヤがドラムの外周に隣り合うようにして巻き取られることにより、引き上げられる錘体の位置(深度)を精度よく特定することができ、巻き取られるワイヤが相互に絡み合って引き上げ速度がばらつくことなく、所望の引き上げ速度にて安定的にワイヤを巻き取ることができる。
さらに、ワイヤに作用する引き上げ力をロードセル(荷重計)にて常時計測しておき、下方コンクリートから上方コンクリートへ引き上げられる前後のワイヤの引き上げ力の相違に基づいて切替りを特定することにより、錘体の位置の高精度な特定と相俟って、切替り位置を高い精度でリアルタイムに特定することが可能になり、切替り位置に関する定量的なエビデンスを取得することが可能になる。すなわち、特定される「切替り」とは、定性的な文字通りの切替りの他に、定量的な切替り位置や切替り深度のことを意味している。
例えば、適用する異種コンクリートのそれぞれのコンクリート内における錘体の引き上げ速度と引き上げられる際のワイヤの引き上げ力との関係を予め特定しておくことで、所定の引き上げ速度の際のワイヤの引き上げ力が変化した際に、下方コンクリートから上方コンクリートへの切替りを特定することが可能になる。
【0009】
ここで、「異種コンクリート」とは、相互にFc(設計基準強度)の異なるコンクリートで、例えば、Fc36超の高強度コンクリートとFc36以下の普通コンクリート、普通コンクリートの中でも設計基準強度が相互に異なるコンクリート、混和剤等の添加量の相違や添加の有無、粗骨材量や細骨材量、水セメント比等の相違により、性能や強度が様々に異なる、普通コンクリートと流動化コンクリート(高流動コンクリートを含む)、マスコンクリート、水密コンクリートといった様々な異種コンクリートの組合せが含まれる。
【0010】
また、本態様の切替り特定装置が適用される異種コンクリートにより形成されるコンクリート構造物としては、場所打ちコンクリート杭や地中連続壁(連壁)等の地下構造物が主として挙げられるが、例えば複数階に跨がる通し柱の各階ごとに異種コンクリートが適用される地上構造物等であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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