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公開番号2025161202
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2024064192
出願日2024-04-11
発明の名称コーヌリン発現促進剤
出願人株式会社 資生堂
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 31/4166 20060101AFI20251017BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】光老化に関わる分子機構を明らかにし、光老化に対する新たな予防又は改善方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明者らは鋭意検討の結果、コーヌリンが光老化に関与する分子であり、光老化に伴いコーヌリンの量が減少するという点を見出した。コーヌリンが光老化に対抗する作用を有するとの知見を得、コーヌリン発現を促進しうる成分について鋭意研究を行ったところ、驚くべきことに、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)とレチノール(RO)との組み合わせが表皮においてコーヌリンの発現を促進することを見出した。そこで、本開示は、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩と、レチノール又はレチノール誘導体とを含む、コーヌリン発現促進剤と、コーヌリン発現促進剤を含む、光老化抑制剤、皮膚バリア機能改善剤、及び肌荒れ抑制剤と、光老化抑制剤をスクリーニングする方法とを提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩であって、以下の:
以下の式:
JPEG
2025161202000012.jpg
37
39
(式中、
nは、1~3の整数であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基であり、
Xは、-CH

-又は-N(R

)-で示される基であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基である)
で表される化合物と、レチノール又はレチノール誘導体とを含む、コーヌリン発現促進剤。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
レチノール誘導体が、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、レチナール、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール、水添レチノールからなる群から選ばれる、請求項1に記載のコーヌリン発現促進剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコーヌリン発現促進剤を含む、光老化抑制剤。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のコーヌリン発現促進剤を含む、皮膚バリア機能改善剤。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のコーヌリン発現促進剤を含む、肌荒れ抑制剤。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のコーヌリン発現促進剤が配合された、経皮用組成物。
【請求項7】
化粧用組成物である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
候補薬剤を含む培地中で、ケラチノサイトを含む培養物を培養する工程;
候補薬剤を含む培地で培養後において、前記培養物におけるコーヌリンの発現を測定する工程;及び
測定された発現量を対照と比較し、候補薬剤の光老化抑制作用を決定する工程
を含む、光老化抑制剤をスクリーニングする方法。
【請求項9】
前記対照が、候補薬剤を含まない培地で培養されたケラチノサイトを含む培養物におけるコーヌリンの発現量又は当該発現量から決定された閾値である、請求項8に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
コーヌリン発現の促進の技術分野に関する。コーヌリン発現を促進することで、光老化抑制、皮膚バリア機能改善、及び肌荒れ抑制等の作用を発揮することができる。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
光老化とは、一般に日光に対する曝露が繰り返された結果として認められる皮膚の外見及び機能の変化を意味する。臨床的には、光老化は肌荒れ、しわの形成、斑の着色、土色化、たるみの形成、しみの発生、傷つき易くなる、萎縮等として特定され得る。光老化は普通、顔、耳、頭、首、手のような、日光に習慣的に曝される皮膚に起こり、外観の審美的印象を大きく損なう。そのため、光老化を抑制するための様々な研究が行われている。例えば、光老化のうち、シワの形成に対しては、皮膚におけるマトリックスメタロプロテアーゼー1産生を抑制すること(特許第7377005号)が有効であることが解明されている。光老化と関連するその他の物質を探索し、光老化の抑制に関する研究のさらなる発展が求められている。
【0003】
一方、表皮細胞の分化マーカーとしても知られているコーヌリンは、基底膜で分裂した表皮細胞が、角層に向けて分化する過程で発現され、有棘層から顆粒層の細胞において強く発現することが知られている。コーヌリンは、表皮の後期分化マーカー因子としても知られている。コーヌリンは、フィラグリンと同じS100 fused-type protein familyであり、Ca
2+
に結合し、分化過程におけるCa
2+
のコントロールに関与していると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7377005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、光老化に関わる分子機構を明らかにし、光老化に対する新たな予防又は改善方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討の結果、コーヌリンが光老化に関与する分子であり、光老化に伴いコーヌリンの量が減少するという点を見出した。コーヌリンが光老化に対抗する作用を有するとの知見を得、コーヌリン発現を促進しうる成分について鋭意研究を行ったところ、驚くべきことに、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)とレチノール(RO)との組み合わせが表皮においてコーヌリンの発現を促進することを見出した。
そこで、本発明は以下に関する。
[1] 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩であって、以下の:
以下の式:
JPEG
2025161202000002.jpg
37
39
(式中、
nは、1~3の整数であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基であり、
Xは、-CH

-又は-N(R

)-で示される基であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基である)
で表される化合物と、レチノール又はレチノール誘導体とを含む、コーヌリン発現促進剤。
[2] レチノール誘導体が、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、レチナール、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール、水添レチノールからなる群から選ばれる、項目1に記載のコーヌリン発現促進剤。
[3] 項目1又は2に記載のコーヌリン発現促進剤を含む、光老化抑制剤。
[4] 項目1又は2に記載のコーヌリン発現促進剤を含む、皮膚バリア機能改善剤。
[5] 項目1又は2に記載のコーヌリン発現促進剤を含む、肌荒れ抑制剤。
[6] 項目1又は2に記載のコーヌリン発現促進剤が配合された、経皮用組成物。
[7] 化粧用組成物である、項目6に記載の組成物。
[8] 候補薬剤を含む培地中で、ケラチノサイトを含む培養物を培養する工程;
候補薬剤を含む培地で培養後において、前記培養物におけるコーヌリンの発現を測定する工程;及び
測定された発現量を対照と比較し、候補薬剤の光老化抑制作用を決定する工程
を含む、光老化抑制剤をスクリーニングする方法。
[9] 前記対照が、候補薬剤を含まない培地で培養されたケラチノサイトを含む培養物におけるコーヌリンの発現量又は当該発現量から決定された閾値である、項目8に記載の方法。
[10] 光老化の抑制を望む対象において、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩であって、以下の:
式:
JPEG
2025161202000003.jpg
37
39
(式中、
nは、1~3の整数であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基であり、
Xは、-CH

-又は-N(R

)-で示される基であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基である)
で表される化合物と、レチノール又はレチノール誘導体とを適用することを含む、コーヌリン発現促進方法。
[11] 前記光老化の抑制を望む対象が、光老化を伴う対象、皮膚バリア機能が低下している対象、及び肌荒れを伴う対象から選択される対象である、項目10に記載の美容方法。
[12] コーヌリン発現の促進を介して、光老化の予防又は改善のために使用するための、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩であって、以下の:
以下の式:
JPEG
2025161202000004.jpg
37
39
(式中、
nは、1~3の整数であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基であり、
Xは、-CH

-又は-N(R

)-で示される基であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基である)
【発明の効果】
【0007】
1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩と、レチノール又はレチノール誘導体との組み合わせは、コーヌリンの発現を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、20~30代の若齢、及び40代以降の老齢それぞれの、非露光部と露光部とにおけるコーヌリンの発現変化の免疫組織染色写真を示す。
図2は、コントロール、レチノール(RO)、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)、又はレチノール及び1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(RO+HEI)を添加した場合の3次元培養皮膚モデルの表皮におけるコーヌリンmRNA発現レベルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩であって、以下の:
以下の式:
JPEG
2025161202000009.jpg
37
39
(式中、
nは、1~3の整数であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基であり、
Xは、-CH

-又は-N(R

)-で示される基であり、


は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基である)
で表される化合物と、レチノール又はレチノール誘導体とを含む、コーヌリン発現促進剤に関する。
【0010】
1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)単独では、コーヌリンの遺伝子の発現を有意に促進できなかった(図2)。また、レチノール(RO)単独では、コーヌリン発現の増加傾向を示したが、有意差は見られなかった(図2)。1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)とレチノール(RO)との組み合わせは表皮においてコーヌリンの遺伝子の発現を有意に増大した。レチノール単独では、増加傾向はみられた一方で、有意差が見られず、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)ではコーヌリン発現に変化が見られないことから、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)とレチノール(RO)との組み合わせの効果は、相乗的な効果であるといえる(図2)。従って、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)とレチノールとの組み合わせはコーヌリン発現促進剤として使用することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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