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公開番号
2025179865
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024086755
出願日
2024-05-29
発明の名称
検査方法
出願人
株式会社IHI
代理人
弁理士法人青海国際特許事務所
主分類
G01N
25/72 20060101AFI20251204BHJP(測定;試験)
要約
【課題】短時間で高精度に欠陥を検出する。
【解決手段】検査対象物のサーモグラフィ画像を用いて前記検査対象物の欠陥を検査する検査方法は、機械学習を利用して、相異なる性状を有する複数種類の欠陥にそれぞれ対応する複数種類の画像処理フィルタを作成し(S110)、作成した複数種類の画像処理フィルタの中から、検出対象の欠陥に対応する複数の画像処理フィルタを選択し(S120)、検査対象物のサーモグラフィ画像に対して、または、検査対象物のサーモグラフィ画像から得られた画像に対して、選択された複数の画像処理フィルタを用いて、検査対象物の表層の欠陥を検査する(S130)。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
検査対象物のサーモグラフィ画像を用いて前記検査対象物の欠陥を検査する検査方法であって、
(A)相異なる性状を有する複数種類の欠陥にそれぞれ対応する複数種類の画像処理フィルタを作成するフィルタ作成工程と、
(B)前記複数種類の画像処理フィルタの中から、検出対象の欠陥に対応する複数の画像処理フィルタを選択するフィルタ選択工程と、
(C)前記(B)フィルタ選択工程で選択された前記複数の画像処理フィルタを用いて、前記検査対象物の表層の欠陥を検査する検査工程と、
を含み、
前記(A)フィルタ作成工程は、
(A1)前記複数種類の欠陥のうち第1欠陥を含む標準試験体を作成する工程と、
(A2)前記標準試験体を加熱する工程と、
(A3)加熱された前記標準試験体のサーモグラフィ画像を撮像する工程と、
(A4)機械学習を利用して、前記標準試験体のサーモグラフィ画像から、前記第1欠陥の検出に対応する画像処理フィルタを作成する工程と、
(A5)前記第1欠陥以外の他の欠陥について、前記(A1)工程~(A4)工程を繰り返して、他の欠陥の検出に対応する画像処理フィルタを作成する工程と、
を含み、
前記(C)検査工程は、
(C1)前記検査対象物を加熱する工程と、
(C2)加熱された前記検査対象物のサーモグラフィ画像を撮像する工程と、
(C3)前記検査対象物のサーモグラフィ画像に対して、または、前記検査対象物のサーモグラフィ画像から得られた画像に対して、前記(B)フィルタ選択工程で選択された前記複数の画像処理フィルタを用いて画像処理を行うことにより、前記検査対象物の表層に前記複数の画像処理フィルタに対応する欠陥があるか否かを検査する工程と、
を含む、検査方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記(A)フィルタ作成工程は、
(A6)前記第1欠陥に対応する画像処理フィルタにより検出可能な欠陥の性状の範囲を推定する工程を含み、
前記(A1)工程では、前記(A6)工程で推定された前記性状の範囲に基づいて、前記他の欠陥を含む標準試験体を作成する、請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記(C3)工程は、
(C31)前記検査対象物のサーモグラフィ画像に対して、または、前記検査対象物のサーモグラフィ画像から得られた画像に対して、前記(B)フィルタ選択工程で選択された前記複数の画像処理フィルタのうち第1画像処理フィルタを用いて画像処理を行うことにより、前記検査対象物の表層に前記第1画像処理フィルタに対応する欠陥があるか否かを検査する工程と、
(C32)前記第1画像処理フィルタに対応する欠陥があると判定された場合に、前記検査対象物のサーモグラフィ画像、または、前記検査対象物のサーモグラフィ画像から得られた画像から前記対応する欠陥を除去する工程と、
(C33)前記(B)フィルタ選択工程で選択された前記複数の画像処理フィルタのうち、前記第1画像処理フィルタ以外の他の画像処理フィルタを用い、前記(C31)工程~(C32)工程を繰り返して、前記検査対象物の表層に他の前記画像処理フィルタに対応する欠陥があるか否かを検査する工程と、
を含む、請求項1または2に記載の検査方法。
【請求項4】
前記(A4)工程は、
(A41)前記標準試験体のサーモグラフィ画像から得られる温度分布と時間の関係を信号強度の位相と周波数の関係にフーリエ変換したデータを用いて、第1周波数における位相値を表した位相画像を作成する工程と、
(A42)前記(A41)工程で作成された前記位相画像が教師データとして入力された機械学習を利用して、欠陥の検出に対応する画像処理フィルタを作成する工程と、
を含み、
前記(C3)工程は、
(C34)前記検査対象物のサーモグラフィ画像から得られる温度分布と時間の関係を信号強度の位相と周波数の関係にフーリエ変換したデータを用いて、第2周波数における位相値を表した位相画像を作成する工程と、
(C35)前記(C34)工程で作成された前記位相画像に対して、前記(B)フィルタ選択工程で選択された前記複数の画像処理フィルタを用いて画像処理を行うことにより、前記検査対象物の表層に前記複数の画像処理フィルタに対応する欠陥があるか否かを検査する工程と、
を含む、請求項1または2に記載の検査方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
検査対象物の表層に含まれる欠陥の検出を行う方法として、アクティブ赤外線サーモグラフィ法が知られている。アクティブ赤外線サーモグラフィ法では、加熱装置によって検査対象物の表面を加熱し、赤外線カメラによって検査対象物の表面のサーモグラフィ画像を撮像する。検査対象物の表層に欠陥が存在する場合、欠陥が存在しない部分とは異なる態様で温度変化する部分が生じる。このため、アクティブ赤外線サーモグラフィ法では、サーモグラフィ画像から得られる表面温度の時間変化を解析することにより、検査対象物の欠陥を検出することができる。
【0003】
アクティブ赤外線サーモグラフィ法の一種として、例えば、特許文献1には、検査対象物を加熱してからの経過時間と表面温度との関係を示すデータに対してフーリエ変換を行うことにより、周波数と位相との関係を示すデータに変換し、当該周波数と位相との関係を示すデータを用いて、所定の周波数における位相値を表した位相画像を生成する技術が開示されている。特許文献1の技術では、検査員が位相画像を観察することにより、検査対象物の欠陥を視覚的に検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-247718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の技術では、検査員の経験または技能によって、検査結果の精度にバラツキが生じる。また、上記特許文献1の技術では、欠陥の検出に長時間を要してしまうという問題がある。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑み、短時間で高精度に欠陥を検出することが可能な検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る検査方法は、検査対象物のサーモグラフィ画像を用いて検査対象物の欠陥を検査する検査方法であって、(A)相異なる性状を有する複数種類の欠陥にそれぞれ対応する複数種類の画像処理フィルタを作成するフィルタ作成工程と、(B)複数種類の画像処理フィルタの中から、検出対象の欠陥に対応する複数の画像処理フィルタを選択するフィルタ選択工程と、(C)(B)フィルタ選択工程で選択された複数の画像処理フィルタを用いて、検査対象物の表層の欠陥を検査する検査工程と、を含み、(A)フィルタ作成工程は、(A1)複数種類の欠陥のうち第1欠陥を含む標準試験体を作成する工程と、(A2)標準試験体を加熱する工程と、(A3)加熱された標準試験体のサーモグラフィ画像を撮像する工程と、(A4)機械学習を利用して、標準試験体のサーモグラフィ画像から、第1欠陥の検出に対応する画像処理フィルタを作成する工程と、(A5)第1欠陥以外の他の欠陥について、(A1)工程~(A4)工程を繰り返して、他の欠陥の検出に対応する画像処理フィルタを作成する工程と、を含み、(C)検査工程は、(C1)検査対象物を加熱する工程と、(C2)加熱された検査対象物のサーモグラフィ画像を撮像する工程と、(C3)検査対象物のサーモグラフィ画像に対して、または、検査対象物のサーモグラフィ画像から得られた画像に対して、(B)フィルタ選択工程で選択された複数の画像処理フィルタを用いて画像処理を行うことにより、検査対象物の表層に複数の画像処理フィルタに対応する欠陥があるか否かを検査する工程と、を含む。
【0008】
上記の(A)フィルタ作成工程は、(A6)第1欠陥に対応する画像処理フィルタにより検出可能な欠陥の性状の範囲を推定する工程を含み、(A1)工程では、(A6)工程で推定された性状の範囲に基づいて、他の欠陥を含む標準試験体を作成してもよい。
【0009】
上記の(C3)工程は、(C31)検査対象物のサーモグラフィ画像に対して、または、検査対象物のサーモグラフィ画像から得られた画像に対して、(B)フィルタ選択工程で選択された複数の画像処理フィルタのうち第1画像処理フィルタを用いて画像処理を行うことにより、検査対象物の表層に第1画像処理フィルタに対応する欠陥があるか否かを検査する工程と、(C32)第1画像処理フィルタに対応する欠陥があると判定された場合に、検査対象物のサーモグラフィ画像、または、検査対象物のサーモグラフィ画像から得られた画像から対応する欠陥を除去する工程と、(C33)(B)フィルタ選択工程で選択された複数の画像処理フィルタのうち、第1画像処理フィルタ以外の他の画像処理フィルタを用い、(C31)工程~(C32)工程を繰り返して、検査対象物の表層に他の画像処理フィルタに対応する欠陥があるか否かを検査する工程と、を含んでもよい。
【0010】
上記の(A4)工程は、(A41)標準試験体のサーモグラフィ画像から得られる温度分布と時間の関係を信号強度の位相と周波数の関係にフーリエ変換したデータを用いて、第1周波数における位相値を表した位相画像を作成する工程と、(A42)(A41)工程で作成された位相画像が教師データとして入力された機械学習を利用して、欠陥の検出に対応する画像処理フィルタを作成する工程と、を含み、(C3)工程は、(C34)検査対象物のサーモグラフィ画像から得られる温度分布と時間の関係を信号強度の位相と周波数の関係にフーリエ変換したデータを用いて、第2周波数における位相値を表した位相画像を作成する工程と、(C35)(C34)工程で作成された位相画像に対して、(B)フィルタ選択工程で選択された複数の画像処理フィルタを用いて画像処理を行うことにより、検査対象物の表層に複数の画像処理フィルタに対応する欠陥があるか否かを検査する工程と、を含んでもよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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