TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025157248
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-15
出願番号
2025105965,2023072993
出願日
2025-06-23,2020-01-22
発明の名称
真核宿主細胞において多量体タンパク質を産生する方法
出願人
ジェネンテック, インコーポレイテッド
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
C12P
21/00 20060101AFI20251007BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】真核生物又は哺乳動物の宿主細胞系において、正しく組み立てられた多量体ポリペプチド(例えば、2つ以上のサブユニットを含み、各サブユニットが2つ以上のポリペプチド鎖を含むもの、例えば、多重特異性又は二重特異性抗体)の産生を改善することを可能にする方法を提供する。
【解決手段】いくつかの実施態様では、多量体ポリペプチドの各ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームに作用可能に結合した翻訳開始配列を含むポリヌクレオチドを含む宿主細胞を使用して、真核宿主細胞において多量体ポリペプチドを産生するための方法が提供される。有利には、本開示は、各オープンリーディングフレームに結合した翻訳開始配列の強度を調整することにより、誤対合した副産物を少なくし、多量体ポリペプチドの産生量を高くすることができることを実証する。本開示は、これらに関する細胞、スクリーニング方法、及びキットをさらに提供する。
【選択図】図20A
特許請求の範囲
【請求項1】
真核宿主細胞において多量体ポリペプチドを産生するための方法であって、多量体ポリペプチドが、第1のポリペプチド鎖及び第2のポリペプチド鎖を含む第1のサブユニットと、第3のポリペプチド鎖及び第4のポリペプチド鎖を含む第2のサブユニットとを含み、
以下:
(a)真核宿主細胞を用意することであって、
真核宿主細胞が、第1のポリペプチド鎖をコードする第1のオープンリーディングフレームに作用可能に結合した第1の翻訳開始配列を含む第1のポリヌクレオチドと、第2のポリペプチド鎖をコードする第2のオープンリーディングフレームに作用可能に結合した第2の翻訳開始配列を含む第2のポリヌクレオチドと、第3のポリペプチド鎖をコードする第3のオープンリーディングフレームに作用可能に結合した第3の翻訳開始配列を含む第3のポリヌクレオチドと、第4のポリペプチド鎖をコードする第4のオープンリーディングフレームに作用可能に結合した第4の翻訳開始配列を含む第4のポリヌクレオチドとを含み、
各サブユニットが真核宿主細胞において個別に発現されるとき、第1のサブユニットが第2のサブユニットよりも低いレベルで発現され、
第1の翻訳開始配列及び第2の翻訳開始配列の一方又は両方が、第3の翻訳開始配列及び第4の翻訳開始配列の一方又は両方よりも弱い、
真核宿主細胞を用意することと、
(b)第1、第2、第3、及び第4のポリペプチド鎖の発現に適した条件下で真核宿主細胞を培養することであって、発現時に、第1、第2、第3、及び第4のポリペプチド鎖が多量体ポリペプチドを形成する、真核宿主細胞を培養することと、
(c)真核宿主細胞によって産生された多量体ポリペプチドを回収することと、
を含む、方法。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
すべてのサブユニットが同じ宿主細胞において発現されるとき、第1のサブユニットの一方又は両方のポリペプチド鎖が、第2のサブユニットの一方又は両方のポリペプチド鎖よりも低いレベルで発現される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1、第2、第3、及び第4の翻訳開始配列のすべてが、配列(5’から3’)NNNNNATGNGAを含み、ここで、Nは、C、G、A、又はT/U(配列番号1)である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
第1の翻訳開始配列及び第2の翻訳開始配列の一方又は両方が、配列番号8-10からなる群より選択される配列を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第3の翻訳開始配列及び第4の翻訳開始配列の一方又は両方が、配列ACCATGG(配列番号3)又はGAAGTATGA(配列番号11)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1の翻訳開始配列が配列番号9の配列を含み、第2の翻訳開始配列が配列番号9の配列を含み、第3の翻訳開始配列が配列番号2の配列を含み、第4の翻訳開始配列が配列番号11の配列を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
第1、第2、第3、及び第4のポリヌクレオチドのそれぞれが、プロモーターに作用可能に結合している、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドとが同じプロモーターに作用可能に結合しており、第3のポリヌクレオチドと第4のポリヌクレオチドとが同じプロモーターに作用可能に結合している、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1の翻訳開始配列が第3の翻訳開始配列よりも弱い、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第2の翻訳開始配列が第4の翻訳開始配列よりも弱い、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
[0001] 本出願は、2019年1月23日出願の米国仮出願第62/796,014号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,300 文字)
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
[0002] 以下のASCIIテキストファイルによる提出の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形態(CRF)(ファイル名:146392045240SEQLIST.TXT、記録日::2020年1月22日、サイズ:5KB)。
【0003】
[0003] 本開示は、真核生物(例えば、哺乳動物)宿主細胞において多量体ポリペプチドを産生するための方法、並びにそれに関連する細胞、方法、及びキット又は製造品に関する。
【背景技術】
【0004】
[0004] 治療用抗体は、最も成功した生物学的薬物の代表である。過去30年の間に、40以上の治療用抗体が、がん、自己免疫、感染症、及び血管疾患を含む様々な適応症において臨床使用が承認されている。このように、治療用抗体は製薬業界で最も成長している分野の一つであり、その臨床的影響は顕著である。
【0005】
[0005] ほとんどの疾患は、複数の並行したシグナル伝達経路を有するため、受容体及びリガンドを複数回阻害することで、より優れた治療効果が得られる場合がある。したがって、2つの異なるエピトープに結合する能力を有する二重特異性抗体(bsAb)は、とりわけ、炎症性疾患及び自己免疫疾患(Chan AC, Carter PJ. Nat Rev Immunol. 2010;10(5):301-16)、がん(Kou G, Shi J, Chen L, Zhang D, Hou S, Zhao L, et al. Cancer Lett. 2010;299(2):130-6;Dong J, Sereno A, Aivazian D, Langley E, Miller BR, Snyder WB, et al. MAbs. 2011;3(3):273-88)、及び感染症疾患(De Bernardis F, Liu H, O’Mahony R, La Valle R, Bartollino S, Sandini S, et al. J Infect Dis. 2007;195(1):149-57;Laventie BJ, Rademaker HJ, Saleh M, de Boer E, Janssens R, Bourcier T, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011;108(39):16404-9)などの多面的な疾患治療への応用が期待できるものとして浮上してきた(Kontermann RE. MAbs. 2012;4(2):182-97;Brinkmann U, Kontermann RE. MAbs. 2017;9(2):182-212;Carter PJ, Lazar GA. Nat Rev Drug Discov. 2018;17(3):197-223)。過去数十年の間に、遺伝子工学によって60種類以上の異なる二重特異性抗体のフォーマットがもたらされ、bsAbの免疫原性、薬物動態特性、及び分布が改善された(Spiess C, Zhai Q, Carter PJ. Mol Immunol. 2015;67(2 Pt A):95-106)。
【0006】
[0006] bsAbの用途にかかわらず、2つの異なる重鎖と2つの異なる軽鎖が乱雑に対になり、16の異なる組み合わせになるが、二重特異性であるのは1つだけであるため、前臨床及び臨床開発をサポートするために十分な量、品質、及びアセンブリを産生することが困難であることから、製造プロセスは困難であった。抗体工学は、重鎖又は軽鎖をそれぞれノブ-イントゥ-ホール及びcrossMab技術でヘテロ二量化することにより、鎖の誤対合の問題を軽減するために使用されてきた(Ridgway JB, Presta LG, Carter P. Protein Eng. 1996;9(7):617-21;Atwell S, Ridgway JB, Wells JA, Carter P. J Mol Biol. 1997;270(1):26-35;Merchant AM, Zhu Z, Yuan JQ, Goddard A, Adams CW, Presta LG, et al. Nat Biotechnol. 1998;16(7):677-81)。製造プロセスの解決策としては、半抗体の別個の発現と、その後のbsAbへのin vitro組立を採用している(Spiess C, Merchant M, Huang A, Zheng Z, Yang NY, Peng J, et al. Nat Biotechnol. 2013;31(8):753-8)。しかし、これは2つの異なる安定した細胞株を生成するため、製造プロセスに時間とコストがかかることと関連している。
【0007】
[0007] したがって、2つの抗体を単一の細胞内で共発現させることは、より簡単である可能性があるが、同時に、軽鎖をその同種重鎖に誘導し、望ましくない副産物の存在及び複雑な精製プロセスの必要性を回避して、適切な量の正しく組み立てられたbsAbを達成するために、発現系のより広範な最適化が頻繁に必要となる。
【0008】
[0008] 過去数十年にわたり、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞は、バイオ医薬品産業の主要な宿主として浮上してきた(Wurm FM. Nat Biotechnol. 2004;22(11):1393-8)。バイオプロセスの革新及び細胞工学の努力により、産生物力価が改善された(Ayyar BV, Arora S, Ravi SS. Methods. 2017;116:51-62;Kelley B, Kiss R, Laird M. Adv Biochem Eng Biotechnol. 2018. Epub 2018/05/04)。しかし、未解明の細胞プロセス及び遺伝子制御メカニズムは、依然として、細胞成長、特異的生産性、及びタンパク質の品質を妨げる要因となっている。現在、哺乳動物細胞内で組み換えタンパク質の翻訳レベルを正確に制御する体系的なアプローチはほとんど存在しない。
【0009】
[0009] 二重特異性抗体のような複雑な抗体フォーマットの工学は進歩してきたが、単一の哺乳動物発現系における製造可能性は低いパフォーマンスを示すことが多い。低い力価と不十分な産生物品質は、bsAbの安定した産生を困難にする要因の2つである。結果として、産生系における制限的な工程を同定し、例えば真核生物又は哺乳動物の宿主細胞系において、正しく組み立てられた多量体ポリペプチドの産生を改善することを可能にする方法を提供することが急務となっている。
【0010】
[0010] 特許出願、特許公報、非特許文献、及びUniProtKB/Swiss-Prot受託番号を含む、本明細書において引用されるすべての参考文献は、個々の参考文献がそれぞれ参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されているかのように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
個人
抗遺伝子劣化装置
1か月前
個人
細胞内探査とその利用
1か月前
雪国アグリ株式会社
単糖類の製造方法
9日前
個人
細胞培養容器
3か月前
日本バイリーン株式会社
細胞用支持基材
3か月前
テルモ株式会社
吐出デバイス
1か月前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
2か月前
日油株式会社
蛋白質安定化剤
3か月前
東洋紡株式会社
改変型RNAポリメラーゼ
3か月前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
2か月前
株式会社東洋新薬
経口組成物
1か月前
東ソー株式会社
pH応答性マイクロキャリア
1か月前
宝酒造株式会社
アルコール飲料
18日前
島根県
油吸着材とその製造方法
7日前
テルモ株式会社
容器蓋デバイス
1か月前
大陽日酸株式会社
培養装置
1か月前
大陽日酸株式会社
培養装置
1か月前
株式会社ファンケル
SEC12タンパク発現促進剤
3か月前
トヨタ自動車株式会社
バイオ燃料製造方法
1か月前
個人
有機フッ素化合物を分解する廃液処理法
3日前
株式会社豊田中央研究所
細胞励起装置
16日前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
3か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
3か月前
オンキヨー株式会社
浸漬酒の製造方法、及び、浸漬酒
3か月前
株式会社シャローム
スフィンゴミエリン製造方法
1か月前
テルモ株式会社
採取組織細切補助デバイス
1か月前
横河電機株式会社
藻類培養装置
28日前
株式会社今宮
瓶詰ビールの加熱殺菌方法および装置
1か月前
新東工業株式会社
培養システム
8日前
株式会社村田製作所
濾過装置および濾過方法
8日前
東ソー株式会社
免疫学的測定法
3日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
3か月前
住友金属鉱山株式会社
連続発酵方法及び連続発酵装置
1か月前
株式会社ショウワ
キトサンオリゴマー分画方法
18日前
公立大学法人北九州市立大学
微生物の検知方法
1か月前
池田食研株式会社
抗疲労用組成物
3か月前
続きを見る
他の特許を見る