TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024018983
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2023102022
出願日2023-06-21
発明の名称二液硬化型エポキシ樹脂組成物
出願人三洋化成工業株式会社
代理人
主分類C08G 59/46 20060101AFI20240201BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、低温下でも低粘度で施工性(特に注入性及び充填性)が良好であり、常温硬化性を有しかつ硬化物の耐熱性に優れる二液硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】5℃において液状であるポリエポキシド(A)を含有する主剤と、ジシアンジアミド(B)及び脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる二液硬化型エポキシ樹脂組成物であり、前記(B)の含有量が前記(A)100重量部に対して2.5~20重量%であり、前記脂肪族ポリアミン(C)がポリアルキレンポリアミン(C1)を含有し、前記(B)と前記(C1)の重量比[(B)/(C1)]が0.2~1.0である二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
5℃において液状であるポリエポキシド(A)を含有する主剤と、ジシアンジアミド(B)及び脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる二液硬化型エポキシ樹脂組成物であり、前記(B)の含有量が前記(A)100重量部に対して2.5~20重量%であり、前記脂肪族ポリアミン(C)がポリアルキレンポリアミン(C1)を含有し、前記(B)と前記(C1)の重量比[(B)/(C1)]が0.2~1.0である二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
前記脂肪族ポリアミン(C)が、更にイミダゾリン環を有するポリアミドポリアミン(C6)を含有する請求項1に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は二液硬化型エポキシ樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は、その優れた化学的、物理的特性により土木、注型材料、接着剤等の広範な用途に使用されている。土木建築分野では、加熱の必要のない常温硬化性の二液硬化型エポキシ樹脂組成物が多く用いられており、例えば、木造建築の接合工法の1つであるGIR(グルードインロッド)工法においては、木材に開けた穴に鋼棒等の接合具を挿入し、空隙部に樹脂接着剤を注入ガン等を用いて注入・充填後、硬化させることにより木材同士を接合する。
GIR工法は屋外で施工されるため、用いられる樹脂接着剤は、冬期あるいは寒冷地等の低温下においても低粘度であり施工性(注入性及び充填性等)を維持できることが必要とされる。
また近年、環境保全等の観点から木造高層建築が注目されている。木造高層建築に使用される部材には、建築基準に応じて従来の低層建築に比べ高い耐熱性及び耐火性が必要であり、GIR工法用接着剤用途等の木造建築用に使用されるエポキシ樹脂組成物においては、硬化物の耐熱性及び耐火性の向上が望まれている。
【0003】
土木建築分野に使用される二液硬化型エポキシ樹脂組成物として、特許文献1では、スチレン化フェノールを含むことを特徴とする2液型エポキシ樹脂組成物が提案されている。特許文献1に記載の組成物は0℃以下でも硬化し実用強度に到達し、可使時間を有し、低温でも注入可能な粘度であるが、硬化物の耐熱性は不足していた。
一方、特許文献2では、主剤としてエポキシ樹脂と、硬化剤成分として1級アミン系硬化剤とイミダゾール系硬化剤とを含み、前記1級アミン系硬化剤が前記主剤のエポキシ樹脂と当量反応となる化学量論的添加量に対して30~70%の配合部数であり、且つ、前記イミダゾール系硬化剤の配合部数が前記主剤の重量に対し0.5~5重量部であることを特徴とするコンクリート構造物の繊維補強用マトリックス樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載の組成物は60℃条件下においても高い硬化補強シート引張強度保持率並びに付着強度保持率を有するマトリックス樹脂組成物を提供することを目的としているため、組成物の注入性については考慮されておらず、また木造高層建築向け等の高い耐熱性を必要とされる用途に使用するには、依然として耐熱性が不足していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-88348号公報
特開2000-109578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、常温及び低温下でも低粘度で施工性(特に注入性及び充填性)が良好であり、常温硬化性を有しかつ硬化物の耐熱性に優れる二液硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
なお、本発明において「硬化物の耐熱性に優れる」とは、硬化物の高温下での強度保持率が高く、かつエポキシ樹脂組成物で接合した部材間の接着強度が高温下でも維持されることを意味する。
上記「高温」とは、例えば、後述する耐熱性試験の温度(T

)であり、木造建築用途に使用する場合は100℃前後である。「常温」とは10~40℃程度であり、「低温」とは、冬季又は寒冷地の外気温を想定しており、5~10℃程度である。
また、本発明におけるTgとは、動的粘弾性の温度依存性測定を後述の条件で行った際の損失正接(tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が最大になる温度を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、5℃において液状であるポリエポキシド(A)を含有する主剤と、ジシアンジアミド(B)及び脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる2液型常温硬化性エポキシ樹脂組成物であり、前記(B)の含有量が前記(A)100重量部に対して2.5~20重量%であり、前記脂肪族ポリアミン(C)がポリアルキレンポリアミン(C1)を含有し、前記(B)と前記(C1)の重量比[(B)/(C1)]が0.2~1.0である2液型常温硬化性エポキシ樹脂組成物;該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の二液硬化型エポキシ樹脂組成物は、低温下でも低粘度で施工性(特に注入性及び充填性)が良好であり、常温硬化性を有しかつ耐熱性に優れる硬化物を与えることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の二液硬化型エポキシ樹脂組成物は、5℃において液状であるポリエポキシド(A)を含有する主剤と、ジシアンジアミド(B)及び脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる。
【0009】
<5℃において液状であるポリエポキシド(A)>
本発明における5℃において液状であるポリエポキシド(A)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであり、下記(A1)~(A4)、及びこれらの2種又はそれ以上の混合物が挙げられる。ポリエポキシド(A)が2種以上の混合物である場合、混合物として5℃において液状であれば、単独では5℃において固状のものを含んでいてもよい。
なお、5℃において液状であるかの判定は、試験温度を20℃から5℃に変更する以外は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)の別紙第2の「液状の確認方法」に準じて行うことができる。
【0010】
(A1)ポリグリシジルエーテル
(A11)2価フェノール[炭素数(以下Cと略記することがある)6~30]のジグリシジルエーテル
ビスフェノール(ビスフェノールF、-A、-B、-AD又は-S等)ジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールA(テトラクロロビスフェノールA等)ジグリシジルエーテル、単環2価フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)ジグリシジルエーテル、縮合多環2価フェノール[1,5-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニル、オクタクロロ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、9,9’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン等]のジグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル等;
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社日本触媒
組成物
1か月前
株式会社ナリス化粧品
構造体
3日前
三菱ケミカル株式会社
積層体
1か月前
東レ株式会社
多孔質フィルム
1か月前
株式会社きもと
障子用フィルム
2か月前
株式会社コバヤシ
成形体
2か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
1か月前
株式会社松風
光硬化性組成物
1か月前
東レ株式会社
ポリアミド樹脂組成物
26日前
株式会社日本触媒
無機粒子含有分散体
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
17日前
テクノUMG株式会社
物品
1か月前
AGC株式会社
水性分散液
1か月前
ユニチカ株式会社
多孔質ポリアミドイミド
1か月前
株式会社カネカ
樹脂組成物およびフィルム
1か月前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
18日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
11日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
17日前
株式会社日本製鋼所
プリプレグ製造装置
1か月前
帝人株式会社
樹脂組成物および光学部材
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリオレフィンフィルム
23日前
東レ株式会社
重合装置および重合体の製造方法
1か月前
日本ユピカ株式会社
成形材
20日前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
1か月前
三和化工株式会社
発泡体の製造方法
1か月前
株式会社コバヤシ
成形体及びその製造方法
1か月前
東ソー株式会社
廃プラスチックのリサイクル方法
26日前
松本油脂製薬株式会社
ポリマー粒子及びその用途
17日前
住友電気工業株式会社
成形体
2か月前
東ソー株式会社
両親媒性ポリマー溶液の調液方法
10日前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
12日前
アキレス株式会社
農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
17日前
株式会社カネカ
樹脂組成物、成形体およびフィルム
1か月前
国立大学法人信州大学
不飽和ポリエステルの製造方法
2か月前
東レ株式会社
プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
17日前
住友電気工業株式会社
樹脂成形体
1か月前
続きを見る