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公開番号2024022725
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-21
出願番号2022126019
出願日2022-08-08
発明の名称不飽和ポリエステルの製造方法
出願人国立大学法人信州大学
代理人
主分類C08F 283/01 20060101AFI20240214BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】副生成物として強酸成分が生じることなく、熱硬化を回避できる程度の低温で、アクリル酸エステル構造を主鎖に含む不飽和ポリエステルを製造すること。該不飽和ポリエステルから、モノマーのジメタクリル化合物を再生すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるジメタクリル化合物と、ジカルボン酸との間での共役置換反応により不飽和ポリエステルを製造。
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[一般式(1)中、X、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基で、一部がヘテロ元素で置換されていてもよい。複数あるR1、R2は同一であってもよく異なっていてもよい。Yは2価の連結基で、一部がヘテロ元素で置換されていてもよい。]
製造した不飽和ポリエステルに、カルボン酸またはその塩を用いた共役置換反応を行い、前記一般式(1)で表されるメタクリル化合物を再生。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)で表されるジメタクリル化合物と、ジカルボン酸との間での共役置換反応により、下記一般式(2)で表される不飽和ポリエステルを製造する方法。
JPEG
2024022725000019.jpg
21
93
[一般式(1)中、X、R

、R

はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基で、一部がヘテロ元素で置換されていてもよい。複数あるR

、R

は同一であってもよく異なっていてもよい。Yは2価の連結基で、一部がヘテロ元素で置換されていてもよい。]
JPEG
2024022725000020.jpg
26
95
[一般式(2)中のX、R

、R

は、一般式(1)中のX、R

、R

と同一である。Y、Zは2価の連結基で、一部がヘテロ元素で置換されていてもよい。]
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
下記一般式(1)-1で表されるジメタクリレートと、ジカルボン酸との間での共役置換反応により、下記一般式(2)-1で不飽和ポリエステルを製造する方法。
JPEG
2024022725000021.jpg
21
107
[一般式(1)中、X、R

、R

はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基で、一部がヘテロ元素で置換されていてもよい。複数あるR

、R

は同一であってもよく異なっていてもよい。Y

は2価の連結基で、一部がヘテロ元素で置換されていてもよい。]
JPEG
2024022725000022.jpg
27
116
[一般式(2)中のX、R

、R

は、一般式(1)中のX、R

、R

と同一である。Y
1
、Zは2価の連結基で、一部がヘテロ元素で置換されていてもよい。]
【請求項3】
請求項1記載の一般式(2)で表される不飽和ポリエステルに、カルボン酸またはその塩を用いた共役置換反応を行い、請求項1記載の一般式(1)で表されるメタクリル化合物を再生する方法。
【請求項4】
請求項1記載の一般式(2)-1で表される不飽和ポリエステルに、カルボン酸またはその塩を用いた共役置換反応を行い、請求項1記載の一般式(1)-1で表されるメタクリル化合物を再生する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は不飽和ポリエステルの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
アクリル酸エステル構造を主鎖骨格に含む不飽和ポリエステルは、アクリル骨格のラジカル重合により架橋構造を形成する、硬化性樹脂として知られている(非特許文献1)。例えば、ウレタン結合を導入したポリ共役エステルは、木板の接着剤として優れた性能を示すことが報告されている(非特許文献2)。また、アクリル酸エステル構造のアリル位を、アシルオキシ基(エステル結合)やフェノキシ基などの脱離基で置換した不飽和ポリエステルは、アミンやチオールと反応し化学分解する(非特許文献3、4)。この分解は、求核剤であるアミンやチオールがアクリル酸エステル構造のビニリデン基に求核攻撃し、炭素-炭素二重結合がアリル位の炭素を巻き込む形に組み換わるとともに、アリル位の脱離基が遊離する付加-脱離機構(S

2′機構)に基づく共役置換反応によって生じる。共役置換反応は室温、大気雰囲気でも効率よく進行することから、高分子の合成・分解の素反応として優れている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
▲高▼坂 泰弘、日本接着学会誌、2020年、55巻3号、94-102.
T.Robert,S.Friebel,Green.Chem.,2016,18,2922.
Y.Kohsaka,T.Miyazaki,K.Hagiwara,Polym.Chem.2018,9,1610.
Y.Kohsaka,K.Nagai,Eur.Polym.J.,2020,141,110049
T.Katoh,Y.Ogawa,Y.Ohta,T.Yokozawa,J.Polym.Sci.,2021,59(9)787-797
▲高▼坂 泰弘、川谷 諒、繊維学会誌、2022年、78巻3号、111-115.
【特許文献】
【0004】
▲高▼坂 泰弘、宮崎匠、α-(ハロメチル)アクリル化合物、重合体、重合体の製造方法、硬化物の製造方法及び硬化物、特許登録7012329
▲高▼坂 泰弘、宮崎匠、α-(ハロメチル)アクリル化合物、重合体、重合体の製造方法、硬化物の製造方法及び硬化物、特開2022-044637
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリエステルの製造法には、Lewis酸触媒存在下、高温・減圧条件でジカルボン酸およびそのエステルとジオールを反応させる直接合成法ならびにエステル交換法が知られている。これらの製造方法は可逆反応に基づくため、通常はジオールモノマーを大過剰に使用し、余剰のジオールを高温・減圧処理によって除去して平衡を生成物側に偏らせる必要がある。可逆反応に基づくポリエステル合成には、ジエステルとジカルボン酸の間のエステル交換を使用する、カルボン酸交換法(もしくはエステル-エステル交換法)も報告されている(非特許文献5)。この報告では有機分子触媒を含む様々な触媒が検討されているが、求核アシル置換反応(エステル交換反応)に基づいている点では従来の直接合成法ならびにエステル交換法と同様で、高重合度ポリマーの製造には125℃、減圧条件が必要とされている。
【0006】
アクリル酸エステル構造を主鎖骨格に含む不飽和ポリエステルを、直接合成法あるいはエステル交換法で製造する場合、熱開始ラジカル重合による硬化反応の併発が課題になる。非特許文献5では、重合温度を130℃という比較的低温に留めて、さらに通常アクリル骨格に対してppm単位で使用する重合禁止剤を0.5wt%も使用することで、熱硬化反応を抑制することに成功している。同時に、重合度の増大を狙ってさらなる高温で加熱をしたり、反応時間を延長したりすると、硬化反応が併発し溶媒不溶な架橋ポリマーが生成することも描写されている。こうした事情から、アクリル酸エステル構造を主鎖骨格に含む不飽和ポリエステルを、熱硬化が抑制可能な低温で合成する新しい手法が望まれる。
【0007】
本発明者らはα-(ハロメチル)アクリル化合物の求核的共役置換(S

2’)反応を利用して、室温、大気雰囲気で高重合度のアクリル酸エステル構造を主鎖骨格に含む不飽和ポリエステルを製造する手法を開発している(非特許文献3、特許文献1、特許文献2)。しかしながら、この製造法は副生成物として強酸性のハロゲン化水素が遊離するため、等モル以上の塩基を共存させて、これらを不活性化する必要がある。加えて、重合後にこれらを除去し不飽和ポリエステルを単離精製する操作が求められるため、工業的応用へ課題を残している。
【0008】
ところで、非特許文献3によれば、主鎖にアクリル骨格、そのアリル位にアシルオキシ基(エステル結合)を置換した不飽和ポリエステルは、アミンやチオールと共役置換反応を起こし化学分解する。このとき生じる分解物は、分解対象となった不飽和ポリエステルを合成する際に使用したモノマーとは異なる化合物である。すなわち、前述の化学分解のみでは、モノマーの再生によるケミカルリサイクルを達成することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
付加-脱離機構(S

2′機構)に基づく共役置換反応は室温、大気雰囲気でも効率よく進行することから、重合の素反応として優れている。これまで、遊離成分にハロゲン原子、求核剤にカルボン酸を使用した共役置換反応に基づく不可逆反応に基づく重縮合により、高重合度のアクリル酸エステル構造を主鎖骨格に含む不飽和ポリエステルを製造する手法を開発している。同様の反応で、遊離成分をカルボン酸、求核剤をカルボン酸とすると、可逆的に共役置換反応が進行する。このときの平衡定数は、遊離成分および求核剤のカルボン酸の酸性度や、アクリル骨格のアリル位の置換基によって決定される。
【0010】
重縮合において、生成するポリマーの重合度を高めるためには、反応点の反応度(転化率)を100%に近づける必要がある。Floryの理論では、重縮合の素反応において、平衡定数をKとすると、
(重合度) &#8804; 1+K
1/2
の関係が成り立つことを示している。すなわち、重縮合の素反応が可逆反応の場合は、何らかの外的措置により平衡を高分子側に偏らせる工夫を要する。例えば、一般的なポリエステル合成法であるエステル交換法は、可逆的な求核アシル置換反応に基づく重縮合であり、ジエステルとジオールを触媒存在下で高温加熱して、遊離する低級アルコールを減圧除去する工程で高重合度化を図る。
(【0011】以降は省略されています)

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