特許ウォッチ

公開番号2025177961
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024085138
出願日2024-05-24
発明の名称往復動工具、及び、往復動工具における電動モータの通電を保持する方法
出願人株式会社マキタ
代理人名古屋国際弁理士法人
主分類B25F 5/00 20060101AFI20251128BHJP(手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレータ)
要約【課題】往復動工具において手動スイッチがオフされた後も電動モータの通電を簡素な構成で保持できる技術を提供する。
【解決手段】
本開示の1つの局面は、往復部材と、電動モータと、伝達装置と、駆動回路と、第1の手動スイッチと、スイッチ素子と、制御回路とを備えている往復動工具を提供する。第1の手動スイッチの第1の接点は、電源に接続され、第1の手動スイッチの第2の接点は、駆動回路に接続されている。第1の手動スイッチは、そのオン状態において、第1の接点を第2の接点に接続する。スイッチ素子は、(i)電気信号を受けてオンされ、(ii)そのオン状態において、第1の接点と第2の接点との間を導通する。制御回路は、少なくとも第1の手動スイッチがオンされたことに応じて、電動モータの駆動が停止されるまで電気信号をスイッチ素子に出力し続ける。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項１】
往復動工具であって、
第１の死点と第２の死点との間を往復するように構成された往復部材と、
駆動力を発生するように構成された電動モータと、
少なくとも、前記第２の死点から前記第１の死点までの前記往復部材の行程において前記電動モータの前記駆動力を前記往復部材に伝達するように構成された伝達装置と、
（ｉ）電源から電流を受け、（ｉｉ）受けた前記電流で前記電動モータを駆動するように構成された駆動回路と、
（ｉ）第１の接点と、第２の接点とを備え、（ｉｉ）前記往復動工具の使用者によって手動でオンまたはオフされるように構成された第１の手動スイッチであって、前記第１の接点は、前記電源に接続され、前記第２の接点は、前記駆動回路に接続され、前記第１の手動スイッチは、（ｉ）そのオン状態において、前記第１の接点を前記第２の接点に接続し、（ｉｉ）そのオフ状態において、前記第１の接点を前記第２の接点から切断するように構成されている、第１の手動スイッチと、
（ｉ）電気信号を受けてオンされ、（ｉｉ）そのオン状態において、前記第１の接点と前記第２の接点との間を導通し、（ｉｉｉ）そのオフ状態において、前記第１の接点と前記第２の接点との間を遮断するように構成されたスイッチ素子と、
少なくとも前記第１の手動スイッチがオンされたことに応じて、前記電動モータの駆動が停止されるまで前記電気信号を前記スイッチ素子に出力し続けるように構成された制御回路と
を備えている、往復動工具。
続きを表示（約 2,100 文字）【請求項２】
請求項１に記載の往復動工具であって、さらに、
前記第１の手動スイッチがオンされたことに関連付けられた物理量を検出するように構成された物理量検出回路を備え、
前記制御回路は、前記物理量検出回路が前記物理量を検出したことに応じて、前記電動モータの駆動が停止されるまで前記電気信号を前記スイッチ素子に出力し続けるように構成されている、往復動工具。
【請求項３】
請求項２に記載の往復動工具であって、
前記物理量は、前記電源から前記駆動回路に流れている前記電流である、往復動工具。
【請求項４】
請求項２または３に記載の往復動工具であって、
前記制御回路は、所定の周期を有している少なくとも１つのパルス幅変調信号を前記駆動回路に出力して前記駆動回路を制御するように構成され、
前記駆動回路は、前記少なくとも１つのパルス幅変調信号に基づいて前記電動モータを駆動するように構成されている、往復動工具。
【請求項５】
請求項４に記載の往復動工具であって、
前記制御回路は、前記駆動回路が前記電動モータを始動する前に、初期デューティ比を有している前記少なくとも１つのパルス幅変調信号を前記駆動回路に出力するように構成され、
前記初期デューティ比は、零よりも大きいが前記電動モータを始動するのに不十分なデューティ比である、往復動工具。
【請求項６】
請求項５に記載の往復動工具であって、
前記物理量検出回路は、前記物理量検出回路が前記物理量を検出したことに応じて、前記少なくとも１つのパルス幅変調信号の前記所定の周期と同等または前記所定の周期よりも長い時間だけ所定の論理値を前記制御回路に出力し続けるように構成され、
前記制御回路は、前記制御回路が前記所定の論理値を受けてから前記電動モータの駆動が停止されるまでの期間、前記スイッチ素子に前記電気信号を出力し続けるように構成されている、往復動工具。
【請求項７】
請求項５または６に記載の往復動工具であって、
前記電動モータは、第１～第３のコイルを備えているブラシレスＤＣモータであり、
前記駆動回路は、（ｉ）フルブリッジ回路の少なくとも一部を形成し、（ｉｉ）前記第１～第３のコイルに接続された第１～第６の半導体スイッチを備え、
前記第１～第３の半導体スイッチは、前記フルブリッジ回路におけるハイサイドスイッチであり、
前記第４～第６の半導体スイッチは、前記フルブリッジ回路におけるローサイドスイッチであり、
前記少なくとも１つのパルス幅変調信号は、前記第１～第６の半導体スイッチにそれぞれ対応している第１～第６のパルス幅変調信号を含み、
前記制御回路は、前記駆動回路が前記電動モータを始動する前に、
前記駆動回路が前記電動モータを始動させ損なうように、（ｉ）第１～第３の半導体スイッチのうちの１つと、（ｉｉ）前記第４～第６の半導体スイッチのうちの１つと、の組合せを選択し、
選択された前記組合せに対応する一対のパルス幅変調信号を前記第１～第６のパルス幅変調信号から選択し、
選択された前記一対のパルス幅変調信号を前記駆動回路に出力する
ように構成され、
前記一対のパルス幅変調信号の各々は、前記初期デューティ比を有している、往復動工具。
【請求項８】
請求項１～７のうちのいずれか１項に記載の往復動工具であって、さらに、
前記使用者によって工作物に押し当てられるように構成された押し当て部材と、
前記押し当て部材が前記工作物に押し当てられていることによってオンされるように構成された第２の手動スイッチと
を備え、
前記制御回路は、前記第１の手動スイッチと前記第２の手動スイッチとの双方がオンされていることに基づいて、前記電動モータを始動させるように前記駆動回路を制御するように構成されている、往復動工具。
【請求項９】
請求項４～７のうちのいずれか１項に従属しているときの請求項８に記載の往復動工具であって、
前記制御回路は、前記第２の手動スイッチがオンされたことに応じて、前記初期デューティ比を有している前記少なくとも１つのパルス幅変調信号の出力を開始するように構成されている、往復動工具。
【請求項１０】
請求項８または９に記載の往復動工具であって、
前記往復動工具は、第１のモードを含む複数の動作モードのうちのいずれか１つに選択的に設定されるように構成され、
前記制御回路は、（ｉ）前記往復動工具が前記第１の動作モードに設定され、且つ、（ｉｉ）前記第２の手動スイッチがオンされてから所定時間以内に前記第１の手動スイッチがオンされたことに応じて、前記電気信号の出力を停止するように構成されている、往復動工具。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、往復動工具に関する。
続きを表示（約 1,300 文字）【背景技術】
【０００２】
下記特許文献１は、起動状態ロック機構を備えている打ち込み工具を開示している。起動状態ロック機構は、打ち込み工具の通電スイッチをオン状態にロックして、打ち込み工具の電動モータの起動状態（通電状態）を継続させる機械的機能を有している。この起動状態ロック機構により、打ち込み動作後に使用者がトリガのオン操作を解除した後において、電動モータの起動状態が一定時間継続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２２－５８０８０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上述の起動状態ロック機構は、多くの機械部品を必要とする機械的機構である。起動状態ロック機構を簡素化できれば、上述の打ち込み工具の小型化または軽量化が促進され得る。
【０００５】
そこで、本開示の１つの局面は、往復動工具において手動スイッチがオフされた後も電動モータの通電を簡素な構成で保持できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示において、「第１の」、「第２の」などの用語は、要素を互いに区別することを意図しているに過ぎず、要素の順序または数を限定することを意図していない。したがって、第１の要素を第２の要素と称してもよいし、同様に、第２の要素を第１の要素と称してもよい。加えて、第２の要素を備えることなく、第１の要素を備えていてもよいし、同様に、第１の要素を備えることなく、第２の要素を備えていてもよい。
【０００７】
本開示の１つの局面は、往復部材と、電動モータと、伝達装置と、駆動回路と、第１の手動スイッチと、スイッチ素子と、制御回路とを備えている往復動工具を提供する。
【０００８】
往復部材は、第１の死点と第２の死点との間を往復するように構成されている。
電動モータは、駆動力を発生するように構成されている。
伝達装置は、少なくとも、第２の死点から第１の死点までの往復部材の行程において電動モータの駆動力を往復部材に伝達するように構成されている。
【０００９】
駆動回路は、（ｉ）電源から電流を受け、（ｉｉ）受けた電流で電動モータを駆動するように構成されている。
第１の手動スイッチは、（ｉ）第１の接点と、第２の接点とを備え、（ｉｉ）往復動工具の使用者によって手動でオンまたはオフされるように構成されている。第１の接点は、電源に接続されている。第２の接点は、駆動回路に接続されている。第１の手動スイッチは、（ｉ）そのオン状態において、第１の接点を第２の接点に接続し、（ｉｉ）そのオフ状態において、第１の接点を第２の接点から切断するように構成されている。
【００１０】
スイッチ素子は、（ｉ）電気信号を受けてオンされ、（ｉｉ）そのオン状態において、第１の接点と第２の接点との間を導通し、（ｉｉｉ）そのオフ状態において、第１の接点と第２の接点との間を遮断するように構成されている。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許