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公開番号2024007489
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-18
出願番号2023107717
出願日2023-06-30
発明の名称固体電解質の製造方法及び全固体電池の製造方法
出願人国立大学法人 長崎大学
代理人個人,個人
主分類H01B 13/00 20060101AFI20240111BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】600℃程度の低温で焼結することができ、電極合剤中のイオン導電率及び電子伝導性を向上させることができる固体電解質の製造方法を提供する。
【解決手段】GeO2水溶液と、固体電解質のGe以外の原料を含む化合物と、添加物とを混合して溶液を得る工程(ステップSA1)と、溶液を固化させて粉末状の前駆体を得る工程(ステップSA2)と、前駆体を第1の温度で焼成して仮焼成体を得る工程(ステップSA3)と、仮焼成体を成型した後、第2の温度で焼結し、焼結体を得る工程(ステップSA4)とを含み、添加物は、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸からなる群より少なくとも1種選択されるカルボキシル基を持つ有機酸であり、第2の温度は590℃以上650℃以下である固体電解質の製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
0≦x≦1として一般式Li
1+x
Al
x
Ge
2-x
(PO
4
)
3
で表される固体電解質の製造方法であって、
GeO
2
水溶液と、固体電解質のGe以外の原料を含む化合物と、添加物とを混合して溶液を得る工程と、
前記溶液を固化させて粉末状の前駆体を得る工程と、
前記前駆体を第1の温度で焼成して仮焼成体を得る工程と、
前記仮焼成体を成型した後、第2の温度で焼結し、焼結体を得る工程と
を含み、
前記添加物は、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸からなる群より少なくとも1種選択されるカルボキシル基を持つ有機酸であり、
前記第2の温度は590℃以上650℃以下である
固体電解質の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記有機酸は、シュウ酸またはクエン酸である
請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項3】
前記有機酸は、シュウ酸である
請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項4】
前記添加物は、さらにグルコースを含む
請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項5】
前記焼結体を得る工程での焼結時間は4時間以上16時間以下である
請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項6】
前記第1の温度は350℃以上550℃以下である
請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項7】
前記仮焼成体を得る工程での焼成時間は4時間以上16時間以下である
請求項6に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項8】
前記化合物は、LiNO
3
、Al(NO
3
)
3
・9H
2
O、(NH
4
)
2
HPO
4
である
請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項9】
前記焼結体を得る工程は、前記仮焼成体を加熱する温度を、前記第2の温度より低い第3の温度まで昇温させ、前記第3の温度で保持する工程と、次に、前記仮焼成体を加熱する温度を、前記第3の温度から前記第2の温度まで昇温させ、前記第2の温度で保持する工程を含む
請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項10】
正極活物質と固体電解質と導電助剤を含む正極合剤層、固体電解質を含む固体電解質層、及び、負極活物質と固体電解質と導電助剤を含む負極合剤層が順に積層されてなる全固体電池の製造方法であって、
前記固体電解質は、0≦x≦1として一般式Li
1+x
Al
x
Ge
2-x
(PO
4
)
3
で表され、
前記正極合剤層及び前記負極合剤層は、
GeO
2
水溶液と、固体電解質のGe以外の原料を含む化合物と、添加物と、導電助剤とを混合して溶液を得る工程と、
前記溶液を固化させて粉末状の前駆体を得る工程と、
前記前駆体を第1の温度で焼成して仮焼成体を得る工程と、
前記仮焼成体を成型した後、第2の温度で焼結し、焼結体を得る工程と
を含む電極合剤の製造方法で製造され、
前記添加物は、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸からなる群より少なくとも1種選択されるカルボキシル基を持つ有機酸であり、
前記第2の温度は590℃以上650℃以下である
全固体電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体電池に用いられる固体電解質の製造方法及び全固体電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
固体電解質を用いた全固体電池は、液漏れなどの可能性がなく、信頼性に優れた電池として期待されている。全固体電池に用いられる固体電解質としては、硫化物系と酸化物系の化合物が広く研究されており、酸化物系の固体電解質では、ガーネット型結晶構造を有する化合物とNASICON型結晶構造を有する化合物を中心として、全固体電池への応用が試みられている。
【0003】
ガーネット型結晶構造を有する固体電解質は、H
2
O、CO
2
と反応するため、化学的安定性に劣る。これに対して、NASICON型結晶構造を有する固体電解質は、ガーネット型結晶構造を有する固体電解質と比べて化学的安定性に優れる。
【0004】
NASICON型結晶構造を有する固体電解質としては、一例としてLi
1.5
Al
0.5
Ge
1.5
(PO
4
)
3
で表されるLAGPと称すリン酸塩系化合物からなる固体電解質が知られている。LAGPなどのNASICON型結晶構造を有する化合物を用いて固体電解質を製造する場合、ガーネット型結晶構造を有する化合物と比較して低温で焼結が可能で、800℃から900℃程度の温度で焼結が行われる。
【0005】
LAGPと称す固体電解質は、チップ型全固体電池の固体電解質として用いられることが考えられている。チップ型全固体電池は、活物質と固体電解質を複合化して焼結させることで製造される。
【0006】
但し、活物質と固体電解質を複合化して焼結させる際に、焼結温度が800℃から900℃程度であると、固体電解質が活物質と反応し、異相が発生してイオン導電率などの特性が低下する。一方、焼結温度が低いと、粒子間の接合が進行せず、高抵抗となる。このため、イオン伝導性、耐還元性、さらに低温で焼結性を示す材料及び製造工程が求められている。
【0007】
また、活物質と電解質からなる電極層は、イオン伝導性に加えて電子伝導性を有する必要がある。液体電解質を用いたリチウムイオン電池では、炭素系の導電助剤が添加されている。炭素系の導電助剤として用いられるアセチレンブラックなどは、空気中では650℃以上で燃焼するため、650℃以上で焼結する場合、炭素系の導電助剤を使うことは出来ず、Pdなどの貴金属系材料が用いられている。固体電解質を用いた全固体電池では、固体電解質の焼結温度が600℃以下であれば、電極層に添加する導電助剤として安価な炭素系材料を用いることができる。
【0008】
そこで、このような固体電解質の製造方法として、比較的低温で化合物を合成できる液相法が試みられており、原料混合液にアンモニアを加えて、Geの溶解度を高める技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
また、シュウ酸を添加した系において不純物の析出が抑制されると記載されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第6971089号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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