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公開番号2025127417
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024071256
出願日2024-04-25
発明の名称温度応答性マイクロキャリアを用いた拡大培養方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20250825BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】
下限臨界温度を示す重合体を被覆した温度応答性マイクロキャリアを用いた細胞培養方法において、高効率な培養方法を提供すること。
【解決手段】
下限臨界温度を示す重合体を被覆した温度応答性マイクロキャリアを用いた細胞培養方法において、継代操作に冷却工程および撹拌工程を含むことにより、前記課題を解決する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
下限臨界温度を示す重合体を被覆した温度応答性マイクロキャリアを用いて接着性細胞を培養する方法であって、
(1)下限臨界温度以上の温度の培養液中で、温度応答性マイクロキャリア表面上で接着性細胞を培養する工程、
(2)前記培養液中の温度応答性マイクロキャリアを下限臨界温度以下に冷却し、撹拌する工程、
(3)新たな温度応答性マイクロキャリアを前記培養液に追加する工程、
(4)新たな完成培地及び/又は新たな基礎培地を前記培養液に追加する工程、
(5)前記培養液を下限臨界温度以上の温度にさせることにより、再び前記細胞を培養する工程、
を有し、前記工程(2)~(4)は任意の順番で実施される、方法。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記工程(2)の撹拌時間が50分以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程(1)~(5)を2回以上繰り返すことを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記温度応答性マイクロキャリアの比重が1.01~2.00の範囲である、請求項1~3に記載の方法。
【請求項5】
前記温度応答性マイクロキャリアの下限臨界温度が0℃~50℃である、請求項1~3に記載の方法。
【請求項6】
以下の(I)又は(II)のいずれかから選択される、請求項1~3に記載の方法:
(I)前記工程(2)が培養容器中の培養液を用いた冷却操作である場合、培養容器中の培養液を0(v/v)%~90(v/v)%除去し、残りの培養液の温度を下限臨界温度以下の温度にさせる方法であり、前記工程(4)で下限臨界温度以上の温度の新たな完成培地及び/又は新たな基礎培地を用いる工程;
(II)前記工程(2)が新たな完成培地及び/又は新たな基礎培地を用いた冷却操作である場合、下限臨界温度以下に冷却された新たな完成培地及び/又は新たな基礎培地を加え、培養容器中の温度を下限臨界温度以下の温度にさせる工程。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、温度応答性マイクロキャリアを用いた拡大培養方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、細胞を原料とするバイオ医薬品や再生医療の市場成長が著しく、原料細胞を効率よく大量培養する技術が求められている。細胞は浮遊性細胞と接着性細胞に分類されるが、多くの有用細胞は後者である。接着性細胞を培養する際は足場となる基材が必要であり、従来はプラスチック製ディッシュやフラスコが用いられてきたが、細胞需要が拡大するにつれ、大量培養に適したマイクロキャリアを用いた培養方法に注目が集まっている。
【0003】
マイクロキャリアを用いた培養方法は、培地に細胞とマイクロキャリアの懸濁液を加え、細胞をマイクロキャリア表面に接着させた後、培養液を連続撹拌することでマイクロキャリア表面に接着した細胞を増殖させる方法である。マイクロキャリアを用いた培養方法は撹拌下で行うことで、従来のディッシュやフラスコを用いた静置培養法に比べ単位容積当たりの細胞密度を高くできる特徴がある。
【0004】
従来のマイクロキャリアを用いた細胞培養における継代方法においては、トリプシンな
どのタンパク質分解酵素を用いて細胞をマイクロキャリアから剥離させた後、細胞懸濁液を回収し、この細胞懸濁液を新しい培地と新しいマイクロキャリアの入った培養容器に加える方法(酵素法)、又は培養後のマイクロキャリアが入った培養容器に新たなマイクロキャリアを追加する方法(Beads to Beads Transfer法:BtoB法)がある。前者の酵素を用いる継代方法では、操作が煩雑であり時間がかかることや酵素処理や回収操作により細胞を損傷してしまう課題があった。後者の継代方法では、マイクロキャリア表面に接着している細胞が新しいマイクロキャリアに撹拌下で遊走することに依存するため、細胞が均一にマイクロキャリアに接着せずに、その後の細胞増殖率が低下してしまう課題があった。上記問題を解決するために下限臨界温度を示す重合体を被覆したマイクロキャリアが特許文献1、特許文献2に開示されている。特許文献1、特許文献2によれば、冷却によって下限臨界温度を示す重合体をゾル転移させることで、マイクロキャリア表面の接着力を弱め、細胞をマイクロキャリアから剥離させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6954047号
特開2021―106543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、下限臨界温度を示す重合体を被覆した温度応答性マイクロキャリアを用いた細胞培養方法において、高効率な培養方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、以上の点を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、下限臨界温度を示す重合体を被覆した温度応答性マイクロキャリアを用いた細胞培養方法において、継代操作に冷却工程および撹拌工程を含む方法(冷却Beads to Beads Transfer法:冷却BtoB法)により、細胞を高効率に培養できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
【0008】
[1]下限臨界温度を示す重合体を被覆した温度応答性マイクロキャリアを用いて接着性細胞を培養する方法であって、
(1)下限臨界温度以上の温度の培養液中で、温度応答性マイクロキャリア表面上で接着性細胞を培養する工程、
(2)前記培養液中の温度応答性マイクロキャリアを下限臨界温度以下に冷却し、撹拌する工程、
(3)新たな温度応答性マイクロキャリアを前記培養液に追加する工程、
(4)新たな完成培地及び/又は新たな基礎培地を前記培養液に追加する工程、
(5)前記培養液を下限臨界温度以上の温度にさせることにより、再び前記細胞を培養する工程、
を有し、前記工程(2)~(4)は任意の順番で実施される、方法。
【0009】
[2]前記工程(2)の撹拌時間が50分以下である、[1]に記載の方法。
【0010】
[3]前記工程(1)~(5)を2回以上繰り返すことを含む、[1]又は[2]に記載の方法。
(【0011】以降は省略されています)

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