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公開番号2024109516
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-14
出願番号2023205804
出願日2023-12-06
発明の名称災害時現地調査支援システム及び災害時現地調査支援方法
出願人大成建設株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類G06Q 50/26 20240101AFI20240806BHJP(計算;計数)
要約【課題】災害時に、構造物の重要度を考慮しつつ、複数の構造物の現地調査を効率的に行う。
【解決手段】災害時現地調査支援システム1は、災害が生じた地域の構造物の現地調査を支援する災害時現地調査支援システム1であって、複数の構造物の各々の、被害の程度を推定する被害程度推定手段35と、複数の構造物の各々に対し、その構造物の重要度と、その構造物に対して推定された被害の程度と、を基に、現地調査優先度を計算する、現地調査優先度計算手段37と、複数の構造物の中の、現地調査優先度が高い構造物から順に、調査要員を割り当てて構造物へ移動させ、調査させる、現地調査指示手段38と、を備え、構造物の重要度は、構造物の用途に応じた係数である用途係数と、構造物を所有する顧客の重要性または顧客が所有する構造物の延べ床面積に応じた顧客係数と、を基に設定されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
災害が生じた地域の構造物の現地調査を支援する災害時現地調査支援システムであって、
複数の前記構造物の各々の、被害の程度を推定する被害程度推定手段と、
複数の前記構造物の各々に対し、当該構造物の重要度と、当該構造物に対して推定された前記被害の程度と、を基に、現地調査優先度を計算する、現地調査優先度計算手段と、
複数の前記構造物の中の、前記現地調査優先度が高い前記構造物から順に、調査要員を割り当てて前記構造物へ移動させ、調査させる、現地調査指示手段と、
を備え、
前記構造物の前記重要度は、前記構造物の用途に応じた係数である用途係数と、前記構造物を所有する顧客の重要性または前記顧客が所有する前記構造物の延べ床面積に応じた顧客係数と、を基に設定されている
ことを特徴とする災害時現地調査支援システム。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記現地調査指示手段は、
前記地域の交通網が機能していない場合には、複数の前記構造物の中の、前記現地調査優先度が高い前記構造物から順に、複数の前記調査要員の中から、現在位置と当該構造物との距離が距離閾値以下の前記調査要員を抽出することで、当該構造物の調査を担当する前記調査要員を割り当てて決定し、当該調査要員に対して当該構造物へ移動し調査するように指示を出し、
前記地域の交通網が機能している場合には、複数の前記構造物の中の、前記現地調査優先度が高い前記構造物から順に、複数の前記調査要員の中から、現在位置から当該構造物への移動時間が最短となる前記調査要員を抽出することで、当該構造物の調査を担当する前記調査要員を割り当てて決定し、当該調査要員に対して当該構造物へ移動し調査するように指示を出す
ことを特徴する、請求項1に記載の災害時現地調査支援システム。
【請求項3】
災害が生じた地域の構造物の復旧作業を支援する災害時現地調査支援方法であって、
複数の前記構造物の各々の、被害の程度を推定する工程と、
複数の前記構造物の各々に対し、当該構造物の重要度と、当該構造物に対して推定された前記被害の程度と、を基に、現地調査優先度を計算する工程と、
複数の前記構造物の中の、前記現地調査優先度が高い前記構造物から順に、調査要員を割り当てて前記構造物へ移動させ、調査させる工程と、
を備え、
前記構造物の前記重要度は、前記構造物の用途に応じた係数である用途係数と、前記構造物を所有する顧客の重要性または前記顧客が所有する前記構造物の延べ床面積に応じた顧客係数と、を基に設定されている
ことを特徴とする災害時現地調査支援方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、災害が生じた地域の構造物の現地調査を支援する災害時現地調査支援システム、及び災害時現地調査支援方法に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
災害が発生した際に、所有、あるいは管理する構造物が、どの程度の被害を被ったか、現地調査する必要がある。対象となる構造物が複数ある場合には、複数の調査要員が分担して、各構造物を調査するのが望ましい。
これに関し、特許文献1には、地震発生時の被災地域内外の対応要員による震災対応行動を支援するために用いられる震災対応支援システムの構成が開示されている。この構成では、地震発生直後の被災地域の地震動強さ分布情報を取得し、取得した地震動強さ分布情報と、予め登録された個々の建物の属性情報に基づいて、個々の建物の被害可能性を推定し、位置の近い建物同士がまとまるよう被災地域を複数の領域に分割し、分割した領域毎に、被害可能性別に建物の数を集計し、領域毎に集計した建物の総計と被害可能性別の小計を所定のグラフで背景地図上の対応する領域に表示する。
例えば災害時に、特許文献1に記載されたような震災対応支援システムを用いて、調査要員の各々が、自身で、調査する対象となる構造物を決定することが考えられる。
しかし、この場合においては、複数の調査担当者が個別に、重要な顧客に関する構造物を最優先に調査する必要があると考え、結果として、一部の構造物に、複数の調査担当者が集結してしまう可能性がある。あるいは、例えば複数の構造物の中に、病院等の医療施設や、発電所等のインフラに関わるような、用途が重要である構造物が含まれている場合、このような構造物に複数の調査担当者が集結することも考えられる。このような場合には、複数の構造物の現地調査が、全体として効率的に行われず、一部の構造物に対しては調査が不当に遅れることとなり、結果として、調査が遅れた構造物に重大な被害がある場合に、その発見が遅れてしまう可能性がある。
【0003】
また、特許文献2には、現在位置を緯度経度情報として検出する検出手段を有する携帯端末から、検出された緯度経度情報と、その現在位置での被災状況を表す被災情報とを受信し、受信した緯度経度情報で特定された地点を地図上に表示した被災状況提示画面を作成し、特定された地点に受信した被災情報を関係付けて登録し、作成した被災状況提示画面を配信する構成が記載されている。
特に特許文献2には、地震等の災害が発生した場合には、被災状況の調査担当者が携帯端末を所持して各所へ出向き、建物や構造物の被災状況をカメラ部で撮影し、また、被災情報を入力して、被災状況報告メールを送信することが、記載されている。
特許文献2の構成においても、どの構造物を調査するかは、各調査担当者が独自に決定することになる。このため、特許文献1の場合と同様に、複数の構造物の現地調査を、全体として効率的に行うことが難しい。
【0004】
これに対し、特許文献3には、登録されている物件ごとに、物件の被害調査の進捗管理情報として、第1の進捗度を示す情報、第2の進捗度を示す情報および第3の進捗度を示す情報の何れかを記憶管理し、携帯端末装置における所定操作により、記憶管理している進捗度を示す情報を、第1の進捗度から第2の進捗度、第2の進捗度から第3の進捗度に変更し、携帯端末装置において、地図上で、登録されている物件の所在地情報に対応した位置に、物件の進捗管理情報毎に異なる表示形態の進捗マークを表示する構成が開示されている。このような構成において、表示する進捗マークは、物件の被害調査の進捗管理情報が第1の進捗度である場合は、「未対応」である旨を示すマークであり、物件の被害調査の進捗管理情報が第2の進捗度である場合は、「移動中」である旨を示すマークであり、物件の被害調査の進捗管理情報が第3の進捗度である場合は、「調査中」である旨を示すマークである。つまり、特許文献3においては、担当者の携帯端末装置の表示画面に、自身の現在位置を中心とした防災マップを表示し、その中に複数の物件を進捗マークにより表示する構成となっている。これを基に、担当者は、携帯端末装置の表示画面に表示されている物件のうち、「未対応」の物件を表示している進捗マークを確認し、担当者の現在位置から距離が近い物件や、すぐに行ける物件の調査を行う。
しかし、特許文献3の構成においても、どの構造物を調査するかは、基本的には各担当者が自身で決定するため、仮に、災害が発生した際に、重要な顧客に関する構造物や、用途が重要である構造物を、どの担当者も調査しないという状況も生じ得る。
したがって、災害時に、顧客の重要性を考慮しつつ、複数の構造物の現地調査を効率的に行うことが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-91113号公報
特開2004-240827号公報
特開2019-179366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、災害時に、構造物の重要度を考慮しつつ、複数の構造物の現地調査を効率的に行うことができる、災害時現地調査支援システム及び災害時現地調査支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の災害時現地調査支援システムは、災害が生じた地域の構造物の現地調査を支援する災害時現地調査支援システムであって、複数の前記構造物の各々の、被害の程度を推定する被害程度推定手段と、複数の前記構造物の各々に対し、当該構造物の重要度と、当該構造物に対して推定された前記被害の程度と、を基に、現地調査優先度を計算する、現地調査優先度計算手段と、複数の前記構造物の中の、前記現地調査優先度が高い前記構造物から順に、調査要員を割り当てて前記構造物へ移動させ、調査させる、現地調査指示手段と、を備え、前記構造物の前記重要度は、前記構造物の用途に応じた係数である用途係数と、前記構造物を所有する顧客の重要性または前記顧客が所有する前記構造物の延べ床面積に応じた顧客係数と、を基に設定されていることを特徴とする。
上記のような構成によれば、災害が生じた際には、複数の構造物に対して、調査要員の割り当てが決定され、調査要員はこの割り当てに従って現地調査を行う。すなわち、調査する対象となる構造物を、調査要員ごとに独自で判断するのではなく、構造物に対する調査要員の割り当てが決定されるため、例えば一部の構造物に対して複数の調査要員が集結し、他の構造物の調査が後回しにされることが抑制される。
また、上記の構成においては、複数の構造物の各々に対し、当該構造物の重要度と、当該構造物に対して推定された被害の程度と、を基に、現地調査優先度が計算され、この現地調査優先度が高い構造物から順に、調査要員の割り当てが決定される。ここで、構造物の重要度は、構造物の用途に応じた係数である用途係数と、構造物を所有する顧客の重要性または顧客が所有する構造物の延べ床面積に応じた顧客係数と、を基に設定されている。換言すれば、現地調査優先度には、用途や顧客に関する性質が反映される構成となっているため、重要な顧客や用途に関する構造物であれば、優先的に、調査要員が割り当てられる。したがって、他の構造物に調査要員が割り当てられた結果として、重要な顧客や用途に関する構造物に調査要員が割り当てられない、という状況の発生が抑制される。
このようにして、災害時に、顧客の重要性を考慮しつつ、複数の構造物の現地調査を効率的に行うことが可能となる。
【0008】
本発明の一態様においては、前記現地調査指示手段は、前記地域の交通網が機能していない場合には、複数の前記構造物の中の、前記現地調査優先度が高い前記構造物から順に、複数の前記調査要員の中から、現在位置と当該構造物との距離が距離閾値以下の前記調査要員を抽出することで、当該構造物の調査を担当する前記調査要員を割り当てて決定し、当該調査要員に対して当該構造物へ移動し調査するように指示を出し、前記地域の交通網が機能している場合には、複数の前記構造物の中の、前記現地調査優先度が高い前記構造物から順に、複数の前記調査要員の中から、現在位置から当該構造物への移動時間が最短となる前記調査要員を抽出することで、当該構造物の調査を担当する前記調査要員を割り当てて決定し、当該調査要員に対して当該構造物へ移動し調査するように指示を出す。
このような構成によれば、現地調査優先度が高い構造物から順に、調査要員の割り当てを行う際、災害が生じた地域の交通網が機能していない場合には、現在位置と構造物との距離が距離閾値以下の調査要員を、その構造物の調査を担当する調査要員として割り当てる。また、その地域の交通網が機能している場合には、現在位置から構造物への移動時間が最短となる調査要員を、その構造物の調査を担当する調査要員として割り当てる。したがって、災害が生じた地域の交通網が機能している場合、機能していない場合のいずれであっても、速やかに構造物へ移動して現地調査を行うことができる調査要員を、適切に割り当てることができる。
【0009】
本発明の一態様においては、本発明の災害時現地調査支援方法は、災害が生じた地域の構造物の復旧作業を支援する災害時現地調査支援方法であって、複数の前記構造物の各々の、被害の程度を推定する工程と、複数の前記構造物の各々に対し、当該構造物の重要度と、当該構造物に対して推定された前記被害の程度と、を基に、現地調査優先度を計算する工程と、複数の前記構造物の中の、前記現地調査優先度が高い前記構造物から順に、調査要員を割り当てて前記構造物へ移動させ、調査させる工程と、を備え、前記構造物の前記重要度は、前記構造物の用途に応じた係数である用途係数と、前記構造物を所有する顧客の重要性または前記顧客が所有する前記構造物の延べ床面積に応じた顧客係数と、を基に設定されている。
上記のような構成によれば、災害が生じた際には、複数の構造物に対して、調査要員の割り当てが決定され、調査要員はこの割り当てに従って現地調査を行う。すなわち、調査する対象となる構造物を、調査要員ごとに独自で判断するのではなく、構造物に対する調査要員の割り当てが決定されるため、例えば一部の構造物に対して複数の調査要員が集結し、他の構造物の調査が後回しにされることが抑制される。
また、上記の構成においては、複数の構造物の各々に対し、当該構造物の重要度と、当該構造物に対して推定された被害の程度と、を基に、現地調査優先度が計算され、この現地調査優先度が高い構造物から順に、調査要員の割り当てが決定される。ここで、構造物の重要度は、構造物の用途に応じた係数である用途係数と、構造物を所有する顧客の重要性または顧客が所有する構造物の延べ床面積に応じた顧客係数と、を基に設定されている。換言すれば、現地調査優先度には、用途や顧客に関する性質が反映される構成となっているため、重要な顧客や用途に関する構造物であれば、優先的に、調査要員が割り当てられる。したがって、他の構造物に調査要員が割り当てられた結果として、重要な顧客や用途に関する構造物に調査要員が割り当てられない、という状況の発生が抑制される。
このようにして、災害時に、顧客の重要性を考慮しつつ、複数の構造物の現地調査を効率的に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、災害時に、構造物の重要度を考慮しつつ、複数の構造物の現地調査を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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