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公開番号2024069022
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-21
出願番号2022179777
出願日2022-11-09
発明の名称シールド掘進機とカッタビットの交換方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E21D 9/087 20060101AFI20240514BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】比較的シンプルな構成にて、カッタヘッドにある全てのカッタビットの交換を、機内から安全かつスムーズに行うことのできる、シールド掘進機とカッタビットの交換方法を提供する。
【解決手段】シールド本体10と、チャンバ13の前方に回転自在に配設され、複数のカッタビット30が装着されているカッタヘッド20とを有する、シールド掘進機100であり、カッタヘッド20の内部には、その放射方向に延設するガイドレール28が設けられ、カッタヘッド20の背面には、開閉自在な交換用開口27が設けられており、交換対象のカッタビット30の設置位置と交換用開口27との間を、ガイドレール28に沿ってカッタ交換装置50が移動し、カッタ交換装置50にてカッタビット30の交換が実行されるようになっており、交換用開口27が開放された状態で、カッタ交換装置50を介して新旧のカッタビット30が交換される。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
隔壁の前方にチャンバを備えているシールド本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設され、複数のカッタビットが装着されているカッタヘッドとを有する、シールド掘進機であって、
前記カッタヘッドの内部には、該カッタヘッドの放射方向に延設するガイドレールが設けられ、
前記カッタヘッドの背面には、開閉自在な交換用開口が設けられており、
交換対象の前記カッタビットの設置位置と前記交換用開口との間を、該ガイドレールに沿ってカッタ交換装置が移動し、該カッタ交換装置にて前記カッタビットの交換が実行されるようになっており、
前記交換用開口が開放された状態で、前記カッタ交換装置を介して、新旧の前記カッタビットが交換されることを特徴とする、シールド掘進機。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記隔壁には、前方ハッチと後方出入り口を備えている作業ピットが設けられ、該作業ピットは、移動機構により前記カッタヘッドまで移動自在であり、
前記移動機構により前方に移動された前記作業ピットが前記交換用開口に位置合わせされ、開放されている該交換用開口を介して前記カッタヘッドの内部に連通することを特徴とする、請求項1に記載のシールド掘進機。
【請求項3】
前記カッタヘッドの前面には、前記カッタビットが出入りするビット開口が設けられ、
前記カッタヘッドの内部における前記ビット開口の背面には、該ビット開口を開閉する開閉蓋がスライド自在に設けられており、
前記カッタ交換装置にて前記カッタビットが回収された際に、前記開閉蓋がスライドして、開放されている前記ビット開口が閉塞され、
前記カッタ交換装置が新規のカッタビットを搬送してきた際に、前記開閉蓋がスライドして前記ビット開口が開放されることを特徴とする、請求項1に記載のシールド掘進機。
【請求項4】
前記カッタヘッドの内部における前記カッタビットの後方には、該カッタビットを収容する収容ケースが取り付けられており、
前記ビット開口から前記カッタビットが取り外される際は、前記カッタ交換装置により、該カッタビットが後方へ引き込まれて前記収容ケースに収容され、次いで前記カッタヘッドから該収容ケースが取り外されて該カッタ交換装置に搭載され、
前記ビット開口に対して新規のカッタビットが設置される際は、前記カッタ交換装置により、該新規のカッタビットが収容されている前記収容ケースが前記カッタヘッドに取り付けられ、次いで前記開閉蓋がスライドされて前記ビット開口が開放され、次いで該ビット開口に対して該新規のカッタビットが押し出されることを特徴とする、請求項3に記載のシールド掘進機。
【請求項5】
前記カッタ交換装置は、
交換対象の前記カッタビットの位置を特定する、特定手段と、
前記ガイドレールに沿って移動する走行ベースと、
前記走行ベースの上を移動して、前記ビット開口への前記カッタビットの押し出しと、該ビット開口からの該カッタビットの引き抜きを行う、移載ベースと、
前記走行ベースを移動させる第1駆動手段と、
前記移載ベースを移動させる第2駆動手段と、
前記カッタヘッドに対して前記収容ケースをボルト固定する際に、固定ボルトを回転させる第1ボルト回転手段と、
収容ケースからカッタビットを前方へ押し出す際と、前記ビット開口から前記カッタビットを後方へ引き込む際に、該カッタビットの内部にあるボルト孔に対して押し引きボルトを螺合させ、該押し引きボルトを回転させることにより、該カッタビットを相対移動させて押し出しと引き抜きを行う、第2ボルト回転手段とを有し、
前記第1ボルト回転手段と前記第2ボルト回転手段が別体のボルト回転手段である、もしくは、
前記第1ボルト回転手段と前記第2ボルト回転手段が同一のボルト回転手段であって、ボルトスライド機構に沿って該ボルト回転手段がスライドするようになっており、前記固定ボルトを回転させる位置と、前記押し引きボルトを回転させる位置との間を移動自在であることを特徴とする、請求項4に記載のシールド掘進機。
【請求項6】
前記移載ベースには、該移載ベースに搭載されている前記収容ケースを固定する固定手段が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のシールド掘進機。
【請求項7】
前記移載ベースには、前記開閉蓋をスライドさせる第3駆動手段が設けられていることを特徴とする、請求項5又は6に記載のシールド掘進機。
【請求項8】
前記カッタヘッドの背面において、スプリングライン上の左右の二箇所、もしくは左右のいずれか一箇所に、前記作業ピットが設けられており、
前記ガイドレールを水平姿勢にして前記カッタ交換装置を移動させながら、前記カッタビットの交換が行われることを特徴とする、請求項2に記載のシールド掘進機。
【請求項9】
隔壁の前方にチャンバを備えているシールド本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設され、複数のカッタビットが装着されているカッタヘッドとを有するシールド掘進機において、前記カッタビットを交換する、カッタビットの交換方法であって、
前記カッタヘッドの背面に設けられている交換用開口を開放し、該カッタヘッドの内部にあるガイドレールに対してカッタ交換装置を設置し、
交換対象の前記カッタビットまで該カッタ交換装置を移動させ、交換対象の該カッタビットを該カッタ交換装置にて回収し、
前記カッタ交換装置を該ガイドレールに沿って前記交換用開口まで移動させ、開放している該交換用開口を介して、前記カッタ交換装置から該カッタビットを取り外し、新規の前記カッタビットを該カッタ交換装置に設置し、該カッタ交換装置を該ガイドレールに沿ってカッタビットの取り付け位置まで移動させて取り付ける、カッタビット交換工程を有することを特徴とする、カッタビットの交換方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機とカッタビットの交換方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
シールド工法では、例えばシールド掘進機による掘進長が長い場合に、地中においてカッタヘッドに装着されているカッタビットの交換が行われる場合がある。このカッタビットの交換に際しては、シールド掘進機におけるカッタヘッド後方のチャンバ内から切羽とカッタヘッドの間に作業員が入り、カッタヘッド前方からカッタビットの交換を行う方法や、カッタスポーク内から直接カッタビットの交換を行う方法が適用される。
上記するカッタスポーク内からのカッタビットの交換方法によれば、凍土の造成等を含む地盤改良を行うことなくカッタビットの交換が可能になることから、工費の削減と工期の短縮を図ることができる。ところで、カッタスポーク内からのカッタビットの交換方法には、シールド本体の軸芯にあるセンターシャフトに作業員が入り、センターシャフトから各カッタスポークの背面側に作業員が移動し、カッタビットを収容するカッタホルダを背面側に移動させてカッタビットの交換を行う方法や、カッタスポークに沿ってガイドレールに収納されたビットホルダを引き抜くことにより、カッタビットを機内に一度に取り込んでカッタビットの交換を行う方法などがある。しかしながら、これらの機内交換工法では、センターシャフトが自ずと大口径化し易く、例えば、カッタヘッドの口径が2m乃至9m程度の中・小口径のシールド掘進機への適用は困難と言える。
従って、大口径は勿論のこと、中・小口径のシールド掘進機に対しても、機内からのカッタビットの交換を行うことのできるシールド掘進機の開発やカッタビットの交換方法が望まれている。
【0003】
ここで、特許文献1には、機内からの広範囲なカッタビットの交換を可能にした、シールド掘進機とカッタビット交換方法が提案されている。具体的には、シールド本体において、カッタスポークを有するカッタヘッドをシールド軸心方向に沿ってチャンバ内に後退可能なカッタ後退機構と、伸縮スポークを収容してカッタビットの交換作業が可能な作業区画体と、作業区画体の前部に伸縮スポークを挿入可能な前面開口部と、伸縮スポークの収容前または収容後にそれぞれ前面開口部を開閉可能な前面開閉装置とが設けられ、半径方向の軸心周りに回動自在な円弧形断面の前面ゲートが前面開閉装置に設けられているシールド掘進機である。このシールド掘進機を適用したカッタビット交換方法は、カッタスポークに設けられているカッタビットの交換に際して、シールド本体前部の隔壁に設置されている作業区画体と、カッタヘッドとの少なくとも一方をシールド軸心方向に移動させてカッタスポークを作業区画体に収容し、カッタビットの交換作業を行う方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-266592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシールド掘進機とカッタビット交換方法によれば、機内からの広範囲なカッタビットの交換が可能になる。
ところで、特許文献1に記載のシールド掘進機では、カッタビットの交換に際してカッタスポークをチャンバ側へ後退させることとしているが、カッタスポークを後退させることにより、カッタスポークにて支持されていた切羽に対する支持力の低下が危惧される。
また、作業区画体をカッタスポーク側に移動させ、作業区画体の前面開口部を開閉可能な円弧形断面の前面ゲートを半径方向の軸心周りに回動させることにより前面開口部を開放し、カッタスポークを作業区画体の内部に収容するに当たり、この前面ゲートの回動の際に前面ゲートを切羽や周辺地盤に食い込ませ、カッタスポークの収容後は、切羽等に食い込ませた前面ゲートを閉合することになる。そのため、切羽等に食い込ませた前面ゲートの閉合が困難になる事態が危惧される。
また、前面開閉装置、区画体突出機構等、複数の駆動装置を要することから、シールド掘進機の内部構造が複雑になり易い。
さらに、作業区画体におけるカッタビットの交換は、カッタスポークのうちの作業区画体に収容された領域(作業員の手の届く領域)におけるカッタビットに限定されることから、カッタスポークに装着されている全てのカッタビットを交換することはできない。
【0006】
本発明は、比較的シンプルな構成にて、カッタヘッドにある全てのカッタビットの交換を、機内から安全かつスムーズに行うことのできる、シールド掘進機とカッタビットの交換方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、本発明によるシールド掘進機の一態様は、
隔壁の前方にチャンバを備えているシールド本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設され、複数のカッタビットが装着されているカッタヘッドとを有する、シールド掘進機であって、
前記カッタヘッドの内部には、該カッタヘッドの放射方向に延設するガイドレールが設けられ、
前記カッタヘッドの背面には、開閉自在な交換用開口が設けられており、
交換対象の前記カッタビットの設置位置と前記交換用開口との間を、該ガイドレールに沿ってカッタ交換装置が移動し、該カッタ交換装置にて前記カッタビットの交換が実行されるようになっており、
前記交換用開口が開放された状態で、前記カッタ交換装置を介して、新旧の前記カッタビットが交換されることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、カッタヘッドの内部において、その放射方向に延設するガイドレールに沿って移動するカッタ交換装置にてカッタビットの交換が実行されること、及び、カッタヘッドの背面において、開閉自在な交換用開口が設けられ、例えばガイドレールにおける交換用開口に対応する位置にカッタ交換装置が停止し、交換用開口が開放された状態で、カッタ交換装置を介してカッタビットの交換が実行されることにより、カッタヘッドにある全てのカッタビットの交換を、機内から安全かつスムーズに行うことができる。
例えば、機内にいる作業員が、遠隔操作にてカッタ交換装置の移動と停止を実行することができる。その際、カッタ交換装置には、動画や静止画を撮像可能なカメラ等の特定手段が搭載され、作業員は特定手段から送信される撮像画像を見ながら、カッタ交換装置の位置を特定し、その移動と停止を操作することができる。
例えば、停止しているカッタ交換装置から、交換対象のカッタビットを作業員が直接取り外して機内に回収したり、先端にフック等を備えた交換用治具を利用して、機内にいる作業員が間接的に交換対象のカッタビットを取り外して機内に回収する方法等により、交換対象のカッタビットの回収を行うことができる。
一方、新規のカッタビットをカッタ交換装置に設置する際は、この逆の方法により、作業員がカッタ交換装置に直接取り付ける方法や、交換用治具を利用してカッタ交換装置に取り付ける方法等が適用できる。
【0009】
ここで、交換用開口は、自動もしくは手動にてスライドするスライド扉や、蝶番を介して自動もしくは手動にて回動する回動扉等により、開閉自在とすることができる。
新旧のカッタビットを交換する以外は、交換用開口がスライド扉や回動扉等によって閉じられ、新旧のカッタビットを交換する際に、機内にいる作業員が手動もしくは遠隔操作によってスライド扉や回動扉を閉じることができる。また、その他、ガイドレールに沿って移動するカッタ交換装置が交換用開口に接近していることをセンサが検知した際に、スライド扉や回動扉が自動的に閉じられる形態であってもよい。
【0010】
尚、本態様のシールド掘進機は、カッタヘッドが放射方向に延設する複数のカッタスポークを備え、各カッタスポークに複数のカッタビットが装着されている掘進機であってもよいし、面板状のカッタヘッドに複数のカッタビットが装着されている掘進機であってもよい。カッタヘッドが複数のカッタスポークを備えている形態では、各カッタスポークの内部において、その長手方向(カッタヘッドにおける放射方向)に延設するようにガイドレールが設けられる。
(【0011】以降は省略されています)

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