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公開番号2024033052
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022136425
出願日2022-08-30
発明の名称シイタケ容器栽培方法
出願人株式会社北研
代理人個人
主分類A01G 18/68 20180101AFI20240306BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】筒状の栽培容器によるシイタケ等のきのこ栽培において、生産効率や発生率(収量)の向上を実現し、且つ、商品規格をも満たす栽培方法を実現する。
【解決手段】透光性と保形性を備え、上面に開口部を配して一定量の培地が充填可能な筒状の容器本体と、透光性、通気性、保形性を備えた蓋体とを備えた栽培容器を用い、a)殺菌処理した培地を充填、又は、培地を充填した後に封して殺菌処理する、培地製造工程と、b)蓋体を外し、該培地表面にシイタケ種菌を散布した後に、容器本体を再び蓋体で封する種菌接種工程と、c)酸素を供給し、かつ、暗条件の環境下で、接種した菌糸を培地に蔓延させる菌糸培養前期工程と、d)酸素を供給し、かつ、明条件の環境下で、原基形成を促す菌糸培養後期工程と、e)原基形成が完了したら、容器本体から蓋体を外し、子実体の成長を促す子実体生育工程と、f)成熟した子実体を採取する採取工程と、で構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
透光性と保形性を備え、上面に開口部を配して一定量の培地が充填可能な筒状の容器本体と、該容器本体上面の開口部を封する透光性、通気性、保形性を備えた蓋体とを備えた栽培容器を用い、
a)殺菌処理した培地を該容器本体に充填し、該蓋体で封する、又は、該培地を充填した後に該容器本体を該蓋体で封して殺菌処理する、培地製造工程と、
b)該蓋体を外し、該培地表面にシイタケ種菌を散布した後に、該容器本体を再び該蓋体で封する種菌接種工程と、
c)酸素透過性があり、かつ、暗条件の環境下で、接種した菌糸を培地に蔓延させる菌糸培養前期工程と、
d)酸素透過性があり、かつ、明条件の環境下で、原基形成を促す菌糸培養後期工程と、
e)該原基形成が完了したら、該容器本体から該蓋体を外し、子実体の成長を促す子実体生育工程と、
f)成熟した該子実体を採取する採取工程と、
から構成されることを特徴とするシイタケ容器栽培方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記容器本体は、円筒状、四角筒状、多角筒状のいずれかであり、前記開口部の胴部に対する径率が、70%以上であり、前記開口部直径の前記容器本体の高さに対する比率が50%以上としたことを特徴とする請求項1に記載のシイタケ容器栽培方法。
【請求項3】
前記容器蓋体は、フィルタを用いず、嵌合部の隙間を通してのみ酸素供給および二酸化炭素排出が行なわれることを特徴とする請求項1に記載のシイタケ容器栽培方法。
【請求項4】
前記培地製造工程において、前記培地を、培地頂点と容器天端の距離が5~20mmになるように充填したことを特徴とする請求項1に記載のシイタケ容器栽培方法。
【請求項5】
前記培地製造工程において、前記培地の上面の形状を平型、台形型、饅頭型、円錐形、すり鉢型のいずれかとし、その高低差が20mm以内であることを特徴とする請求項1に記載のシイタケ容器栽培方法。
【請求項6】
前記培地製造工程において、接種孔が
a)前記培地上面の中央部の一箇所
b)前記培地上面の外縁部の複数箇所
c)前記培地上面の中央部から略等距離の位置の複数箇所
の少なくとも1つに当てはまる位置に開けられていることを特徴とする請求項1に記載のシイタケ容器栽培方法。
【請求項7】
前記菌糸培養前期工程は、0.5ルクス未満の暗条件としたことを特徴とする請求項1に記載のシイタケ容器栽培方法。
【請求項8】
前記菌糸培養後期工程は、100ルクス以上の明るさで、常時点灯もしくは間欠点灯としたことを特徴とする請求項1に記載のシイタケ容器栽培方法。
【請求項9】
前記種菌接種工程で用いる前記シイタケ種菌は、子実体発生面に菌糸塊を形成する前記菌糸培養後期工程において褐変被膜が形成しにくいシイタケ菌株であることを特徴とする請求項1に記載のシイタケ容器栽培方法。
【請求項10】
前記子実体生育工程において、培養完了し前記蓋体を除去したタイミングで、
a)前記培地上面部に少なくとも一箇所の穴あけを行なう
b)前記培地上面部の一部を菌糸ごと除去する
c)前記栽培容器に刺激を加える
のうち、少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1に記載のシイタケ容器栽培方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてシイタケを対象とし、栽培室空間を効率よく活用でき、かつ菌床1世代に対し1回の発生を促して収穫する、自動化や機械化が容易な容器栽培方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、食用きのこの栽培は、ポリプロピレンやポリエチレン製の袋によるものと、ポリプロピレン製ビン等の容器によるものの2つに大別される。エノキタケ、ブナシメジ、ナメコ等、多くの食用きのこ類は、設備等に必要な初期投資額は大きいが作業性・効率性が非常に高い特徴を有する容器栽培(ビン栽培)によって行なわれている。
一方、日本を代表する食用きのこであるシイタケは、過去に専用容器の開発やそれを用いた栽培が試行されたが、培養中に子実体の元となる「原基」が培地全体に形成されること、培地の全体から子実体が発生すること(子実体発生部位やタイミングのコントロールが技術的に難しい)などから、培養完了時点までの使用に限られている。また、様々な試行により容器栽培開発は進められており、条件によっては容器内の培地上部から発生させることは実現できているが、常時安定的かつ斉一に子実体を発生させる水準には達していない。これらから、現在においても培地製造、培養、発生、収穫までの全工程を一貫して行なうことができる商業的な容器栽培は実現しておらず、依然として袋栽培が主流となっている。
袋栽培では、上部に原基形成および子実体の成長を促す空間を設けることができ、良好な発生条件を備えるが、一方で、その袋の上部に配する発生用の空間が室内(栽培棚)収容の妨げとなり、作業性や収容密度の低下等が欠点となっている。
【0003】
また、袋栽培では、菌床1世代に対して3~10回程度の複数回発生を行なって菌床重量の20~30%程度のきのこを収穫することが一般的であった。それは、培養完了時で菌床全体がある程度熟成している必要があり、その菌床から一定量のシイタケを収穫するためには、1回ではなく複数回収穫することが、より効率的な栽培方法と判断していたことによる。しかしながら、このことは子実体が得られるまでに長時間を要すること、栽培管理に多大な労力が掛かること、施設回転効率が低いこと等が欠点となっていた。
【0004】
このような問題に対して、従来からも様々な技術が提案されている。例えば、茸類の栽培容器およびそれを用いる栽培方法(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。より詳しくは、きのこ培養基をビン容器内において培養して菌糸を蔓延させるきのこ培養方法とこれに用いるきのこ培養容器について記載されている。
しかしながら、培養中からきのこの原基形成がなされ、培地全面から子実体が発生するシイタケ菌の特徴から、培養完了後はビンから培地を取り出す必要があるため、ビンによる省力化のメリットが培養段階までに留まっており、上記問題の解決には至っていない。
【0005】
また、既存の栽培施設を活用した菌床シイタケビン栽培技術の開発(非特許文献1参照)について提案され、公知技術となっている。より詳しくは、既存の栽培施設や資材を利活用した菌床シイタケビン栽培技術の開発に言及しており、本発明と類似の条件等も散見されるが、従来の袋栽培比較で未収穫培地割合(不発生率)が高いことや収率(ビンあたり発生重量)が低いことから発生安定度が低いことが大きな課題であることを指摘している。
結果的に、前述した特許文献1の培養工程までに限られたビン利用技術(特許文献1)同様、菌床シイタケの商業的なビン栽培化は現在においても成功には至っておらず、上記問題の解決には至っていない。
本発明は、培地充填以降子実体育成に至るまでの工程についての条件を最適化した結果、発生率と収率等の生産効率が高く商業的なビン栽培化が可能な水準に達している点で異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平06-205611号公報
【非特許文献】
【0007】
長野県林試報第33号(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、シイタケ等のきのこ栽培の効率化を実現するにあたって、一貫して保形性、透光性、通気性のある栽培容器を用いることで収容密度の向上、機械化・自動化による生産効率の向上や発生率(収量)の向上を具現化するとともに、菌床1世代に対して1回の収穫とし、発生面を培地底面や側面を閉ざした上面のみ開放とすることで、短縮された期間内に十分な菌床の熟成と子実体の発生が見込め、求める商品規格を満たすことができる栽培方法を具現化することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するため、本発明に係るシイタケ栽培方法は、透光性と保形性を備え、上面に開口部を配して一定量の培地が充填可能な筒状の容器本体と、該容器本体上面の開口部を封する透光性、通気性、保形性を備えた蓋体とを備えた栽培容器を用い、
a)殺菌処理した培地を容器本体に充填し、蓋体で封する、又は、培地を充填した後に容器本体を蓋体で封して殺菌処理する、培地製造工程と、
b)蓋体を外し、該培地表面にシイタケ種菌を散布した後に、容器本体を再び蓋体で封する種菌接種工程と、
c)酸素透過性があり、かつ、暗条件の環境下で、接種した菌糸を培地に蔓延させる菌糸培養前期工程と、
d)酸素透過性があり、かつ、明条件の環境下で、原基形成を促す菌糸培養後期工程と、
e)原基形成が完了したら、容器本体から蓋体を外し、子実体の成長を促す子実体生育工程と、
f)成熟した子実体を採取する採取工程と、
から構成される手段を採る。
【0010】
また、本発明は、前記容器本体が、円筒状、四角筒状、多角筒状のいずれかで、開口部の胴部に対する径率が、70%以上であり、開口部直径の容器の高さに対する比率が50%以上とした手段を採る。
(【0011】以降は省略されています)

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