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公開番号2025165691
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-05
出願番号2024069922
出願日2024-04-23
発明の名称車上装置及び判定方法
出願人株式会社京三製作所
代理人個人,個人,個人
主分類B61L 25/02 20060101AFI20251028BHJP(鉄道)
要約【課題】車上装置において、軌道に設置された磁石を誤りなく検出できる確度を向上させること。
【解決手段】軌道5の予め定められた設置位置に、異なる磁極が配列された表面を上面として軌道5に沿った方向に異なる磁極が位置するように永久磁石7が配置される。車上装置1は、磁気センサ部10が有する所定の位置関係で配置された複数の磁気センサ素子それぞれの検出値に基づく磁界分布を検出し、検出された磁界分布に対して、少なくとも微分要素を含む空間フィルタ処理を行い、所定の基準磁界分布と空間フィルタ処理した磁界分布とを比較することで、永久磁石7の設置位置を通過したか否かを判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
予め定められた設置位置に磁石が設置された軌道上を走行する車両に搭載される車上装置であって、
前記設置位置を通過する際に前記磁石の発生磁界を検出するために所定の位置関係で配置された複数の磁気センサ素子を有する磁気センサ部と、
前記磁気センサ部の検出値に基づいて前記設置位置を通過したか否かを判定する処理部と、
を備え、
前記磁石は、異なる磁極が配列された表面を上面として前記軌道に沿った方向に異なる磁極が位置するように配置され、
前記処理部は、
前記磁気センサ素子それぞれの検出値に基づく磁界分布を検出する検出部と、
前記検出された磁界分布に対して、少なくとも微分要素を含む空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理部と、
所定の基準磁界分布と前記空間フィルタ処理した磁界分布とを比較することで、前記設置位置を通過したか否かを判定する判定部と、
を有する、
車上装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記空間フィルタ処理部は、少なくとも二次微分要素を含む前記空間フィルタ処理を行う、
請求項1に記載の車上装置。
【請求項3】
前記磁気センサ部は、前記磁気センサを前記車両の前後左右の方向に沿った平面状に配置して有する、
請求項1に記載の車上装置。
【請求項4】
前記磁石には、大きさ、設置向き、磁極の配列パターンのうちの何れかが異なる複数種類の磁石があり、
前記軌道には、前記磁石が設置される前記設置位置毎に、設置される前記磁石の種類が定められており、
前記基準磁界分布には、前記磁石の種類毎の基準磁界分布があり、
前記判定部は、前記空間フィルタ処理部が前記空間フィルタ処理した磁界分布を、前記磁石の種類別の基準磁界分布それぞれと比較して、通過する設置位置に設置されている前記磁石の種類を判定する、
請求項1~3の何れか一項に記載の車上装置。
【請求項5】
前記磁気センサ素子は、複数の検出軸を有し、
前記検出部は、前記検出軸毎に前記磁界分布を検出し、
前記基準磁界分布には、前記検出軸毎の基準磁界分布があり、
前記判定部は、前記検出軸毎に、当該検出軸の基準磁界分布と、前記空間フィルタ処理した当該検出軸の前記磁界分布とを比較する、
請求項1~3の何れか一項に記載の車上装置。
【請求項6】
予め定められた設置位置に磁石が設置された軌道上を走行する車両に搭載される車上装置であって、前記設置位置を通過する際に前記磁石の発生磁界を検出するために所定の位置関係で配置された複数の磁気センサ素子を有する磁気センサ部を備えた車上装置が、前記磁気センサ部の検出値に基づいて前記設置位置を通過したか否かを判定するための判定方法であって、
前記磁石は、異なる磁極が配列された表面を上面として前記軌道に沿った方向に異なる磁極が位置するように配置されており、
前記磁気センサ素子それぞれの検出値に基づく磁界分布を検出することと、
前記検出された磁界分布に対して、少なくとも微分要素を含む空間フィルタ処理を行うことと、
所定の基準磁界分布と前記空間フィルタ処理した磁界分布とを比較することで、前記設置位置を通過したか否かを判定することと、
を含む判定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車上装置等に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
鉄道においては、地上設備の簡素化を主目的として、車上にて列車位置を検知する手法が普及しつつある。車上での列車位置の検知手法としては、速度発電機やパルスジェネレータ、速度センサ等を利用して取得した列車の速度情報を積算することで走行距離を算出し、列車位置を検知する方法が一般的である。このように取得される速度情報には誤差が含まれる可能性が高いため、安全性の観点から、GNSS(Global Navigation Satellite System)やATS(Automatic Train Stop)地上子といった位置補正用の他の設備を併用して、定期的に列車位置の誤差をリセットする必要がある。近年では、位置補正用の磁石を軌道に設置し、車上装置がこの磁石を検出することで絶対位置を検知して列車位置の誤差をリセットする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-170810公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、鉄道においては、鉄橋やレール等の強く磁化した物体や、レールに流れる列車制御用の電流が存在することが多く、このような物体等が位置補正用の磁石の近くに存在することによって誤検知が生じ得る。すなわち、車上装置は磁気センサで磁石が発生する磁界を検出するが、磁化された物体やレールに流れる列車制御用の電流が存在すると、それらが発生する磁界をも検出してしまう。そのため、磁石を検知できなかったり、存在しない磁石を誤って検知してしまうといった事態が生じ得る。この問題は、当該磁石が位置補正用の磁石である場合に限られる問題ではない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、車上装置において、軌道に設置された磁石を誤りなく検出できる確度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、
予め定められた設置位置に磁石が設置された軌道上を走行する車両に搭載される車上装置であって、
前記設置位置を通過する際に前記磁石の発生磁界を検出するために所定の位置関係で配置された複数の磁気センサ素子を有する磁気センサ部と、
前記磁気センサ部の検出値に基づいて前記設置位置を通過したか否かを判定する処理部と、
を備え、
前記磁石は、異なる磁極が配列された表面を上面として前記軌道に沿った方向に異なる磁極が位置するように配置され、
前記処理部は、
前記磁気センサ素子それぞれの検出値に基づく磁界分布を検出する検出部と、
前記検出された磁界分布に対して、少なくとも微分要素を含む空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理部と、
所定の基準磁界分布と前記空間フィルタ処理した磁界分布とを比較することで、前記設置位置を通過したか否かを判定する判定部と、
を有する、
車上装置である。
【0007】
他の発明として、
予め定められた設置位置に磁石が設置された軌道上を走行する車両に搭載される車上装置であって、前記設置位置を通過する際に前記磁石の発生磁界を検出するために所定の位置関係で配置された複数の磁気センサ素子を有する磁気センサ部を備えた車上装置が、前記磁気センサ部の検出値に基づいて前記設置位置を通過したか否かを判定するための判定方法であって、
前記磁石は、異なる磁極が配列された表面を上面として前記軌道に沿った方向に異なる磁極が位置するように配置されており、
前記磁気センサ素子それぞれの検出値に基づく磁界分布を検出することと、
前記検出された磁界分布に対して、少なくとも微分要素を含む空間フィルタ処理を行うことと、
所定の基準磁界分布と前記空間フィルタ処理した磁界分布とを比較することで、前記設置位置を通過したか否かを判定することと、
を含む判定方法を構成してもよい。
【0008】
第1の発明等によれば、車上装置において、軌道に設置された磁石を誤りなく検出できる確度を向上させることが可能になる。つまり、車上装置は、磁気センサ素子それぞれの検出値に基づく磁界分布に対して空間フィルタ処理した磁界分布を所定の基準磁界分布と比較することで、当該磁石の設置位置を通過したことを判定する。磁石は異なる磁極が配列された表面を上面とし、軌道に沿った方向に異なる磁極が位置するように配置されている。したがって、軌道に沿った方向に移動することとなる複数の磁気センサ素子それぞれにより検出される磁界分布は、空間的に異なる磁極間に相当する箇所で急峻な磁界変化をする磁界分布となる。
【0009】
このような磁界分布に対して少なくとも微分要素を含む空間フィルタ処理することで、空間的に急峻な磁界変化を捉えることが可能となる。例えば、磁気センサ部から相対的に遠い箇所にある磁化された物体やレールに流れる電流等が発生する磁界は、磁石と比較して、その大きさ自体は大きい可能性があるが空間的に緩やかに変化する磁界分布として検出される。そのため、車上装置は、他の磁界を発生する物体等と区別して磁石を誤りなく検出し、磁石の設置位置を通過したか否かを判定することが可能となる。
【0010】
第2の発明は、上述の発明において
前記空間フィルタ処理部は、少なくとも二次微分要素を含む前記空間フィルタ処理を行う、
車上装置である。
(【0011】以降は省略されています)

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