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公開番号2024012222
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-26
出願番号2022114418
出願日2022-07-16
発明の名称ポリマー化合物
出願人国立大学法人九州大学
代理人個人
主分類C08F 16/14 20060101AFI20240119BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】鎖状エーテル構造を含み、生体親和性を示す新規なポリマー化合物を提供すること。
【解決手段】主鎖としてポリオレフィン骨格を有し、その側鎖部分に鎖状エーテル構造を含む構造を導入したポリマー化合物。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とするポリマー化合物。但し、式(1)において、R

は水素又はエーテル結合を有していてもよい炭素数12以下の1価の炭化水素基、R

は1~6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状の炭素鎖を含む2価の飽和炭化水素基、R

はエーテル結合を有していてもよい炭素数6以下の1価の炭化水素基、mは1又は2の自然数、nは繰り返し単位の繰り返し数を示す。
TIFF
2024012222000010.tif
57
170
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】


が、-CH

-、-CH

CH

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CH

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-、及び-CH

(CH



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-からなる群より選択される2価の飽和炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー化合物。
【請求項3】


が、CH

、-CH

CH

、-(CH



CH

、-(CH



CH

、-(CH



CH

、-(CH



CH

からなる群より選択される1価の炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー化合物。
【請求項4】
ポリマー化合物を構成する繰り返し単位数(n)に対して、式(1)に示す構造が占める割合を51mol%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー化合物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のポリマー化合物を含むことを特徴とするポリマー組成物。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載のポリマー化合物が溶媒に溶解されてなることを特徴とするコーティング組成物。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載のポリマー化合物によってその表面の少なくとも一部がコーティングされていることを特徴とする医療機器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリマー化合物、及び当該ポリマー化合物を含む表面処理組成物等に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、各種材料表面に血液等の生体成分が接触すると、当該材料表面が異物として認識されて生体組織中のタンパク質の非特異的吸着、変性、多層吸着等が生じ、その結果、凝固系、補体系、血小板系等の活性化が生じることが知られている。このため、生体と接触して使用される医療用機器の表面においては、当該機器が異物として認識され、生体成分と異物反応を起こすことを防止するために、当該機器の表面に生体親和性を付与することが望まれる。
【0003】
各種医療用機器の表面に生体親和性を付与する手段として、従来から生体親和性を有する材料を人工的に合成し、これを医療用機器の表面に塗布して使用する試みがなされている。このような生体親和性材料としては、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)(PMEA)等が代表的に知られている。これら生体親和性材料により、医療用機器表面などの血液等の生体成分が接触する部位を構成することで、医療用機器表面が異物として認識されることが防止され、その結果、凝固系、補体系、血小板系等の活性化が抑制される等の生体親和性が発現されるため、各種の医療用機器の血液等と接触する部位を構成する素材として実用化されている。
【0004】
上記のような生体親和性を示すポリマーは一般に所定の親水性を示すと共に、当該ポリマーに含水させて水和させた際に、当該水和構造内に共通に「中間水」(freezing-bound water、intermediate water)と呼ばれる形態で水分子を含有することが明らかになっている。中間水は、氷点下の温度域において水分子の規則化/ 不規則化に伴う潜熱の移動を生じることによって特徴付けられ、物質表面に強く拘束される不凍水と、物質表面によって殆ど拘束を受けていない自由水に対して、その中間的な特性を示す状態の水分子として理解されている。上記水和構造内に中間水を生成するポリマーにおいては、その構造に応じた割合で中間水を生成し、生体親和性の発現に重要な役割を担っていると考えられている(例えば、特許文献1等を参照)。
上記の各ポリマーが、それぞれ含水した際に中間水を含む水和構造を生成する理由は必ずしも明らかではないが、従来の研究により、中間水を含む水和構造を生成するポリマーに共通する構造の存在が明らかにされている。
【0005】
上記PEGは、鎖状エーテル構造の一種である-(C



-O)-を繰返し単位とするポリマーであって、含水時に中間水を含有し、非常に優れた生体親和性を有することが知られている。また、上記PMEAは、アクリル骨格に対して当該PEGの構成単位である-(C



-O)-を主たる構造とする側鎖を結合した構造を有しており、含水時に中間水を含有して生体親和性を有することが知られている。また、特許文献2には、(メタ)アクリルアミド骨格に対して鎖状エーテル構造を側鎖として導入することにより良好な生体親和性を示すポリマーが構成可能であることが記載されている。
【0006】
また、例えば、特許文献1には、側鎖部分に含まれる鎖状エーテル構造を構成する炭素数を変化させ、また鎖状エーテル構造の繰り返し数等を変化させることにより、含有可能な中間水の量や、溶解可能な溶媒が変化することが記載されている。更に、特許文献3には、鎖状エーテル構造を導入したジエン系モノマーを重合して得られるポリマーが抗血栓性等の生体親和性を示すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-82174号公報
特開2004-357826号公報
特開2021-63159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、ポリマー化合物の一部として-(C


2x
-O)-の一般式で示される鎖状エーテル構造を含むことによって、当該ポリマーを含水させた際に中間水を含む水和構造を生成可能なポリマー化合物が構成できることが明らかになっている。一方、当該鎖状エーテル構造を一部に含むポリマー化合物においては、当該鎖状エーテル構造以外の部分の構造に応じてポリマー化合物が示す特性に違いを生じるために、当該ポリマー化合物の使用される用途等に応じたポリマー化合物の提供が期待されている。
本発明は、鎖状エーテル構造を含み、生体親和性を示す新規なポリマー化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を提供する。
(1)下記式(1)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とするポリマー化合物。但し、式(1)において、R

は水素又はエーテル結合を有していてもよい炭素数12以下の1価の炭化水素基、R

は1~6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状の炭素鎖を含む2価の飽和炭化水素基、R

はエーテル結合を有していてもよい炭素数6以下の1価の炭化水素基、mは1又は2の自然数、nは繰り返し単位の繰り返し数を示す。
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2024012222000002.tif
57
170
(2)R

が、-CH

-、-CH

CH

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-、及び-CH

(CH



CH

-からなる群より選択される2価の飽和炭化水素基である上記のポリマー化合物。
(3)R

が、CH

、-CH

CH

、-(CH
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るポリマー化合物によれば、良好な生体親和性を示すと共に、特に基材に対する密着性に優れるポリマー化合物が提供され、各種の生体親和性の発現が求められる部材表面を形成するために好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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