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公開番号2025169635
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-14
出願番号2024074521
出願日2024-05-01
発明の名称フェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼
出願人日本製鉄株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20251107BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】熱間延性及び熱間絞りに優れるフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】質量基準で、C:0.001~0.050%、Si:0.01~0.50%、Mn:1.0~3.5%、P:0.050%以下、S:0.0300%以下、Ni:1.5~3.0%、Cr:19.6~23.0%、Mo:0.01~1.00%、Cu:0.01~1.00%、N:0.010~0.120%を含み、残部がFe及び不純物からなる組成を有するフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼である。このフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼は、下記式(1):
DF=7.2(Cr+0.88Mo+0.78Si)-8.9(Ni+0.03Mn+0.72Cu+22C+21N)-44.9 ・・・ (1)
(式中、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す)で示されるDFの値が60.0~80.0であり、
下記式(2):
A=1.38×DF-136.5×N ・・・(2)
(式中、DFは、上記式(1)によって算出される値であり、NはNの含有量(質量%)を表す)で示されるAの値が55.0以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
質量基準で、C:0.001~0.050%、Si:0.01~0.50%、Mn:1.0~3.5%、P:0.050%以下、S:0.0300%以下、Ni:1.5~3.0%、Cr:19.6~23.0%、Mo:0.01~1.00%、Cu:0.01~1.00%、N:0.010~0.120%を含み、残部がFe及び不純物からなる組成を有し、
下記式(1):
DF=7.2(Cr+0.88Mo+0.78Si)-8.9(Ni+0.03Mn+0.72Cu+22C+21N)-44.9 ・・・ (1)
(式中、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す)で示されるDFの値が60.0~80.0であり、
下記式(2):
A=1.38×DF-136.5×N ・・・(2)
(式中、DFは、上記式(1)によって算出される値であり、NはNの含有量(質量%)を表す)で示されるAの値が55.0以上である、フェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
質量基準で、Nb:0.010~0.500%、Ti:0.010~0.500%、V:0.01~0.50%、W:0.05~0.50%、Co:0.01~0.30%、B:0.0002~0.0050%、Sn:0.010~0.500%、Al:0.010~0.050%、Mg:0.0002~0.0100%、Ca:0.0002~0.0100%、Ta:0.050%以下、Ga:0.050%以下、Zr:0.01~0.50%、REM:0.0002~0.0100%から選択される1種以上を更に含む、請求項1に記載のフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼。
【請求項3】
900℃における破断絞り値が75%以上である、請求項1又は2に記載のフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼。
【請求項4】
圧延材である、請求項1又は2に記載のフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼。
【請求項5】
フェライト相の平均粒子径が5.0~90.0μmである、請求項4に記載のフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼。
【請求項6】
950℃における全伸びが200%以上である、請求項4に記載のフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
フェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼は、耐食性に優れ、高強度であることから、建材や構造材料などに使用されている。
しかしながら、フェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼は、高温度域におけるフェライト相とオーステナイト相の温度依存性の違いにより熱間加工性が低いことが多い。そこで、この熱間加工性を改善するため、主に微量元素の制御が試みられている(例えば、特許文献1~3)が、高温度域(例えば、950℃以上)の全伸び(熱間延性)が十分でないことがある。
【0003】
また、フェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼のコストを抑える観点から、合金元素の節減を図ったリーン(省合金)型のフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼に対するニーズもある。リーン型のフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼は、高価なNiを低減しつつオーステナイト相の安定度を担保するため、Nが多く添加されることが多い。Nは、フェライト相及びオーステナイト相の高強度化やオーステナイト相の耐食性を向上させる元素として知られており積極的に活用されている。
しかしながら、Nを多く添加すると、オーステナイト相の比率の増加(すなわち、フェライト相とオーステナイト相との界面の増加)やオーステナイト相の硬質化によって熱間加工性が低下し、熱間圧延中の耳切れ発生などで生産性が低下することが多い。
【0004】
他方、フェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼は、フェライト相とオーステナイト相とが互いに粒成長を抑制しあうことにより、高温変形中に微細再結晶粒を維持するという超塑性現象を生じることが知られている。この超塑性現象を生じさせるために、各相の比率の制御、固溶N量の制御、σ相の析出制御などが試みられている(例えば、特許文献4~6)が、熱間絞りが十分でないことがある。熱間絞りが不十分であると、鋼片に対して熱間圧延などの熱間加工を施す際に、歩留りが低下したり、表面疵が生じ易くなったりするため生産性が低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-59900号公報
特開平2-258956号公報
特開昭56-142855号公報
特開平8-41594号公報
特開平8-13093号公報
特開昭61-210158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来のフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼は、熱間延性又は熱間絞りのいずれか一方は良好であるものの、熱間延性及び熱間絞りの両方を向上させることはできていない。
したがって、本発明は、熱間延性及び熱間絞りに優れるフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記のような問題を解決すべくリーン型のフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼について鋭意研究を続けた結果、Nを低減し且つ添加元素の種類及び量を適切に調整することにより、フェライト相の比率を増大させて熱間絞りを向上させ得るとともに、フェライト相とオーステナイト相との比率を適切に制御することにより、超塑性現象を発現させて熱間延性も向上させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、質量基準で、C:0.001~0.050%、Si:0.01~0.50%、Mn:1.0~3.5%、P:0.050%以下、S:0.0300%以下、Ni:1.5~3.0%、Cr:19.6~23.0%、Mo:0.01~1.00%、Cu:0.01~1.00%、N:0.010~0.120%を含み、残部がFe及び不純物からなる組成を有し、
下記式(1):
DF=7.2(Cr+0.88Mo+0.78Si)-8.9(Ni+0.03Mn+0.72Cu+22C+21N)-44.9 ・・・ (1)
(式中、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す)で示されるDFの値が60.0~80.0であり、
下記式(2):
A=1.38×DF-136.5×N ・・・(2)
(式中、DFは、上記式(1)によって算出される値であり、NはNの含有量(質量%)を表す)で示されるAの値が55.0以上である、フェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、熱間延性及び熱間絞りに優れるフェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し変更、改良などが適宜加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
なお、本明細書において成分に関する「%」表示は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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