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公開番号2023074667
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-30
出願番号2021187706
出願日2021-11-18
発明の名称フィラメント材料
出願人株式会社興栄社
代理人個人
主分類B29C 64/118 20170101AFI20230523BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】
本発明は、環境に配慮する観点から、天然素材及び生分解性素材からなる3D印刷用フィラメント材料を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、フィラメント材料であって、フィラメント材料の総質量に対し、粉砕処理した木粉を10質量%~20質量%、ポリ乳酸を70質量%~85質量%、アジピン酸ポリブチレンテレフタル酸(PBAT)を5質量%~10質量%の量で含むことを特徴とする、生分解性フィラメント材料、及びその製造方法に関する。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
フィラメント材料であって、
フィラメント材料の総質量に対し、粉砕処理した木粉を10質量%~20質量%、
ポリ乳酸を70質量%~85質量%、
アジピン酸ポリブチレンテレフタル酸(PBAT)を5質量%~10質量%
の量で含むことを特徴とする、生分解性フィラメント材料。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記粉砕処理した木粉に用いられる木材が、ブナ、ナラ、カバ、クワ、サクラ、トチ、クリ、クルミ、ケヤキ、キリ、アカマツ、クロマツ、スギ、ツガ、ヒノキ、イチョウ、カラマツ、モミ、及び竹類由来の木材から選ばれる、請求項1に記載のフィラメント材料。
【請求項3】
顔料又は着色剤を更に含む、請求項1に記載のフィラメント材料。
【請求項4】
前記木粉の分級による粒径が50~80μmである、請求項1に記載のフィラメント材料。
【請求項5】
前記木粉の分級による粒径が70~80μmである、請求項1に記載のフィラメント材料。
【請求項6】
下記工程:
木材を粉砕処理し分級による粒径50~80μmの木粉とする工程、
フィラメント材料の総質量に対し、前記粉砕処理した木粉を10質量%~20質量%とし、
ポリ乳酸を70質量%~85質量%、及び
アジピン酸ポリブチレンテレフタル酸(PBAT)を5質量%~10質量%
の量で含む組成物を、前記木粉と混合する工程、
前記混合工程で得られた混合物を押出成形する工程、
を含むことを特徴とする、フィラメント材料の製造方法。
【請求項7】
3Dプリンタ用フィラメントである、請求項1~5に記載のフィラメント材料。
【請求項8】
請求項1~5に記載のフィラメント材料を使用した成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、木粉を配合した天然素材樹脂を主とする3D印刷用フィラメント及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年は、3Dプリンタが企業の製品開発全般の場面において急速に発達してきた。3Dプリンタは、種々の規模の機器の普及に伴い、試作品製造から製品開発全般の場面、例えば、商品企画、設計、製品の開発工程におけるデザインや機能の確認など多岐にわたる場面で活用されている。試作品を外注加工に委ねていた従来に比べて、開発者が自ら試作品を製作できる点で活躍の場が広がっている。
他方、個人の手作り品も3Dプリンタを用い容易に作成できることから、広く3Dプリンタによる樹脂成形品製造が用いられようとしている。
【0003】
ところで、近年、プラスチックごみによる環境汚染問題が広く問題となっている。海洋に放出されるプラスチックごみが海洋生態系に影響を与えるだけでなく、ごみ処理増加の問題もあり、プラスチックごみ削減が提言されている。
【0004】
したがって、3Dプリンタを用いて多くの試作品を製作する場面や、個人が制作する物品であっても、製作の結果生じる造形物の試作及び/又は製作の自由度が増した結果、廃棄される造形物が大量になることを考えれば、3Dプリント材料も、プラスチック素材が少ないほうが、環境に配慮する観点から好ましい。
【0005】
特許文献1には、半結晶性ポリ乳酸70重量%及び木質系セルロース繊維のパルプ20重量%を含み、その他の材料はポリプロピレン10重量%である積層造形フィラメント材料、及び半結晶性ポリ乳酸80重量%及び木質系セルロース繊維のパルプが20重量%の積層造形フィラメント材料が開示されている。
特許文献2には、生分解性脂肪族-芳香族ポリエステル60-100重量部にポリ乳酸0-40重量部を加え、有機フィラー0-35重量部を含む生分解性ポリエステル組成物が開示されている。
特許文献3には、木片をソルボサーマル処理しさらに化学処理したセルロースナノファイバーを23重量%まで含むポリ乳酸との複合材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-222169号公報
特表2018-526465号公報
特開2021-21041公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び3は、天然素材をセルロース繊維処理する工程を必要とする。また、ポリ乳酸とアジピン酸ポリブチレンテレフタル酸と組み合わせて使用する態様は開示されていない。また、特許文献2は、膜材におけるフィッシュアイ等の発生を防止するための組成である。
【0008】
したがって、本発明は、環境に配慮する観点から、天然素材及び生分解性素材からなる3D印刷用フィラメント材料を提供することを目的とする。また、本発明の別の観点から、木材の端材の簡易で適切な用途を提供するために、木の風合いを生かした天然素材及び生分解性素材からなり、木材に係る天然素材を含む組成物でも同等の機械的特性を有する3D印刷用フィラメント材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、発明者は鋭意研究を重ね、以下を発明するに至った。
即ち、本発明は、
<1> フィラメント材料であって、
フィラメント材料の総質量に対し、粉砕処理した木粉を10質量%~20質量%、
ポリ乳酸を70質量%~85質量%、
アジピン酸ポリブチレンテレフタル酸(PBAT)を5質量%~10質量%
の量で含むことを特徴とする、生分解性フィラメント材料。
<2> 前記粉砕処理した木粉に用いられる木材が、ブナ、ナラ、カバ、クワ、サクラ、トチ、クリ、クルミ、ケヤキ、キリ、アカマツ、クロマツ、スギ、ツガ、ヒノキ、イチョウ、カラマツ、モミ、及び竹類由来の木材から選ばれる、<1>に記載のフィラメント材料。
<3> 顔料又は着色剤を更に含む、<1>に記載のフィラメント材料。
<4> 前記木粉の分級による粒径が50~80μmである、<1>に記載のフィラメント材料。
<5> 前記木粉の分級による粒径が70~80μmである、<1>に記載のフィラメント材料。
<6> 下記工程:
木材を粉砕処理し分級による粒径50~80μmの木粉とする工程、
フィラメント材料の総質量に対し、前記粉砕処理した木粉を10質量%~20質量%とし、
ポリ乳酸を70質量%~85質量%、及び
アジピン酸ポリブチレンテレフタル酸(PBAT)を5質量%~10質量%
の量で含む組成物を、前記木粉と混合する工程、
前記混合工程で得られた混合物を押出成形する工程、
を含むことを特徴とする、フィラメント材料の製造方法。
<7> 3Dプリンタ用フィラメントである、<1>~<5>に記載のフィラメント材料。
<8> <1>~<5>に記載のフィラメント材料を使用した成形品。
である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製造方法における加工処理を効率良く進めることができる簡便な木粉の処理工程を含む、生分解性の高いフィラメント材料を提供することが可能である。本発明によるフィラメント材料は、木の風合いを生かした色調の造形物を得ることができ、充分な硬度が得られる他、造形の際の熱によるゆがみも無い良好な仕上がりが得られる。また、比重に関してはPLA100%素材のフィラメントに比べ約30%の軽量化が実現された。さらに、生分解性に優れるため、各種成形品の製造だけでなく、多数の試作品製作をする場合にも廃棄物が環境に配慮される点で好適に用いられる。
(【0011】以降は省略されています)

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