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公開番号2024009900
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-23
出願番号2023174544,2022114189
出願日2023-10-06,2017-10-12
発明の名称離型フィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B28B 1/30 20060101AFI20240116BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約【課題】セラミックグリーンシートのピンホールや厚みむら等の欠陥を抑制し、セラミックグリーンシート成型時のセラミックスラリーの溶剤や、電極形成時の電極用スラリーの溶剤等の耐溶剤性に優れ、超薄膜のセラミックグリーンシートであっても剥離性に優れたセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを提供する。
【解決手段】フィルム基材の少なくとも片方の面に離型層を設けた離型フィルムであって、前記離型層の表面の領域表面平均粗さ(Sa)が7nm以下であり、離型層の表面の最大突起高さ(Rp)が50nm以下であり、離型層の表面のジヨードメタン接触角θ1と前記離型フィルムをトルエン浸漬した後の離型層の表面のジヨードメタン接触角θ2の差(θ12)が絶対値として3.0°以下であり、かつ前記離型層の表面のナノインデンテーション試験により測定される弾性率が4.0GPa以上であるセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フィルム基材の少なくとも片方の面に離型層を設けた離型フィルムであって、
前記離型層の表面の領域表面平均粗さ(Sa)が7nm以下であり、
前記離型層の表面の最大突起高さ(Rp)が50nm以下であり、

記離型層の表面のジヨードメタン接触角θ1と前記離型フィルムをトルエン浸漬した後の離型層の表面のジヨードメタン接触角θ2の差(θ1-θ2)が絶対値として3.0°以下であり、
かつ前記離型層の表面のナノインデンテーション試験により測定される弾性率が4.0GPa以上であり、
前記離型層は、離型剤組成物の硬化物であり、
前記離型剤組成物は6官能以上のウレタンアクリレートおよびシリコーン系成分を含み、
離型剤組成物中におけるシリコーン系成分の、6官能以上のウレタンアクリレートおよび前記シリコーン系成分の合計質量に対する質量割合は、0.2~5質量%であり、
シリコーン系成分は、反応性官能基を有するポリオルガノシロキサンであり、
前記反応性官能基は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、マレイミド基、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、水酸基から選ばれる少なくとも1種である、
セラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
離型層が、離型剤組成物の硬化物であり、離型剤組成物は6官能以上のウレタンアクリレートおよびシリコーン系成分を含み
、フ
ィルム基材の前記離型層とは反対側の面における領域表面平均粗さ(Sa)が5~50nmであり、最大突起高さ(Rp)が30~1000nmであり、
前記フィルム基材の厚さが10~250μmである
請求項1記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
【請求項3】
前記反応性官能基を有するポリオルガノシロキサンにおける反応性官能基は、(メタ)アクリロイル基である請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
【請求項4】
以下の測定方法により算出されるカール評価において、各角部の高さの総和が50mm未満である、請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム;
カール評価
離型フィルムを200×200mmに裁断した後、基材がガラス板側となるように、離型フィルムを平坦なガラス板の上に載置し、次いで、100×100mmのガラス板を離型フィルムの離型層上の中央に載置した後、下側のガラス板の上面から離型フィルムの各角部頂点までの高さを測定する。
【請求項5】
離型層の厚さが、0.2~2μmである請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
【請求項6】
フィルム基材が、無機粒子を実質的に含有していない第1の層及び無機粒子を含有する第2の層を有し、第1の層の上に離型層が設けられており、前記第2の層は、フィルム基材の反対表面を形成し、前記第2の層が含有する無機粒子がシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子であり、無機粒子の合計が第2の層中に5000~15000ppm含有されている請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックグリーンシートを製造するために使用する離型フィルムに関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、積層セラミックコンデンサや多層セラミック基板といった積層セラミック製品を製造するには、セラミックグリーンシートを成型し、得られたセラミックグリーンシートを複数枚積層して焼成することが行われている。
【0003】
セラミックグリーンシートは、チタン酸バリウムや酸化チタンなどのセラミック材料を含有するセラミックスラリーを離型フィルム上に塗工することにより成型される。離型フィルムとしては、フィルム基材にポリシロキサン等のシリコーン系化合物が剥離処理されたものが使用されている。この離型フィルムには、当該離型フィルム上に成型した薄いセラミックグリーンシートを当該離型フィルムから破断等することなく剥離できる剥離性が要求される。
【0004】
近年、電子機器の小型化および高性能化に伴い、積層セラミックコンデンサや多層セラミック基板の小型化および多層化が進み、セラミックグリーンシートの超薄膜化が進んでいる。セラミックグリーンシートが超薄膜化して、その乾燥後の厚みが、例えば1μm以下となると、セラミックスラリーを塗工し乾燥させたときに、セラミックグリーンシートにピンホールや厚みむら等の欠陥が発生し易くなる。また、成型したセラミックグリーンシートを離型フィルムから剥離するときに、セラミックグリーンシートの強度低下による破断等の不具合が発生し易くなる。
【0005】
前者の問題を解決するために、特許文献1には、キャリアフィルム(離型フィルム)として、セラミックスラリーの塗布面におけるJIS B0601で定義される最大高さRmaxが0.2μm以下の表面を有するものを使用することが提案されている。しかしながら、特許文献1のように最大高さRmaxを規定した離型フィルムを使用しても、薄膜化したセラミックグリーンシートにピンホールや厚みむら等の欠陥が発生することを効果的に防止することはできなかった。また、薄膜化したセラミックグリーンシートを離型フィルムから剥離するときに、セラミックグリーンシートが破断する等の不具合は依然としてあった。
【0006】
また、主として活性エネルギー線硬化性成分の硬化物によって、離型層の表面が高平滑となり、セラミックグリーンシートにピンホールや厚みむら等の欠陥が発生することを効果的に防止・抑制することができるとともに、離型層がシリコーン系成分またはその硬化物を含有し、離型層の弾性率が4.0GPa以上であると、離型フィルムからセラミックグリーンシートを正常に剥離することができると提案されている(特許文献2、参照)。
【0007】
しかしながら、特許文献2のように表面特性、弾性率の離型フィルムを使用しても、グリーンシートの塗布や、さらにその上に電極を形成する際、それらのスラリーの溶剤により離型層が浸食され、グリーンシートの剥離力が重剥離化してグリーンシートが破断したり、グリーンシートが剥がれないなどの問題が依然として存在した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2003-203822号公報
国際公開第2013/145865号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、セラミックグリーンシートにピンホールや厚みむら等の欠陥が発生することを防止・抑制するとともに、セラミックグリーンシート成型時のセラミックスラリーの溶剤や、電極形成時の電極用スラリーの溶剤などの耐溶剤性に優れることで、超薄膜のセラミックグリーンシートを製造する場合であっても、剥離性にも優れたセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1. フィルム基材の少なくとも片方の面に離型層を設けた離型フィルムであって、前記離型層の表面の領域表面平均粗さ(Sa)が7nm以下であり、かつ前記離型層の表面のジヨードメタン接触角θ

と前記離型フィルムをトルエン浸漬した後の離型層の表面のジヨードメタン接触角θ

の差(θ
1
-θ

)が絶対値として3.0°以下であり、かつ前記離型層の表面のナノインデンテーション試験により測定される弾性率が4.0GPa以上であるセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
2. 離型層が、(メタ)アクリル酸エステルおよびシリコーン系成分を含む離型剤組成物の硬化物であり、前記離型層の表面の最大突起高さ(Rp)が50nm以下であり、フィルム基材の前記離型層とは反対側の面における領域表面平均粗さ(Sa)が5~50nmであり、かつ最大突起高さ(Rp)が30~1000nmである上記第1記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
3. 離型剤組成物中におけるシリコーン系成分の、(メタ)アクリル酸エステルおよび前記シリコーン系成分の合計質量に対する質量割合は、0.2~5質量%である上記第2に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
4. シリコーン系成分は、反応性官能基を有するポリオルガノシロキサンである上記第2または第3に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム
5. (メタ)アクリル酸エステルは、3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物である上記第2~第4のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
6. 離型層の厚さが、0.2~2μmである上記第1~第5のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
7. フィルム基材が、無機粒子を実質的に含有していない第1の層及び無機粒子を含有する第2の層を有し、第1の層の上に離型層が設けられており、前記第2の層は、フィルム基材の反対表面を形成し、前記第2の層が含有する無機粒子がシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子であり、無機粒子の合計が第2の層中に5000~15000ppm含有されている上記第1~第6のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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