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公開番号2024027253
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2022129897
出願日2022-08-17
発明の名称調理パン用油脂組成物、調理パン用穀粉生地及び調理パン
出願人日油株式会社
代理人弁理士法人雄渾
主分類A23D 9/00 20060101AFI20240222BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明は、ライン適性が向上し、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けが良好であり、風味良好な調理パンが得られる調理パン用油脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、(A)食用油脂中に、(B)米油由来ガム質を含有することを特徴とする、調理パン用油脂組成物を提供する。本発明の調理パン用油脂組成物によれば、米油由来ガム質を食用油脂に添加することにより、ライン適性に優れた調理パン用穀粉生地や、レンジ加熱後の歯切れ、口溶けに優れ、風味が良好な調理パンを得ることができる。さらに(C)マルトース生成αアミラーゼを含有することで風味向上効果を増強することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)食用油脂中に、(B)米油由来ガム質を含有することを特徴とする、調理パン用油脂組成物。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
(C)マルトース生成αアミラーゼを含有することを特徴とする、請求項1に記載の調理パン用油脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の調理パン用油脂組成物を含有することを特徴とする、調理パン用穀粉生地。
【請求項4】
請求項3に記載の調理パン用穀粉生地を焼成してなる調理パン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ライン適性が向上し、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けが良好であり、風味良好な調理パンが得られる調理パン用油脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、食品ロス低減への取り組みが活発化しており、パンにおいても賞味期限延長が望まれている。パンの賞味期限を延長するためには、様々な方法があるが、そのうちの一つとしてチルド流通、保管することで賞味期限延長したパン製品が注目されている。チルドにて流通、保管されたパンは喫食する際、電子レンジ加熱するため、温めることで美味しく食すことのできる具材とパンを組み合わせたウィンナードッグやカレーパンなどの調理パンが対象となる。
調理パンは具材の美味しさを味わうため、レンジ加熱後のパンは歯切れ、口溶けがよく、風味良好なパンが望まれる。
調理パンの歯切れ向上には酵素であるアミラーゼが一般的に使用されるが、アミラーゼを使用するとパン生地にべたつきが生じることで、パン生地が製造ラインに付着しライン洗浄により作業時間が増加すること、パン生地の成型不良が発生し歩留まりが低下することが課題とされる。
また、調理パンはレンジ加熱されると、パンに含まれるグルテンが収縮することでパンの歯切れ、口溶けが低下する。このレンジ加熱によるグルテンの変化を抑制するため、酵素であるプロテアーゼを使用する方法やパン生地を作成する段階で多量の水を配合する方法もあるが、いずれの方法も、パン生地にべたつきが生じ、作業時間の増加、歩留まりの低下を招く。べたつきのあるパン生地はライン適性が低下した生地であると考えられ、べたつきのないパン生地がライン適性の向上した生地であると考えられる。
一方、調理パンのレンジ加熱後の歯切れ向上を目的として乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステルが使用されるが、具材をしっかりと温める必要のある調理パンにおいては十分な歯切れ向上効果を得ることはできない。また、乳化剤の効果を多く得ようと、融点の高い乳化剤を多量に油脂中に分散させると、油脂のパン生地への分散性が低下し、ミキシング時間が長くなることで作業時間が増加する。一方、融点の低い乳化剤を多量に油脂中に分散させると、油脂のパン生地への分散性は向上するが、焼成した調理パンの風味が低下する。
すなわち、パン生地への分散性に優れ、ライン適性が向上し、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けがよく、風味良好な調理パンが得られる油脂が望まれている。
【0003】
上記課題を解決するために、パン生地のべたつきを低減する方法として、酸素を気相として含有する油脂組成物(特許文献1)、有機酸モノグリセリドなど乳化剤を配合した油脂を用いる方法(特許文献2)が提案されている。電子レンジ加熱に適するパンの製造方法としてパン生地に多くの水と卵を配合する方法(文献3)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-54680号公報
特開2018-78812号公報
特開2016-49061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1(特開2016-54680号公報)の酸素を気相として含有する方法、特許文献2(特開2018-78812号公報)の有機酸モノグリセリドなど乳化剤を配合した油脂を用いる方法では、パン生地のべたつきは低減されるが、焼成したパンの歯切れが悪化するだけでなく、乳化剤特有の風味によりパンの風味が悪くなるという問題がある。特許文献3(特開2016-49061号公報)に記載の技術では、レンジ加熱を行っても良好な食感を維持できるパンが製造できるが、パン生地の流動性が高く、通常の製パン方法で行う分割や丸めといった工程を行うことができず、パン生地のべたつきによるライン適性が著しく低下する。
以上のように、レンジ加熱をする調理用パンにおいて、パン生地のライン適性を低下することなく、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けがよく、風味良好な調理パンが得られる方法はなかった。
【0006】
よって、本発明の目的は、パン生地のライン適性を向上し、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けがよく、風味が良好な調理パンを得ることができる、調理パン用油脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
米油由来ガム質は、米糠から搾油された精製前の米原油に含まれるガム状の粘着物質であり、各種植物原油の中でも米原油はガム質が特に多く含まれていることが知られている。米油由来ガム質は米油の精製時に副産物として発生するが、これまで有効な活用方法が見出されておらず、家畜飼料用など付加価値の低い用途に使用されてきたにすぎず、製パン性能向上効果はこれまで見出されていない。
発明者は、これまで製パン用原料として用いることがなかった米油由来ガム質が、パン生地のライン適性を向上し、さらには、レンジ加熱をする調理用パンのレンジ加熱後の歯切れや口溶け、風味を向上することを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は下記の[1]~[4]である。
[1]
(A)食用油脂中に、(B)米油由来ガム質を含有することを特徴とする、調理パン用油脂組成物。
[2]
(C)マルトース生成αアミラーゼを含有することを特徴とする、[1]に記載の調理パン用油脂組成物。
[3]
[1]又は[2]に記載の調理パン用油脂組成物を含有することを特徴とする、調理パン用穀粉生地。
[4]
[3]に記載の調理パン用穀粉生地を焼成してなる調理パン。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ライン適性が向上し、レンジ加熱後も歯切れ、口溶けが良好であり、風味良好な調理パンが得られる調理パン用油脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の調理パン用油脂組成物は、(A)食用油脂中に、(B)米油由来ガム質を含有することを特徴とする。なお本発明の調理パン用油脂組成物は、ショートニング、油中水型乳化物、水中油型乳化物のいずれの形態においてもその効果を発揮することができるが、実質的に水を含まない形態が好ましい。「実質的に水を含まない」とは、調理パン用油脂組成物中における水分が5質量%以下であることをいう。なお、調理パン用油脂組成物中における水分の測定方法は、基準油脂分析試験法の「2.1.3.4-2013 水分(カールフィッシャー法)」に準じて測定する。
以下、本発明について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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