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公開番号2025177753
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024084827
出願日2024-05-24
発明の名称予測モデル
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類B01J 37/00 20060101AFI20251128BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】より確からしい予測ができる予測モデルを提供することにある。
【解決手段】本発明の予測モデルは、排ガス浄化触媒の触媒構成を表現する情報を説明変数とし、浄化性能を表現する情報を目的変数として機械学習を行うことにより構築され、触媒構成を表現する情報は、少なくとも1種の触媒金属の種類毎の担持粉末の合成XRDスペクトルのデータを含み、合成XRDスペクトルは、少なくとも1種の触媒金属の各種類の触媒金属を担持する少なくとも1種の担体粉末の各種類の担体粉末単独の標準XRDスペクトルの各回折角での強度に対して、当該各種類の担体粉末に担持された当該各種類の触媒金属の量を掛け合わせることで、当該各種類の触媒金属の量が反映された当該各種類の担体粉末の標準XRDスペクトルの各回折角での強度のデータを、担体粉末の種類数算出し、算出された当該種類数のデータを合算することにより、取得されたものである。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
排ガス浄化触媒の浄化性能を予測する予測モデルであって、
前記排ガス浄化触媒は、少なくとも1種の担体粉末と、前記少なくとも1種の担体粉末に担持された少なくとも1種の触媒金属とを含む層を有する触媒層を備え、
前記予測モデルは、前記排ガス浄化触媒の触媒構成を表現する情報を有する情報を説明変数とし、前記浄化性能を表現する情報を目的変数として機械学習を行うことにより構築され、
前記触媒構成を表現する情報は、前記少なくとも1種の触媒金属の種類毎の担持粉末の合成XRDスペクトルのデータを含み、
前記少なくとも1種の触媒金属の種類毎の前記担持粉末の前記合成XRDスペクトルは、前記少なくとも1種の触媒金属の各種類の触媒金属を担持する前記少なくとも1種の担体粉末の各種類の担体粉末単独の標準XRDスペクトルの各回折角での強度に対して、当該各種類の担体粉末に担持された当該各種類の触媒金属の量を掛け合わせることで、当該各種類の触媒金属の量が反映された当該各種類の担体粉末の標準XRDスペクトルの各回折角での強度のデータを、前記担体粉末の種類数算出し、算出された当該種類数のデータを合算することにより、取得された合成XRDスペクトルであることを特徴とする予測モデル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス浄化触媒の浄化性能を予測する予測モデルに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、排ガス浄化触媒の浄化性能を予測する種々の予測モデルが知られている。例えば、複数の種類の触媒表面の含有元素割合と触媒表面における比表面積の値を教師データとして予め学習させた予測モデルが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-185940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排ガス浄化触媒の浄化性能は、例えば、触媒構成、浄化性能評価試験の試験条件、耐久履歴等によって決定される。従来、機械学習により浄化性能を予測する予測モデルでは、機械学習の説明変数に使用される触媒構成を表現する情報のうちの触媒層の各層に含まれる触媒金属に関する情報のデータとして、担体粉末の各種類に担持された触媒金属の種類毎の量を列名とするマトリックス形式のデータが用いられることがある。この場合には、類似の複数種の担体粉末に担持された所定種類の触媒金属の量が、異なる列名で表示された異なる複数種の説明変数であって、直交する複数の軸に沿って別々に変化する複数種の説明変数で表現されることになる。よって、これらの説明変数には複数種の担体粉末の類似性が表現されない。この結果、本来の排ガス浄化触媒では、所定種類の触媒金属を担持する担体粉末を、元素組成が同一又は近似で物性がわずかに異なる類似の担体粉末に変更しただけでは、浄化性能がほとんど変化しないにもかかわらず、従来の予測モデルでは、過学習が起きることにより、類似の担体粉末に変更した排ガス浄化触媒の浄化性能を予測する場合に、担体粉末の変更内容に対して過敏な影響が生じ、不正確な予測結果となるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点を鑑みてなされ、その目的は、より確からしい予測ができる予測モデルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明の予測モデルは、排ガス浄化触媒の浄化性能を予測する予測モデルであって、上記排ガス浄化触媒は、少なくとも1種の担体粉末と、上記少なくとも1種の担体粉末に担持された少なくとも1種の触媒金属とを含む層を有する触媒層を備え、上記予測モデルは、上記排ガス浄化触媒の触媒構成を表現する情報を有する情報を説明変数とし、上記浄化性能を表現する情報を目的変数として機械学習を行うことにより構築され、上記触媒構成を表現する情報は、上記少なくとも1種の触媒金属の種類毎の担持粉末の合成XRDスペクトルのデータを含み、上記少なくとも1種の触媒金属の種類毎の上記担持粉末の上記合成XRDスペクトルは、上記少なくとも1種の触媒金属の各種類の触媒金属を担持する上記少なくとも1種の担体粉末の各種類の担体粉末単独の標準XRDスペクトルの各回折角での強度に対して、当該各種類の担体粉末に担持された当該各種類の触媒金属の量を掛け合わせることで、当該各種類の触媒金属の量が反映された当該各種類の担体粉末の標準XRDスペクトルの各回折角での強度のデータを、上記担体粉末の種類数算出し、算出された当該種類数のデータを合算することにより、取得された合成XRDスペクトルであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より確からしい予測ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
(a)は、予測装置を概略的に説明する図であり、(b)は、当該予測装置を実現するコンピュータの構成を概略的に示す図である。
(a)は、排ガス浄化触媒の各サンプルにおける基材の隔壁及び触媒層を拡大して示す概略断面図である。(b)~(d)は、それぞれ、触媒構成を表現する情報の取得方法、耐久履歴を表現する情報の取得方法、並びに浄化性能評価試験を表現する情報及び浄化性能を表現する情報の取得方法を説明する図である。
触媒金属M1~Myの種類毎の担持粉末の合成XRDスペクトルの各回折角での強度のn個のデータの取得方法を説明する図である。
(a)は、触媒の所定サンプルの仕様データについて、「担体粉末Aに担持されたPd量[g]」を0.0~2.0の範囲で変化させた場合、及び「担体粉末A´に担持されたPd量[g]」を0.0~2.0の範囲で変化させた場合において、比較例の予測モデルの説明変数に使用される「担体粉末Aに担持されたPd量[g]」(X)及び「担体粉末A´に担持されたPd量[g]」(Y)の組合せをXY座標にプロットしたグラフである。(b)は、仕様データで同様に「担体粉末Aに担持されたPd量[g]」を0.0~2.0の範囲で変化させた場合、及び仕様データで同様に「担体粉末A´に担持されたPd量[g]」を0.0~2.0の範囲で変化させた場合において、実施例の予測モデルの説明変数に使用される「Pdの担持粉末の合成XRDスペクトルの40°の回折角での強度[a.u.]」(X)及び「Pdの担持粉末の合成XRDスペクトルの50°の回折角での強度[a.u.]」(Y)の組合せをXY座標にプロットしたグラフである。
(a)は、比較例の予測モデルを使用し、触媒の所定サンプルの仕様データに関して、触媒層の所定層に含まれる所定種類の触媒金属の担持粉末に担持された所定種類の触媒金属の量に応じたNOx50%浄化温度(予測値)を算出した結果を示すグラフである。(b)は、実施例の予測モデルを使用し、触媒の所定サンプルの仕様データに関して、触媒層の所定層に含まれる所定種類の触媒金属の担持粉末に担持された所定種類の触媒金属の量に応じたNOx50%浄化温度(予測値)を算出した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係る予測モデルについて、実施形態に係る予測モデルを用いて、排ガス浄化触媒(以下、「触媒」と略すことがある。)の浄化性能を予測する予測装置を示して説明する。図1(a)に示すように、予測装置1は、実施形態に係る予測モデル4a及び他のデータ4bが記憶された記憶部4と、予測部6a及び算出部6bを含む処理部6と、入力部2と、出力部8とを備えている。予測装置1は、例えば、図1(b)に示すコンピュータ100等で実現する。コンピュータ100は、処理装置(計算機)110、記憶装置120、入力装置130、出力装置140、及び入出力インタフェース(I/F)150等を含む。記憶部4の予測モデル4aは、少なくとも1種の担体粉末と、上記少なくとも1種の担体粉末に担持された少なくとも1種の触媒金属とを含む層を有する触媒層を備える触媒の浄化性能を予測する。予測モデル4aは、触媒の複数の学習用のサンプルからそれぞれ取得された説明変数(予測対象の触媒の触媒構成を表現する情報を有する情報)及び目的変数(浄化性能を表現する情報)の複数セットのデータからなるデータ集合を用いて機械学習を行うことにより構築されたものである。処理部6の予測部6aは、予測モデル4aを用いることにより、予測対象の触媒の触媒構成を表現する情報を有する情報(説明変数)から、浄化性能を表現する情報(目的変数)を取得することで、浄化性能を予測する。処理部6の算出部6bは、浄化性能を表現する情報からNOx50%浄化温度を算出する。入力部2は、予測対象の触媒の触媒構成を表現する情報を有する情報(説明変数)を入力する。出力部8は、予測結果及び算出結果を出力する。
【0010】
説明変数における触媒構成を表現する情報は、上記少なくとも1種の触媒金属の種類毎の担持粉末の合成XRDスペクトルのデータを含む。上記少なくとも1種の触媒金属の種類毎の上記担持粉末の上記合成XRDスペクトルは、上記少なくとも1種の触媒金属の各種類の触媒金属を担持する上記少なくとも1種の担体粉末の各種類の担体粉末単独の標準XRDスペクトルの各回折角での強度に対して、当該各種類の担体粉末に担持された当該各種類の触媒金属の量を掛け合わせることで、当該各種類の触媒金属の量が反映された当該各種類の担体粉末の標準XRDスペクトルの各回折角での強度のデータを、上記担体粉末の種類数算出し、算出された当該種類数のデータを合算することにより、取得された合成XRDスペクトルである。触媒構成を表現する情報に含まれる上記少なくとも1種の触媒金属の種類毎の担持粉末の合成XRDスペクトルのデータは、特に限定されず、当該合成XRDスペクトルの各回折角での強度のデータでもよいし、又は当該合成XRDスペクトルの各回折角での強度の次元圧縮後のデータでもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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