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公開番号2025155369
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2024059173
出願日2024-04-01
発明の名称マイコプラズマ・ジェニタリウム検出用の塩基配列及びその関連技術
出願人株式会社ミズホメディー,国立感染症研究所長
代理人個人
主分類C12N 15/11 20060101AFI20251006BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】他のマイコプラズマ属とは反応性を示せず、マイコプラズマ・ジェニタリウムの野生型・変異型を問わず網羅的に検出できる検出用の塩基配列を提供する。
【解決手段】マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)の23S rRNA遺伝子配列の2096位~2119位の塩基配列であり、その中で連続する少なくとも20塩基を含む塩基配列もしくはこの塩基配列と相補的な塩基配列を、第1のプライマーとして使用する。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項1】
マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)の23S rRNA遺伝子配列の2096位~2119位の塩基配列であって、連続する少なくとも20塩基を含む塩基配列もしくは前記塩基配列と相補的な塩基配列。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
請求項1記載の塩基配列を第1のプライマーとして使用するマイコプラズマ・ジェニタリウムを検出する方法。
【請求項3】
さらに、マイコプラズマ・ジェニタリウムの23S rRNA遺伝子配列の2027位~2050位の塩基配列であって、連続する少なくとも20塩基を含む塩基配列もしくは前記塩基配列と相補的な塩基配列を第2のプライマーとして使用する請求項2記載のマイコプラズマ・ジェニタリウムを検出する方法。
【請求項4】
さらに、マイコプラズマ・ジェニタリウムの23S rRNA遺伝子配列の2054位~2078位の塩基配列もしくは前記塩基配列と相補的な塩基配列を標識プローブとして使用する請求項3記載のマイコプラズマ・ジェニタリウムを検出する方法。
【請求項5】
前記標識プローブは、標的とハイブリダイズすると消光する蛍光消光色素で標識されている請求項4記載のマイコプラズマ・ジェニタリウムを検出する方法。
【請求項6】
PCRの検出温度条件が、第1の温度と、前記第1の温度とは異なる第2の温度とを用いて設定され、マイコプラズマ・ジェニタリウムを検出し、且つ、23S rRNA遺伝子中のマクロライド耐性変異の有無を検出する請求項5記載のマイコプラズマ・ジェニタリウムを検出する方法。
【請求項7】
前記第1の温度が50~58℃の範囲で設定され、前記第2の温度が66~70℃の範囲で設定される請求項6記載のマイコプラズマ・ジェニタリウムを検出する方法。
【請求項8】
請求項1記載の塩基配列からなる第1のプライマーと、請求項3記載の塩基配列からなる第2のプライマーと、請求項4記載の塩基配列からなる標識プローブとを使用して、マイコプラズマ・ジェニタリウムを検出しマクロライド耐性を識別するための試薬。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)を特異的に検出するための塩基配列及びその関連技術、特に、マイコプラズマ・ジェニタリウムのマクロライドの検出方法及びマクロライド耐性の判別方法並びに試薬に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
性感染症は性的な接触によって感染する病気である。感染しても無症状の場合があり、知らない間に他人に感染させてしまうことがある。代表的な性感染症原因菌としては、クラミジア(Chlamydia trachomatis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、マイコプラズマ・ジェニタリウムがあり、その混合感染も頻繁に確認されている。これら性感染症原因菌のうち、マイコプラズマ・ジェニタリウムは、女性では無症状感染が多い一方、男性では有症状の割合が高く、尿道炎全体の60~70%にあたる非淋菌性尿道炎のうち、14~16%がマイコプラズマ・ジェニタリウム尿道炎と報告されている。
【0003】
性感染症の治療には、静菌作用又は殺菌作用を示す物質である抗菌薬が広く用いられている。抗菌薬には、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系等の種類があり、それぞれ作用機序が異なり標的とするターゲットも異なる。ただし、各抗菌薬の標的となるターゲットに一塩基変異や欠損が生じた場合に、これらの抗菌薬が作用できず効果が得られないことがある。
【0004】
マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症についても、抗菌薬の効果が得られ難い、クラミジア感染症と同じ抗菌薬での治療困難例が増加している。その中でもわが国ではマクロライド系抗菌薬の耐性の割合が高く、40%以上と考えられている。マクロライド系抗菌薬に対して耐性を持つマイコプラズマ・ジェニタリウムの変異株は、その23S rRNAをコードする遺伝子配列の2058位および2059位(E.coli numberringで定められる位置)に一塩基変異を有することによって耐性を示すことが報告されている(非特許文献1参照。)。
【0005】
マイコプラズマ・ジェニタリウムのマクロライド系抗菌薬に対する耐性を識別する方法として、以下の2つ方法が報告されている。
(1)マイコプラズマ・ジェニタリウムの23S rRNA遺伝子配列の特定の塩基配列をシークエンス用プライマーに用いたシークエンス解析による方法(非特許文献2)
(2)マイコプラズマ・ジェニタリウムの23S rRNA遺伝子配列の特定の塩基配列を標識プローブとして用いた融解曲線分析による方法(特許文献1(特開2023-130663号公報)及び特許文献2(特表2023-534457号公報)参照。)
【0006】
非特許文献2記載の方法では、核酸精製後にシークエンス解析を実施するため、精製の操作が煩雑であり、迅速性に欠け、解析を行うためには専用の大型装置が必要になるという問題がある。
【0007】
特許文献1、2には、マクロライド系抗菌薬に対する耐性識別が可能であることが記載されている。しかし、マイコプラズマ属の23S rRNAの配列は、保存性が高く、特異性に問題がある。特に、肺炎マイコプラズマの原因菌であるマイコプラズマ・ニューモニエの23S rRNA遺伝子配列は、マイコプラズマ・ジェニタリウムの23S rRNA遺伝子配列との相同性が高い。マイコプラズマ・ジェニタリウムは尿道炎や子宮頚管炎を引き起こす代表的な性感染症の原因菌であるが、咽頭中にも存在する。咽頭ぬぐい液を試料とした場合、マイコプラズマ・ジェニタリウムの確定診断をするためには、他のマイコプラズマ属との交差性がないプライマーの塩基配列の設計が求められる。
【0008】
また、マイコプラズマ・ジェニタリウムを検出する方法として、MgPa接着オペロン内のmgpB遺伝子の部分反復(MgPar)を標的遺伝子とする方法が報告されている(特許文献3(特許第7141488号公報)参照。)
【0009】
特許文献3に記載の方法は標的遺伝子を複数含むことによって高感度化を実現しているものの、マクロライド系抗菌薬に対する耐性識別を実施できないという問題点がある。
特開2023-130663号公報
特表2023-534457号公報
特許第7141488号公報
Kaitlin A. Tagg et al., Fluoroquinolone and Macrolide Resistance-Associated Mutations in Mycoplasma genitalium., Journal of Clinical Microbiology July 2013 Volume 51 Number 7
Ryoichi Hamasuna et al., Mutations in ParC and GyrA of moxifloxacin-resistant and susceptible Mycoplasma genitalium strains., PLOS ONE 13(6):e0198355
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
他のマイコプラズマ属とは反応性を示せず、マイコプラズマ・ジェニタリウムの野生型・変異型を問わず網羅的に検出できる特異性の高い方法の開発が求められている。さらに、薬剤耐性の観点から、野生型及び変異型の両方を検出できるだけでなく、マイコプラズマ・ジェニタリウムのマクロライド系抗菌薬に対する耐性の有無についても、簡便、迅速、高感度に検出する方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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