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公開番号2024029318
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-06
出願番号2022131510
出願日2022-08-22
発明の名称パルス光源及びそれを用いたシステム
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人
主分類H01S 3/11 20230101AFI20240228BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】正もしくは負の振幅を有する凸もしくは凹のパルス(正ブライト、正ダーク、負ブライト、負ダーク)を任意の形状でモード同期レーザから直接生成可能なパルス光源及びそれを用いたシステムを提供する。
【解決手段】レーザ共振器内に光位相変調器と、光フィルタとを備える周波数変調モード同期レーザを有している。所望の光パルスの形状および連続波オフセット量に応じて光フィルタの振幅および位相特性を設定することにより、振幅および位相特性が可変であり、連続波オフセット量を有する所望の光パルスの形状を持つダークパルスおよびブライトパルスを発生するよう構成されている。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
レーザ共振器内に光位相変調器と、光フィルタとを備える周波数変調モード同期レーザを有し、
所望の光パルスの形状および連続波オフセット量に応じて前記光フィルタの振幅および位相特性を設定することにより、前記振幅および前記位相特性が可変であり、前記連続波オフセット量を有する前記所望の光パルスの形状を持つダークパルスおよびブライトパルスを発生するよう構成されていることを
特徴とするパルス光源。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記光位相変調器は、繰り返し角周波数Ω
m
の正弦波で駆動され、
前記光フィルタの前記振幅および前記位相特性は、前記光位相変調器の変調度、出力したいパルスのスペクトルA(ω)、前記連続波オフセット量を与えるsinc関数S(ω) = sin(ωτ/2)/ω(τ= 2π/Ω
m
)、ならびに、A(ω)およびS(ω)を前記繰り返し角周波数Ω
m
の整数倍だけ正または負にシフトした関数A(ω-nΩ
m
)、A(ω+nΩ
m
)、S(ω-nΩ
m
)、S(ω+nΩ
m
)、(n:整数)を用いて与えられることを
特徴とする請求項1記載のパルス光源。
【請求項3】
前記光フィルタは、前記スペクトルA(ω)および前記連続波オフセット量を与えるsinc関数S(ω)の符号を正または負にとることにより、その組み合わせに応じて正のブライトパルス、正のダークパルス、負のブライトパルス、負のダークパルスの4種類のパルスを発生するよう構成されていることを特徴とする請求項2記載のパルス光源。
【請求項4】
前記光フィルタは、前記スペクトルA(ω)をガウス関数とすることで、正または負のブライトもしくはダークガウスパルスを発生するよう構成されていることを特徴とする請求項3記載のパルス光源。
【請求項5】
前記光フィルタは、前記スペクトルA(ω)をsech関数とすることで、正または負のブライトもしくはダークsechパルスを発生するよう構成されていることを特徴とする請求項3記載のパルス光源。
【請求項6】
前記光フィルタは、前記スペクトルA(ω)を両指数関数のフーリエ変換とすることで、前記両指数関数の形状をもつ正または負のブライトもしくはダークパルスを発生するよう構成されていることを特徴とする請求項3記載のパルス光源。
【請求項7】
前記光フィルタは、前記スペクトルA(ω)をsinc関数の2乗とすることで、電界振幅が三角形の形状をもつ正または負のブライトもしくはダークパルスを発生するよう構成されていることを特徴とする請求項3記載のパルス光源。
【請求項8】
前記光フィルタは、前記スペクトルA(ω)を第1種ベッセル関数J
2k
(ω)(k: 整数)の級数とすることで、電界の2乗としての強度が三角形の形状をもつ正または負のブライトもしくはダークパルスを発生するよう構成されていることを特徴とする請求項3記載のパルス光源。
【請求項9】
前記光フィルタは、前記スペクトルA(ω)を関数sin ω/ω
3
とcos ω/ω
2
の和又は差とすることで、電界振幅がパラボラの形状をもつ正または負のブライトもしくはダークパルスを発生するよう構成されていることを特徴とする請求項3記載のパルス光源。
【請求項10】
前記光フィルタは、前記スペクトルA(ω)を関数J
1
(ω)/ω(J
1
(ω): 1次の第1種ベッセル関数)とすることで、電界の2乗としての強度がパラボラ(放物線)の形状をもつ正または負のブライトもしくはダークパルスを発生するよう構成されていることを特徴とする請求項3記載のパルス光源。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光パルスの振幅が凸であるブライトパルス、ならびに凹であるダークパルスを正負両方の位相で且つ様々な形状で実現可能なパルス光源及びそれを用いたシステムに関するものである。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
モード同期レーザは、光通信、光計測、光信号処理等に用いられる光パルス光源として幅広い用途を有する。モード同期レーザから発生するパルス形状は、一般にガウスパルスとなることが知られている(例えば、非特許文献1,2参照)。また、モード同期レーザは、共振器内にソリトン効果と呼ばれる非線形光学効果を用いることにより、sechパルスを発生することが出来る(例えば、非特許文献3参照)。
【0003】
一方、ガウス、sech以外のパルスをモード同期レーザから直接発生する方法として、本発明者らは、発生したい光パルス形状に応じて振幅・位相特性を適切に設計した光フィルタを、モード同期レーザの共振器内に挿入することにより、ガウス、sech以外であっても所望の時間波形をもつパルス列を発生可能な光ファンクションジェネレータを提案している(例えば、非特許文献4,5,6,7参照)。この手法により、片指数関数、両指数関数、三角形、パラボラ、矩形、さらには任意のロールオフ率を有するナイキストパルスが、振幅変調(AM;Amplitude Modulation)または周波数変調(FM;Frequency Modulation)モード同期レーザから生成できることを明らかにしている。
【0004】
これらのモード同期レーザでこれまで実現してきた光パルスの波形は、図1(a)に示すような、いずれもその振幅が正の電界の値において凸で、且つ両端の裾野がゼロとなる形状のボジティブパルスであった。一方、光パルスにはこの他にも、凹の形状を有するダークパルスが存在する。ダークパルスは、図1(c)に示すように、連続波(CW;continuous wave)光の一部がある形状で削り取られたパルスである。その例として、ダークソリトンが知られている。ダークソリトンとは、振幅がtanh(t/T)、強度がtanh
2
(t/T) = 1 - sech
2
(t/T)で与えられる光パルスである。ダークソリトンは、光ファイバ中の正常分散とカー効果とが釣り合うことで安定に伝搬する非線形パルスであり(例えば、非特許文献8,9参照)、光伝送用パルス(例えば、非特許文献10参照)としてのみならず光周波数コム(例えば、非特許文献11参照)としても有用である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
D. Kuizenga and A. Siegman, “FM and AM mode locking of the homogeneous laser - Part I: Theory”, IEEE J. Quantum Electron., November 1970, vol. 6, no. 11, pp. 694-708
H. A. Haus, “A theory of forced mode locking”, IEEE J. Quantum Electron., July 1975, vol. QE-11, no. 7, pp. 323-330
M. Nakazawa and E. Yoshida, "A 40-GHz 850-fs regeneratively FM mode-locked polarization-maintaining erbium fiber ring laser", IEEE Photonics Technology Letters, Dec. 2000, vol. 12, no. 12, pp. 1613-1615
M. Nakazawa and T. Hirooka, “Theory of AM Mode-Locking of a Laser as an Arbitrary Optical Function Generator”, IEEE J. Quantum Electron., December 2021, vol. 57, no. 6, 1300320
M. Nakazawa and T. Hirooka, “Theory of FM Mode-Locking of a Laser as an Arbitrary Optical Function Generator”, IEEE J. Quantum Electron., April 2022, vol. 58, no. 2, 1300125
M. Nakazawa, M. Yoshida, and T. Hirooka, “Experiments on an AM Mode-Locked Laser as an Arbitrary Optical Function Generator”, IEEE J. Quantum Electron., June 2022, vol. 58, no. 3, 1300218
M. Nakazawa, M. Yoshida, and T. Hirooka, “Experiments on an FM Mode-Locked Laser as an Arbitrary Optical Function Generator”, IEEE J. Quantum Electron., June 2022, vol. 58, no. 3, 1300316
A. Hasegawa and F. Tappert, “Transmission of stationary nonlinear optical pulses in dispersive dielectric fibers. 2. Normal dispersion”, Appl. Phys. Lett., August 1973, vol. 23, no. 4, pp. 142-144
A. M. Weiner, J. P. Heritage, R. J. Hawkins, R. N. Thurston, E. M. Kirschner, D. E. Leaird, and W. J. Tomlinson, “Experimental observation of the fundamental dark soliton in optical fibers”, Phys. Rev. Lett., November 1988, vol. 61, no. 21, pp.2445-2448
M. Nakazawa and K. Sizuki, "10Gbit/s pseudorandom dark soliton data transmission over 1200 km", Electron. Lett. June 1995, vol. 31, No. 13, pp. 1076 - 1077
X. Xue, Y. Xuan, Y. Liu, P. H. Wang, S. Chen, J. Wang, D. E. Leaird, M. Qi, and A. M. Weiner, “Mode-locked dark pulse Kerr combs in normal-dispersion microresonators”, Nature Photon., 2015, vol. 9, 594-600
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図1(c)に示すようなダークソリトンは、光ファイバ中で正常分散とカー効果とが釣り合うことで得ることはできるものの、条件が限られ、何よりモード同期レーザで得ることは難しいパルスであり、実用性の妨げとなっているという課題があった。一方、ダークパルスとは対照的に、図1(b)に示すような、凸の光パルスにCWのオフセットが重畳されたブライトパルスが考えられる。
【0007】
従来の光パルスは、その振幅が正の値で定義されたポジティブパルス(図1(a)参照)であるが、振幅が負電界の値で定義されるパルスとしてネガティブパルス(図1(d)参照)も存在する。このように、ネガティブパルスを生成することが出来るので、ポジティブパルスとの干渉により光を高い消光比でオンオフすることが可能となり、光信号処理への幅広い応用への期待が広がっている。
【0008】
そこで、前述のブライトパルスと、ダークパルスとを容易に生成することができれば、ポジティブパルスとネガティブパルスとの関係と同様に、光信号処理への幅広い応用への期待が大きく広がる可能性がある。
【0009】
以上述べたことから明らかなように、正/負のCW、ポジティブ/ネガティブパルスを組み合わせると、(1)正のブライトパルス(図1(b)参照)、(2)正のダークパルス(図1(c)参照)、(3)負のブライトパルス(図1(e)参照)、(4)負のダークパルス(図1(f)参照)の4種類のパルスを定義することが出来る。(1)はポジティブパルス+正のCWオフセット、(2)はネガティブパルス+正のCWオフセット、(3)はポジティブパルス+負のCWオフセット、(4)はネガティブパルス+負のCWオフセットの組み合わせとして定義される。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、正もしくは負の振幅を有する凸もしくは凹のパルス(正ブライト、正ダーク、負ブライト、負ダーク)を任意の形状でモード同期レーザから直接生成可能なパルス光源及びそれを用いたシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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