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公開番号2024056325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163124
出願日2022-10-11
発明の名称フロー合成装置
出願人横河電機株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類B01J 19/00 20060101AFI20240416BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】ペプチド等の連続構造を有する化合物を生成するにあたり、複数の伸長反応を連続的に実施可能なフロー合成装置を提供する。
【解決手段】以下を備えるフロー合成装置を提供する:開始化合物と付加化合物とを縮合反応させる合成部;縮合反応の生成化合物を抽出して溶液を調製する抽出部;前記溶液を次の縮合反応に適した条件に調整する溶液調整部;及び制御部。ここで、前記合成部、抽出部及び溶液調整部はそれぞれ制御部によって制御され、前記溶液調整部は、センサー及び前記センサーと連動する調整手段を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
開始化合物と付加化合物とを縮合反応させる合成部;
縮合反応の生成化合物を抽出して溶液を調製する抽出部;
前記溶液を次の縮合反応に適した条件に調整する溶液調整部;及び
制御部;を備え、
前記合成部、抽出部及び溶液調整部はそれぞれ制御部によって制御され、
前記溶液調整部は、センサー及び前記センサーと連動する調整手段を備える、フロー合成装置。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記付加化合物が第1保護基を有し、前記合成部が縮合反応後に前記第1保護基を脱保護する手段を備える、請求項1に記載のフロー合成装置。
【請求項3】
前記開始化合物が第2保護基を有する、請求項2に記載のフロー合成装置。
【請求項4】
前記センサーが、濃度センサー、流量センサー及び重量センサーからなる群より選択される少なくとも1つのセンサーを含む、請求項1に記載のフロー合成装置。
【請求項5】
前記調整手段が、減圧装置及び/又は溶媒供給タンクを含む、請求項1に記載のフロー合成装置。
【請求項6】
開始化合物溶液を前記合成部に供給するための液供給タンクを備える、請求項1に記載のフロー合成装置。
【請求項7】
前記溶液調整部で次の縮合反応に適した条件に調整された溶液を、次の開始化合物として前記液供給タンクに送る送液手段を備える、請求項6に記載のフロー合成装置。
【請求項8】
前記液供給タンク、合成部、抽出部及び溶液調整部が、それぞれ洗浄手段を備える、請求項6に記載のフロー合成装置。
【請求項9】
前記開始化合物がアミノ酸又はペプチドであり、前記付加化合物がアミノ酸である、請求項3に記載のフロー合成装置。
【請求項10】
前記第1保護基がN末端保護基であり、前記第2保護基がC末端保護基である、請求項9に記載のフロー合成装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチド等の繰り返し構造を有する化合物を合成するためのフロー合成装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
現在の医薬品は、主として低分子医薬品(第一世代)と抗体医薬品(第二世代)に分類できる。中分子化合物であるペプチド医薬品、核酸医薬品等は、第一世代及び第二世代の医薬品の欠点を補完する機能をもつことから、第三世代医薬品と呼ばれており、今後、その需要が大きくなることが期待される。
【0003】
ペプチド合成方法は、固相法と液相法に分類される。固相法では、ペプチド又はアミノ酸のC末端を固体支持体に結合させた状態でペプチド伸長を行い、最終段階で目的のペプチドを固体支持体から切り離す。目的のペプチドは最終段階まで固体支持体に固定されているため、固液分離により、製造途中で過剰又は未反応の原料化合物や副生成物を除去することができ、1つの反応槽で連続的にペプチド合成を実施可能である。しかし、この方法は反応が固体支持体表面に限定されるため、大容量の製造に向かない、反応条件の最適化が困難である、という問題がある。
【0004】
一方、液相法は、大容量での製造が可能であり、かつ、反応条件の最適化も比較的容易であるが、縮合反応及び脱保護反応の各段階で、都度、残留する過剰又は未反応の成分や副生成物の除去を要するため、操作が煩雑であり、最終産物の合成までに時間がかかるという問題があった。この問題を解決するため、開始化合物であるペプチド又はアミノ酸のC末端に擬似固相保護基を結合させ、その後、液相で製造した中間又は最終産物を各段階で晶析して固液分離を行う手法が開発された(特許文献1~7)。また、同様に開始化合物に脂溶性の擬似固相保護基を結合させ、各段階において晶析単離を要さず、抽出洗浄により中間又は最終産物を得る手法が開発された(特許文献8~12)。
【0005】
上記のペプチド合成はいずれもバッチ処理で行われていたが、これに代えて、液相法のペプチド合成をフロー合成装置を用いて行う方法も開発されている(特許文献13及び非特許文献1)。さらに、開始化合物のC末端に擬似固相保護基を結合させた開始化合物とN末端に保護基を有するアミノ酸とを縮合反応させる工程、その後の精製工程、N末端の保護基を脱保護する工程及びその後の精製工程を、保護基と溶媒を適切に組み合わせて連続的に行うことで、フロー合成装置における詰まり等のリスクを低減させ、より簡易に反応夾雑物を除去する方法が報告されている(特許文献14)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-44493号公報
国際公開第2006/104166号
国際公開第2007/034812号
国際公開第2007/122847号
国際公開第2010/113939号
国際公開第2010/104169号
国際公開第2011/078295号
国際公開第2012/029794号
国際公開第2016/140232号
国際公開第2003/018188号
国際公開第2017/038650号
国際公開第2019/009317号
特開2017-186452号公報
国際公開第2020/218497号
【非特許文献】
【0007】
S. Fuse, et al., Angew. Chem. Int. Ed., No. 53, pp. 851-856 (2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ペプチド合成は、通常、開始化合物であるアミノ酸又はペプチドに、アミノ酸を縮合反応させる工程を複数回行う。しかし、非特許文献1及び特許文献14に記載のフロー合成装置によるペプチド合成は、アミノ酸の単回の縮合反応及び精製は装置内で連続的に行われているが、複数回のアミノ酸の縮合反応及び精製までは連続的に行われていない。そのため、ペプチドを1アミノ酸伸長させる度にフロー合成装置をセットアップして稼働させる必要があった。
【0009】
本発明は、ペプチド等の連続構造を有する化合物を生成するにあたり、複数の伸長反応を連続的に実施可能なフロー合成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を提供するに至った。
[1]開始化合物と付加化合物とを縮合反応させる合成部;
縮合反応の生成化合物を抽出して溶液を調製する抽出部;
前記溶液を次の縮合反応に適した条件に調整する溶液調整部;及び
制御部;を備え、
前記合成部、抽出部及び溶液調整部はそれぞれ制御部によって制御され、
前記溶液調整部は、センサー及び前記センサーと連動する調整手段を備える、フロー合成装置。
[2]前記付加化合物が第1保護基を有し、前記合成部が縮合反応後に前記第1保護基を脱保護する手段を備える、[1]に記載のフロー合成装置。
[3]前記開始化合物が第2保護基を有する、[2]に記載のフロー合成装置。
[4]前記センサーが、濃度センサー、流量センサー及び重量センサーから選択される少なくとも1つのセンサーを含む、[1]~[3]のいずれかに記載のフロー合成装置。
[5]前記調整手段が、減圧装置及び/又は溶媒供給タンクを含む、[1]~[4]のいずれかに記載のフロー合成装置。
[6]開始化合物溶液を前記合成部に供給するための液供給タンクを備える、[1]~[5]のいずれかに記載のフロー合成装置。
[7]前記溶液調整部で次の縮合反応に適した条件に調整された溶液を、次の開始化合物として前記液供給タンクに送る送液手段を備える、[6]に記載のフロー合成装置。
[8]前記液供給タンク、合成部、抽出部及び溶液調整部が、それぞれ洗浄手段を備える、[6]又は[7]に記載のフロー合成装置。
[9]前記開始化合物がアミノ酸又はペプチドであり、前記付加化合物がアミノ酸である、[1]~[8]のいずれかに記載のフロー合成装置。
[10]前記第1保護基がN末端保護基であり、前記第2保護基がC末端保護基である、[9]に記載のフロー合成装置。
[11]以下の(i)~(v)の工程を備える、[1]~[10]のいずれかに記載のフロー合成装置を用いて連続構造を有する化合物の製造方法:
(i)開始化合物の溶液を供給する工程;
(ii)付加化合物溶液を供給する工程;
(iii)開始化合物及び付加化合物を縮合反応させる工程;
(iv)縮合反応の生成化合物を抽出して溶液を調製する工程;及び
(v)前記溶液を次の縮合反応に適した条件に調整する工程。
[12]前記付加化合物が第1保護基を有し、前記工程(iii)が以下の工程(iiia)を備える、[11]に記載の方法:
(iiia)第1保護基を脱保護する工程。
[13]前記工程(i)~(v)が複数サイクルで行われ、前のサイクルの工程(v)で得られた溶液が、次の開始化合物溶液として、次のサイクルの工程(i)で供給される、[11]又は[12]に記載の方法。
[14]前記複数サイクルが同一のフロー合成装置で連続的に実施される、[13]に記載の方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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