TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025154658
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057775
出願日2024-03-29
発明の名称リチウムイオン二次電池用負極活物質及びその製造方法
出願人学校法人 龍谷大学,日本坩堝株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類H01M 4/58 20100101AFI20251002BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】容量及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を製造することができる負極活物質となり得る材料を提供する。
【解決手段】積層不規則構造型シリコンカーバイド及び非晶質炭素材料を含有するリチウムイオン二次電池用負極活物質であって、総量を100質量%として、前記積層不規則構造型シリコンカーバイドの含有量が30~60質量%であり、前記非晶質炭素材料の含有量が40~70質量%である、リチウムイオン二次電池用負極活物質。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
積層不規則構造型シリコンカーバイド及び非晶質炭素材料を含有するリチウムイオン二次電池用負極活物質であって、
総量を100質量%として、前記積層不規則構造型シリコンカーバイドの含有量が30~60質量%であり、前記非晶質炭素材料の含有量が40~70質量%である、リチウムイオン二次電池用負極活物質。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記積層不規則構造型シリコンカーバイドが、前記非晶質炭素材料との間で導電パスを有するように、前記非晶質炭素材料中に分散している、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
【請求項3】
前記積層不規則構造型シリコンカーバイドの平均粒子径が、5~20nmである、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
【請求項4】
前記非常質炭素材料の平均粒子径が、5~25nmである、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
【請求項5】
前記積層不規則構造型シリコンカーバイドは、CuKα線によるX線回折測定において、±0.5°の許容範囲で、2θ=36.0°におけるピークの半値全幅が2.0°以上である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含有する、リチウムイオン二次電池用負極。
【請求項7】
請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用負極を含有する、リチウムイオン二次電池。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法であって、
シリコン含有材料及び炭素材料を含む原料混合物に対して、メカノケミカル処理を施す工程
を備え、
前記原料混合物の総量を100質量%として、前記シリコン含有材料の含有量が20~45質量%であり、前記炭素材料の含有量が50~80質量%である、製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用負極活物質及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
現在、リチウムイオン二次電池の充放電容量は、正極及び負極の活物質に依るところが大きい。正極活物質としては、安定性、コスト及び供給のし易さから、リン酸鉄リチウムを中心に今後の産業化が進むことが知られている。一方、次世代の負極活物質については、まだ、充分定まっていない。負極活物質としては、現在、黒鉛が使用されているが、充放電の理論容量は、372mAh/gであり、さらに高容量の負極活物質の開発が待たれている。一方、シリコンは、充放電の理論容量は3500mAh/gを超え、黒鉛と比較して約10倍の理論容量を持つ。しかしながら、充電中に、負極に挿入及び脱離されるリチウムイオンが、シリコンと反応して化合物を作る際に、シリコンの体積は約3~4倍に膨張し、放電によりリチウムイオンが、化合物から解離するとシリコンの体積はその逆で約1/4~1/3になり、充放電のサイクル中に活物質と電極の接触が保たれず、サイクル特性が著しく低下し、例えばわずか5サイクルであっても容量は35%程度に低下する。このために、負極活物質として、体積変化の少ないSiO(Si+SiO

)や立方晶β-SiCが活物質として研究されている。例えば、後者は、種々の論文において報告されている(例えば、非特許文献1~8参照)が、いずれにおいても高結晶性の立方晶β-SiCが使用されており、また、再現性に乏しいことや量産に向かないことから、決め手となる活物質が定まっていない。
【0003】
ところで、本発明者らは、シリコンカーバイドについては、高結晶性の立方晶β-SiCのみならず、シリコンカーバイド中のシリコン或いはカーボンの最密充填層が[001]方向に一次元で不規則に積層された積層不規則構造型シリコンカーバイドも開発している(例えば、非特許文献9参照)。非特許文献9において報告されている積層不規則構造型シリコンカーバイドは、シリコン:炭素比を1:1(モル比)として製造したものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
RSC Advances, 2013, 3, 15028.
Mater. Res. Soc. Symp. Proc. Vol. 1678, 2014 Materials Research Society.
Solid State Ionics, 263 (2014) 23-26.
Materials. Front. Chem. Vol. 6 (2018) 166.
ACS Appl. Energy Mater. 2020, 3, 12613-12626.
New J. Chem., 2021, 45, 19105-19117.
Nanomaterials 2022, 12, 659.
J. Mater. Chem. A, 2022, 10, 5230-5243.
J. Am. Chem. Soc., 98, 50-56 (2015).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らの研究によれば、非特許文献9のように、シリコン:炭素比を1:1(モル比)として製造した積層不規則構造型シリコンカーバイドを負極活物質として使用しようとしても、充放電時にリチウムイオンを挿入及び脱離することが困難であるため、容量及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を製造することはできないことが見出された。
【0006】
このため、本発明は、容量及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を製造することができる負極活物質となり得る材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、炭素リッチの条件において積層不規則構造型シリコンカーバイドを製造した場合には、シリコンカーバイドと非晶質炭素材料を含有する積層不規則構造型シリコンカーバイドが得られ、Si-C界面で生成したシリコンカーバイドが導電性の過剰炭素母相に移動し、これがリチウムイオンの充放電にともなって可逆的にリチウムイオンを吸蔵放出でき、容量及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を製造することができることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
【0008】
項1.積層不規則構造型シリコンカーバイド及び非晶質炭素材料を含有するリチウムイオン二次電池用負極活物質であって、
総量を100質量%として、前記積層不規則構造型シリコンカーバイドの含有量が30~60質量%であり、前記非晶質炭素材料の含有量が40~70質量%である、リチウムイオン二次電池用負極活物質。
【0009】
項2.前記積層不規則構造型シリコンカーバイドが、前記非晶質炭素材料との間で導電パスを有するように、前記非晶質炭素材料中に分散している、項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
【0010】
項3.前記積層不規則構造型シリコンカーバイドの平均粒子径が、5~20nmである、項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

学校法人 龍谷大学
可視光応答型光触媒
3か月前
学校法人 龍谷大学
可視光応答型光触媒
3か月前
学校法人 龍谷大学
金または白金の回収方法
2か月前
学校法人 龍谷大学
移動ロボット及び移動ロボット連結体
1日前
三洋化成工業株式会社
リン酸回収方法
9か月前
三洋化成工業株式会社
肥料及びその製造方法
9か月前
学校法人 龍谷大学
米の食味評価方法、肥料、土壌改良剤、米の製造方法
1か月前
学校法人 龍谷大学
リチウムイオン二次電池用負極活物質及びその製造方法
2か月前
大阪ガスケミカル株式会社
ポリエステル樹脂及びその製造方法
13日前
学校法人 龍谷大学
ジベンゾ[g、p]クリセン骨格を有する化合物とその製造方法
1か月前
住友化学株式会社
疲労感改善用組成物
1か月前
個人
三重コイル変圧器
1日前
日機装株式会社
加圧装置
6日前
日新イオン機器株式会社
イオン源
6日前
ローム株式会社
半導体装置
今日
マクセル株式会社
電源装置
1か月前
ローム株式会社
半導体装置
1日前
富士電機株式会社
電磁接触器
21日前
三菱電機株式会社
回路遮断器
29日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
21日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
1か月前
大電株式会社
電線又はケーブル
13日前
株式会社ヨコオ
コネクタ
今日
トヨタ自動車株式会社
蓄電装置
13日前
株式会社トクミ
ケーブル
7日前
株式会社東芝
電子源
6日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
1日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
1か月前
ホシデン株式会社
複合コネクタ
15日前
個人
電源ボックス及び電子機器
6日前
日本無線株式会社
レーダアンテナ
1か月前
ローム株式会社
半導体モジュール
22日前
住友電装株式会社
コネクタ
1日前
ローム株式会社
半導体装置
今日
ヒロセ電機株式会社
電気コネクタ
21日前
矢崎総業株式会社
コネクタ
21日前
続きを見る