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公開番号2024022336
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2022125838
出願日2022-08-05
発明の名称弾性靴下
出願人株式会社鈴木靴下
代理人個人
主分類A41B 11/00 20060101AFI20240208BHJP(衣類)
要約【課題】高齢者のような皮膚の弱い装用者であっても皮膚障害を発生することがなく、しかも、耐久性に優れた筒状包帯を提供する。
【解決手段】人体の下肢に装用することが可能とされた編成組織で構成される筒状包帯であって、少なくともその一部の両面に繊維ループを備えることとしている。該編成組織はブークレ糸を含む糸で編成され、該ブークレ糸の浮き糸が該編成組織の両面で繊維ループを構成する。該繊維ループはピッチ2mm以下、高さが0.8mm乃至1.5mmとされる。好ましくは、筒状包帯は弾性靴下として実施する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
筒状編成組織を備え、
該筒状編成組織は人体の下肢に装用することで少なくとも該下肢の一部に20hPa乃至67hPaの着圧を加えることが可能とされ、
該筒状編成組織は少なくともその一部領域の両面に繊維ループを備えている
ことを特徴とする、筒状包帯。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記繊維ループは、パイル編成組織で構成される
ことを特徴とする、請求項1に記載の筒状包帯。
【請求項3】
前記繊維ループは、前記繊維ループのうち前記筒状編成組織の裏面側に現れる繊維ループと、前記繊維ループのうち前記筒状編成組織の表面側に現れる繊維ループが、連続した繊維で構成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の筒状包帯。
【請求項4】
前記編成組織はブークレ糸を平編みして編成され、
該ブークレ糸の浮き糸が該編成組織の両面で前記繊維ループを構成する
ことを特徴とする、請求項3に記載の筒状包帯。
【請求項5】
前記繊維ループはピッチが2mm以下、高さが0.8mm乃至1.5mmとされている
ことを特徴とする、請求項4に記載の筒状包帯。
【請求項6】
前記繊維ループを構成する糸はすくなくとも綿繊維またはレーヨン繊維のいずれか一方を含む
ことを特徴とする、請求項5に記載の筒状包帯。
【請求項7】
前記繊維ループを構成する糸は解撚糸である
ことを特徴とする、請求項6に記載の筒状包帯。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の筒状包帯である
ことを特徴とする弾性靴下。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状構造を備えた繊維製品であって、下肢に装用可能とされた弾性サポータや弾性靴下を含む筒状包帯に関するものである。より具体的には、下肢に装用することで圧迫を加え、下肢静脈瘤や静脈血栓症などの疾患の予防や治療に用いられる弾性サポータや弾性靴下に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、下肢静脈瘤や静脈血栓症の予防や治療に筒状包帯が利用されている。筒状包帯とは弾性に富む繊維製品であって、装用することで下肢に圧迫を加えることができる装用具であり、典型的には弾性サポータや弾性靴下として流通している。弾性サポータは両端が開口した筒状包帯を指すことが多く、下腿部のみを覆う短いものや、大腿部から下腿部までを覆える長いものなどさまざまな製品がある。一方、弾性靴下は一端が足を差し入れる開口端とされ、他端は足を収納できる足袋とされた筒状包帯の一種であり、これにも足部から下腿部のみを覆う短いものや、大腿部から下腿部までを覆える長靴下形状のものなどさまざまな製品があり、弾性ストッキングと呼ばれるものもこれの一種である。以下、特に区別する場合を除き弾性サポータや弾性靴下、弾性ストッキングを総称して弾性靴下と呼ぶ。
【0003】
弾性靴下は下肢に圧力を加えることで人体の高低差によって生じる重力の影響を緩和し、下肢の静脈還流を改善しようとするものである。弾性靴下を装着することで下肢に圧迫を加えるので、この際に加わる圧力を着圧と呼ぶことがある。多くの弾性靴下では、足関節部の着圧を高くし上に向かうほど着圧が弱くなるように設定するなど、足先から心臓への血流の戻りをさらに助ける工夫がなされている。
【0004】
しかし、脚の疲れや軽いむくみ対策として流通している弾性靴下は概ね着圧が20hPa以下程度であり、ひどいむくみ対策であっても着圧は36hPa以下程度とされている一方、医師等の指導の下で使用される医療用の弾性靴下では着圧が40hPaを超える場合も珍しくない。高い着圧を発生する弾性靴下では、これを構成する編糸(高い着圧を発生するために編み込まれるウレタン弾性糸やゴム糸を含む)が肌に食い込むことで着圧が集中して皮膚表面付近の静脈の環流が阻害されるといった不都合が発生しやすいという課題がある。弾性靴下を正しく装用していればこのような不都合の発生は最小限に抑えられるが、実際には装用者が常に正しく弾性靴下を装用することは容易ではなく、また、装用者が歩行したりすることによっても弾性靴下の装用状態は刻一刻と変化してしまう。また、弾性靴下の着圧の分布を調整したり、履き心地を向上するためにゴアラインを設けると、この部分の着圧が部分的に高くなって肌に食い込みやすく、前記課題はますます深刻になる。
【0005】
また、下肢静脈瘤や静脈血栓症の患者には皮膚が弱く敏感になっている高齢者が多く、刺激によって皮膚炎を発生したり、紅斑・紫斑を生じたりすることが少なくない。このような患者が弾性靴下を装用する場合、局所的に着圧が高くなる事態を避けなければならないことは言うまでもないが、さらに、ポリウレタン弾性糸やナイロン糸などの皮膚との接触によるアレルギー反応や、汗や皮脂などによる皮膚の汚れ、または汗の水分による蒸れなども、かぶれや湿疹のような皮膚障害の原因になるという課題がある。
【0006】
さらに、一般に弾性靴下は耐久性、特に摩擦強さが低くなりがちであることも課題である。高い着圧を発生しなければならない弾性靴下は、その着圧を発生する糸(ポリウレタン弾性糸やゴム糸など)に高い張力がかかる状態で使用される。一般に繊維は高張力下で他の物品とこすれると強い摩擦作用を受けて摩耗するものであり、弾性靴下は装用時に生活活動の中で強い摩擦作用にさらされるものであるから、その耐久性が問題になることが多いのである。
【0007】
前記のような課題に対し、特開2001-295104号公開特許公報には、靴下の編成組織をパイル編み部分と平編み部分とを混在して編成したことを特徴とする靴下に係る発明が開示されている。この発明に係る靴下は弾性靴下に係るものではないが、[0008]段落に記載されている通り、汗の吸収に優れ、かつ、通気性においても優れることが記載されている。パイル編みで編成される部分は明らかに吸水性に富むので皮膚の汗を速やかに吸収することができ、平編み部分は靴下の表面側(装用時に外気に接する面)と裏面側(装用時に皮膚に接する面)間の通気性が良好となるからである。
【0008】
しかし、弾性靴下にこのような構造を適用すると、厚みのあるパイル編み部分と薄い平編み部分で着圧が変わってしまい、局所的に着圧が高くなるような事態を生じやすい。特に、パイル編み部分と平編み部分の境界部は肌への食い込みを生じてしまいがちである。
【0009】
また、靴下は一般にローゲージ乃至ミドルゲージの編機、つまり、おおむね1インチ当たり10本程度以下の編針で製造されるので、編み目にあわせてパイルの密度も比較的低くなる。また、通常の編機ではあまりにも背が低いパイルを作ることは容易ではないので、結果として密度が低く背が高いパイルを備えることになる。このような編成組織は通常の靴下であれば厚みがあってクッション性を備えるので、特にスポーツ用靴下などに好適である。しかし、弾性靴下においては装用時間が長く、かつ高い着圧によってパイルが寝てしまったりしてクッション性を喪失してしまいやすい。加えて、密度が低く背の高いパイル糸や編目が皮膚に食い込み、編目痕を皮膚に残すなどの不都合を生じるという課題がある。
【0010】
なお、原理的には背の低いパイルを備えた編成組織を編成することは可能であろうが、編機に備えるシンカーの加工上及び強度上の課題があるほか、そもそもパイルの背がある程度高く無ければ、パイル編成組織特有の柔らかさなどを感じにくくパイル編成組織とする利益に乏しくなることもあり、極端に背の低いパイルを備えたパイル編成組織は一般的ではない。
(【0011】以降は省略されています)

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