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公開番号2024045821
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022150830
出願日2022-09-22
発明の名称木質制振壁
出願人大成建設株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類E04H 9/02 20060101AFI20240327BHJP(建築物)
要約【課題】木質パネルに粘弾性ダンパーを組み合わせて設けつつも、木質パネルの取付部材の、木質パネルへのめり込みを抑制する。
【解決手段】木質制振壁10Aは、木質パネル40Aと粘弾性ダンパー50Aが組み合わされた木質制振壁10Aであって、上方の梁3Aに固定される上側取付鋼材20Aと、下方の梁3Bに固定される下側取付鋼材30Aと、壁面を形成する木質パネル40Aと、互いに離間して設けられた第1鋼板51及び第2鋼板52と、第1鋼板51と第2鋼板52の間に設けられた粘弾性体53と、を備える粘弾性ダンパー50Aと、を備え、第1鋼板51は、木質パネル40Aの表裏面41fに対して固定され、第2鋼板52は、上側取付鋼材20Aに接合され、下側取付鋼材30Aは、木質パネル40Aの表裏面41fに対して固定されている。
【選択図】図1



特許請求の範囲【請求項1】
木質パネルと粘弾性ダンパーが組み合わされた木質制振壁であって、
上方の梁に固定される上側取付鋼材と、
下方の梁または基礎に固定される下側取付鋼材と、
壁面を形成する前記木質パネルと、
互いに離間して設けられた第1鋼板及び第2鋼板と、前記第1鋼板と前記第2鋼板の間に設けられた粘弾性体と、を備える前記粘弾性ダンパーと、を備え、
前記第1鋼板は、前記木質パネルの表裏面に対して固定され、
前記第2鋼板は、前記上側取付鋼材と前記下側取付鋼材のいずれか一方に接合され、
前記上側取付鋼材と前記下側取付鋼材の他方は、前記木質パネルの前記表裏面に対して固定されている
ことを特徴とする木質制振壁。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記上側取付鋼材と前記下側取付鋼材の前記一方に対して、前記粘弾性ダンパーを挟んで設けられる鉛直鋼板を備え、前記第1鋼板は、前記鉛直鋼板に接合され、
前記鉛直鋼板の表面と、前記木質パネルの前記表裏面は構造用接着剤により接合されていることを特徴とする請求項1に記載の木質制振壁。
【請求項3】
前記上側取付鋼材と前記下側取付鋼材の前記一方は、前記木質パネルに向けて鉛直面内で延伸する第1鉛直鋼板部を備え、前記第1鉛直鋼板部と前記木質パネルの間に前記粘弾性ダンパーが設けられ、前記第1鉛直鋼板部の表面と、前記第2鋼板が接合され、前記第1鋼板は、前記木質パネルの前記表裏面に構造用接着剤により接合されていることを特徴とする請求項1に記載の木質制振壁。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、木質パネルと粘弾性ダンパーが組み合わされた木質制振壁に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
粘弾性ダンパーを用い、建物の制振性能を高めることが行われている。粘弾性ダンパーは、風や地震による建物の揺れに対し、制振性能を発揮する。
例えば特許文献1には、構造物の骨組みの一方の部位に取り付けられて軸力が作用する内側部材と、骨組みの他方の部位に取り付けられて軸力が作用する外側部材と、これら内側部材及び外側部材の間に介装された粘弾性体とを備えた制震ダンパーが開示されている。
また、特許文献2には、複数枚の鋼板と、各鋼板間に接着される粘弾性体とからなり、鋼板の一端が建物のフレーム側の連結部材に連結される制震ダンパーが開示されている。
特許文献1、2に開示されたような構成においては、ブレース等として用いられる部材の内部に、粘弾性ダンパーが設けられた構成となっている。このような部材は、線状に細長く延びるような形状となっているため、この内部に粘弾性ダンパーを構築しようとしても、多くの量の粘弾性体を設けることができない。したがって、制振性能を向上させようとしたとしても、限界がある。
【0003】
これに対し、特許文献3には、建物の上階の梁と下階の基礎又は梁との間に設置され、木質パネルと、摩擦ダンパーである第1のダンパーと、粘弾性ダンパー、粘性ダンパー、又はオイルダンパーである第2のダンパーと、を備え、第1のダンパーと第2のダンパーとは、直列に接続されている構成が開示されている。
特許文献3に開示されたような構成では、壁に粘弾性ダンパーが設けられている。このような構成においては、粘弾性ダンパーを設ける対象の形状が線状ではなく平面状となっているため、特許文献1、2の構成よりも、粘弾性体の量を増やして、制振性能を向上させることができる可能性がある。
しかし、特許文献3のように、木質パネルを用いる構成においては、特に、木質パネルを取り付けるためのボルト等の取付部材と、木質パネルとの間に応力が集中し、取付部材が木質パネルにめり込むことがある。取付部材が木質パネルにめり込むと、接合部分の剛性が低下してしまう。したがって、木質パネルに粘弾性ダンパーを組み合わせて設けたとしても、粘弾性ダンパーの性能を有効に発揮できないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4950913号公報
特開2016-56605号公報
特開2020-165231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、木質パネルに粘弾性ダンパーを組み合わせて設けつつも、木質パネルの取付部材の、木質パネルへのめり込みを抑制することができる、木質制振壁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、粘弾性ダンパーを有する木質制振壁として、木質パネルと粘弾性ダンパーを高力ボルトによる摩擦接合ではなく、構造用接着剤を用いて接着接合させることで、木質パネルのめり込みを抑制しつつ、粘弾性ダンパーに作用する応力を広範囲に分散できる点に着目して、本発明に至った。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の木質制振壁は、木質パネルと粘弾性ダンパーが組み合わされた木質制振壁であって、上方の梁に固定される上側取付鋼材と、下方の梁または基礎に固定される下側取付鋼材と、壁面を形成する前記木質パネルと、互いに離間して設けられた第1鋼板及び第2鋼板と、前記第1鋼板と前記第2鋼板の間に設けられた粘弾性体と、を備える前記粘弾性ダンパーと、を備え、前記第1鋼板は、前記木質パネルの表裏面に対して固定され、前記第2鋼板は、前記上側取付鋼材と前記下側取付鋼材のいずれか一方に接合され、前記上側取付鋼材と前記下側取付鋼材の他方は、前記木質パネルの前記表裏面に対して固定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、粘弾性ダンパーを構成する第1鋼板が、木質パネルの表裏面に対して固定され、第2鋼板が上側取付鋼材と下側取付鋼材のいずれか一方に接合されるようにして、粘弾性ダンパーが設けられている。粘弾性ダンパーの固定される対象が、木質パネルの広い表裏面となっているため、粘弾性ダンパーと木質パネルとの間の、または粘弾性ダンパーと木質パネルの間に介在する部材と木質パネルとの間の接合において、接合面を平面状としつつ、接合面積を大きくして、上側取付鋼材と下側取付鋼材のいずれか一方から木質パネルへと作用する応力を、広範囲に分散させることができる。
また、上側取付鋼材と下側取付鋼材の他方は、木質パネルの表裏面に対して固定されている。上側取付鋼材と下側取付鋼材の他方の固定される対象が、木質パネルの広い表裏面となっているため、上側取付鋼材と下側取付鋼材の他方と木質パネルとの間の、または上側取付鋼材と下側取付鋼材の他方と木質パネルの間に介在する部材と木質パネルとの間の接合において、接合面を平面状としつつ、接合面積を大きくして、上側取付鋼材と下側取付鋼材の他方から木質パネルへと作用する応力を、広範囲に分散させることができる。
このように、木質パネルへと作用する応力を、広範囲に分散させることで、木質パネルに対して局所的に応力が作用することが抑制され、木質パネルに粘弾性ダンパーを組み合わせて設けつつも、木質パネルの取付部材の、木質パネルへのめり込みを抑制する構成を、実現することができる。
【0007】
本発明の一態様においては、本発明の木質制振壁は、前記上側取付鋼材と前記下側取付鋼材の前記一方に対して、前記粘弾性ダンパーを挟んで設けられる鉛直鋼板を備え、前記第1鋼板は、前記鉛直鋼板に接合され、前記鉛直鋼板の表面と、前記木質パネルの前記表裏面は構造用接着剤により接合されている。
例えば、何らかの部材を木質パネルに接合するに際し、ボルトや釘などの鋼製の接合具を用いると、木質パネルのボルトや釘などが設けられた部分の周辺に応力が集中し、これにより、部材が木質パネルにめり込むことが考えられる。
これに対し、上記のような構成によれば、粘弾性ダンパーを構成する第1鋼板に接合された、鉛直鋼板の表面は、構造用接着剤(例えば、2液アクリル樹脂系の構造用接着剤)により、木質パネルの表裏面に、強固に接合されている。これにより、鉛直鋼板を木質パネルに対してボルトや釘などの鋼製の接合具を用いて接合した場合に比べ、鉛直鋼板の、木質パネルへのめり込みを抑制することができる。
【0008】
本発明の一態様においては、前記上側取付鋼材と前記下側取付鋼材の前記一方は、前記木質パネルに向けて鉛直面内で延伸する第1鉛直鋼板部を備え、前記第1鉛直鋼板部と前記木質パネルの間に前記粘弾性ダンパーが設けられ、前記第1鉛直鋼板部の表面と、前記第2鋼板が接合され、前記第1鋼板は、前記木質パネルの前記表裏面に構造用接着剤により接合されている。
例えば、何らかの部材を木質パネルに接合するに際し、ボルトや釘などの鋼製の接合具を用いると、木質パネルのボルトや釘などが設けられた部分の周辺に応力が集中し、これにより、部材が木質パネルにめり込むことが考えられる。
これに対し、上記のような構成によれば、粘弾性ダンパーの第1鋼板が、木質パネルの表裏面に、構造用接着剤(例えば、2液アクリル樹脂系の構造用接着剤)により強固に接合されている。これにより、第1鋼板を木質パネルに対してボルトや釘などの鋼製の接合具を用いて接合した場合に比べ、第1鋼板の、木質パネルへのめり込みを抑制することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、木質パネルに粘弾性ダンパーを組み合わせて設けつつも、木質パネルの取付部材の、木質パネルへのめり込みを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の第1実施形態に係る木質制振壁を示す断面図である。
本発明の第1実施形態に係る木質制振壁を、壁厚方向から見た図である。
本発明の第1実施形態に係る木質制振壁の上部に配置された粘弾性ダンパーを示す拡大断面図である。
粘弾性ダンパーの平面図である。
粘弾性ダンパーの側面図である。
本発明の第1実施形態の変形例に係る木質制振壁を示す断面図である。
本発明の第1実施形態の変形例に係る木質制振壁を、壁厚方向から見た図である。
本発明の第2実施形態に係る木質制振壁を示す断面図である。
本発明の第2実施形態に係る木質制振壁を、壁厚方向から見た図である。
本発明の第2実施形態の変形例に係る木質制振壁を示す断面図である。
本発明の第2実施形態の変形例に係る木質制振壁を、壁厚方向から見た図である。
制振性能の確認のために行ったシミュレーション検討の際に用いた、躯体モデルの平面構成を示す図である。
制振性能の確認のために行ったシミュレーションの結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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