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公開番号2023167177
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-24
出願番号2022078153
出願日2022-05-11
発明の名称酸化チタン粒子及びその製造方法
出願人堺化学工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C01G 23/053 20060101AFI20231116BHJP(無機化学)
要約【課題】一次粒子径が大きく、かつ、従来のアナタース型酸化チタンよりも易解砕性に優れる酸化チタン粒子を提供する。
【解決手段】アナタース型結晶構造を有する酸化チタン粒子を含み、電子顕微鏡にて定方向径を計測することによる平均一次粒子径が0.80μm~2.0μmであり、その粒度分布がD90/D10で2.6未満である、酸化チタン粒子。
【選択図】なし




特許請求の範囲【請求項1】
アナタース型結晶構造を有する酸化チタン粒子を含み、
電子顕微鏡にて定方向径を計測することによる平均一次粒子径が0.80μm~2.0μmであり、その粒度分布がD90/D10で2.6未満である、酸化チタン粒子。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
全酸化チタン成分のうち、XRD測定におけるルチル型酸化チタンの回折ピーク(面指数110)のピーク高さI

と、アナタース型酸化チタンの回折ピーク(面指数101)のピーク高さI

において、(I

×1.32/(I

+I

×1.32))×100の値が10.0以下である、請求項1に記載の酸化チタン粒子。
【請求項3】
前記酸化チタン粒子は、酸化チタン粒子100質量部に対して、リンをP



換算で0.01~8.0質量部含有する、請求項1又は2に記載の酸化チタン粒子。
【請求項4】
前記酸化チタン粒子は、BET比表面積が0.80~5.0m

/gである、請求項1又は2に記載の酸化チタン粒子。
【請求項5】
酸化チタン粒子を製造する方法であって、
該製造方法は、
(a)TiO

として100質量部の水酸化チタンに、Li化合物を、Li

O換算で1.0~7.0質量部添加して、混合する工程と、
(b)リン酸又はその塩を、P



換算で1.0~10.0質量部添加し、混合する工程と、
(c)得られた混合物を750~950℃で焼成して、酸化チタンを得る工程と
を含む、酸化チタン粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化チタン粒子及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
酸化チタン(二酸化チタン:TiO

)は、白色顔料や紫外線散乱剤などの原料として広く使用されている物質である。酸化チタンは、アナタース(アナターゼ:Anatase)型、ルチル(Rutile)型、ブルカイト(Brookite)型の3種の結晶形態を採り得ることが知られているが、なかでもアナタース型酸化チタンは、触媒、光触媒、電子材料などの原料として工業的に有用な物質である。
【0003】
アナタース型酸化チタンとしては、市販のものも含め、一次粒子径が0.3μm以下のものが知られている(例えば特許文献1参照)。一次粒子の凝集体(凝集粒子)として、粒径の大きな酸化チタンも存在する(例えば特許文献2参照)。また、ルチル型としては、粒径の大きなものも知られている。
【0004】
また、アナタース型酸化チタンを得るために、水酸化チタンにリン酸塩を添加してルチル型への転移を抑制する方法も知られているが(例えば特許文献3参照)、一方、リン酸塩は一次粒子の成長を妨げる働きも有している。従って、得られるアナタース型酸化チタンは、やはり一次粒子径が0.3μm以下の小粒径のものである。
【0005】
このような状況に対して、アナタース型酸化チタンの粒子径を大きくする技術が検討されており、特許文献4には、結晶構造がアナタース型であり、電子顕微鏡にて定方向径を計測することによる一次粒子径が0.5μm~5.0μmであり、その粒度分布はD90/D10で3.0以下である酸化チタン粒子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平06-293519号公報
特開平11-157839号公報
特開平08-225324号公報
特開2011-246294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のとおり、従来、粒子径が大きなアナタース型酸化チタンについて検討されているが、例えば、特許文献4では、微細粒子が混在し、易解砕性の点で充分ではなく、改善の余地があった。
【0008】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、一次粒子径が大きく、かつ、従来のアナタース型酸化チタンよりも易解砕性に優れる酸化チタン粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、酸化チタン粒子について種々検討したところ、水酸化チタンに、Li化合物、及び、リン酸又はその塩を所定量混合し、得られた混合物を所定の温度で焼成することで、一次粒子径が大きく、かつ、従来のアナタース型酸化チタンよりも易解砕性に優れる酸化チタン粒子が得られることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0010】
本発明は、以下の酸化チタン粒子(第1の本発明)及び酸化チタン粒子の製造方法(第2の本発明)を包含する。
〔1〕アナタース型結晶構造を有する酸化チタン粒子を含み、電子顕微鏡にて定方向径を計測することによる平均一次粒子径が0.80μm~2.0μmであり、その粒度分布がD90/D10で2.6未満である、酸化チタン粒子。
〔2〕全酸化チタン成分のうち、XRD測定におけるルチル型酸化チタンの回折ピーク(面指数110)のピーク高さI

と、アナタース型酸化チタンの回折ピーク(面指数101)のピーク高さI

において、(I

×1.32/(I

+I

×1.32))×100の値が10.0以下である、上記〔1〕に記載の酸化チタン粒子。
〔3〕前記酸化チタン粒子は、酸化チタン粒子100質量部に対して、リンをP



換算で0.01~8.0質量部含有する、上記〔1〕又は〔2〕に記載の酸化チタン粒子。
〔4〕前記酸化チタン粒子は、BET比表面積が0.80~5.0m

/gである、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の酸化チタン粒子。
〔5〕酸化チタン粒子を製造する方法であって、該製造方法は、(a)TiO

として100質量部の水酸化チタンに、Li化合物を、Li

O換算で1.0~7.0質量部添加して、混合する工程と、(b)リン酸又はその塩を、P



換算で1.0~10.0質量部添加し、混合する工程と、(c)得られた混合物を750~950℃で焼成して、酸化チタンを得る工程とを含む、酸化チタン粒子の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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