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公開番号2024025110
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022128296
出願日2022-08-10
発明の名称光線力学的療法のための光感受性物質
出願人国立大学法人神戸大学,学校法人甲南学園
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61K 31/555 20060101AFI20240216BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明は、アニオン性フタロシアニン(APC)の金属錯体の生体内循環性が改善されている光線力学的療法のための光感受性物質、及び当該光感受性物質を含む光線力学的療法用製剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る光線力学的療法のための光感受性物質は、アニオン性フタロシアニン金属錯体、及びポリアルキレングリコール鎖を有するテトラピロール環状化合物を含み、前記アニオン性フタロシアニン金属錯体と前記テトラピロール環状化合物が複合体を形成していることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アニオン性フタロシアニン金属錯体、及びポリアルキレングリコール鎖を有するテトラピロール環状化合物を含み、
前記アニオン性フタロシアニン金属錯体と前記テトラピロール環状化合物が複合体を形成していることを特徴とする光線力学的療法のための光感受性物質。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記ポリアルキレングリコール鎖の重合度が5以上、300以下である請求項1に記載の光線力学的療法のための光感受性物質。
【請求項3】
前記アニオン性フタロシアニン金属錯体がアニオン性フタロシアニン亜鉛錯体である請求項1に記載の光線力学的療法のための光感受性物質。
【請求項4】
前記アニオン性フタロシアニン金属錯体が有するアニオン性基がスルホン酸基である請求項1に記載の光線力学的療法のための光感受性物質。
【請求項5】
前記テトラピロール環状化合物がポルフィリン骨格を有する請求項1に記載の光線力学的療法のための光感受性物質。
【請求項6】
前記テトラピロール環状化合物に対して2±1倍モルの前記アニオン性フタロシアニン金属錯体を含む請求項1に記載の光線力学的療法のための光感受性物質。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の光線力学的療法のための光感受性物質、及び溶媒を含むことを特徴とする光線力学的療法用製剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アニオン性フタロシアニン(APC)の金属錯体の生体内循環性が改善されている光線力学的療法のための光感受性物質、及び当該光感受性物質を含む光線力学的療法用製剤に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
がんに対する標準治療として、手術療法、化学療法、放射線療法が知られている。例えば、手術でがん組織を除去した後、転移したがんに対して化学療法と放射線療法を行ったり、予め化学療法によりがんをある程度小さくしてから、手術でがんを取り除いたり、手術ができない患者には化学療法と放射線療法を合わせてがんの進行を抑える場合がある。
【0003】
しかし、手術療法は侵襲性のために患者に負担を与え、化学療法と放射線療法には副作用により正常細胞にも障害を与えるという問題がある。
【0004】
近年、光線力学的療法(PDT:Photodynamic Therapy)が注目されている。PDTとは、腫瘍親和性のある光感受性物質を投与した後、腫瘍組織にレーザー光を照射することにより励起した光感受性物質のエネルギーによって一重項酸素が発生し、更に種々の活性酸素種が発生し、この活性酸素種により腫瘍組織を変性壊死させる選択的治療法である。レーザー光としては正常細胞に影響を与えないものを用い、また活性酸素種の寿命は極めて短いため、光感受性物質の近辺の腫瘍組織にのみ影響を与えるという選択性を有する。
【0005】
光線力学的療法のための光感受性物質としては、様々なものが検討されている。例えば非特許文献1には、ポリエチレングリコール(PEG)化されたポルフィリンのナノ粒子を投与した腫瘍モデルマウスにレーザー光を照射することにより、腫瘍重量が減少したことが記載されている。
【0006】
また、RASシグナル伝達経路は細胞のがん化に重要な役割を担い、RASタンパク質の一種としてNRASが知られているところ、非特許文献2には、亜鉛(II)フタロシアニンテトラスルホン酸(ZnAPC)がNRAS mRNAの四重鎖構造に特異的に結合し、更に光照射することによりNRAS mRNAが損傷し、NRASの発現が抑制されることが記載されている。
【0007】
但し、ZnAPCには低体内循環性という問題がある。具体的には、ZnAPCを注射投与すると、血中で凝集して注射部位に留まり、NRAS mRNAへの特異的結合性にもかかわらず、腫瘍組織に到達しない。
【0008】
光線力学的療法のための光感受性物質の体内循環性の改善のためのキャリアが種々検討されている。例えば非特許文献3には、ポリ(N-ビニルカプロラクタム)-g-ポリ(D,L-ラクチド)、及びポリ(N-ビニル カプロラクタム-co-N-ビニル イミダゾール)-g-ポリ(D,L-ラクチド)というグラフト共重合体からなるミセルが、非特許文献4には、ポリ(エチレングリコール) ブロック ポリスチレンが、光線力学的療法のための光感受性物質のキャリアとして開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
Dr.Liang Chengら,Adv Funct Mater.,2017,27(34)
Keiko Kawauchiら,Nature communications,2018,9,2271
Hshieh-Chih Tsaiら,Biomaterials,33(2012),1827-1837
Peng Zhangら,Colloids and Surfaces B: Biointerface,194(2020),111204
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、光線力学的療法のための光感受性物質としてZnAPCが開発されている。ZnAPCは光照射により活性酸素種を発生して腫瘍細胞を障害するのみならず、NRAS mRNAへ特異的に結合して光照射を受けることにより当該mRNAを損傷させ、腫瘍細胞の異常増殖に寄与するNRASの発現を抑制すると考えられている。
しかしZnAPCの生体内循環性は低く、投与されても腫瘍組織に送達できない可能性がある。
光線力学的療法のための光感受性物質を内包するキャリアとして、ポリ乳酸共重合体が開発されているが、光感受性物質の担持率が数%と10%に至らないことや、担持した光感受性物質が漏出し易いといった問題がある。
そこで本発明は、アニオン性フタロシアニン(APC)の金属錯体の生体内循環性が改善されている光線力学的療法のための光感受性物質、及び当該光感受性物質を含む光線力学的療法用製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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