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公開番号2025178950
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-09
出願番号2024085839
出願日2024-05-27
発明の名称結晶化ガラス、化学強化結晶化ガラス及び結晶化ガラスの試験方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類C03C 3/097 20060101AFI20251202BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】耐候性に優れる結晶化ガラス及び化学強化結晶化ガラスの提供を目的とする。
【解決手段】母組成が酸化物基準のモル%表示で、SiO₂を60～75%、Al₂O₃を3～20%及びLi₂Oを5～25%含有し、250～350℃における平均線膨張係数が90×10^-7[/K]以下であり、80℃の熱水に120分間浸漬した際の表面積あたりの質量変化量が、浸漬前と比較して、1500μg/cm²以下である、結晶化ガラス、並びに母組成が酸化物基準のモル%表示で、SiO₂を60～75%、Al₂O₃を3～20%及びLi₂Oを5～25%含有し、250～350℃における平均線膨張係数が90×10^-7[/K]以下であり、80℃の熱水に120分間浸漬した際の質量変化量が、浸漬前と比較して、8000μg/cm²以下である、化学強化結晶化ガラス。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
母組成が酸化物基準のモル％表示で、
ＳｉＯ
２
を６０～７５％、Ａｌ
２
Ｏ
３
を３～２０％及びＬｉ
２
Ｏを５～２５％含有し、
２５０～３５０℃における平均線膨張係数が９０×１０
－７
［／Ｋ］以下であり、
８０℃の熱水に１２０分間浸漬した際の表面積あたりの質量変化量が、浸漬前と比較して、１５００μｇ／ｃｍ
２
以下である、結晶化ガラス。
続きを表示（約 1,900 文字）【請求項２】
結晶種としてＬｉ
２
Ｓｉ
２
Ｏ
５
、ＬｉＡｌＳｉ
２
Ｏ
６
、ＬｉＡｌＳｉ
４
Ｏ
１０
、Ｌｉ
３
ＰＯ
４
及びβ石英固溶体から選ばれる少なくとも１を含む、請求項１に記載の結晶化ガラス。
【請求項３】
ヤング率が７０ＧＰａ以上である、請求項１に記載の結晶化ガラス。
【請求項４】
８０℃の熱水に１２０分間浸漬した際の質量変化率が１０００ｐｐｍ以下である、請求項１に記載の結晶化ガラス。
【請求項５】
母組成が酸化物基準のモル％表示で、
ＳｉＯ
２
を６０～７５％、
Ａｌ
２
Ｏ
３
を３～２０％、
Ｐ
２
Ｏ
５
を０％超４．０％以下、
Ｌｉ
２
Ｏを５～２５％、
Ｎａ
２
Ｏを０～２．０％、
Ｋ
２
Ｏを０～１％、
ＭｇＯを０～５％、
ＣａＯを０～２％、
ＺｒＯ
２
を０％超５％以下
含有し、下式で求められるＸが０．４０以下である、請求項１に記載の結晶化ガラス。
Ｘ＝ａ×ｄ
ａ＝［Ｌｉ
２
Ｏ］／Ｒ
ｄ＝［Ｌｉ
２
Ｏ］／［ＳｉＯ
２
］
Ｒ＝［Ｌｉ
２
Ｏ］＋［Ｎａ
２
Ｏ］＋［Ｋ
２
Ｏ］
［］で表される値は、母組成における、括弧内の成分の酸化物基準のモル％表示で表される含有量を示す。
【請求項６】
母組成が酸化物基準のモル％表示で
ＳｉＯ
２
を６０～７５％、Ａｌ
２
Ｏ
３
を３～２０％及びＬｉ
２
Ｏを５～２５％含有し、
２５０～３５０℃における平均線膨張係数が９０×１０
－７
［／Ｋ］以下であり、
８０℃の熱水に１２０分間浸漬した際の質量変化量が、浸漬前と比較して、８０００μｇ／ｃｍ
２
以下である、化学強化結晶化ガラス。
【請求項７】
板厚がｔ（ｍｍ）であり、圧縮応力層深さＤＯＣが０．１４ｔ（μｍ）以上、
表面圧縮応力値ＣＳ
０
が４００ＭＰａ以上、
表面から深さ５０μｍにおける圧縮応力値ＣＳ
５０
が１５０ｔ（ＭＰａ）以上、且つ
引張応力値ＣＴが－３５０ｔ＋４００（ＭＰａ）以下である、
請求項６に記載の化学強化結晶化ガラス。
【請求項８】
ヤング率が７０ＧＰａ以上である、請求項６に記載の化学強化結晶化ガラス。
【請求項９】
母組成が酸化物基準のモル％表示で
ＳｉＯ
２
を６０～７５％、
Ａｌ
２
Ｏ
３
を３～２０％、
Ｐ
２
Ｏ
５
を０超４．０％以下、
Ｌｉ
２
Ｏを５～２５％、
Ｎａ
２
Ｏを０～２．０％、
Ｋ
２
Ｏを０～１％、
ＭｇＯを０～５％、
ＣａＯを０～２％、
ＺｒＯ
２
を０超５％以下
含有し、下式で求められるＸが０．４０以下である、請求項６に記載の化学強化結晶化ガラス。
Ｘ＝ａ×ｄ
ａ＝［Ｌｉ
２
Ｏ］／Ｒ
ｄ＝［Ｌｉ
２
Ｏ］／［ＳｉＯ
２
］
Ｒ＝［Ｌｉ
２
Ｏ］＋［Ｎａ
２
Ｏ］＋［Ｋ
２
Ｏ］
［］で表される値は、母組成における、括弧内の成分の酸化物基準のモル％表示で表される含有量を示す。
【請求項１０】
結晶化ガラスを８０℃の熱水に１２０分間浸漬し、浸漬前と比較した表面積あたりの質量変化量を測定すること、及び
前記表面積あたりの質量変化量が１５００μｇ／ｃｍ
２
以下である場合に、合格品と判定することを含む、結晶化ガラスの試験方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、結晶化ガラス、化学強化結晶化ガラス及び結晶化ガラスの試験方法に関し、より詳しくは、化学強化可能である結晶化ガラス、化学強化結晶化ガラス及び結晶化ガラスの試験方法に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
携帯端末のカバーガラス等には、化学強化ガラスが用いられている。化学強化ガラスは、例えばアルカリ金属イオンを含む溶融塩にガラスを接触させて、ガラス中のアルカリ金属イオンと、溶融塩中のアルカリ金属イオンとの間でイオン交換を生じさせ、ガラス表面に圧縮応力層を形成したものである。
【０００３】
このような化学強化ガラスの母材として、近年、結晶化ガラス（ＧｌａｓｓＣｅｒａｍｉｃｓ、ガラスセラミックス）が高強度材料として用いられている。結晶化ガラスは、ガラス中に結晶を析出させたものであり、結晶を含まない非晶質ガラスと比較して硬く、傷つきにくい。また化学強化可能な結晶化ガラスは、非晶質ガラスと比較して、破砕を防止しながら高強度とし得る。特許文献１および特許文献２には、結晶化ガラスをイオン交換処理して化学強化した例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
国際公開第２０１９／０２２０３５号
米国特許出願公開第２０２０／００１７３９８号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
結晶化ガラスはその組成や製造方法により構造内部に析出される結晶の種類などの構成が異なり、該構成の違いによって落下強度特性や耐候特性が異なる。耐候特性が悪い結晶化ガラスは、環境負荷により表面状態が劣化し易く、これにより面強度が低下し易いという問題がある。
【０００６】
したがって、本発明は、耐候性に優れる結晶化ガラス及び化学強化結晶化ガラスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を検討した結果、本発明者らは、組成及び熱湯浸漬試験における表面積あたりの質量変化量が特定の範囲である結晶化ガラスは、耐候性に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
【０００８】
すなわち、本開示は下記の通りである。
１．母組成が酸化物基準のモル％表示で、
ＳｉＯ
２
を６０～７５％、Ａｌ
２
Ｏ
３
を３～２０％及びＬｉ
２
Ｏを５～２５％含有し、
２５０～３５０℃における平均線膨張係数が９０×１０
－７
［／Ｋ］以下であり、
８０℃の熱水に１２０分間浸漬した際の表面積あたりの質量変化量が、浸漬前と比較して、１５００μｇ／ｃｍ
２
以下である、結晶化ガラス。
２．結晶種としてＬｉ
２
Ｓｉ
２
Ｏ
５
、ＬｉＡｌＳｉ
２
Ｏ
６
、ＬｉＡｌＳｉ
４
Ｏ
１０
、Ｌｉ
３
ＰＯ
４
及びβ石英固溶体から選ばれる少なくとも１を含む、前記１に記載の結晶化ガラス。
３．ヤング率が７０ＧＰａ以上である、前記１に記載の結晶化ガラス。
４．８０℃の熱水に１２０分間浸漬した際の質量変化率が１０００ｐｐｍ以下である、前記１に記載の結晶化ガラス。
５．母組成が酸化物基準のモル％表示で、
ＳｉＯ
２
を６０～７５％、
Ａｌ
２
Ｏ
３
を３～２０％、
Ｐ
２
Ｏ
５
を０％超４．０％以下、
Ｌｉ
２
Ｏを５～２５％、
Ｎａ
２
Ｏを０～２．０％、
Ｋ
２
Ｏを０～１％、
ＭｇＯを０～５％、
ＣａＯを０～２％、
ＺｒＯ
２
を０％超５％以下
含有し、下式で求められるＸが０．４０以下である、前記１に記載の結晶化ガラス。
Ｘ＝ａ×ｄ
ａ＝［Ｌｉ
２
Ｏ］／Ｒ
ｄ＝［Ｌｉ
２
Ｏ］／［ＳｉＯ
２
］
Ｒ＝［Ｌｉ
２
【発明の効果】
【０００９】
本開示の結晶化ガラス及び化学強化結晶化ガラスは、組成及び熱湯浸漬試験における表面積あたりの質量変化量が特定の範囲であり、耐候性に優れる。これにより、環境負荷により表面状態が劣化しにくく、面強度が低下しにくいという利点が得られる。
【００１０】
本開示の結晶化ガラスの試験方法によれば、耐候性に優れ、環境負荷により面強度が低下しにくい結晶化ガラスを効率的に選別し得る。本開示の化学強化結晶化ガラスの試験方法によれば、耐候性に優れ、環境負荷により面強度が低下しにくい化学強化結晶化ガラスを効率的に選別し得る。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

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