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公開番号2024064315
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022172811
出願日2022-10-28
発明の名称制振ブレース構造
出願人大成建設株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類E04H 9/02 20060101AFI20240507BHJP(建築物)
要約【課題】木質系の部材を使用して木材の質感を持たせつつ、簡潔な構造で振動を効果的に低減する。
【解決手段】制振ブレース構造10Aは、構造物1の骨組2の第1の部分P1に接合された第1連結用鋼板20Aと、骨組2の第2の部分P2に固定され、第1連結用鋼板20Aに向けて延び、第1連結用鋼板20Aに対して相対移動可能に設けられた木質系支持材40Aと、第1連結用鋼板20Aと木質系支持材40Aの間に介装されて、第1連結用鋼板20Aと木質系支持材40Aとの相対移動を減衰させる粘弾性ダンパー50Aと、を備え、粘弾性ダンパー50Aは、第1鋼板及び第2鋼板と、高減衰ゴムと、を備え、第1鋼板と第2鋼板は、それぞれ接着剤層を介して木質系支持材40A及び第1連結用鋼板20Aの各々の表面に接着接合されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粘弾性ダンパーと木質系支持材が組み合わされた制振ブレース構造であって、
構造物の骨組の第1の部分に接合された第1連結用鋼板と、
前記骨組の第2の部分に固定され、前記第1連結用鋼板に向けて延び、前記第1連結用鋼板に対して相対移動可能に設けられた前記木質系支持材と、
前記第1連結用鋼板と前記木質系支持材の各々の表面の間に介装されて、前記第1連結用鋼板と前記木質系支持材との相対移動を減衰させる前記粘弾性ダンパーと、を備え、
前記粘弾性ダンパーは、互いに離間して設けられた第1鋼板及び第2鋼板と、前記第1鋼板と前記第2鋼板の間に設けられた高減衰ゴムを備え、前記第1鋼板及び前記第2鋼板の各々と前記高減衰ゴムとが加硫接着されており、
前記第1鋼板と前記第2鋼板は、それぞれ接着剤層を介して前記木質系支持材及び前記第1連結用鋼板の各々の前記表面に接着接合されていることを特徴とする制振ブレース構造。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記木質系支持材と、前記粘弾性ダンパーは、それぞれが一対設けられ、一対の前記木質系支持材の各々は、前記第1連結用鋼板を、一対の前記粘弾性ダンパーの各々を介して挟み込むように設けられて、前記木質系支持材と前記粘弾性ダンパー、及び前記粘弾性ダンパーと前記第1連結用鋼板が、それぞれ構造用接着剤で接合され、
前記第2の部分に接合された第2連結用鋼板を更に備え、前記木質系支持材は、前記表面が、前記構造用接着剤、またはボルトを用いて、前記第2連結用鋼板に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の制振ブレース構造。
【請求項3】
前記第1連結用鋼板と、前記粘弾性ダンパーは、それぞれが一対設けられ、一対の前記第1連結用鋼板の各々は、前記木質系支持材を、一対の前記粘弾性ダンパーの各々を介して挟み込むように設けられて、前記第1連結用鋼板と前記粘弾性ダンパー、及び前記粘弾性ダンパーと前記木質系支持材が、それぞれ構造用接着剤で接合され、
前記第2の部分に接合された第2連結用鋼板を更に備え、前記木質系支持材は、前記表面が、前記構造用接着剤、またはボルトを用いて、前記第2連結用鋼板に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の制振ブレース構造。
【請求項4】
前記一対の木質系支持材の間には、延在方向に所定の間隔ごとにつづり材が設けられているか、または、前記一対の木質系支持材の間の隙間を塞ぐように隙間塞ぎ用の木材が設けられることを特徴とする請求項2に記載の制振ブレース構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粘弾性ダンパーと木質系支持材が組み合わされた制振ブレース構造に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
粘弾性ダンパーを用い、建物の制振性能を高めることが行われている。粘弾性ダンパーは、風や地震による建物の揺れに対し、制振性能を発揮する。
例えば特許文献1には、構造物の骨組みの一方の部位に取り付けられて軸力が作用する内側部材と、骨組みの他方の部位に取り付けられて軸力が作用する外側部材と、これら内側部材及び外側部材の間に介装された粘弾性体とを備えた制震ダンパーが開示されている。
また、特許文献2には、複数枚の鋼板と、各鋼板間に接着される粘弾性体とからなり、鋼板の一端が建物のフレーム側の連結部材に連結される制震ダンパーが開示されている。
また、特許文献3には、鋼製外側筋かい構成材における筋かい長手方向に延長する保持孔内に、筋かい長手方向に延長する鋼製内側筋かい構成材が配置され、その内側筋かい構成材における外側筋かい構成材内に配置された部分の周面とその外側筋かい構成材の内周面との間に粘弾性層が介在されて固着され、外側筋かい構成材内の奥部と内側筋かい構成材の先端部との間に伸縮許容間隙が設けられて、振動抑制筋かい材が構成され、その振動抑制筋かい材の両端部が建造物の骨組みに連結されている、構造物の振動抑制装置が開示されている。
【0003】
このような粘弾性ダンパーを、例えばブレースとして用いるに際し、デザイン性を高めるために、木質系の部材を使用して木現しとすることが考えられる。木質系の部材を使用する場合においては、特に、木質系の部材を取り付けるためのボルト等の取付部材と、木質系の部材との間に応力が集中し、取付部材が木質系の部材にめり込むことがある。取付部材が木質系の部材にめり込むと、接合部分の剛性が低下してしまう。したがって、木質系の部材を粘弾性ダンパーと組み合わせてブレースを構築したとしても、粘弾性ダンパーの性能を有効に発揮できず、振動を効果的に低減できない可能性がある。
また、木質系の部材を、ボルト等を用いて取り付ける場合においては、取り合いが複雑になる可能性がある。
木質系の部材を使用して木材の質感を持たせつつ、簡潔な構造で振動を効果的に低減することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4950913号公報
特開2016-56605号公報
特開平3-262881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、木質系の部材を使用して木材の質感を持たせつつ、簡潔な構造で振動を効果的に低減することができる、制振ブレース構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の制振ブレース構造は、粘弾性ダンパーと木質系支持材が組み合わされた制振ブレース構造であって、構造物の骨組の第1の部分に接合された第1連結用鋼板と、前記骨組の第2の部分に固定され、前記第1連結用鋼板に向けて延び、前記第1連結用鋼板に対して相対移動可能に設けられた前記木質系支持材と、前記第1連結用鋼板と前記木質系支持材の各々の表面の間に介装されて、前記第1連結用鋼板と前記木質系支持材との相対移動を減衰させる前記粘弾性ダンパーと、を備え、前記粘弾性ダンパーは、互いに離間して設けられた第1鋼板及び第2鋼板と、前記第1鋼板と前記第2鋼板の間に設けられた高減衰ゴムを備え、前記第1鋼板及び前記第2鋼板の各々と前記高減衰ゴムとが加硫接着されており、前記第1鋼板と前記第2鋼板は、それぞれ接着剤層を介して前記木質系支持材及び前記第1連結用鋼板の各々の前記表面に接着接合されていることを特徴とする。
このような構成によれば、粘弾性ダンパーの第1鋼板が、木質系支持材の表面に対して接合され、第2鋼板が第1連結用鋼板に接合されるようにして、粘弾性ダンパーが設けられている。粘弾性ダンパーが木質系支持材の表面に接合されているため、粘弾性ダンパーと木質系支持材との間の接合において、接合面を平面状としつつ、接合面積を大きくして、第1連結用鋼板から木質系支持材へと作用する応力を、広範囲に分散させることができる。これにより、第1鋼板の、木質系支持材へのめり込みが抑制される。
また、何らかの部材を木質系支持材に接合するに際し、ボルトや釘などの鋼製の接合具を用いると、木質系支持材のボルトや釘などが設けられた部分の周辺に応力が集中し、これにより、部材が木質系支持材にめり込むことが考えられる。これに対し、上記のような構成によれば、粘弾性ダンパーの第1鋼板と、木質系支持材は、接着剤層を介して接着接合されている。これにより、第1鋼板を木質系支持材に対してボルトや釘などの鋼製の接合具を用いて接合した場合に比べ、第1鋼板の、木質系支持材へのめり込みが抑制される。
このようにして、木質系支持材に接合された第1鋼板の、木質系支持材へのめり込みが抑制されるため、粘弾性ダンパーの性能が有効に発揮され、振動を効果的に低減することができる。
また、粘弾性ダンパーの第1鋼板と第2鋼板は、それぞれ接着剤層を介して、木質系支持材及び第1連結用鋼板の各々の表面に接着接合されている。このため、粘弾性ダンパーを取り付けるためにボルトを用いる必要がなくなる。すると、ボルトを締結するための接合しろを、第1鋼板、第2鋼板に設ける必要がなくなり、接合部分の取り合いが簡潔なものとなる。
このようにして、木質系の部材を使用して木材の質感を持たせつつ、簡潔な構造で振動を効果的に低減することができる、制振ブレース構造を提供することが可能となる。
【0007】
本発明の一態様においては、前記木質系支持材と、前記粘弾性ダンパーは、それぞれが一対設けられ、一対の前記木質系支持材の各々は、前記第1連結用鋼板を、一対の前記粘弾性ダンパーの各々を介して挟み込むように設けられて、前記木質系支持材と前記粘弾性ダンパー、及び前記粘弾性ダンパーと前記第1連結用鋼板が、それぞれ構造用接着剤で接合され、前記第2の部分に接合された第2連結用鋼板を更に備え、前記木質系支持材は、前記表面が、前記構造用接着剤、またはボルトを用いて、前記第2連結用鋼板に固定されている。
このような構成によれば、第1連結用鋼板を挟んだ両側に、粘弾性ダンパーと、木質系支持材とが設けられている。このように、粘弾性ダンパーを複数備えることで、制振ブレース構造における振動減衰性能を高めることができる。
また、木質系支持材が、骨組の第2の部分に固定される部分においては、木質系支持材が、第2の部分に接合された第2連結用鋼板に対して、構造用接着剤、またはボルトを用いて強固に接合されている。このように、木質系支持材を、骨組の第2の部分に強固に固定することで、地震等による振動による、骨組の第1の部分と第2の部分との間の変位が、木質系支持材と、第1の部分に接合された第1連結用鋼板と、の間に配置された、粘弾性ダンパーに集中して作用する。これにより、粘弾性ダンパーによる振動減衰性能を、より効果的に発揮することが可能となる。
【0008】
本発明の一態様においては、前記第1連結用鋼板と、前記粘弾性ダンパーは、それぞれが一対設けられ、一対の前記第1連結用鋼板の各々は、前記木質系支持材を、一対の前記粘弾性ダンパーの各々を介して挟み込むように設けられて、前記第1連結用鋼板と前記粘弾性ダンパー、及び前記粘弾性ダンパーと前記木質系支持材が、それぞれ構造用接着剤で接合され、前記第2の部分に接合された第2連結用鋼板を更に備え、前記木質系支持材は、前記表面が、前記構造用接着剤、またはボルトを用いて、前記第2連結用鋼板に固定されている。
このような構成によれば、木質系支持材を挟んだ両側に、粘弾性ダンパーと、第1連結用鋼板とが設けられている。このように、粘弾性ダンパーを複数備えることで、制振ブレース構造における振動減衰性能を高めることができる。
また、木質系支持材が、骨組の第2の部分に固定される部分においては、木質系支持材が、第2の部分に接合された第2連結用鋼板に対して、構造用接着剤、またはボルトを用いて強固に接合されている。このように、木質系支持材を、骨組の第2の部分に強固に固定することで、地震等による振動による、骨組の第1の部分と第2の部分との間の変位が、木質系支持材と、第1の部分に接合された第1連結用鋼板と、の間に配置された、粘弾性ダンパーに集中して作用する。これにより、粘弾性ダンパーによる振動減衰性能を、より効果的に発揮することが可能となる。
【0009】
本発明の一態様においては、前記木質系支持材が一対設けられた場合において、前記一対の木質系支持材の間には、延在方向に所定の間隔ごとにつづり材が設けられているか、または、前記一対の木質系支持材の間の隙間を塞ぐように隙間塞ぎ用の木材が設けられる。
このような構成によれば、一対をなす木質系支持材同士の間に、所定の間隔ごとに設けられるつづり材、または、一対の木質系支持材の間の隙間を塞ぐように隙間塞ぎ用の木材が設けられている。これにより、制振ブレースを構成する木質系支持材の圧縮剛性、引張剛性を高めることができる。その結果、地震等による振動による、骨組の第1の部分と第2の部分との間の変位が、第2の部分に固定された木質系支持材と、第1の部分に接合された第1連結用鋼板と、の間に配置された、粘弾性ダンパーに集中して作用する。これにより、粘弾性ダンパーによる振動減衰性能を、より効果的に発揮することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、木質系の部材を使用して木材の質感を持たせつつ、簡潔な構造で振動を効果的に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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