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公開番号2024033136
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022136550
出願日2022-08-30
発明の名称工業炉用排ガス処理装置
出願人CYC株式会社
代理人個人
主分類B01D 53/68 20060101AFI20240306BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】排ガスに含有された汚染物質を極めて簡易な構成で且つ広大な設置面積を必要とすることなく、また既設の工業炉の一部を変更するのみで容易に排ガス処理を行う。
【解決手段】工業炉の排気塔の中途部に取り外し可能に固定される処理用筐体2内に支持されそれぞれ下側から上側に順次段積みされ、底方向には上記排ガスが通過する通過用開口が形成され上部は開放されてなる複数の外側容器4と、これら外側容器4内に複数収容され、底方向には該外側容器の通過用開口を通過した排ガスが通過する複数の通過用小開口が形成され上部は開放されてなるとともに、内部には、排ガスに含まれた所定の汚染物質を処理する処理剤が収容された内側容器5と、を備えてなる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭化炉や焼却炉その他の工業炉の炉内で発生した排ガスを大気に放出し、鉛直方向に長さを有する排気塔の中途部に取り外し可能に固定され、下側には排ガス処理がされていない上記排ガスが流入する流入口が形成され、上側には内部で排ガス処理がされた上記排ガスを排出する排出口が形成された処理用筐体と、
この処理用筐体内にそれぞれ支持されてなるとともにそれぞれ下側から上側に順次段積みされ、底方向には上記排ガスが通過する通過用開口が形成され上部は開放されてなる複数の外側容器と、
これら外側容器内に複数収容され、底方向には該外側容器の通過用開口を通過した排ガスが通過する複数の通過用小開口が形成され上部は開放されてなるとともに、内部には、所定の形状又は粒形に成形され上記排ガスに含まれた所定の汚染物質と化学反応し又は上記排ガスに含まれた汚染物質を吸着する処理剤が収容されてなる内側容器と、を備えてなることを特徴とする工業炉用排ガス処理装置。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記処理用筐体の側面又は正面若しくは背面の何れかには、該処理用筐体の内部に段積みされた前記外側容器の全部又は一部を該処理用筐体内から取り出し又は該処理用筐体外から前記外側容器を該処理用筐体内に配置する際に使用される筐体側開口が形成され、この筐体側開口は、作業者により開閉操作される開閉扉が配置されてなることを特徴とする請求項1記載の工業炉用排ガス処理装置。
【請求項3】
前記それぞれの外側容器には、略円筒状に成形された枠体を備え、この枠体の上端側の外側には、該外側容器が複数段積みされた状態において互いに干渉しない位置及び形状にて、作業者が把持する複数の把手が形成されてなるとともに、前記それぞれ段積みされた外側容器と外側容器との間には、一又は複数のスペーサが配置されてなり、上記スペーサにより前記外側容器と外側容器との間にはスペースが形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの工業炉用排ガス処理装置。
【請求項4】
前記内側容器は、前記個々の外側容器内に下段として水平方向に並んだ状態で複数支持されてなるとともに、上記下段として並んだ複数の内側容器の上方に上段として水平方向に並んだ状態で複数支持されてなるとともに、上記上段として並んだそれぞれの内側容器は、上記下段として水平方向に並んだ内側容器と内側容器との両方により支持されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの工業炉用排ガス処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化炉、焼却炉その他の工業炉により熱分解された被処理物から生じた排ガスを大気に放出する前段階で除去するために使用される工業炉用排ガス処理装置に関するものである。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
炭化炉(熱分解炉)や焼却炉等の各種の工業炉は、該工業炉内に収容された被処理物をバーナー等により熱分解するために使用されるが、該被処理物がこうした熱分解されると該工業炉からはガス(排ガス、排煙)が発生し、この排ガスには硫黄酸化物(SOx)、二酸化硫黄(SO

)又は窒素酸化物(NOx)等が含まれていることが多く、我が国では古くからこれらの物質が汚染物資とされ、規制の対象とされてきた。そこで、こうした排ガスに含まれる汚染物質を除去する技術(排ガス処理技術)が提案され又は実施されている。そして、こうした排ガス処理技術は、湿式法、乾式法、半乾式法に大別することができ、上記湿式法は、上記汚染物質と反応させる処理剤として、アルカリ水溶液又はそのスラリーを使用するものであり、上記乾式法は、活性炭や石灰石又は石炭灰などの処理剤(又は吸着剤)により汚染物質を化学反応させ別異の化学物質に変化させ或いは吸着させるものであり、上記半乾式法は、その一例として、消石灰スラリーを反応塔中に噴霧することにより上記大気汚染物質を例えば亜硫酸カルシウム等の粉体に転化するもののように、上記湿式法と乾式法とを組み合わせたものである。
【0003】
例えば、特公昭61-39095号公報(特許文献1)に開示された排ガス処理技術は、上記乾式法に分類される排ガス処理技術である。そして、この技術は、ボイラによる燃焼ガスを石灰からなるミクロン粒子を噴霧することにより石灰と燃焼ガス中の硫黄酸化物を反応させる工程と、その後に無水石膏を未反応石灰及び煤塵と共に集塵装置により排煙中より除去する工程を備え、上記集塵装置で回収した粉塵を分級機にかけて無水石膏および未反応石灰を多く含んだ細粉と、主として灰分からなる粗粉に分け、細粉を水素および一酸化炭素またはそのいずれか一方を含む高温の還元ガス中に噴霧して硫化カルシウムに還元した後、該ガスを冷却することによって、硫化カルシウムと炭酸ガスおよび水蒸気を反応させて炭酸カルシウムと硫化水素にし、このガス中から集塵装置で炭酸カルシウムの微粒子を分離し、これを排ガス処理剤としてボイラの中に再度噴霧する一方、集塵装置から排出されたガス中から硫化水素を回収することを特徴とするものである。こうした技術によれば、排ガス処理工程によって発生した物質を廃棄物として処理する必要性が減少し、再利用することができる点で評価に値する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公昭61-39095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された(乾式法による)排ガス処理技術では、該特許文献1に開示された図面からも明らかなように、各工程を経るためのプラントは複雑化しているばかりか巨大化されており、高コストとならざるを得ず、また広大な設置面積が必要となることから、採用することができない。また、こうした排ガス処理技術では、新たにプラントを建設する場合であればともかく、既に設置された炭化炉や焼却炉等の各種の工業炉の一部を変更したり組み込んだりすることにより、簡易に排ガス処理することができない。
【0006】
他方、上記湿式法により排ガス処理する場合には、スラリーを循環させたり多量の水が必要となったりするため、炭化炉や焼却炉等の各種の工業炉とは別個に排水処理施設が必要となる。特に、炭化炉により熱分解する対象が、使用済リチウムイオン電池である場合には、該炭化炉による熱分解によりコバルト等の高価な稀金属を回収する点のみを挙げれば、炭化炉による熱分解は効果的である。しかし、その一方において、この湿式法により排ガス処理する場合、特に一般的に用いられる方法であるスクラバー法(石灰水による湿式洗浄法)による場合では、先に記載したように排水処理設備が必要であることは言うまでもなく、該排水処理設備内には、石灰水との間における化学反応により生成されたフッ化カルシウムが沈殿すること、装置に付着するスケールを適宜処理する必要性があること、水に溶解して腐食性・有毒性の強いフッ化水素酸(フッ酸)が発生すること等を理由として、該装置及びメンテナンス作業が共に複雑となる。また、この場合では、上記フッ化水素は、ガラスも侵すほどの強い腐食性を有することに鑑みれば、上記炭化炉(熱分解炉)からの排ガスを湿式法により処理する処理設備の構成部材の素材として上記耐腐食性を有する素材の選定作業はかなりの困難性を伴う。また、上記湿式法による排ガス処理を行う場合であっても、新たにプラントを建設する場合であればともかく、先に記載した乾式法に係る課題と同じように、既に設置された炭化炉や焼却炉等の各種の工業炉の一部を変更することにより、簡易に排ガスに含まれた汚染物質を排ガス処理することができない。
【0007】
そこで、本発明は、上述した一般的な湿式法や乾式法に係る排ガス処理技術や上記特許文献1に開示された排ガス処理技術が有する課題を解決するために提案されたものであって、排ガスに含まれた汚染物質を極めて簡易な構成で且つ広大な設置面積を必要とすることなく、さらには既設の炭化炉や焼却炉等の各種の工業炉の一部を変更するのみで容易に排ガス処理を行うことができる新規な工業炉用排ガス処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、第1の発明(請求項1記載の発明)は、炭化炉や焼却炉その他の工業炉の炉内で発生した排ガスを大気に放出し、鉛直方向に長さを有する排気塔の中途部に取り外し可能に固定され、下側には排ガス処理がされていない上記排ガスが流入する流入口が形成され、上側には内部で排ガス処理がされた上記排ガスを排出する排出口が形成された処理用筐体と、この処理用筐体内にそれぞれ支持されてなるとともにそれぞれ下側から上側に順次段積みされ、底方向には上記排ガスが通過する通過用開口が形成され上部は開放されてなる複数の外側容器と、これら外側容器内に複数収容され、底方向には該外側容器の通過用開口を通過した排ガスが通過する複数の通過用小開口が形成され上部は開放されてなるとともに、内部には、所定の形状又は粒形に成形され上記排ガスに含まれた所定の汚染物質と化学反応し又は上記排ガスに含まれた汚染物質を吸着する処理剤が収容されてなる内側容器と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0009】
上記第1の発明に係る工業炉用排ガス処理装置では、上記工業炉の炉内で発生した排ガスが排気塔の中途部まで到達すると、この排ガスは、上記それぞれの通過用開口を通過して上記最も下段に支持された上記外側容器内に流入し、この外側容器内に流入した排ガスは更にその上に段積みされた外側容器内に流入する、と言う順番で徐々に上昇し、最終的にはこれら複数の外側容器内を通過して排気塔内に流入した上で大気に放出される。そして、それぞれの外側容器内に流入した排ガスは、上記通過用開口のそれぞれを通過して各内側容器に形成されたそれぞれの通過用小開口を通過し、該内側容器内に収容された粒状の処理剤の個々に接触しながら上方に移動する。
【0010】
なお、上記処理剤は、排ガス処理される汚染物質との間で化学反応する物質と、該汚染物質を物理的に吸着する物資(以下、吸着剤と言う。)との両方を含む。前者の物質としては、(排ガス処理すべき汚染物質の種類にも因るが)生石灰や消石灰等のカルシウム化合物、石灰石(炭酸カルシウム系)や骨灰等を使用することができる。また、カルシウムに類するアルカリ金属(アルミニウム、マグネシウム等)化合物等を使用しても良い。この時、上記処理剤との接触により汚染物質は化学反応して生成された物質が該処理剤の表面に付着・吸着される。例えば、上記汚染物質が硫黄酸化物(SOx)であり、上記処理剤が石灰である場合には、無水石膏が生成され、これが粒状化された石灰の表面に付着・吸着される。上記汚染物質がフッ素である場合には、フッ化カルシウムが生成されて該処理剤に吸着される。他方、上記処理剤の形状は、顆粒状、球状、繊維状、ハニカム状、練炭(様の形)状等を挙げることができる。なお、処理剤の形状(粒形)は、細かければ細かいほどまたポーラス状であればあるほど比表面積が大きくなり、このことは同時に処理効率(吸着効率)が高くなるが、他方では、排気塔内における排ガスの通過抵抗(圧損)が大きくなることから、互いに相反する前者と後者との両方を勘案した上で適切な形状又は粒形とすることが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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