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公開番号
2024122150
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-09
出願番号
2023029529
出願日
2023-02-28
発明の名称
情動判定システム及び情動判定プログラム
出願人
株式会社コルラボ
,
大成建設株式会社
,
株式会社カネカ
代理人
個人
,
個人
主分類
A61B
5/16 20060101AFI20240902BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】本発明は、従来に比べて判定対象者の情動状態を精度良く判定できる情動判定装置及び情動判定プログラムを提供する。
【解決手段】判定対象者の生体情報を取得する生体情報取得部と、生体情報から第1自律神経関連指標及び第2自律神経関連指標を算出する指標算出部と、判定期間が経過するごとに、判定期間内において下記の(1)及び(2)の条件を満たす回数を算出し、算出時刻における回数の変化の割合を算出する情動判定部を有し、第1自律神経関連指標は、心拍間隔の平均値、脈拍間隔の平均値、脈拍間隔の中央値、又は自律神経指標であり、第2自律神経関連指標は、第1自律神経関連指標とは異なる指標で、かつ自律神経指標であり、情動判定部は、回数の変化の割合が評価閾値超過であると所定の情動状態であると判定する。
(1)第1自律神経関連指標が第1選別範囲に収まる。
(2)第2自律神経関連指標が第2選別範囲に収まる。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
判定対象者が所定の情動状態であるかを判定する情動判定システムであって、
前記判定対象者の一又は複数の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部で取得した前記生体情報から少なくとも第1自律神経関連指標及び第2自律神経関連指標を算出する指標算出部と、
判定期間が経過するごとに、前記判定期間内において下記の(1)及び(2)の条件を満たす回数を算出し、算出時刻における前記回数の変化の割合を算出する情動判定部を有し、
前記第1自律神経関連指標は、所定の期間における心拍間隔の平均値、前記心拍間隔の中央値、脈拍間隔の平均値、脈拍間隔の中央値、又は自律神経指標であり、
前記第2自律神経関連指標は、前記第1自律神経関連指標とは異なる指標であって、かつ自律神経指標であり、
前記情動判定部は、前記回数の変化の割合が評価閾値超過であることを条件として前記所定の情動状態であると判定する、情動判定システム。
(1)前記第1自律神経関連指標が前記所定の情動状態に対応した一又は複数の第1選別範囲に収まる。
(2)前記第2自律神経関連指標が前記所定の情動状態に対応した一又は複数の第2選別範囲に収まる。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記回数の変化の割合は、時間に対する前記回数の累積関数を求めて前記所定の期間ごとに前記回数の累積関数の微分値を算出し、前記判定期間内における前記微分値を累計することで算出する、請求項1に記載の情動判定システム。
【請求項3】
前記回数の変化の割合は、時間に対する前記回数の累積関数において、前記算出時刻における前記回数の累積関数の微分値である、請求項1に記載の情動判定システム。
【請求項4】
前記情動判定部は、前記回数の変化の割合が2回以上連続して前記評価閾値超過であることを条件として前記所定の情動状態であると判定する、請求項2又は3に記載の情動判定システム。
【請求項5】
時間に対する前記回数の累積関数の微分値又は前記回数の累積関数の累積値が報知閾値以上であることを条件として、前記所定の情動状態であること及び/又は前記所定の情動状態に付随する状態であることを前記判定対象者に報知する報知部を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の情動判定システム。
【請求項6】
前記所定の情動状態は、疲労、眠気、リフレッシュ、緊張、及び集中のいずれかである、請求項1~3のいずれか1項に記載の情動判定システム。
【請求項7】
前記第1自律神経関連指標は、前記心拍間隔又は前記脈拍間隔の平均値であり、
前記第2自律神経関連指標は、前記心拍間隔又は前記脈拍間隔の変動を周波数解析して得られるパワースペクトルにおける前記所定の期間での低周波帯域の積分値である、請求項1~3のいずれか1項に記載の情動判定システム。
【請求項8】
前記低周波帯域は、0.05Hz以上0.15Hz以下の範囲である、請求項7に記載の情動判定システム。
【請求項9】
前記指標算出部は、前記生体情報から前記第1自律神経関連指標及び前記第2自律神経関連指標に加えて、さらに副交感神経指標及び呼吸性洞性不整脈を算出するものであり、
前記情動判定部は、前記判定期間が経過するごとに、前記判定期間内において下記(3)~(5)の条件を全て満たす回数を算出し、算出時刻における前記回数の変化の割合を算出し、さらに前記回数の変化の割合が前記評価閾値超過であることを条件に前記所定の情動状態であると判定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情動判定システム。
(3)前記第1自律神経関連指標が前記第1選別範囲に収まる。
(4)前記第2自律神経関連指標が前記第2選別範囲に収まる。
(5)前記呼吸性洞性不整脈が第3選別範囲に収まる、又は前記副交感神経指標が第4選別範囲に収まる。
【請求項10】
前記判定期間は、10分以上60分以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の情動判定システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定対象者の情動状態を判定する情動判定システム及び情動判定プログラムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から労働環境を改善するために、労働者の疲労度を評価する疲労度評価システムが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の疲労度評価システムは、勤務者の勤務データの入力部と、勤務データに基づいて勤務者を評価対象として疲労度の評価を行う疲労度評価演算処理部と、評価結果を出力する出力部とを備えている。そして、特許文献1によれば、複数の勤務時間帯の種別を規定したシフトパターンデータと、勤務者の勤務開始時刻と勤務終了時刻を含む勤務データに基づいて、勤務間隔における疲労回復を考慮して実際の疲労度を演算できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-95557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の疲労度評価システムは、労働者のシフトパターンデータと勤務データから疲労度を推定するものであり、実際の労働者の生体情報を取得するものではない。
労働者の疲労度は、勤務時間外での影響も大きく受けるため、特許文献1の疲労度評価システムでは、労働者の実態に合わせた疲労度を正確に評価することができない問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、従来に比べて判定対象者の情動状態を精度良く判定できる情動判定システム及び情動判定プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、多数の判定対象者に対して疲労に関するアンケートを行い、判定対象者の中で強い疲労状態であると回答した判定対象者と、その心拍変動から算出した自律神経に関連する指標の関係について検討したところ、2つの異なる自律神経に関連する指標をX軸、Y軸とする自律神経テーブルを作成すると、多少ノイズが発生するものの、概ね自律神経テーブルの特定のエリアに集中してプロットされる傾向があることを発見した。
そこで、本発明者らは、疲労、眠気、リフレッシュ、集中、緊張、及びリラックスといった他の情動状態についても検討したところ、同様に自律神経テーブルの特定のエリアに集中してプロットされる傾向があった。
これらの結果から、本発明者らは、各情動状態の自律神経に関連する指標が自律神経テーブルの特定エリアにそれぞれ帰属すると考え、自律神経テーブルにおける特定のエリアに属する回数の変化をとらえることで、ノイズを踏まえた判定対象者の情動状態の変化をとらえ、現在の情動状態を正確に判定できると考えた。
【0007】
上記の考えのもと導き出された本発明の一つの様相は、判定対象者が所定の情動状態であるかを判定する情動判定システムであって、前記判定対象者の一又は複数の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部で取得した前記生体情報から少なくとも第1自律神経関連指標及び第2自律神経関連指標を算出する指標算出部と、判定期間が経過するごとに、前記判定期間内において下記の(1)及び(2)の条件を満たす回数を算出し、算出時刻における前記回数の変化の割合を算出する情動判定部を有し、前記第1自律神経関連指標は、所定の期間における心拍間隔の平均値、前記心拍間隔の中央値、脈拍間隔の平均値、脈拍間隔の中央値、又は自律神経指標であり、前記第2自律神経関連指標は、前記第1自律神経関連指標とは異なる指標であって、かつ自律神経指標であり、前記情動判定部は、前記回数の変化の割合が評価閾値超過であることを条件として前記所定の情動状態であると判定する、情動判定システムである。
(1)前記第1自律神経関連指標が前記所定の情動状態に対応した一又は複数の第1選別範囲に収まる。
(2)前記第2自律神経関連指標が前記所定の情動状態に対応した一又は複数の第2選別範囲に収まる。
【0008】
本様相によれば、判定対象者の情動状態を精度良く判定できる。
【0009】
好ましい様相は、前記回数の変化の割合は、時間に対する前記回数の累積関数を求めて前記所定の期間ごとに前記回数の累積関数の微分値を算出し、前記判定期間内における前記微分値を累計することで算出することである。
【0010】
好ましい様相は、前記回数の変化の割合は、時間に対する前記回数の累積関数を求め、前記算出時刻における前記回数の累積関数の微分値である。
(【0011】以降は省略されています)
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