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公開番号2024055368
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022162220
出願日2022-10-07
発明の名称誘電泳動装置、及び誘電泳動方法
出願人横河電機株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類B01J 19/12 20060101AFI20240411BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】生理活性環境のような高誘電率の溶媒で誘電泳動を実施する際に、局所的に導電率の異なる電極を設け、特定周波数を印加することによって、誘電泳動のベクトルを任意の方向に操作する。
【解決手段】誘電泳動装置1は、誘電泳動によって操作対象物Xを操作する誘電泳動装置であって、操作対象物Xを含む溶媒が収容されるよう間隔を隔てて配置される透光性を有する操作電極10及び対向電極20と、溶媒に面して配置され、光の照射によって導電率が変化する光導電部と、光導電部に局所的に光を照射する光照射部と、操作電極10及び対向電極20に交流電圧を印加し、交流電圧の周波数を変更することが可能なファンクションジェネレータ30と、ファンクションジェネレータ30が印加する交流電圧の周波数を制御する制御部80と、を備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
誘電泳動によって操作対象物を操作する誘電泳動装置であって、
前記操作対象物を含む溶媒が収容されるよう間隔を隔てて配置される透光性を有する第1電極及び第2電極と、
前記溶媒に面して配置され、光の照射によって導電率が変化する光導電部と、
前記光導電部に局所的に光を照射する光照射部と、
前記第1電極及び前記第2電極に交流電圧を印加する交流電源と、
前記交流電源が印加する前記交流電圧の周波数を制御する制御部と、を備える
ことを特徴とする誘電泳動装置。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記光照射部が照射する光の形状、位置、及びサイズを変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の誘電泳動装置。
【請求項3】
前記制御部は、所定のタイミングで、前記光照射部が照射する光の形状を環状から非環状に変更し且つ前記交流電圧の周波数を第1周波数から前記第1周波数より高い第2周波数に変更する
ことを特徴とする請求項2に記載の誘電泳動装置。
【請求項4】
前記操作対象物の誘電率が前記溶媒の誘電率より低い
ことを特徴とする請求項1に記載の誘電泳動装置。
【請求項5】
誘電泳動によって操作対象物を操作する誘電泳動方法であって、
前記操作対象物を含む溶媒が収容されるよう間隔を隔てて配置される透光性を有する第1電極及び第2電極に交流電圧を印加すること、
前記溶媒に面して配置され、光の照射によって導電率が変化する光導電部に局所的に光を照射すること、及び
前記交流電圧の周波数を変更すること、を有する
ことを特徴とする誘電泳動方法。
【請求項6】
前記光導電部に照射される光の形状、位置、及びサイズを変更すること、をさらに有する
ことを特徴とする請求項5に記載の誘電泳動方法。
【請求項7】
前記交流電圧の周波数を変更することは、所定のタイミングで、前記光導電部に照射される光の形状を環状から非環状に変更し且つ前記交流電圧の周波数を第1周波数から前記第1周波数より高い第2周波数に変更することである
ことを特徴とする請求項6に記載の誘電泳動方法。
【請求項8】
前記操作対象物の誘電率が前記溶媒の誘電率より低い
ことを特徴とする請求項5に記載の誘電泳動方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電泳動装置、及び誘電泳動方法に関し、溶媒中の細胞や微粒子といった操作対象物を操作する誘電泳動装置、及び誘電泳動方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
図1は、従来技術の誘電泳動装置の構造を示す図である。図1の構造は、非特許文献1に記載された誘電泳動装置の構造であって、主として、ITO付きのガラス基板である上部電極及び下部電極と、上部電極と下部電極との間に配置されるアモルファスシリコンやP3HT(poly(3-hexylthiophene)):PCBM(phenyl C61-butyric acid methyl ester)といった光導電性材料と、を備える。また、上下電極の間には、水などの溶媒にビーズ粒子又は細胞といった微小材料が懸濁されている。そして、溶媒に交流電圧が印加できるように上下電極に交流電源が接続されている。また、下部電極側から光導電性材料が吸収できる波長の光を照射するプロジェクタが設けられている。
【0003】
図1の装置において、上下電極に交流電圧を印加すると上下電極間に挟まれている水などの溶媒間に交流電圧が印加される。溶媒中には、微小材料が混入されており、溶媒への交流電圧の印加によって、微小材料の電荷が誘起される。同時に、下部電極側から所望の波長の光を入射させると、当該光が光導電性材料(アモルファスシリコンなど)に照射される。光導電性材料の光照射部分では、光が吸収され電子正孔対が形成され、これによりアモルファスシリコンの導電率が上がる(抵抗値が下がる)。そして、光が照射された領域と光が照射されていない領域とでは、電極の導電率が異なるため、溶媒に印加される電圧が変化し、電界の差が生じる。微小材料には電荷が誘起されており、その電界の差により微小材料が誘電泳動力を受けて移動する。微小材料の誘電率が溶媒の誘電率よりも小さい場合は、微小材料は電界強度が低い方向に移動し、逆に、微小材料の誘電率が溶媒の誘電率よりも大きい場合は、微小材料は電界強度の高い方向に移動する。
【0004】
図2は、微小材料の誘電率が溶媒の誘電率より低い場合の誘電泳動の動作を示す図である。図2は、非特許文献1に記載された誘電泳動の様子を示す図であって、図2では、光照射領域に1μmのビーズが引き寄せられ、光照射領域の内側の光未照射領域に10μmのビーズが引き寄せられる様子が描かれている。
【0005】
微小材料の誘電率は、ポリスチレンビーズの場合は約2.4、細胞の場合は約47.5(例えば、非特許文献2参照)である。一方で、細胞やタンパク質などの生理活性が保たれる環境では、DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)、PBS(Phosphate-buffered saline)などの溶媒が用いられ、その誘電率は約80であって、操作したい細胞や高分子材料に比べて高い。
【0006】
このような溶媒の誘電率よりも低い材料に誘電泳動を作用させる場合、誘電泳動力を示す以下の数式1のRE[F
cm
(ω)](粒子の分極を反映した係数)がマイナスとなり、斥力(負の誘電泳動)が働く。
【0007】
TIFF
2024055368000002.tif
8
154
なお、上記した数式1の各値は、次の通りである。
F
DEP
:誘電泳動力、 r:材料の粒径、 ε
m
:溶媒の誘電率、 ∇E
rms
:電場、 RE[F
cm
(ω)]:Clausius-Mossotti係数(Re[K]とも記載される)
【0008】
また、細胞や細菌のような高極性材料(分極しやすい材料)では、図3に示すように、1×10

[Hz]以上の高周波数を印加することによって誘電泳動力のベクトルを変化させることができる。なお、図3は、非特許文献3に記載されたClausius-Mossotti係数と周波数との関係を示した図である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
Wenfeng Lianga et al., “A Review on Optoelectrokinetics-Based Manipulation”, Micromachines January 2020, 11, 78
Keita YAMAMOTO et al., “電場駆動力を利用した生体分子の細胞内デリバリー技術の開発(第6報) -DNA吐出効率に及ぼす電圧印加条件の影響-”, Toyohashi University of Technology, 2016年度精密工学会春季大会 学術講演会講演論文集
山川烈ら,誘電泳動現象を用いた生体細胞の分離,Electrochemistry, 82(11), 1000-1006(2014)
稲垣米一ら, “ポリエチレンの誘電的性質その他におよぼす放射線照射の効果”, 電気学会雑誌 80巻 862号(July 1960)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
生理活性環境のような高誘電率の溶媒において誘電泳動を実施する際に、細胞や高分子粒子といった微小材料には、斥力が働くため、斥力のみのマニピュレーションになり、微小材料の操作の自由度が制限される。
(【0011】以降は省略されています)

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