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公開番号2025179474
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-10
出願番号2024086238
出願日2024-05-28
発明の名称分光測定装置および分光測定方法
出願人浜松ホトニクス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01J 3/02 20060101AFI20251203BHJP(測定;試験)
要約【課題】高速で繰り返し生じる光パルスからなる被測定光のスペクトルを簡易な構成で様々な露光条件で効率よく取得することができる分光測定装置を提供する。
【解決手段】分光測定装置1は、光学系10、光検出器20および制御部30を備え、繰り返し生じる光パルスからなる被測定光のスペクトルを取得する。光検出器20の受光部21は、複数個の画素22が(M1+M2)行N列に二次元配列された受光面を有する。その受光面は、M1行N列の第1領域21Aと、M2行N列の第2領域21Bと、に区分される。制御部30は、光パルス発生タイミングに同期して、第1領域21Aにおける各画素の電荷蓄積、第1領域21Aの各画素が蓄積した電荷の第1出力部23Aへの転送、および、第1出力部23Aからの第1電気信号の出力、それぞれの動作を制御する。制御部30は、第2領域21Bおよび第2出力部23Bそれぞれの動作も同様に制御する。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
繰り返し生じる光パルスからなる被測定光を分光して分光像を形成する光学系と、前記分光像を検出する光検出器と、前記光検出器の動作を制御する制御部と、を備え、
前記光検出器は、
各々光入射に応じて電荷を生成する複数個の画素が受光面において(M1+M2)行N列(M1,M2,Nそれぞれは2以上の整数)に二次元配列され、前記受光面がM1行N列の第1領域とM2行N列の第2領域とに区分され、前記分光像の波長軸が前記受光面の行方向に平行となるように前記分光像が前記受光面に形成される受光部と、
第1電荷蓄積期間に前記第1領域の各画素が生成し蓄積した電荷を列毎に積算し、その列毎の電荷積算量に応じた第1電気信号を出力する第1出力部と、
第2電荷蓄積期間に前記第2領域の各画素が生成し蓄積した電荷を列毎に積算し、その列毎の電荷積算量に応じた第2電気信号を出力する第2出力部と、
を含み、
前記制御部は、
K1およびK2のうち何れか一方を1以上の整数とし他方を2以上の整数として、
前記被測定光の各光パルスの発生タイミングに同期して前記第1電荷蓄積期間に亘る前記第1領域の各画素の電荷蓄積および前記第1領域の各画素が蓄積した電荷の前記第1出力部への転送をK1回行わせ、その後に、K1回の列毎の電荷積算量に応じた前記第1電気信号を前記第1出力部から出力させ、
前記被測定光の各光パルスの発生タイミングに同期して前記第2電荷蓄積期間に亘る前記第2領域の各画素の電荷蓄積および前記第2領域の各画素が蓄積した電荷の前記第2出力部への転送をK2回行わせ、その後に、K2回の列毎の電荷積算量に応じた前記第2電気信号を前記第2出力部から出力させる、
分光測定装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記第1領域における電荷蓄積および電荷転送ならびに前記第1出力部からの前記第1電気信号の出力と、前記第2領域における電荷蓄積および電荷転送ならびに前記第2出力部からの前記第2電気信号の出力と、を互いに独立して行わせる、
請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1電荷蓄積期間と前記第2電荷蓄積期間とを互いに異ならせる、
請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記被測定光の各光パルスのピークを含む期間を前記第1電荷蓄積期間とし、前記被測定光の各光パルスのピークを含まない期間を前記第2電荷蓄積期間とする、
請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項5】
前記制御部は、K1よりK2を大きく設定する、
請求項4に記載の分光測定装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1電荷蓄積期間より前記第2電荷蓄積期間を長く設定する、
請求項4に記載の分光測定装置。
【請求項7】
前記被測定光は、第1被測定光と第2被測定光とを含み、
前記制御部は、前記第1被測定光の各光パルスのピークを含む期間を前記第1電荷蓄積期間とし、前記第2被測定光の各光パルスのピークを含む期間を前記第2電荷蓄積期間とする、
請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項8】
前記光検出器は、各画素が生成した電荷の蓄積および排出の何れかの選択を行う電子シャッタ機能を有し、
前記制御部は、前記光検出器の電子シャッタ機能を利用して、前記第1電荷蓄積期間および前記第2電荷蓄積期間を設定する、
請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項9】
前記光検出器は、各画素が生成した電荷の蓄積および排出の何れかの選択を行う電子シャッタ機能を有し、
前記制御部は、前記光検出器の電子シャッタ機能を利用して、前記第1領域の一部の行について各画素が蓄積した電荷を前記第1出力部へ転送させた後に前記第1領域の全画素の電荷を排出させ、前記第2領域の一部の行について各画素が蓄積した電荷を前記第2出力部へ転送させた後に前記第2領域の全画素の電荷を排出させる、
請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項10】
各々光入射に応じて電荷を生成する複数個の画素が受光面において(M1+M2)行N列(M1,M2,Nそれぞれは2以上の整数)に二次元配列され、前記受光面がM1行N列の第1領域とM2行N列の第2領域とに区分される受光部を有する光検出器を用いる、分光測定方法において、
繰り返し生じる光パルスからなる被測定光を分光して分光像を形成する分光ステップと、前記分光像を前記光検出器により検出する検出ステップと、を備え、
前記分光ステップにおいて、前記分光像の波長軸が前記受光面の行方向に平行となるように前記分光像が前記受光面に形成され、
前記検出ステップにおいて、
K1およびK2のうち何れか一方を1以上の整数とし他方を2以上の整数として、
前記被測定光の各光パルスの発生タイミングに同期して第1電荷蓄積期間に亘る前記第1領域の各画素の電荷蓄積および前記第1領域の各画素が蓄積した電荷の転送をK1回行わせ、その後に、K1回の列毎の電荷積算量に応じた第1電気信号を出力させ、
前記被測定光の各光パルスの発生タイミングに同期して第2電荷蓄積期間に亘る前記第2領域の各画素の電荷蓄積および前記第2領域の各画素が蓄積した電荷の転送をK2回行わせ、その後に、K2回の列毎の電荷積算量に応じた第2電気信号を出力させる、
分光測定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分光測定装置および分光測定方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
分光測定技術は、対象物で生じた被測定光の分光像を光検出器により受光して該被測定光のスペクトルを取得することができ、そのスペクトルに基づいて対象物の組成を分析したり対象物における現象をモニタしたりすることができる。例えば、対象物に励起光を照射して、このときに該対象物で発生した蛍光のスペクトルを取得することにより、その蛍光スペクトルに基づいて対象物を分析することができる。
【0003】
このとき用いられる光検出器は、例えばCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサである。光検出器は、複数個の画素が二次元配列された受光面を有する。分光像は、その波長軸が受光面の行方向に平行となるように受光面に形成される。受光面の各画素は、光入射に応じて電荷を生成し該電荷を蓄積する。各画素が蓄積した電荷は列毎に積算され、その列毎の電荷積算量に応じた電気信号がスペクトルデータとして出力される。
【0004】
このような分光測定技術において、対象物に励起光パルスを繰り返し照射して該対象物で蛍光パルスを繰り返し生じさせ、蛍光パルスのスペクトルを様々な条件(例えば光パルス波形に対する電荷蓄積の開始や終了の各時刻などの条件)で取得することができれば、それらのスペクトルに基づいて対象物をより詳細に分析することができると期待される。
【0005】
特許文献1に記載された光検出器は、被測定光の分光像が形成される受光面が第1領域と第2領域とに区分されていて、第1領域および第2領域それぞれによりスペクトルの取得が可能である。このような光検出器を用いれば、共通の被測定光について2種類のスペクトルを取得することができると期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-174324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の蛍光の例のように繰り返し生じる光パルスからなる被測定光の場合であって、光パルスの繰り返し発生の周期が短い場合には、被測定光のスペクトルを様々な露光条件で効率よく取得することは困難である。一般に、分光測定に用いられる光検出器では、画素配列の列数が多く、列毎の電荷積算量に応じた電気信号を出力するのに要する時間が長い。この電気信号を出力している期間では、光パルスを受光した画素が電荷を生成したとしても、その電荷を蓄積することなく排出せざるを得ない。このような問題に対処するために、高速クロックで動作するように設計された光検出器を用いることが考えられるが、このような光検出器の実現はデバイス設計やノイズ設計の点で困難である。
【0008】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、高速で繰り返し生じる光パルスからなる被測定光のスペクトルを簡易な構成で様々な露光条件で効率よく取得することができる分光測定装置および分光測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の分光測定装置の第1態様は、繰り返し生じる光パルスからなる被測定光を分光して分光像を形成する光学系と、分光像を検出する光検出器と、光検出器の動作を制御する制御部と、を備える。光検出器は、(1) 各々光入射に応じて電荷を生成する複数個の画素が受光面において(M1+M2)行N列(M1,M2,Nそれぞれは2以上の整数)に二次元配列され、受光面がM1行N列の第1領域とM2行N列の第2領域とに区分され、分光像の波長軸が受光面の行方向に平行となるように分光像が受光面に形成される受光部と、(2) 第1電荷蓄積期間に第1領域の各画素が生成し蓄積した電荷を列毎に積算し、その列毎の電荷積算量に応じた第1電気信号を出力する第1出力部と、(3) 第2電荷蓄積期間に第2領域の各画素が生成し蓄積した電荷を列毎に積算し、その列毎の電荷積算量に応じた第2電気信号を出力する第2出力部と、を含む。制御部は、K1およびK2のうち何れか一方を1以上の整数とし他方を2以上の整数として、(1) 被測定光の各光パルスの発生タイミングに同期して第1電荷蓄積期間に亘る第1領域の各画素の電荷蓄積および第1領域の各画素が蓄積した電荷の第1出力部への転送をK1回行わせ、その後に、K1回の列毎の電荷積算量に応じた第1電気信号を第1出力部から出力させ、(2) 被測定光の各光パルスの発生タイミングに同期して第2電荷蓄積期間に亘る第2領域の各画素の電荷蓄積および第2領域の各画素が蓄積した電荷の第2出力部への転送をK2回行わせ、その後に、K2回の列毎の電荷積算量に応じた第2電気信号を第2出力部から出力させる。
【0010】
本発明の分光測定装置の第2態様では、第1態様に加えて、制御部は、第1領域における電荷蓄積および電荷転送ならびに第1出力部からの第1電気信号の出力と、第2領域における電荷蓄積および電荷転送ならびに第2出力部からの第2電気信号の出力と、を互いに独立して行わせる。
(【0011】以降は省略されています)

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