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公開番号2025149773
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024066768
出願日2024-04-17
発明の名称海鱸の麻酔処理における植物精油の使用方法
出願人上海海洋大学,SHANGHAI OCEAN UNIVERSITY
代理人個人
主分類A01K 63/02 20060101AFI20251001BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】芳樟精油を海鱸の麻酔処理に使用する方法を開示する。解決しようとする課題は、天然植物抽出物である芳樟精油を新しい麻酔剤として活魚の麻酔に適用する実行可能性であり、活魚の麻酔過程におけるストレス反応及び組織損傷を減少させることである。
【解決手段】水中に芳樟精油を添加して海鱸を麻酔した後、海鱸の鰓組織の形態構造、生理学・生化学及び酸化的ストレスに対する影響を研究し、海鱸の血液生化学的ストレスレベル、抗酸化酵素活性及び免疫指標を測定し、海水魚の麻酔処理に理論的根拠を提供する。高価のMS-222及びリナロールと比較して、芳樟精油の価格がその1/10であるため、麻酔コストを効果的に低減させ、特に活魚のワクチン接種、採血、体重計量及び輸送などに適用され、より高い経済的利益を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
下記のステップ(1)からステップ(4)を含む芳樟精油で海鱸を麻酔する方法であって、
ステップ(1)海鱸の一時飼育において、水槽における海鱸を麻酔前に24h断食させて一時飼育し、前記一時飼育期間における水槽の水温が22±1℃、前記水槽における水体の塩分濃度が16‰、前記水槽における水体の溶存酸素が6mg/L、pHが7.5~8.0、魚水比が1:50であり、前記海鱸が水槽で断食一時飼育期間において体内の代謝老廃物が排出され、
ステップ(2)芳樟精油乳化において、芳樟精油、エタノール、ポリソルベート-18をそれぞれ比率で乳化溶解し、
ステップ(3)麻酔において、乳化された後の前記芳樟精油をそれぞれ水族箱に入れ、前記水族箱の水温を22±1℃に制限し、前記水族箱の水体において、前記芳樟精油の濃度範囲が10~200mg/Lであり、前記海鱸をそれぞれ異なる濃度の精油が入った水族箱に移し、前記水族箱における芳樟精油の濃度及び前記海鱸の麻酔時間を記録し、
ステップ(4)回復において、前記海鱸が深麻酔期に入った後、前記海鱸を清浄水が入った水族箱に入れて回復させ、前記の海鱸が横転せず、正常に泳ぎかつ活躍度が高い場合、正常に回復したと判断され、回復時間を記録することを特徴とする、方法。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記芳樟精油の濃度は150mg/Lであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記芳樟精油の乳化ステップは、下記のステップ1とステップ2を含み、
ステップ1において、10ml芳樟精油、200mlの50%エタノール及び1mlポリソルベート-80を体積比10:200:1で混合し、500mLの水にゆっくりと滴下して第1混合液を形成し、
ステップ2において、マグネチックスターラーで撹拌した後、前記第1混合液を蒸発して100MLまで濃縮させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記蒸発の温度は20-40℃であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記芳樟精油の乳化温度は25℃であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記水族箱の水温が22±1℃、塩分濃度が16‰、溶存酸素が6mg/L、pHが7.5であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、魚類の麻酔分野に属し、特に海水魚の麻酔方法、特に海鱸の麻酔方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
海鱸(seabass、Lateolabrax maculatus)は、硬骨魚綱、スズキ目、スズキ種、コウジ科、オキオ属に属し、中国の海水養殖魚類の主な品種である。海鱸はタンパク質を豊富に含み、肉質が美しく、食用価値が高い。しかし、海鱸のストレス性が強く、鱗片が粗く、背部に鋭利なひれがあるため、採血、秤量及び輸送過程において、激しく暴れを引き起こして機械的損傷を引き起こしやすく、活魚のストレス応答を促進して魚類の死亡を引き起こすため、海鱸の販売の市場規模を制限した。
【0003】
商業水産養殖及び漁業におけるいくつかのプログラムは、選別、ワクチン接種、脱血、計量及び輸送などの過程において魚類のプレッシャー及び身体傷害を減少させることを含む麻酔を必要とし、動物の福祉を向上させる。魚麻酔剤は、合成製品と天然(植物系)製品の2種類に分けられる。最も一般的に使用される合成麻酔剤は、MS-222(MS-222の化学名は、m-アミノ安息香酸エチルメタンスルホネートであり、分子式はC
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NO

Sであり、活魚輸送麻酔剤に用いられる)、ベンゾゾカイン、キナルジン及び2-フェノキシエタノールである。いくつかの合成麻酔剤は、高価であり、ストレスを有するか、又は悪い副作用を有し、例えば、粘液分泌過多、エラ刺激、免疫系阻害及び筋肉緊張促進が報告されている。近年、精油は魚類の麻酔剤として研究され、合成麻酔剤の好適な代替となっている。
【0004】
植物性麻酔剤の魚類に対する生理生化学及び組織病理学をますます評価している。各種について、異なる植物性麻酔剤の利点及び欠点は、魚類の健康及び福祉に影響を与える可能性があるため、明らかにすべきである。麻酔剤は、血球計数、グルコース及びラクテートレベル、肝臓酵素及び免疫状態などの魚類の血液生化学指標に強く影響する。ニロフェラリー(Oreochromis niloticus)が高良しょうが精油に曝露された後、血糖及びコルチゾールレベルは基本的に正常レベルに維持され、MS-222に曝露された魚の血糖及びコルチゾールレベルは比較的高い。また、麻酔として使用される植物精油は、魚の組織病理学的影響に特に重要である。麻酔研究において、最も深刻な影響を受ける器官は、鰓である。マダイがオイゲインオイルに接触すると、鰓組織学が変化した。しかし、オイゲインオイルに暴露されると、抽出物は、オドプスの鰓組織に蓄積される。
【0005】
ラウリル科に属するシノキは重要な生物価値を有し、世界各地で薬用、工業及び香料用途に使用されている。芳樟精油はシノキ枝葉から分離して得られた精油であり、主な成分はリナクセンであり、研究によると、リナロールは魚類に対して麻酔及び鎮静作用を有する。しかしながら、市販されているリナロール純品は高価であり(1mLで205.9元、アラビア試薬有限公司)、且つリナロールは感熱性の特徴を有し、植物精油からリナロールを分離して精製する操作は困難であり、且つ精製産物に他の不純物が含まれやすい。したがって、魚類麻酔のための経済的で安全な植物精油を見つけることが急務である。
【0006】
現在、国内外の学者は、海水魚麻酔における芳樟精油の使用及びその機体機能とストレス反応への影響を報告していない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、芳樟精油を海鱸の麻酔処理に使用する方法を提供する。解決しようとする課題は、天然植物抽出物である芳樟精油を新しい麻酔剤として活魚の麻酔に適用する実行可能性であり、活魚の麻酔過程におけるストレス反応及び組織損傷を減少させることである。水中に芳樟精油を添加して海鱸を麻酔した後、海鱸の鰓組織の形態構造、生理学・生化学及び酸化的ストレスに対する影響を研究し、海鱸の血液生化学的ストレスレベル、抗酸化酵素活性及び免疫指標を測定し、海水魚の麻酔処理に理論的根拠を提供する。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、以下の技術的手段により実現される。
【0009】
下記のステップ(1)からステップ(4)を含む芳樟精油で海鱸を麻酔する方法であって、
(1)海鱸の一時飼育:水槽における海鱸を麻酔前に24h断食させて一時飼育し、前記一時飼育期間における水槽の水温が22±1℃、前記水槽における水体の塩分濃度が16‰、前記水槽における水体の溶存酸素が6mg/L、pHが7.5~8.0、魚水比が1:50であり、前記海鱸が水槽で断食一時飼育期間において体内の代謝老廃物が排出され、
(2)芳樟精油乳化:芳樟精油、エタノール、ポリソルベート-18をそれぞれ比率で乳化溶解し、
(3)麻酔:乳化された後の前記芳樟精油をそれぞれ水族箱に入れ、前記水族箱の水温を22±1℃に制限し、前記水族箱の水体において、前記芳樟精油の濃度範囲が10~200mg/Lであり、前記海鱸をそれぞれ異なる濃度の精油が入った水族箱に移し、前記水族箱における芳樟精油の濃度及び前記海鱸の麻酔時間を記録し、
(4)回復:前記海鱸が深麻酔期に入った後、前記海鱸を清浄水が入った水族箱に入れて回復させ、前記の海鱸が横転せず、正常に泳ぎかつ活躍度が高い場合、正常に回復したと判断され、回復時間を記録する、方法。
【0010】
さらに、前記芳樟精油の濃度は150mg/Lである。
(【0011】以降は省略されています)

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