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公開番号
2025160188
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-22
出願番号
2025109136,2022517222
出願日
2025-06-27,2020-09-16
発明の名称
標的ゲノム修飾のための高度に効率的なRNA-アプタマー動員媒介性DNA塩基エディターおよびそれらの使用
出願人
ラトガース,ザ ステート ユニバーシティ オブ ニュー ジャージー
代理人
IBC一番町弁理士法人
主分類
C12N
15/09 20060101AFI20251015BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】標的遺伝子編集のためのシステムを提供する。
【解決手段】CRISPRタンパク質とウラシルDNAグリコシラーゼ阻害剤ペプチドを有する配列標的指向性成分またはそれをコードするポリヌクレオチド、ガイドRNA配列を含む核酸標的指向性モチーフと該CRISPRタンパク質に結合するRNAモチーフと動員RNAモチーフを含むRNAスキャホールドまたはそれをコードするDNAポリヌクレオチド、ならびに、該動員RNAモチーフに結合するRNA結合ドメインとリンカーとエフェクタードメインを含むエフェクター融合タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含み、該エフェクター融合タンパク質または該エフェクタードメインはシチジン脱アミノ化活性またはアデノシン脱アミノ化活性を有し、該CRISPRタンパク質がヌクレアーゼ活性を有しない、または二本鎖切断を生成するためのヌクレアーゼ活性を有しない、システム。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(i)配列標的指向性成分またはそれをコードするポリヌクレオチドであって、前記成分は、
(a)配列標的指向性タンパク質、および
(b)第1のウラシルDNAグリコシラーゼ(UNG)阻害剤ペプチド(UGI)
を有する標的融合タンパク質を含む、配列標的指向性成分またはそれをコードするポリヌクレオチド;
(ii)RNAスキャホールドまたはそれをコードするDNAポリヌクレオチドであって、前記スキャホールドは、
(a)標的核酸配列に相補的なガイドRNA配列を含む核酸標的指向性モチーフ、
(b)前記配列標的指向性タンパク質に結合することが可能なRNAモチーフ、および
(c)第1の動員RNAモチーフ
を含む、RNAスキャホールドまたはそれをコードするDNAポリヌクレオチド;ならびに
(iii)第1のエフェクター融合タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドであって、前記タンパク質は、
(a)前記第1の動員RNAモチーフに結合することが可能な第1のRNA結合ドメイン、
(b)リンカー、および
(c)エフェクタードメイン
を含む、第1のエフェクター融合タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド
を含み、前記第1のエフェクター融合タンパク質または前記エフェクタードメインは、シトシン脱アミノ化活性またはアデノシン脱アミノ化活性を有する、システム。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記標的融合タンパク質は、2つ以上のUGIをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記RNAスキャホールドは、2つ以上の動員RNAモチーフをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記配列標的指向性タンパク質、前記第1のUGI、前記第2のUGI、前記RNA結合ドメイン、および前記エフェクタードメインをコードするポリヌクレオチドの1つまたは複数は、真核細胞発現または哺乳動物の細胞での発現のために最適化されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記配列標的指向性成分または前記第1のエフェクター融合タンパク質は、1つまたは複数の核局在化シグナル(NLS)を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記配列標的指向性成分は、2つのNLSを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記配列標的指向性タンパク質は、CRISPRタンパク質である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記配列標的指向性タンパク質は、ヌクレアーゼ活性を有していない、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記配列標的指向性タンパク質は、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・アガラクチア、スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ナイセリア・メニンギティディス、およびトレポネーマ・デンティコラからなる群から選択される種のdCas9またはnCas9の配列を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の動員RNAモチーフおよび前記第1のRNA結合ドメインは、
テロメラーゼKu結合モチーフおよびKuタンパク質またはそのRNA結合区画、
テロメラーゼSm7結合モチーフおよびSm7タンパク質またはそのRNA結合区画、
MS2ファージオペレーターステムループおよびMS2コートタンパク質(MCP)またはそのRNA結合区画、
PP7ファージオペレーターステムループおよびPP7コートタンパク質(PCP)またはそのRNA結合区画、
SfMuファージComステムループおよびCom RNA結合タンパク質またはそのRNA結合区画、ならびに
上記アプタマーの化学的修飾版およびそれらの対応するアプタマーリガンドまたはそれらのRNA結合区画、ならびに非天然RNAアプタマーおよび対応するアプタマーリガンドまたはそのRNA結合区画
からなる群から選択される対である、請求項1~9のいずれか1項に記載のシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月17日に出願された米国特許仮出願第62/901,584号の優先権を主張するものであり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 4,000 文字)
【0002】
技術分野
本発明は、標的ゲノム修飾のためのシステムおよびその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、またはクラスターを形成し規則正しい間隔を持つ短いパリンドロームリピート(CRISPR、clustered regularly interspaced short palindromic repeats)システムなどの遺伝子編集技術は、バイオテクノロジーおよび生物医学研究一般のための強力なツールを提供する。また、そうした遺伝子編集技術は、遺伝子疾患、がん、およびウイルス感染などの標的療法の体系的開発に対する期待を生み出した。しかしながら、遺伝子編集技術には、臨床現場で広く使用される前に対処する必要のある重大な制限がある。第1に、従来の遺伝子編集システムは、標的部位にDNA二本鎖切断(DSB)を生成することに依存しており、これは、特に意図されていないオフターゲット活性が高い場合は、潜在的に有害な帰結を示す可能性がある(1、2)。対のニッカーゼ(paired nickases)(3)、二量体ヌクレアーゼに融合された触媒的に不活性なCas9(4、5)、または高フィデリティーCRISPRシステム(6、7)などの戦略の開発は、そうした有害効果を軽減すると考えられているが、オンターゲットおよびオフターゲット突然変異誘発を正確に評価するための検出方法に制限があるため、遺伝子編集介入の実際の有害効果は過小評価されている可能性がある。近年、CRISPRシステムにより生成されたDSBは、オンターゲット部位において、数キロベースに及ぶこれまで気付かれていなかった欠失および再編成を誘導することが示されている(8)。同様に、標的特異性を増強すると考えられている方法である、精製Cas9/sgRNAリボ核タンパク質複合体(RNP)を使用した実験で、挿入変異誘発が観察されている(9)。第2に、点突然変異などの精密な修飾を導入するためには、多くの場合、標的細胞が相同性依存性DNA二本鎖切断修復(HDR)を起こすことが必要である(10、11)。しかしながら、体細胞、特に最終分化体細胞では、HDR活性が高くなく、代わりにエラーが発生しやすい非相同末端結合(NHEJ)経路が使用される(12)。こうした知見は、安全で有効な療法を開発するための新しい遺伝子編集システムの必要性を浮き彫りにしている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、少なからぬ態様では、上記で言及されている必要性に取り組むものである。
【0005】
一態様では、本発明は、(i)配列標的指向性成分またはそれをコードするポリヌクレオチド;(ii)RNAスキャホールドまたはそれをコードするポリヌクレオチド(DNAなど);および(iii)第1のエフェクター融合タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含むシステムを提供する。配列標的指向性成分は、(a)配列標的指向性タンパク質および(b)第1のウラシルDNAグリコシラーゼ(UNG)阻害剤ペプチド(UGI)を有する標的融合タンパク質を含む。RNAスキャホールドは、(a)標的核酸配列に相補的なガイドRNA配列を含む核酸標的指向性モチーフ、(b)配列標的指向性タンパク質に結合することが可能なRNAモチーフ(例えば、本明細書に記載のCRISPRモチーフ)、および(c)第1の動員RNAモチーフ(recruiting
RNA motif)を含む。第1のエフェクター融合タンパク質は、(a)第1の動員RNAモチーフに結合することが可能な第1のRNA結合ドメイン、(b)リンカー、および(c)エフェクタードメインを含む。第1のエフェクター融合タンパク質またはエフェクタードメインは、シトシン脱アミノ化活性またはアデノシン脱アミノ化活性などの酵素活性を有する。一実施形態では、例示的なシステムは、Cas-RNAアプタマー媒介性のCからUへの復帰変異(CasRCureまたはCRC、Cas-RNA aptamer mediated C to U Reversion)システムと呼ばれる。追加の例示的なシステムとしては、本明細書に記載のような第2世代CRCシステムCRC_AID(
A
CRCnu、
A
CRCnu.2)およびCRC_APOBEC1(
A1
CRCnu.、
A1
CRCnu.2)が挙げられる(uは、システムにUGIが存在することを示す)。
【0006】
本発明のシステムでは、標的融合タンパク質は、1つ、2つ、またはそれよりも多くのUGIを含んでいてもよい。RNAスキャホールドは、1つ、2つ、またはそれよりも多くの動員RNAモチーフを含んでいてもよい。したがって、標的融合タンパク質は、2つ以上のUGI(例えば、第2のUGI)をさらに含んでいてもよい。RNAスキャホールドは、2つ以上の動員RNAモチーフ(例えば、第2の動員RNAモチーフ)をさらに含んでいてもよい。好ましくは、1つの、それよりも多くの、またはすべてのコード配列は、コドン最適化されている。例えば、配列標的指向性タンパク質をコードするポリヌクレオチドの1つまたは複数は、第1のUGI、第2のUGI、RNA結合ドメイン、およびエフェクタードメインは、真核細胞(例えば、植物細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞)での発現のために最適化されている。配列標的指向性成分および第のエフェクター融合タンパク質の各々は、核局在化シグナル(NLS)を有していてもよい。例えば、配列標的指向性成分または第1のエフェクター融合タンパク質は、1つまたは複数のNLSを含む。一実施形態では、配列標的指向性成分は、2つのNLSを含む。その場合、2つのNLSは、図9Cに示されているように、それぞれ、配列標的指向性成分のN末端およびC末端に存在してもよい。
【0007】
上記のシステムでは、配列標的指向性タンパク質は、CRISPRタンパク質であってもよい。配列標的指向性タンパク質は、ヌクレアーゼ活性を有していない。配列標的指向性タンパク質の例としては、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、およびトレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)からなる群から選択される種のdCas9またはnCas9の配列が挙げられる。
【0008】
上記で言及されているRNAスキャホールドでは、第1の動員RNAモチーフおよび第1のRNA結合ドメインは、以下のものからなる群から選択される対であってもよい:(1)テロメラーゼKu結合モチーフおよびKuタンパク質またはそのRNA結合区画、(2)テロメラーゼSm7結合モチーフおよびSm7タンパク質またはそのRNA結合区画、(3)MS2ファージオペレーターステムループおよびMS2コートタンパク質(MCP)またはそのRNA結合区画、(4)PP7ファージオペレーターステムループおよびPP7コートタンパク質(PCP)またはそのRNA結合区画、(5)SfMuファージComステムループおよびCom RNA結合タンパク質またはそのRNA結合区画、(6)上記で言及されているアプタマーの化学的修飾版およびそれらの対応するアプタマーリガンドまたはそのRNA結合区画、ならびに(7)非天然RNAアプタマーおよび対応するアプタマーリガンドまたはそのRNA結合区画。
【0009】
エフェクター融合タンパク質は、種々の好適な酵素活性を有してもよい。一実施形態では、エフェクターは、ヒト、ラット、マウス、コウモリ、ハダカデバネズミ、ゾウ、ニワトリ、トカゲ、ゾウガメ、シーラカンス、および他の脊椎動物種からなる群から選択される種の、野生型または遺伝子改変版のAID、CDA、APOBEC1、APOBEC3A、APOBEC3B、APOBEC3C、APOBEC3D、APOBEC3F、または他のAPOBECファミリー酵素などの、シチジン脱アミノ化活性を有してもよい。別の実施形態では、エフェクターは、細菌、酵母、ヒト、ラット、マウス、コウモリ、ハダカデバネズミ、ゾウ、ニワトリ、トカゲ、ゾウガメ、シーラカンス、および他の脊椎動物種からなる群から選択される種の、野生型または遺伝子改変版のADA、ADARファミリー酵素、またはtRNAアデノシンデアミナーゼなどの、アデニン脱アミノ化活性を有してもよい。リンカー配列は、0~100(例えば、1~100、5~80、10~50、および20~30)アミノ酸残基長であってもよい。
【0010】
また、上記に記載のシステムの成分(i)~(iii)の1つまたは複数をコードする単離された核酸、核酸を含む発現ベクター、または核酸を含む宿主細胞が提供される。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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