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公開番号
2025169525
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-14
出願番号
2024074271
出願日
2024-05-01
発明の名称
放射性同位体製造装置及び放射性同位体製造方法
出願人
株式会社東芝
,
東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人
弁理士法人東京国際特許事務所
主分類
G21G
1/10 20060101AFI20251107BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】複数の放射性同位体を同時に製造することができること。
【解決手段】正イオンを発生する正イオン源11と、負イオンを発生する負イオン源12と、正イオン源及び負イオン源からの正イオンと負イオンを合流させる合流偏向磁石13と、正イオン及び負イオンを逆位相で同時に加速させる線形加速器15と、正イオンの正イオンビームと負イオンの負イオンビームを分離させる分離偏向磁石16と、正イオンビーム用標的17Aを備え、分離偏向磁石からの正イオンビームを正イオンビーム用標的に衝突させて放射性同位体を生成する正イオンビーム照射標的部17と、負イオンビーム用標的18Aを備え、分離偏向磁石からの負イオンビームを負イオンビーム用標的に衝突させて他の放射性同位体を生成する負イオンビーム照射標的部18と、を有し、異なる放射性同位体が並行して生成されるよう構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
イオンビームを加速し標的に衝突させて放射性同位体を製造する放射性同位体製造装置において、
正イオンを発生させる正イオン源と、
負イオンを発生させる負イオン源と、
前記正イオン源及び前記負イオン源から、質量電荷比の絶対値が等しい前記正イオンと前記負イオンを合流させる合流偏向磁石と、
前記合流偏向磁石からの前記正イオン及び前記負イオンを逆位相で同時に加速させる線形加速器と、
前記線形加速器にて加速された前記正イオンの正イオンビームと前記負イオンの負イオンビームとを分離させる分離偏向磁石と、
正イオンビーム用標的を備え、前記分離偏向磁石からの前記正イオンビームを前記正イオンビーム用標的に照射し衝突させて前記放射性同位体を生成する正イオンビーム照射標的部と、
負イオンビーム用標的を備え、前記分離偏向磁石からの前記負イオンビームを前記負イオンビーム用標的に照射し衝突させて他の前記放射性同位体を生成する負イオンビーム照射標的部と、を有し、
前記正イオンビーム用標的と前記負イオンビーム用標的とで、異なる前記放射性同位体が並行して生成されるよう構成されたことを特徴とする放射性同位体製造装置。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記正イオンと前記負イオンの組合せは、H
+
イオンとH
-
イオン、He
2+
イオンとD
-
イオン、またはD
+
イオンとD
-
イオンであり、
前記放射性同位体は、
67
Cu、
62
Zn、
68
Ge、
227
Th、
99
Mo、
64
Cu、
211
At、
177
Lu、
225
Acのうちの複数であることを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項3】
前記正イオンと前記負イオンの組合せが、H
+
イオンとH
-
イオン、またはD
+
イオンとD
-
イオンであり、
正イオンビーム用標的と負イオンビーム用標的の少なくとも一方が中性子を生成し、この生成された中性子の照射により放射性同位体が生成されるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項4】
前記分離偏向磁石の後段に、両イオンビーム用標的を備えた両イオンビーム照射標的部を有し、
前記分離偏向磁石からの正イオンビーム、負イオンビームの一方または両方が前記両イオンビーム用標的に照射されて衝突することで放射性同位体が生成されるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項5】
前記正イオンと前記負イオンの組合せが、H
+
イオンとH
-
イオン、またはD
+
イオンとD
-
イオンであり、
前記分離偏向磁石の後段に、両イオンビーム用標的を備えた両イオンビーム照射標的部を有し、
前記分離偏向磁石からの正イオンビーム、負イオンビームの一方または両方が前記両イオンビーム用標的に照射されて衝突することで中性子が生成され、この生成された中性子の照射により放射性同位体が生成されるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項6】
前記分離偏向磁石の後段に追加の線形加速器を有し、
この追加の線形加速器の後段に、他の前記分離偏向磁石を介して、他の正イオンビーム用標的を備えた他の正イオンビーム照射標的部と、他の負イオンビーム用標的を備えた他の負イオンビーム照射標的部とが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項7】
前記分離偏向磁石の後段には、正イオンビーム照射標的部との間、及び負イオンビーム照射標的部との間の少なくとも一方に、追加の線形加速器が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項8】
前項正イオン源からの正イオンと前記負イオン源からの負イオンは、時間構造が個別に変更可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項9】
前項正イオン源または前記負イオン源にて発生したイオンの流れに基づく電流値を計測する電流計と、この電流計にて計測された電流値に基づき、正イオンビーム照射標的部または負イオンビーム照射標的部にて生成された放射性同位体量を演算する演算部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項10】
前記正イオンビーム用標的または前記負イオンビーム用標的にて生成された放射性同位体から発生する放射線量を検出する検出器と、この検出器にて検出された前記放射線量に基づき、前記正イオンビーム用標的または前記負イオンビーム用標的にて生成された放射性同位体量を演算する演算部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、イオンビームを加速し標的に衝突させて放射性同位体を製造する放射性同位体製造装置及び放射性同位体製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
悪性腫がん治療において、放射性同位体としての放射性同位元素(RI)を用いた治療薬の活用の実用化が進んでいる。なかでも、アスタチン(
211
At)は、加速器で製造できるα線核種(α線放射性同位体)として近年注目されていることが、非特許文献1にも記載されている。α線核種を用いることで、がん細胞に格段に大きなエネルギを付与することができ、且つα線は体内での飛程が数10μmであって正常細胞へのダメージが少ないという特長がある。標的α照射療法によるがんの治療効果が、動物実験でも人への臨床試験においても証明されてきたことを受け、国際原子力機関(IAEA)でもα線核種の医学応用の可能性について議論がなされている状況にある。
【0003】
アスタチン(
211
At)を製造する方法として、ビスマス(
209
Bi)に核子当り約5~10MeVの
4
He
2+
イオンをぶつける手法が知られている。一方、β線核種(β線放射性同位体)であるルテチウム(
177
Lu)も放射免疫療法に用いられており、現在では原子炉で製造されている。この
177
Luを加速器で製造する方法として、イッテルビウム(
176
Yb)に核子当り約7MeVの重水素イオン(D
-
)を衝突させる手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平5-13196号公報
国際公開第2011/132265号
特開2023-77836号公報
特表2016-520194号公報
【非特許文献】
【0005】
IAEA Alpha Emitting Radionuclides and Radiopharmaceuticals for Therapy; Meeting Report, International Atomic Energy Agency; June 24-28, 2013; Vienna, Austria.
Production route analysis of a therapeutic radionuclide 177Lu,AIP Advances 12, 95115 (2022).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したアスタチン(
211
At)もルテチウム(
177
Lu)も、がん治療用の核種(放射性同位体)として注目されている。ところが、これまで両核種を同時に製造できる加速器を用いた製造手法はなく、個別に複数台の加速器を用意する必要があるが、加速器自体が高価であるため現実的な手法とは言えない。
【0007】
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、複数の放射性同位体を同時に製造することができる放射性同位体製造装置及び放射性同位体製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態における放射性同位体製造装置は、イオンビームを加速し標的に衝突させて放射性同位体を製造する放射性同位体製造装置において、正イオンを発生させる正イオン源と、負イオンを発生させる負イオン源と、前記正イオン源及び前記負イオン源から、質量電荷比の絶対値が等しい前記正イオンと前記負イオンを合流させる合流偏向磁石と、前記合流偏向磁石からの前記正イオン及び前記負イオンを逆位相で同時に加速させる線形加速器と、前記線形加速器にて加速された前記正イオンの正イオンビームと前記負イオンの負イオンビームとを分離させる分離偏向磁石と、正イオンビーム用標的を備え、前記分離偏向磁石からの前記正イオンビームを前記正イオンビーム用標的に照射し衝突させて前記放射性同位体を生成する正イオンビーム照射標的部と、負イオンビーム用標的を備え、前記分離偏向磁石からの前記負イオンビームを前記負イオンビーム用標的に照射し衝突させて他の前記放射性同位体を生成する負イオンビーム照射標的部と、を有し、前記正イオンビーム用標的と前記負イオンビーム用標的とで、異なる前記放射性同位体が並行して生成されるよう構成されたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の実施形態における放射性同位体製造方法は、イオンビームを加速し標的に衝突させて放射性同位体を製造する放射性同位体製造方法において、正イオン源からの正イオンと負イオン源からの負イオンとを合流偏向磁石にて合流させた後に、線形加速器にて同時に加速し、この線形加速器にて加速された前記正イオンの正イオンビームと前記負イオンの負イオンビームとを分離偏向磁石にて分離し、この分離された前記正イオンビームと前記負イオンビームのうち、前記正イオンビームを正イオンビーム照射標的部の正イオンビーム用標的に照射し衝突させて前記放射性同位体を生成し、前記負イオンビームを負イオンビーム照射標的部の負イオンビーム用標的に照射し衝突させて他の前記放射性同位体を生成し、これらの異なる前記放射性同位体を並行して生成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、複数の放射性同位体を同時に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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