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公開番号2025172476
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-26
出願番号2024078005
出願日2024-05-13
発明の名称パターン化位相差板の製造方法及びパターン化位相差板
出願人JSR株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20251118BHJP(光学)
要約【課題】大面積でありながら、位相差領域の長距離寸法安定性に優れたパターン化位相差板を比較的簡易な手法により製造できるパターン化位相差板の製造方法を提供すること。
【解決手段】液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する工程と、フォトマスクを介して塗膜に露光して光配向膜12とする工程と、光配向膜12上に重合性液晶を塗布し硬化して液晶層13を形成する工程とを含む方法によりパターン化位相差板10を製造する。液晶配向剤はシンナメート構造、アゾベンゼン構造又は主鎖分解型構造を有する重合体を含有する。ガラス基板11は、液晶配向剤が塗布される基板面に、ガラス基板11に対する位置合わせの指標であるアライメントマーカー部19を有する。スキャン露光では、アライメントマーカー部19に対するフォトマスクの相対位置を検出し、該検出結果に基づいて、ガラス基板11に対するフォトマスクの相対位置を補正しながら塗膜に放射線を照射する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ガラス基板上に液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する膜形成工程と、
光源とフォトマスクとを備える露光ユニットを複数用い、前記光源から前記フォトマスクを介して前記塗膜に放射線を照射して光配向膜とする露光工程と、
前記光配向膜上に重合性液晶を塗布して硬化することにより液晶層を形成する液晶層形成工程と、
を含み、
前記液晶配向剤は、シンナメート構造、アゾベンゼン構造又は主鎖分解型構造を有する重合体を含有し、
前記ガラス基板は、前記液晶配向剤が塗布される基板面に、前記ガラス基板に対する位置合わせの指標であるアライメントマーカー部を有し、
前記露光工程では、前記塗膜が形成されたガラス基板を、複数の前記露光ユニットに対し所定の移動方向に相対的に移動させながら、複数の前記露光ユニットのそれぞれに対応する領域の前記塗膜に放射線を照射するスキャン露光を行い、
前記スキャン露光では、前記アライメントマーカー部に対する前記フォトマスクの相対位置を検出し、該検出結果に基づいて、前記ガラス基板に対する前記フォトマスクの相対位置を補正しながら前記塗膜に放射線を照射する、パターン化位相差板の製造方法。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記露光工程では、前記スキャン露光を、前記塗膜に対する放射線の照射領域を変えて複数回行うことにより、液晶分子の配向方位が互いに異なる複数の領域を有する前記光配向膜を得る、請求項1に記載のパターン化位相差板の製造方法。
【請求項3】
前記アライメントマーカー部がブラックマトリクス材料により形成されている、請求項2に記載のパターン化位相差板の製造方法。
【請求項4】
前記アライメントマーカー部が、前記基板面に垂直な方向から見て前記複数の領域における各領域の境界部と重なる位置に配置されている、請求項3に記載のパターン化位相差板の製造方法。
【請求項5】
前記露光工程では、放射線を前記基板面に対して斜め方向から照射する、請求項1~4のいずれか一項に記載のパターン化位相差板の製造方法。
【請求項6】
ガラス基板と、
前記ガラス基板の上に配置された光配向膜と、
前記光配向膜の上に配置され、重合性液晶が硬化されてなる液晶層と、
ブラックマトリクス層と、
を備え、
前記光配向膜は、シンナメート構造、アゾベンゼン構造又は主鎖分解型構造を有する重合体を含み、液晶分子の配向方位が互いに異なる複数の領域を有し、
前記ブラックマトリクス層が、前記ガラス基板に接触しており、かつ前記基板面に垂直な方向から見て前記複数の領域における各領域の境界部と重なる位置に配置されている、パターン化位相差板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン化位相差板の製造方法及びパターン化位相差板に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)は、テレビや各種モニター等に広く利用されている。LCDの液晶表示モードとしては、例えば、TN(Twisted Nematic)型、IPS(In Plane Switching)型、FFS(Fringe Field Switching)型、VA(Vertically Aligned)型、PSA(Polymer sustained alignment)型等といった各種モードが知られている。現在、これらの液晶表示モード技術を使ったLCDの生産が行われている。
【0003】
液晶ディスプレイには様々な光学材料が用いられている。その一つである位相差板(位相差フィルムを含む)は、表示の着色を解消する目的や、見る角度によって表示色及びコントラスト比が変化する視野角依存性を解消する目的で、液晶ディスプレイの製造に用いられている。位相差板は、一般には、プラスチックフィルムの延伸を利用して製造されている。また、より複雑な光学特性を有する位相差板を得るために、重合性液晶を硬化させて位相差板を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
重合性液晶を硬化させて位相差板を製造する方法では、液晶分子を基板面に対し所定の方向に配向させるために、基板面に液晶配向膜を設けることが一般的である。位相差板に設けられる液晶配向膜は、例えばポリビニルシンナメート等の感光性薄膜に偏光又は非偏光の放射線を照射する光配向法により形成される(例えば、特許文献2や特許文献3参照)。光配向法によれば、均一な液晶配向を実現できる上、放射線照射時にフォトマスクを使用することにより、一つの基板上に液晶分子の配向方位が異なる複数の領域を任意に形成できるメリットがある。
【0005】
近年、三次元(3D)映像を表現する技術が種々検討されており、また3D表示のゲームの普及など、家庭用においても3D映像を視認可能なディスプレイの需要が高まっている。更には、サイネージや没入型体験のアミューズメント施設等でも、観察者が3D映像を視認可能なディスプレイの需要が高まりつつある。このような3D映像の表示方式の一つとして、従来、ディスプレイの前面に、液晶分子の配向方位が互いに異なる複数の位相差領域を有するパターン化位相差板を配置するとともに、右目用画像と左目用画像とをそれぞれディスプレイの画面に表示し、右目と左目とで偏光状態が異なる偏光眼鏡を介して画像を観察する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この表示方式により得られる立体画像はフリッカー発生が抑制され、また、表示装置が1台で済むため家庭や幅広い施設に普及しやすいことや、観察者は軽量かつ安価な偏光眼鏡を装着することで立体画像を簡単に観察できるといったメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-234146号公報
特開2004-163646号公報
特開2002-250924号公報
特許第3461680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
偏光方式により高精細な立体画像を観察者が知覚可能にするには、偏光眼鏡を介して観察者の左右の目にそれぞれ入射する光の偏光状態を高度に制御するために、ディスプレイの前面に配置するパターン化位相差板のパターニングを画素レベルで高精度に行う必要がある。しかしながら、光配向法を適用してパターン化位相差板を製造する際にパターニングを高精度に行うことは困難であり、観察者が偏光眼鏡を装着して3D映像を観察したときに右目用画像と左目用画像とが混じり合い、表示品位が低下する現象、いわゆる「クロストーク現象」が発生することがあった。
【0008】
近年では、例えば液晶ディスプレイは最大で100インチ超まで大型化しており、また解像度についても、8K解像度等の超高精細な映像技術が普及し始めている。このような大型かつ高精細の液晶ディスプレイにパターニング位相差板を組み合わせ、高精細な大型の3D表示装置を得るには、大型の基板上に非常に小さな幅で、しかも直線的であって幅のバラつきを抑制しながらパターニングを行う必要があり、技術上の障壁となっていた。
【0009】
高精細3D液晶ディスプレイに対応した高精細のパターニング位相差板を製造するために、基材としてフィルムではなく、液晶ディスプレイ製造と同等の大きさ及び表面平滑度を持つ大型ガラス基板(例えばマザー基板)を用い、大型ガラス基板上にパターニングを行ってパターン化位相差板を得ることが考えられる。位相差板におけるパターニングは、一般に、感光性の膜に対しフォトマスクを介して露光することにより行われる。
【0010】
しかしながら、基材として幅2mを超える大型ガラス基板を用いる場合に、光配向処理時にフォトマスクと基材との位置関係を高精度に制御するとともに、一度の露光処理によって大面積の感光性薄膜に対し均一な放射線照射を行うことは、放射線強度や装置サイズの制約から現実的ではない。また、フォトマスクの大型化は製造コストの上昇に繋がる。
(【0011】以降は省略されています)

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