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公開番号
2025157280
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-15
出願番号
2025109906,2023530513
出願日
2025-06-30,2021-11-17
発明の名称
セクレトーム含有組成物の生成、並びにその使用及び分析方法
出願人
富士フイルム株式会社
,
アシスタンス ピュブリック-オピト ドゥ パリ
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C12N
5/071 20100101AFI20251007BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】無血清培地を使用したセクレトームの生成方法を提供する。
【解決手段】セクレトームの生成方法であって、(a)1つ以上の前駆細胞を第1の無血清培養培地で培養することであって、前記第1の無血清培養培地が、基本培地、ヒト血清アルブミン、及び1つ以上の成長因子を含むこと;(b)前記1つ以上の前駆細胞から前記第1の無血清培養培地を取り除くこと;(c)前記1つ以上の前駆細胞を第2の無血清培養培地で培養することであって、前記第2の無血清培養培地が基本培地を含むが、ヒト血清アルブミン又は成長因子は含まないこと;及び(d)ステップ(c)の培養後に第2の無血清培養培地を回収することであって、それにより1つ以上の前駆細胞のセクレトームを含む馴化培地を得ること、を含む方法とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
セクレトームの生成方法であって、(a)1つ以上の前駆細胞を第1の無血清培養培地で培養することであって、前記第1の無血清培養培地が、基本培地、ヒト血清アルブミン、及び1つ以上の成長因子を含むこと;(b)前記1つ以上の前駆細胞から前記第1の無血清培養培地を取り除くこと;(c)前記1つ以上の前駆細胞を第2の無血清培養培地で培養することであって、前記第2の無血清培養培地が基本培地を含むが、ヒト血清アルブミン又は成長因子は含まないこと;及び(d)ステップ(c)の培養後に第2の無血清培養培地を回収することであって、それにより1つ以上の前駆細胞のセクレトームを含む馴化培地を得ること、を含む方法。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記1つ以上の成長因子の1つが線維芽細胞成長因子2(FGF-2)である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1及び第2の無血清培地に炭水化物源が補足される、請求項1又は2の方法。
【請求項4】
前記炭水化物源がグルコースである、請求項3の方法。
【請求項5】
前記第1及び第2の無血清培地に抗生物質が補足される、請求項1~4のいずれか一項の方法。
【請求項6】
前記抗生物質がゲンタマイシンである、請求項5の方法。
【請求項7】
前記第1の無血清培地が、グルタミン;ビオチン;DLα酢酸トコフェロール;DLα-トコフェロール;ビタミンA;カタラーゼ;インスリン;トランスフェリン;スーパーオキシドジスムターゼ;コルチコステロン;D-ガラクトース;エタノールアミン、グルタチオン;L-カルニチン;リノール酸;プロゲステロン;プトレシン;亜セレン酸ナトリウム;トリヨード-I-チロニン(triodo-I-チロニン);アミノ酸;ピルビン酸ナトリウム;リポ酸;ビタミンB12;ヌクレオシド;及びアスコルビン酸からなる群から選択される1つ以上を更に含む、請求項1~6のいずれか一項の方法。
【請求項8】
前記基本培地が最小必須培地(MEM)である、請求項1~7のいずれか一項の方法。
【請求項9】
前記MEMがα-MEMである、請求項8の方法。
【請求項10】
ステップ(a)の培養が、6~96時間にわたる、請求項1~9のいずれか一項の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、細胞(限定はされないが、前駆細胞など)からのセクレトームの生成、精製、単離、及び/又は集積;かかる生成、精製、単離、及び/又は集積されたセクレトームを含有するセクレトーム含有組成物に関し;及びかかるセクレトーム含有組成物の1つ以上の活性、特性、及び/又は特徴の分析方法に関する。本開示はまた、本明細書に開示される1つ又は複数の方法によって作製、精製、単離、及び/又は集積された分泌型生体活性分子を含有するセクレトーム含有組成物の治療的使用にも関する。本開示は更に、臨床対応セクレトームの出荷、精製、単離、及び/又は集積のための医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準(good manufacturing practices:GMP)対応のスケーラブルな培養プロトコルに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞は、インビトロ又はエキソビボ培養下のものを含め、細胞外間隙中に多種多様な分子及び生体因子(まとめてセクレトームとして知られる)を分泌する。Vlassov et al.(Biochim Biophys Acta,2012;940-948)を参照のこと。セクレトームの一部として、細胞からエクソソームなどの膜結合型細胞外小胞内へと様々な生体活性分子が分泌される。細胞外小胞は、シグナル伝達を通じて、又はそのカーゴ(例えば、タンパク質、脂質、及び核酸を含む)を送達することにより、他の細胞の生物学を改変する能力を有する。細胞外小胞のカーゴは膜に包まれているため、とりわけ、膜上の特異的マーカーを介した特異的ターゲティング(例えば、細胞を標的化すること);及び血流を通る又は血液脳関門(BBB)を越えるなど、生体液中の輸送に際した安定性の増加が可能となる。
【0003】
エクソソームは、例えば、異なる細胞型間での情報のやりとりをする分子メッセンジャーとして働くことにより、多岐にわたる重要な生理学的機能を果たす。例えば、エクソソームは、アポトーシス、転移、血管新生、腫瘍進行、血栓症、T細胞を免疫活性化に向かわせることによる免疫、免疫抑制、成長、分裂、生存、分化、ストレス応答、アポトーシスなどに影響を与え得るシグナル伝達経路にその供給源に応じて関与するRNA及びマイクロRNAを含むタンパク質、脂質及び可溶性因子を送達する。Vlassov et al.(Biochim Biophys Acta,2012;940-948)を参照のこと。細胞外小胞は、協力して特定の生物学的効果を及ぼすように働き得る分子の組み合わせを含有し得る。エクソソームは、親細胞の特性を反映した広範囲にわたる細胞質成分及び膜成分を取り込む。従って、一部の例では、起源となる細胞に適用される用語法を、分泌されたエクソソームの単純な参照として用いることができる。
【0004】
前駆細胞は増殖能を有し、且つ成熟細胞へと分化することができるため、前駆細胞は、例えば心筋梗塞及びうっ血性心不全の処置における再生医学などの治療適用に魅力的となっている。幹細胞由来の心血管前駆細胞によって分泌される細胞外小胞が、それを分泌する細胞と同様の治療効果を生み出すことが慢性心不全マウスモデルで報告されており、Kervadec et al.(J.Heart Lung Transplant,2016;35:795-807)を参照されたく、移植された前駆細胞のかなりの作用機序が、移植後の生体因子の放出にある(例えば、それが内因性の再生又は修復経路を刺激する)ことが示唆される。これは、有効な無細胞療法(簡便さ、安定性、及び操作者の取扱い易さの向上など、利益を伴う)の可能性を提起する。El Harane et al.(Eur.Heart J.,2018;39:1835-1847)を参照のこと。しかしながら、現在のところは、細胞外小胞を生成、精製、単離、及び/又は集積するための改良された作製方法が必要とされている。
【0005】
例えば、薬物及び生物学的物質の生産について規制当局の承認を得るには、安全且つ有効な製造施設及び製品を確立することを目的に公布されている法律及び規制を厳守する必要がある。非限定的な例として、薬物及び生物製剤に関しては、「医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準(Good Manufacturing Practices)」(GMP)及び「優良試験所基準(Good Laboratory Practice)」(GLP)が規制上確立されており、FDA(米国食品医薬品局(U.S.Food and Drug Administration))、CDER(医薬品評価研究センター(Center for Drug Evaluation and Research))、及びCBER(生物学評価研究センター(Center for Biologics Evaluation and Research))によって施行されている。同様のGMP及び/又はGLP法令が世界中で、例えばEMEAにて施行されている。
【0006】
しかしながら、確立されている細胞外小胞の生成技法では、典型的には、臨床的若しくは治療的使用、又はGMP規格に適合しない試薬及び/又は条件が用いられる。例えば、培養プロトコルにおける血清の使用は、特に動物から得られた血清が例えばウイルス又はプリオンなどの感染性病原体に汚染されている可能性がある場合、信頼性上及びバイオセーフティ上の懸念を引き起こす。ウシ胎仔血清(FBS)は、細胞及び組織培養培地に広く使用されている成長補助剤である;しかしながら、このような理由から、FBSは臨床的又は治療的使用に不適切である。
【0007】
対照的に、無血清培地の使用は、製剤の一貫性及び安全性を含め、多くの利点を持つ。しかしながら、無血清培地のみを使用すると、細胞の代謝及び成長に不利な影響が及ぶ恐れがあり、セクレトーム組成物を生成、精製、単離、及び/又は集積するための、医薬品の製造及び品質管理に関する基準(good manufacturing practices:GMP)に対応した組成物/方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、無血清培地を使用したセクレトームの生成、精製、単離、及び/又は集積方法を提供することにより、ひいては臨床対応セクレトームの出荷に向けた品質管理がなされたGMP対応のスケーラブルな培養プロトコルを可能にして、当該技術分野における上述の制約に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示はまた、細胞(限定はされないが、前駆細胞など)からのセクレトーム、細胞外小胞、及びその画分の生成、精製、単離、及び/又は集積方法も提供し;及びかかる生成、精製、単離、及び/又は集積されたセクレトーム、細胞外小胞、及びその画分を含有する組成物を提供する。本開示は、かかるセクレトーム、細胞外小胞、及びその画分の1つ以上の活性、特性、及び/又は特徴の分析方法、並びにセクレトーム、細胞外小胞、及びその画分の治療的使用を更に提供する。
【0010】
本開示の非限定的な実施形態は、以下のとおりを含む:
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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