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公開番号2023064190
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-11
出願番号2021174317
出願日2021-10-26
発明の名称ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C08L 81/02 20060101AFI20230501BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】 ポリアリーレンスルフィド樹脂の本来有する耐熱性を損なうことなく、誘電特性や部分放電開始電圧に優れ、引張破断強度や耐衝撃性等の靭性にも優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対して、反応性官能基変性エチレン-α、β-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(B)35~80重量部、比誘電率3.0以下のフッ素樹脂(C)10~80重量部を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対して、反応性官能基変性エチレン-α、β-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(B)35~80重量部、比誘電率3.0以下のフッ素樹脂(C)10~80重量部を含むことを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
反応性官能基変性エチレン-α、β-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(B)が、エポキシ基及び/又は無水マレイン酸基を有するエチレン-α、β-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項3】
フッ素樹脂(C)が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体及びエチレン-四フッ化エチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種類以上のフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項4】
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が3000~20000ポイズであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項5】
平板試験片70mm×3mm×1mm厚の平板試験片とし、JIS C-2565に準拠して、測定温度23℃、測定周波数2GHzにて測定した比誘電率が3.0以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の押出成形体であることを特徴とする絶縁性被覆材。
【請求項7】
請求項1~5のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の中空成形体であることを特徴とする絶縁耐電圧用配管。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の本来有する耐熱性を損なうことなく、誘電特性や部分放電開始電圧に優れ、引っ張り破断強度や耐衝撃性等の靭性にも優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関するものであり、押出成形により製造される絶縁電線や絶縁耐電圧に優れた被覆材、樹脂配管等の用途に特に有用なポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車や電気自動車等の駆動用途など電動車両に搭載される多くのモータや発電機において高効率化、小型化および軽量化のための要素技術開発が自動車業界全体で進められている。中でも、高出力化を達成するための一つの方法としては、ステータコア内におけるコイルの占有率を高めることが挙げられている。このコイルの占積率を高める方策として、コイル用の電線としてこれまで一般に用いられてきた丸線に代わって断面矩形の平角線を適用することが挙げられる。
【0003】
そして、この際の絶縁電線用被覆材としては、耐絶縁破壊強さ、特に高い部分放電開始電圧が求められ、部分放電開始電圧と比誘電率との関係は下記式(1)(Dakinの式)で示されることが知られている(例えば非特許文献1参照。)。式(1)によれば電線として高い部分放電開始電圧を持つためには、絶縁被覆材である樹脂組成物に対して低い比誘電率であることが求められている。
V=163(t/εr)
0.46
(1)
(ここで、Vは部分放電開始電圧(Vrms)、tは絶縁層の厚さ(μm)、εrは絶縁層の比誘電率のそれぞれを示す。)
そして、ポリフェニレンサルファイド樹脂にα-オレフィン-α,β-不飽和酸グリシジルエステル共重合体であるエラストマーを配合した組成物をチューブ状に押出成形したライナーを用い、耐熱性のある合成樹脂で被覆したコントロールケーブルが提案され(例えば特許文献1参照。)、ポリフェニレンスルフィド樹脂と反応性官能基を有するエチレン-α、β-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体との耐熱性、電気絶縁性に優れる組成物が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
【0004】
また、フッ素樹脂とバインダーとなる熱硬化性樹脂を用いることにより被膜を損傷しにくい摺動性を有する絶縁電線が提案され(例えば特許文献3参照。)、ポリアリーレンスルフィドの溶融時の伸長粘度を高くすることで、樹脂組成物の引張破断強度および引張破断伸度を確保することが提案されている(例えば特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3159700号
特許第4999077号
特許第4782906号
特許第3618485号
【非特許文献】
【0006】
古河電工時報 133号(2014年) p11-18
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に提案のコントロールケーブルにおいては、その誘電特性において満足できるものではなかった。また、特許文献2の提案においても、このような樹脂組成物を用いた絶縁電線は、樹脂組成物の比誘電率が比較的高いため、部分放電開始電圧が比較的高くなり、一定の部分放電開始電圧を確保するためには、被覆層の厚さを厚くする必要があり、モータの高出力化に限界が生じるという課題があった。
【0008】
さらに、特許文献3においては、その電気的特性については言及されず、絶縁性能、特に部分放電開始電圧または比誘電率の特性については言及されておらず、特許文献4においても、比誘電率に課題を有するものであった。
【0009】
そこで、本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂が本来有する耐熱性、耐薬品性、絶縁破壊強さおよび低誘電率を維持し、成形後の曲げ加工や冷熱衝撃サイクルや成形後でもクラックを発生しないポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定のエチレン-α、β-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、特定のフッ素樹脂を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が、耐熱性、耐薬品性、絶縁破壊強さおよび低誘電率を有し、冷熱衝撃サイクルや成形後でもクラックを発生しないものとなりうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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