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公開番号2024002613
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-11
出願番号2022101920
出願日2022-06-24
発明の名称食品の製造方法
出願人東洋製罐株式会社
代理人個人
主分類A23L 5/10 20160101AFI20231228BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 対象食材の外観の色味が良好に整えられた食品の製造方法の提供。
【解決手段】 食品の製造方法は、対象食材の少なくとも一部に調味料を添加して調味料添加食材を得る調味料添加工程と、前記調味料添加食材を充填した容器を密封して密封容器を得る密封工程と、前記密封容器を加熱して殺菌処理する殺菌工程とを有し、前記調味料が、着色作用を有する成分を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
対象食材の少なくとも一部に調味料を添加して調味料添加食材を得る調味料添加工程と、前記調味料添加食材を充填した容器を密封して密封容器を得る密封工程と、前記密封容器を加熱して殺菌処理する殺菌工程とを有する食品の製造方法であって、
前記調味料が、着色作用を有する成分を含有することを特徴とする食品の製造方法。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記調味料添加工程において、前記調味料を前記対象食材の表面を覆う状態に直接的にまぶすことを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。
【請求項3】
前記調味料として、ペースト状または粉末状のものを用いることを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。
【請求項4】
前記調味料としてペースト状のものを用い、
前記調味料が増粘多糖類を含有することを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。
【請求項5】
前記調味料における前記増粘多糖類の含有割合が、0.01~1.0質量%であることを特徴とする請求項4に記載の食品の製造方法。
【請求項6】
前記増粘多糖類としてグアーガム、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム、カードラン、トラガントガム、アラビアガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、カシアガム、タラガム、アルギン酸ナトリウム、寒天、グルコマンナン、大豆多糖類、プルラン、サイリウム、キトサン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリンから選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項4に記載の食品の製造方法。
【請求項7】
前記調味料添加工程を行う温度において、前記調味料の粘度が100~2,000mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。
【請求項8】
前記着色作用を有する成分がカラメル色素であり、
前記調味料における前記着色作用を有する成分の含有割合が、0.005~0.1質量%であることを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。
【請求項9】
前記対象食材として、密封環境における加熱によってその色が変化する色素を含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。
【請求項10】
前記対象食材として、肉類を用いることを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、対象食材の色味が良好に整えられたレトルト食品等の密封容器入り調理済み食品を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、レトルト食品やチルド食品等の密封容器入り食品の製造においては、対象食材を容器に収容して密封包装した後に加熱および/または加圧することで殺菌処理(いわゆるレトルト殺菌処理)を行うことが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような食品の製造において、例えば対象食材が肉類である場合にレトルト殺菌処理を行うと、肉の色が生の状態を想起させる赤色やピンク色になることがある。これは、肉類に含まれる色素であるミオグロビン類がその酸化還元状態により異なる4系統の色を呈するからである。具体的には、還元状態である濃紫色から、酸化されるにつれて赤色(ピンク色)、茶色(褐色)と変色していき、最終的に酸化状態において緑色となる。通常、肉類は、火が通った状態では茶色(褐色)を呈するが、レトルト食品等の密封容器入り食品においては、密封された状態でレトルト殺菌処理が施されるので、容器内において肉類のミオグロビン類は還元されてその色が一段階還元側の赤色(ピンク色)に変色してしまう場合がある。
このような赤色(ピンク色)をした肉は、ユーザーからは「生焼け」と見えてしまい、可食性を疑わせてしまうこととなることもある。なお、ミオグロビン類の呈色反応は可逆的変化であるため、密封容器から出してすぐは肉が赤色(ピンク色)をしていても数分間置くと酸素に触れて褐色化するが、例えばスライス肉の重なっている部分等の酸素に触れ難い部分はどうしてもできるものと考えられる。そして、このような部分は、ユーザーが食べる際に箸などのカトラリーで重なった肉をほぐしたときに赤色やピンク色の外観が目に入ってしまうことになり、レトルト食品として適当ではない。
【0004】
肉類の赤色呈色の問題を解決するために、特許文献2には、例えば食材として用いる肉類をグルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有する水性液と接触させる方法が提案されている。
しかしながら、このような方法においては、本来的に食品の食材ではない、すなわち赤色呈色の問題さえなければ含有させなくてもよい材料を共に密封することになってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-73855号公報
特開2021-7367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するものであって、その目的は、対象食材の外観の色味が良好に整えられた食品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の食品の製造方法は、対象食材の少なくとも一部に調味料を添加して調味料添加食材を得る調味料添加工程と、前記調味料添加食材を充填した容器を密封して密封容器を得る密封工程と、前記密封容器を加熱して殺菌処理する殺菌工程とを有し、
前記調味料が、着色作用を有する成分を含有することにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の食品の製造方法によれば、着色作用を有する成分を含有する調味料を対象食材の少なくとも一部に添加する調味料添加工程を経ることにより、対象食材の表面が着色作用を有する成分を含有する調味料によって物理的に被覆されるので、対象食材が酸化還元によって変色する色素を含有する肉類等であって殺菌処理において容器内において還元反応により対象食材の色が例えば赤色やピンク色に変色した場合に、密封容器を開封してすぐであっても還元後の色が目立たなくなり、その結果、対象食材の外観の色味を良好に整えることができる。また、着色作用を有する成分が調味成分であることにより本来的に添加すべき成分によって上記効果を得ることができるので、その他の、対象食材の変色自体を抑制するためだけを目的とする成分等の添加をする必要がなくなる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、例えばレトルト食品やチルド食品等の密封容器に調理済み食品が収容された密封容器入り調理済み食品に好適な食品を製造する方法であり、特に、使用する食材が酸化還元によってその色が可逆的に変化する色素を含有する例えば肉類等である場合に好適な製造方法である。
本発明の食品の製造方法は、対象食材の少なくとも一部に調味料を添加して調味料添加食材を得る調味料添加工程と、調味料添加食材を必要に応じてその他の食材とともに充填した容器を密封して密封容器を得る密封工程と、密封容器を加熱して殺菌処理する殺菌工程とを有する。
【0010】
〔対象食材〕
対象食材は特に限定されるものではなく、肉類、魚介類、野菜類等、公知の食材を使用することができるが、本発明に係る方法は、後記に詳述するようなレトルト食品の殺菌処理のような、密封環境における加熱を伴う処理によってその色が化学的に変化する色素を含有する食材を使用する場合に、特に有用である。密封環境における加熱を伴う処理によってその色が変化する色素としては、ミオグロビン等の生体色素が挙げられる。色素の色の変化を生じさせる化学的変化としては、酸化還元反応やpHの変化等の種々のものが挙げられる。ミオグロビンは、酸化還元反応によってその色が可逆的に変化する色素であり、調理前の生の状態では還元された、すなわち酸化が進んでいない赤色(ピンク色)を呈し、酸素が豊富に供給される状態で加熱されると酸化が進んで茶色(褐色)に変化する。一方、一旦茶色(褐色)に変化したミオグロビンは、密封状態において加熱を伴う処理を施されると、密封環境の酸素の含有量によっても異なるが、還元反応が生じて再び赤色(ピンク色)となることがある。
(【0011】以降は省略されています)

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