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公開番号2024035448
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-14
出願番号2022139904
出願日2022-09-02
発明の名称蒸留方法
出願人東洋エンジニアリング株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 1/28 20060101AFI20240307BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】コンプレッサーの所要動力を低減する。
【解決手段】蒸留方法は、バッチ式の蒸留塔に液体を供給する供給工程と、液体を加熱するための流体をコンプレッサーで加圧昇温してリボイラーに供給する加圧昇温工程と、リボイラーにおいて、蒸留塔から供給された液体と、加圧昇温した流体との間で熱交換を行い、液体を加熱するとともに、流体を凝縮させる加熱工程と、加熱工程での加熱によって蒸留塔の塔頂蒸気をコンデンサーに送り、熱交換によって蒸気を凝縮させ、凝縮液とする凝縮工程と、凝縮液を抜き出す留出液抜き工程と、蒸留塔内の残留液を抜き出す缶出液抜き工程とを有する。加圧昇温工程でより小さい昇温幅で動作するヒートポンプによる加熱により液体の蒸留を行うことができるように、蒸留塔の圧力を調節する圧力調節工程を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
バッチ式の蒸留塔に液体を供給する供給工程と、
前記液体を加熱するための流体をコンプレッサーで加圧昇温してリボイラーに供給する加圧昇温工程と、
前記リボイラーにおいて、前記蒸留塔から供給された前記液体と、加圧昇温した前記流体との間で熱交換を行い、前記液体を加熱するとともに、前記流体を凝縮させる加熱工程と、
前記加熱工程での加熱によって前記蒸留塔の塔頂蒸気をコンデンサーに送り、熱交換によって前記蒸気を凝縮させ、凝縮液とする凝縮工程と、
前記凝縮液を抜き出す留出液抜き工程と、
前記蒸留塔内の残留液を抜き出す缶出液抜き工程とを有する蒸留方法であって、
前記流体は前記蒸気の凝縮熱を保持するものであり、前記コンプレッサーで加圧昇温されたのち、前記リボイラーで凝縮する際に前記凝縮熱を前記液体に与えて凝縮するものであって、
前記加圧昇温工程でより小さい昇温幅で動作するヒートポンプによる加熱により前記液体の蒸留を行うことができるように、前記蒸留塔の圧力を調節する圧力調節工程を有することを特徴とする蒸留方法。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記蒸留方法が、内部に棚段あるいは充填物を有さず、前記凝縮液を蒸留塔に戻す還流工程を有しない前記蒸留塔における単蒸留操作である請求項1に記載の蒸留方法。
【請求項3】
前記蒸留方法が、内部に棚段あるいは充填物を有し、前記凝縮液を蒸留塔に戻す還流工程を有する前記蒸留塔における精留操作である請求項1に記載の蒸留方法。
【請求項4】
前記加熱工程で凝縮した前記流体を減圧弁で減圧する減圧工程を有し、
前記流体が作動流体であるとともに前記液体がプロセス流体であり、前記作動流体は前記コンデンサーで前記蒸気が凝縮する凝縮熱を受け取り、前記凝縮熱を受け取った作動流体は前記コンプレッサーで加圧昇温され、前記リボイラーで凝縮する際に前記凝縮熱を前記プロセス流体に与えて凝縮し、前記減圧工程により減圧されて温度が低下し、ドラムで気液分離された作動流体の液体が前記コンデンサーに供給される間接式ヒートポンプ機構を有する請求項1に記載の蒸留方法。
【請求項5】
前記流体は前記蒸気であり、前記コンプレッサーにより加圧昇温された後、前記リボイラーで前記蒸留塔に供給された液体を蒸発させて蒸気とし、前記リボイラーで前記流体の蒸気は凝縮する直接式ヒートポンプ機構を有する請求項1に記載の蒸留方法。
【請求項6】
前記蒸気が凝縮した凝縮液を、前記蒸留塔に戻す還流工程と、減圧弁で減圧する減圧工程とを有し、
前記減圧工程を前記還流工程に含む直接式ヒートポンプ機構を有する請求項5に記載の蒸留方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸留方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、蒸留塔と、リボイラーと、圧縮機と、コンデンサーとを備える蒸留装置について記載している。蒸留塔に供給される液体として、微量メタノールを含む含水エタノールを記載している。
【0003】
特許文献1の蒸留装置は、水を作動流体(冷媒)とする間接式ヒートポンプを有している。間接式ヒートポンプでは、コンプレッサーともいう圧縮機で昇圧、昇温した水蒸気を凝縮器(蒸留装置のリボイラー)に供給する。凝縮器(蒸留装置のリボイラー)に供給された水蒸気の温度は、蒸留塔の底部の含水エタノールの温度よりも高くなるように設定される。そのため、凝縮器(蒸留装置のリボイラー)に吐出された水蒸気は、含水エタノールに熱を与えて凝縮する。凝縮した水は、蒸発器(蒸留装置のコンデンサー)に送られる。また、凝縮器(蒸留装置のリボイラー)での加熱によって、蒸留塔の塔頂から不良アルコールの蒸気が排出されて、蒸発器(蒸留装置のコンデンサー)に送られる。蒸発器(蒸留装置のコンデンサー)に送られた水の温度は、不良アルコールの蒸気の温度よりも低くなるように設定される。そのため、不良アルコールの蒸気は、水に熱を与えて凝縮し、大部分が配管を通って蒸留塔へ戻る。凝縮した塔頂蒸気の一部は、不良アルコール液として抜き取られる。そして、メタノールを除去した含水エタノールが、蒸留塔の塔底から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭60-168501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1等の蒸留装置には、バッチ式蒸留装置と、連続式蒸留装置とが存在する。バッチ式蒸留装置では、蒸留塔に処理対象の液体を充填した後、蒸留を行う。そのため、バッチ式蒸留装置では、蒸留の進行にともない蒸留塔内の液体の量が減少する。
【0006】
バッチ式蒸留装置では、蒸留の進行にともない、より蒸発しにくい、言い換えれば、より沸点の高い液体が蒸留塔内に多く滞留した状態となる。そのため、蒸留の進行にともない、リボイラーでの加熱温度を高くする必要があった。
【0007】
しかし、特許文献1等の蒸留装置に用いられるコンプレッサーは、一般に、遠心式であり、遠心式のコンプレッサーは、流体の流量が略一定の条件で、略一定の昇圧、及び昇温を行う場合に適している。具体的には、遠心式のコンプレッサーは、設計点における流体の成分や流量に合わせて、特定のインペラの形状を設計している。ここで、あるヒートポンプ蒸留システムを、リボイラーに要求される加熱温度が幅広く変化する系に適用する場合について考える。その場合、ヒートポンプでの熱の汲み上げ幅を、リボイラーに要求される加熱温度変化の範囲全てを網羅するようにコンプレッサーでの圧縮比を設定することが考えられる。その一方で、リボイラーに要求される加熱温度の変化に合わせて、コンプレッサーの吸込圧力を高くしながらコンプレッサーでの圧縮比を適切に調節することで、コンプレッサーの吐出圧力および温度を高くすることも考えられる。この場合、温度の汲上げ幅、すなわち、圧縮比を、前述の、ヒートポンプでの熱の汲み上げ幅をリボイラーに要求される加熱温度変化の範囲全てを網羅するように設定する場合と比較して小さく抑えることが可能である。しかし、このような操作においては、コンプレッサーの吸込流体の圧力を高くすることで流体の密度が大きくなるため、実体積流量が設計点における実体積流量よりも過少となる。これにともない、遠心式コンプレッサーが通常運転可能な吸込実体積流量範囲から外れてしまう虞がある。ここで、一般的な遠心式コンプレッサーが通常運転可能な吸込実体積流量範囲の下限は、設計点を100%とした場合、例えば、80%である。蒸留装置側の要求として、コンプレッサーが吸込む流体の流量が設計点の80%以下となる場合でも、圧縮機の処理する吸込実体積流量が設計点の80%を保つことができるように、キックバックラインを用いた循環運転をする必要がある。そのため、循環する流体量の分、圧縮機の動力が大きな状態で運転することになる。さらに、前述の通り、遠心式コンプレッサーのインペラの形状は、設計点における流体の成分や流量に合わせて設計されており、流体の成分や流量が変化した際は、所定の昇圧能力が発揮できない虞がある。以上を鑑み、リボイラーに要求される加熱温度が幅広く変化する系への遠心式コンプレッサーを用いたヒートポンプの適用は、困難であるか、もしくは、ヒートポンプ蒸留システムに期待される省エネルギー効果が発揮できない虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
態様1の蒸留方法は、バッチ式の蒸留塔に液体を供給する供給工程と、前記液体を加熱するための流体をコンプレッサーで加圧昇温してリボイラーに供給する加圧昇温工程と、前記リボイラーにおいて、前記蒸留塔から供給された前記液体と、加圧昇温した前記流体との間で熱交換を行い、前記液体を加熱するとともに、前記流体を凝縮させる加熱工程と、前記加熱工程での加熱によって前記蒸留塔の塔頂蒸気をコンデンサーに送り、熱交換によって前記蒸気を凝縮させ、凝縮液とする凝縮工程と、前記凝縮液を抜き出す留出液抜き工程と、前記蒸留塔内の残留液を抜き出す缶出液抜き工程とを有する蒸留方法であって、前記流体は前記蒸気の凝縮熱を保持するものであり、前記コンプレッサーで加圧昇温されたのち、前記リボイラーで凝縮する際に前記凝縮熱を前記液体に与えて凝縮するものであって、前記加圧昇温工程でより小さい昇温幅で動作するヒートポンプによる加熱により前記液体の蒸留を行うことができるように、前記蒸留塔の圧力を調節する圧力調節工程を有することを要旨とする。
【0009】
態様2の蒸留方法は、態様1に記載の蒸留方法において、前記蒸留方法が、内部に棚段あるいは充填物を有さず、前記凝縮液を蒸留塔に戻す還流工程を有しない前記蒸留塔における単蒸留操作である。
【0010】
態様3の蒸留方法は、態様1に記載の蒸留方法において、前記蒸留塔が、内部に棚段あるいは充填物を有し、前記凝縮液を前記蒸留塔に戻す還流工程を有する前記蒸留塔における蒸留操作である。
(【0011】以降は省略されています)

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