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公開番号2025179432
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-10
出願番号2024086172
出願日2024-05-28
発明の名称電力変換システム
出願人株式会社IHI
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02M 7/12 20060101AFI20251203BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】装置構成の大型化を回避しつつ、電動機械に異常が生じた場合に、電動機械の電気エネルギを十分に消費する。
【解決手段】本開示の一形態に係る電力変換システム1は、電動機械2と、複数のスイッチング素子211を有する電力変換器11と、それぞれのスイッチング素子211の切替動作を制御する制御器13と、を備える。制御器13は、スイッチング素子211の切替動作の制御モードを切替可能なモード切替部32と、電動機械2の運転状態の異常を検知する異常検知部31bと、を有する。制御モードは、電圧波形が正弦波状となるようにスイッチング素子211を制御する正弦波制御モードM1と、電圧波形が矩形波状となるようにスイッチング素子211を制御する矩形波制御モードM2と、を含む。モード切替部32は、異常検知部31bが異常を検知したときに、制御モードを正弦波制御モードM1から矩形波制御モードM2に切り替える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ロータ及びコイルを有する電動機械と、
前記コイルと電気的に接続された複数のスイッチング素子を有し、前記コイルへ入出力する電力の態様を前記複数のスイッチング素子の切替動作により変換する電力変換器と、
前記電力変換器と通信可能に接続され、前記複数のスイッチング素子に含まれるそれぞれのスイッチング素子の切替動作を制御する制御器と、を備え、
前記制御器は、
前記スイッチング素子の切替動作の制御モードを切替可能なモード切替部と、
前記電動機械の運転状態の異常を検知する異常検知部と、を有し、
前記制御モードは、前記コイルに入力する前記電力の電圧波形が正弦波状となるように前記スイッチング素子の切替動作を制御する通常制御モードと、前記通常制御モードでの前記電圧波形に対して波形形状および位相の少なくとも一方が異なる電圧波形となるように前記スイッチング素子の切替動作を制御する異常制御モードと、を含み、
前記モード切替部は、前記異常検知部が異常を検知したときに、前記制御モードを前記通常制御モードから前記異常制御モードに切り替える、電力変換システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記モード切替部は、
前記通常制御モードでは、前記通常制御モードに応じた前記スイッチング素子の切替動作を指示する通常制御信号を前記スイッチング素子に出力し、
前記異常制御モードでは、前記異常制御モードに応じた前記スイッチング素子の切替動作を指示する異常制御信号を前記スイッチング素子に出力し、
前記通常制御信号のデューティー比は、時間の経過と共に変化するように設定され、
前記異常制御信号のデューティー比は、一定に設定されている、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記制御器は、
前記異常制御信号のスイッチング周波数を制御する周波数制御部を更に有し、
前記周波数制御部は、前記異常制御信号のスイッチング周波数を、前記通常制御信号のスイッチング周波数をよりも高くする、請求項2に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記制御器は、前記ロータの回転数、及び前記電力変換器から出力される前記電力の直流電圧の少なくとも一方を、前記電動機械の運転状態を示す指標値として取得する情報取得部を更に有し、
前記周波数制御部は、前記異常制御モードにおいて、前記指標値と予め設定される許容値との差分に応じて、前記異常制御信号のスイッチング周波数を変更する、請求項3に記載の電力変換システム。
【請求項5】
前記モード切替部は、前記異常制御モードにおいて、前記異常制御信号のスイッチング周波数が、前記電動機械の運転状態が異常であるか否かを判断する基準となる基準値以下に収まっている場合に、前記制御モードを前記異常制御モードから前記通常制御モードへと切り替える、請求項4に記載の電力変換システム。
【請求項6】
前記異常制御モードは、前記電圧波形が矩形波状となるように前記スイッチング素子の切替動作を制御する矩形波制御モードを含み、
前記矩形波制御モードは、
第1高調波を含む矩形波状の前記電圧波形が得られるように前記スイッチング素子の切替動作を制御する第1矩形波制御モードと、
前記第1高調波及び前記第1高調波よりも高次の第2高調波を含む矩形波状の前記電圧波形が得られるように前記スイッチング素子の切替動作を制御する第2矩形波制御モードと、を有し、
前記モード切替部は、前記矩形波制御モードにおいて、前記第1矩形波制御モードから前記第2矩形波制御モードへと切り替え可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の電力変換システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換システムに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1~4は、電力変換システムに関する技術を開示する。このような電力変換システムは、発電機が電力変換器を介して電力系統に接続された構成を有している。電力変換器と電力系統との間には、通常、ヒューズが設けられる。このような構成において、ヒューズが切れた場合には、発電機からの電力を電力系統に提供できなくなるため、発電機の電気エネルギが発電機のロータの回転エネルギとして加算され、ロータの過回転が発生し得る。このようなロータの過回転を防止するために、電力変換器の後段にスイッチ及び抵抗器が設けられることがある。このような構成では、ヒューズが切れた場合に、スイッチを駆動させて発電機の電気エネルギを抵抗器で消費させることで、ロータの過回転の抑制が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平1-107686号公報
国際公開第2009/025243号
特開2008-236935号公報
特開2001-268973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した構成において、ロータの過回転を招き得る発電機の電力の全てを抵抗器で消費しようとすると、大型の抵抗器が求められるので、装置構成が大型化するおそれがある。一方で、抵抗器を大型化して抵抗器での電力消費を大きくすることには限界がある。従って、上述した構成では、ロータの過回転を十分に抑制することは難しい。また、過回転に限らず発電機に異常が生じた場合に、電気エネルギを消費して対応することで、回復や損傷の抑制を図る場合がある。
【0005】
本開示は、装置構成の大型化を回避しつつ、電動機械に異常が生じた場合に、電動機械の電気エネルギを十分に消費できる電力変換システムを説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係る電力変換システムは、ロータ及びコイルを有する電動機械と、コイルと電気的に接続された複数のスイッチング素子を有し、コイルへ入出力する電力の態様を複数のスイッチング素子の切替動作により変換する電力変換器と、電力変換器と通信可能に接続され、複数のスイッチング素子に含まれるそれぞれのスイッチング素子の切替動作を制御する制御器と、を備え、制御器は、スイッチング素子の切替動作の制御モードを切替可能なモード切替部と、電動機械の運転状態の異常を検知する異常検知部と、を有し、制御モードは、コイルに入力する電力の電圧波形が正弦波状となるようにスイッチング素子の切替動作を制御する通常制御モードと、通常制御モードでの電圧波形に対して波形形状および位相の少なくとも一方が異なる電圧波形となるようにスイッチング素子の切替動作を制御する異常制御モードと、を含み、モード切替部は、異常検知部が異常を検知したときに、制御モードを通常制御モードから異常制御モードに切り替える。
【0007】
上記の電力変換システムでは、電動機械のロータの過回転に起因する電動機械の運転状態の異常が検知されたときに、電力変換器のスイッチング素子の切替動作の制御モードが通常制御モードから異常制御モードに切り替わる。異常制御モードでは、通常制御モードでの電圧波形に対して波形形状および位相の少なくとも一方が異なる電圧波形となる。電圧波形の波形形状が正弦波とは異なる形状(例えば矩形状)となる場合、電動機械の内部において鉄損及び銅損といった損失が増加するため、コイルに入力する電力の電圧波形が正弦波状である場合と比べて、電動機械における消費電力が増加する。その結果、ロータの過回転を招き得る電力を電動機械において消費することが可能となる。また、電圧波形の位相がずれる場合、電動機械のトルクに寄与しない電流が増加する。このように電流が増加することで、電動機械の内部での損失が増加し、電動機械における消費電力が増加する。従って、この場合も、ロータの過回転を招き得る電力を電動機械において消費することが可能となる。このように、電動機械の運転状態の異常が検知されたときに、スイッチング素子の制御モードを、敢えて電動機械での消費電力が増加する異常制御モードに切り替えることにより、ロータの過回転を招き得る電力を消費する機器として電動機械を利用できるようになる。つまり、ロータの過回転を招き得る電力の消費を、抵抗器のみならず、電動機械においても行うことが可能となる。これにより、ロータの過回転を招き得る電力の消費のために抵抗器を大型化しなくて済むため、装置構成の大型化を回避できる。更に、ロータの過回転を招き得る電力を消費する役割を電動機械が担うようになることで、当該電力を効果的に消費できるようになる。これにより、ロータの過回転を十分に抑制することが可能となる。このように、上記の電力変換システムによれば、電動機械の異常時に生じ得る電気エネルギを十分に消費することが可能となる。
【0008】
上記の態様において、モード切替部は、通常制御モードでは、通常制御モードに応じたスイッチング素子の切替動作を指示する通常制御信号をスイッチング素子に出力し、異常制御モードでは、異常制御モードに応じたスイッチング素子の切替動作を指示する異常制御信号をスイッチング素子に出力し、通常制御信号のデューティー比は、時間の経過と共に変化するように設定され、異常制御信号のデューティー比は、一定に設定されていてもよい。この場合、通常制御信号及び異常制御信号を用いて電圧波形の制御を行うことができる。
【0009】
上記の態様において、制御器は、異常制御信号のスイッチング周波数を制御する周波数制御部を更に有し、周波数制御部は、異常制御信号のスイッチング周波数を、通常制御信号のスイッチング周波数をよりも高くしてもよい。この場合、異常制御モードにおいて、スイッチング回路のスイッチング回数が増加するため、スイッチング回路のスイッチング損失が増加する。これに応じて、電力変換器における消費電力が増加する。そのため、ロータの過回転を招き得る電力を消費する機器として、電動機械に加えて、電力変換器を利用できるようになる。ロータの過回転を招き得る電力を電動機械及び電力変換器においてより効果的に消費できるようになる。その結果、装置構成の大型化を回避しつつ、電動機械の異常時に生じ得る電気エネルギを十分に消費できるとの上述の効果をより効果的に得ることができる。
【0010】
上記の態様において、制御器は、ロータの回転数、及び電力変換器から出力される電力の直流電圧の少なくとも一方を、電動機械の運転状態を示す指標値として取得する情報取得部を更に有し、周波数制御部は、異常制御モードにおいて、指標値と予め設定される許容値との差分に応じて、異常制御信号のスイッチング周波数を変更してもよい。ロータの回転数、及び電力変換器から出力される電力の直流電圧は、ロータの過回転を招き得る電力の大きさに起因して変動し得るため、電動機械の運転状態を示す指標値として利用できる。そこで、指標値と予め設定される許容値との差分に応じて異常制御信号のスイッチング周波数を変更する構成とすれば、ロータの過回転を招き得る電力が大きさに応じて、電力変換器における電力消費を増減させることが可能となるので、当該電力を効率的に消費することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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