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公開番号2024033266
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022136763
出願日2022-08-30
発明の名称気体貯蔵放出化合物
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01J 20/26 20060101AFI20240306BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】温和な加圧・減圧等の条件で気体の貯蔵・放出が可能な、気体貯蔵放出化合物を提供する。
【解決手段】下記の式(1)~(5):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024033266000006.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">106</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(Rは、置換されていてもよい炭素数2~10のアルキレン基であり、Arは、置換されていてもよい芳香族基であり、nは、5以上の整数であり、w、x、y及びzは、それぞれ独立に、1以上の整数である。)で表される、気体貯蔵放出化合物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記の式(1)~(5):
JPEG
2024033266000005.jpg
106
170
(式(1)~(5)中、
Rは、置換されていてもよい炭素数2~10のアルキレン基であり、Rが複数ある場合には互いに異なっていても同じであってもよく、
Arは、置換されていてもよい芳香族基であり、Arが複数ある場合には互いに異なっていても同じであってもよく、
nは、5以上の整数であり、nが複数ある場合には互いに異なっていても同じであってもよく、
w、x、y及びzは、それぞれ独立に、1以上の整数である。)
で表される構造単位から選ばれる1種以上を有する、気体貯蔵放出化合物。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記気体貯蔵放出化合物が、塩素化ポリプロピレン系樹脂の高分子鎖間が架橋された構造を有する、請求項1に記載の気体貯蔵放出化合物。
【請求項3】
前記気体貯蔵放出化合物の重量平均分子量が、10,000以上500,000以下の範囲である、請求項1又は2に記載の気体貯蔵放出化合物。
【請求項4】
塩素化ポリプロピレン系樹脂と、
一般式:H

N-(-R-NH-)

-H
(式中、Rは、置換されていてもよい炭素数2~10のアルキレン基であり、Rが複数ある場合には互いに異なっていても同じであってもよく、nは、5以上の整数である。)
で表されるポリアルキレンイミンの1種以上と、
一般式:X-Ar-NH

(式中、Xは、ハロゲンであり、Arは、置換されていてもよい芳香族基である。)
で表されるハロゲン化芳香族アミンの1種以上と、
を含む成分を反応させる、気体貯蔵放出化合物の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の気体貯蔵放出化合物を含む、ガス貯蔵放出材料。
【請求項6】
ガスが、水素、二酸化炭素、窒素、希ガス、炭化水素ガスからなる群より選ばれる1種以上である、請求項5に記載のガス貯蔵放出材料。
【請求項7】
ガスの貯蔵及び/又は放出が、加圧、減圧、昇温、降温、電位の印加及びエネルギー波の照射からなる群より選ばれる1つ以上の手段を含む方法により行われる、請求項5に記載のガス貯蔵放出材料。
【請求項8】
ガス貯蔵放出材料の形状が、粒子、繊維、フィルム、不織布、織布、多孔質体、成形体である、請求項5に記載のガス貯蔵放出材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の気体を貯蔵及び放出することができる気体貯蔵放出化合物に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化のような環境問題を解決するために、これまでの化石燃料に代わる、クリーンなエネルギー源の開発が進められている。このうち、水素は、資源が多様かつ豊富であり、燃焼性能特性・発熱量が良好であり、燃料電池や内燃機関による発電時に二酸化炭素が排出されない低環境負荷であることから、エネルギー源として有望なものの一つとされている。
【0003】
水素をエネルギー源として用いるためには、変動する需要に柔軟に対応して供給を行うことができる、水素の貯蔵・放出システムの構築が必要である。例えば、余剰電力を用いて水を電気分解して得られた水素を、利用施設へ輸送する水素サプライチェーンの構築が必要である。
しかし、水素は常温常圧で気体であるため、現在、タンクやボンベ等の容器を用い高圧水素ガスとして貯蔵されている。そのため、これまで水素を利用する場合、高圧水素や液化水素をタンクローリーにより輸送する必要があった。また、水素貯蔵施設においても、高圧水素ガスタンクなどの大規模なインフラの整備が必要であった。
【0004】
容器を用いた高圧水素ガスの貯蔵・放出システムに代えて、オンサイトで水素を使用する場合、水素と材料間の相互作用により低圧で大量かつ安全に貯蔵・放出できる、水素貯蔵材料を用いた水素貯蔵・放出システムが検討されている。水素貯蔵材料は、水素を選択的かつ可逆的に貯蔵及び放出できる材料である。水素貯蔵材料としては、水素吸蔵合金や機能性炭素材料(酸化グラフェン)が有望とされているが、水素貯蔵能力に問題がある。また、不純物ガスによる性能低下や、レアメタルや高純度金属を原材料として使用することに伴うコスト上昇等の点において、改善の余地がある。さらに、水素吸蔵合金や機能性炭素材料(酸化グラフェン)は、加工性が悪く、水素貯蔵時には冷却が、水素放出時には加熱が必要であり、また、水素吸蔵合金を構成するチタンやマンガンなどは、密度が4~8g/cm

と高いため水素貯蔵材料の重量が大きくなり、取り扱い性の点で問題がある。
【0005】
水素貯蔵放出化合物の例としては、以下のような特許がこれまでも出願されて来た。
特許文献1には、(1)水素化マグネシウム、水素化カルシウム、水素化ストロンチウム、水素化バリウム等の水素化金属と、Nb2O5、V2O5及びTiO2から選ばれる触媒との混合物をメカニカルミリング処理して得られる水素貯蔵材料が記載されている。しかしながら、前記水素化金属と前記触媒との混合物をメカニカルミリング処理しなければならず、製造時に多大なエネルギーが必要である。また、水素を吸蔵させる際に200℃の加熱を行っており、さらに、水素を放出する際には、220℃以上の加熱が必要であるため、エネルギー収支面で不利である。
特許文献2には、水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムであって、水素化マグネシウム貯蔵タンク、蓄電池、温度調整タンクなどの補機類からなる水素発生システムに関する技術について記載されている。しかしながら、特許文献3に記載の水素発生システムは、水酸化マグネシウムが残留物として残ってしまうため、処理費用が必要となりコストが高くなる。
特許文献3には、ホウ素種で官能化され、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属で修飾された還元酸化グラフェンを含む単層構造または多層構造を含む水素貯蔵生成物が記載されている。しかしながら、水素貯蔵生成物を得るためには、600℃~1300℃の高温で焼成する必要があり、材料合成に多大なエネルギーが必要である。さらに、水素貯蔵を行うためには、5MPaの加圧を行っており、また、水素貯蔵の挙動が不規則であるため、水素貯蔵を制御することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-182925号公報
特表2021-501736号公報
特表2020-521718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は、各種の気体の貯蔵・放出特性に優れ、気体の貯蔵・放出に際して必要な加圧・減圧等の条件を温和にすることができ、製造が容易である、新規な気体貯蔵放出化合物及び該気体貯蔵放出化合物を含むガス貯蔵放出材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。この結果、特定の構造単位を有する気体貯蔵放出化合物及び該気体貯蔵放出化合物を含むガス貯蔵放出材料が、各種のガス、特に水素の貯蔵・放出特性に優れており、これを用いることにより上記課題が解決できることを見出した。
【0009】
すなわち、上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
[項1] 下記の式(1)~(5):
JPEG
2024033266000002.jpg
106
170
(式(1)~(5)中、
Rは、置換されていてもよい炭素数2~10のアルキレン基であり、Rが複数ある場合には互いに異なっていても同じであってもよく、
Arは、置換されていてもよい芳香族基であり、Arが複数ある場合には互いに異なっていても同じであってもよく、
nは、5以上の整数であり、nが複数ある場合には互いに異なっていても同じであってもよく、
w、x、y及びzは、それぞれ独立に、1以上の整数である。)
で表される構造単位から選ばれる1種以上を有する、気体貯蔵放出化合物。
[項2] 前記気体貯蔵放出化合物が、塩素化ポリプロピレン系樹脂の高分子鎖間が架橋された構造を有する、項1に記載の気体貯蔵放出化合物。
[項3] 前記気体貯蔵放出化合物の重量平均分子量が、10,000以上500,000以下の範囲である、項1又は2に記載の気体貯蔵放出化合物。
[項4] 塩素化ポリプロピレン系樹脂と、
一般式 :H

N-(-R-NH-)

-H
(式中、Rは、置換されていてもよい炭素数2~10のアルキレン基であり、Rが複数ある場合には互いに異なっていても同じであってもよく、nは5、以上の整数である。)
で表されるポリアルキレンイミンの1種以上と、
一般式 :X-Ar-NH

(式中、Xは、ハロゲンであり、Arは、置換されていてもよい芳香族基である。)
で表されるハロゲン化芳香族アミンの1種以上と、
を含む成分を反応させる、気体貯蔵放出化合物の製造方法。
[項5] 項1又は2に記載の気体貯蔵放出化合物を含む、ガス貯蔵放出材料。
[項6] ガスが、水素、二酸化炭素、窒素、希ガス、炭化水素ガスからなる群より選ばれる1種以上である、項5に記載のガス貯蔵放出材料。
[項7] ガスの貯蔵及び/又は放出が、加圧、減圧、昇温、降温、電位の印加及びエネルギー波の照射からなる群より選ばれる1つ以上の手段を含む方法により行われる、項5又は6に記載のガス貯蔵放出材料。
[項8] ガス貯蔵放出材料の形状が、粒子、繊維、フィルム、不織布、織布、多孔質体、成形体である、項5~7のいずれか1項に記載のガス貯蔵放出材料。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、各種の気体の貯蔵・放出特性に優れた新規な気体貯蔵放出化合物及び該気体貯蔵放出化合物を含むガス貯蔵放出材料が提供される。
本発明の気体貯蔵放出化合物及び該気体貯蔵放出化合物を含むガス貯蔵放出材料は、特に、水素貯蔵・放出特性が非常に優れている。
本発明の気体貯蔵放出化合物及び該気体貯蔵放出化合物を含むガス貯蔵放出材料は、気体の貯蔵・放出に際して必要な加圧・減圧等の条件を温和にすることができるため、酸化グラフェン等の炭素系材料を用いた場合と比較して、加圧や減圧等を行う周辺機器類のサイズ等を小さくすることが可能である。さらに、建物内部に安全に水素を貯蔵することが可能となる。
本発明の気体貯蔵放出化合物及び該気体貯蔵放出化合物を含むガス貯蔵放出材料は、水素吸蔵合金や機能性炭素材料(酸化グラフェン)よりも水素を多量に貯蔵できて密度が低い。また、水素吸蔵合金や機能性炭素材料(酸化グラフェン)は、水素を貯蔵させる場合に冷却が、放出させる場合に加温が、それぞれ必要になるが、本発明の気体貯蔵放出化合物及び該気体貯蔵放出化合物を含むガス貯蔵放出材料の場合は、水素を貯蔵させる場合の冷却時や放出させる際の加温時に必要とするエネルギーが小さく、水素貯蔵・放出の制御が容易である。
(【0011】以降は省略されています)

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