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公開番号2025156002
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025038858
出願日2025-03-12
発明の名称画像表示システム及びヘッドアップディスプレイシステム
出願人日本化薬株式会社
代理人
主分類G02B 27/02 20060101AFI20251002BHJP(光学)
要約【課題】アイウェアの制限がなく、視界全体において外部からの入射光に対する防眩効果を確保しつつ、所定の範囲で鮮明な表示画像の視認を実現できる画像表示システム及びこれを用いたヘッドアップディスプレイシステムを提供する。
【解決手段】入射した光の偏光方向を90°変換させる光学層、及び少なくとも1つの透明樹脂基材を含む光学積層体(1)と、前記光学積層体(1)にS偏光を出射する表示画像投影手段(101)と、入射した光の偏光方向を90°変換させる偏光制御部(10B)と、S偏光を遮断する偏光フィルム(10A)と、を備え、前記光学積層体(1)で反射したS偏光が、前記偏光制御部(10B)を介して前記偏光フィルムに入射される画像表示システムであって、前記偏光制御部(10B)が自動車内ダッシュボード上に配置され、前記偏光フィルム(10A)がアイウェアに備えられている画像表示システムに関する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
(A)(a-1)入射した光の偏光方向を90°変換させる光学層、及び(a-2)少なくとも1つの透明樹脂基材を含む光学積層体と、
(B)前記光学積層体にS偏光を出射する表示画像投影手段と、
(C)(c-1)入射した光の偏光方向を90°変換させる偏光制御部と、(c-2)S偏光を遮断する偏光フィルムと、を備え、
前記光学積層体で反射したS偏光が、前記偏光制御部を介して前記偏光フィルムに入射される画像表示システムであって、
前記偏光制御部が自動車内ダッシュボード上に配置され、前記偏光フィルムがアイウェアに備えられている画像表示システム。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記光学層が1/2波長板である、請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記光学積層体が、さらに(a-3)少なくとも1つのガラス板を有する、請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記光学層の厚みが20μm以下である請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記光学層の下端部から上端部までの高さ範囲をa、ダッシュボード上に配置されている前記偏光制御部の下端部から偏光制御部の上端部までの高さ範囲をbとした場合に、bの高さ範囲にaが含まれている請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記偏光制御部が1/2波長板である、請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項7】
前記偏光制御部と前記偏光フィルムが、観察者を基準として外側からこの順序で配置されている、請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項8】
前記偏光制御部が基板を有し、最表面に反射防止層を有する、請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項9】
前記光学層が、ブリュースター角に傾斜した状態で入射するS偏光の偏光軸と前記光学層の遅相軸との角度が45°±3°の範囲内である位置関係で配置されている、請求項1又は2に記載の画像表示システム。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の画像表示システムを備えるヘッドアップディスプレイシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、外部からの入射光に対する防眩効果を確保しつつ、鮮明な表示画像の視認を実現できる画像表示システム及びそれを備えるヘッドアップディスプレイシステムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
自動車、航空機等の運転者に情報を表示する方法として、ナビゲーションシステムやヘッドアップディスプレイ(以下、「HUD」ともいう)システム等が用いられている。HUDは液晶表示体(以下、「LCD」ともいう)等の画像投影手段から投射された画像を、例えば自動車のフロントガラス等に投影するシステムである。
【0003】
画像表示手段から出射した出射光は、反射鏡にて反射し、さらにフロントガラスで反射した後、観察者へ到達する。観察者はフロントガラスに投影された画像を見ているが、画像はフロントガラスよりも遠方の画像位置にあるように見える。この方法では、運転者はフロントガラスの前方を注視した状態でほとんど視線を動かすことなく、様々な情報を入手することができるため、視線を移さなければならなかった従来のカーナビゲーションに比べ安全である。
【0004】
HUDには、表示情報を実際にフロントガラスから見える景色に重ねて投影されるため、視界を遮ることなく、明るく見やすい画像が表示されることが望ましい。そのためには、前景が十分に見える透過性と、HUDによる表示画像が十分に見える反射性とを兼ね備える必要がある。しかしながら、表示光はフロントガラスの室内側と室外側の2つの表面で反射されるため、反射像が二重像となり、表示情報が見づらいという問題があった。
【0005】
この問題に対して、偏光方向を90°変えることができる旋光子を自動車用フロントガラスに用いることにより、反射像が二重像になるという問題を改善できることが知られている。例えば、特許文献1には、フィルム状の旋光子を内部に具備する自動車用フロントガラスにS偏光の表示光をブリュースター角で入射した場合には、車内側のフロントガラスの表面でS偏光の一部を反射させ、当該表面を透過したS偏光を旋光子によりP偏光に変換し、さらに車外側のフロントガラスの表面でP偏光の全てを車外に出射して二重像の発生を防ぐことが開示されている。また、特許文献1には、自動車用フロントガラスにP偏光の表示光をブリュースター角で入射した場合には、車内側のフロントガラスの表面ではP偏光を反射させず、当該表面を透過したP偏光を旋光子によりS偏光に変換し、かつ、車外側のフロントガラスの表面でS偏光のほぼ全てを反射させ、再度旋光子によりS偏光をP偏光に変換させて二重像の発生を防ぐことが開示されている。
【0006】
路面等からの反射光による眩しさの低減のために、サングラスを用いる場合がある。一般に、路面での反射光は偏光になる性質があるため、これらの反射光に対しては偏光サングラスの使用が有効である。しかしながら、偏光サングラスは、その防眩機能から、一般的にS偏光成分をカットするように構成されている。そのため、視認者が偏光サングラスを着用した場合には、表示光の主成分がS偏光であると、偏光サングラスに表示光が透過する際に、その表示光の輝度(表示輝度)が大きく低下する。よって、視認者が偏光サングラスを着用するか否かによって虚像の見え方が大きく変わってしまうことから、視認者に違和感を与えることが懸念される。
【0007】
特許文献2には、コレステリック液晶層が2枚の1/4波長板で挟持されるように積層された光制御フィルムを備える機能性ガラスを自動車用フロントガラスに用いた場合、偏光サングラスを着用しても高い視認性が得られることが開示されている。具体的には、このような機能性ガラスにP偏光の表示光をブリュースター角で入射させた後、透過光を車内側の1/4波長板で円偏光に変換し、さらに円偏光をコレステリック液晶層で反射させ、一方で、コレステリック液晶層で反射しなかった透過光を車外側の1/4波長板で再度P偏光に変換して車外に出射して二重像の発生を防ぐことが開示されている。しかしながら、この方法ではP偏光から円偏光への変換を要するため、その変換効率によっては輝度が十分ではない場合がある。そのため、より鮮明な表示画像の視認性が求められる。
【0008】
特許文献3には、S偏光成分とP偏光成分の両方を含む光源光を用いて画像を投影するヘッドアップディスプレイ装置において、フロントガラスに配置した位相差板のリタデーション値に応じて入射光が遮断される遮断軸を調整する偏光サングラスを用いることが開示されている。しかしながら、この方法によると、遮断軸を厳密にコントロールしなければ十分な防眩効果を得ることが困難であり、二重像の発生も懸念される。
【0009】
一方、車体のフロントガラスには通常無機ガラスが用いられているが、近年、軽量化による燃費低減、周囲部品との一体形成性、デザイン性の観点から樹脂化が求められている。フロントガラスの樹脂化の際には中間膜を介した合わせガラスの構成ではなく、一枚の透明樹脂基材が主な構成部材となると予想される。この場合にも二重像の改善が要求されている上、変換効率の影響を受けた輝度の低下、省エネルギーについて更なる改善が要求されている。
特許文献4には、S偏光を表示媒体で反射させて表示画像を視認する画像表示システムにおいて、入射した光の偏光方向を90°変換させる光学層を有する光学積層体を表示媒体として使用し、さらに、所定の偏光制御機能を有する偏光制御部をアイウェアまたは自動車内バイザーに設けることにより、二重像の発生を抑制しつつ、外部から入射される路面での反射光等が視認者への到達することを遮断し、十分な防眩効果及び鮮明な表示画像の視認を実現できることが開示されている。しかしながら、使用に有効なアイウェアが限定されることや、バイザーでカバーできる範囲以外で効果を得られないことが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平6-40271号公報
国際公開第2016/056617号
特開2015-225236号公報
特許第6972423号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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