TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025114626
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-05
出願番号
2025072725,2023065248
出願日
2025-04-24,2020-01-17
発明の名称
ZC3H12Bの遺伝子又はタンパク質の用途及び肝疾患動物モデルの確立方法
出願人
上海海洋大学
,
SHANGHAI OCEAN UNIVERSITY
代理人
個人
主分類
C12Q
1/686 20180101AFI20250729BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ZC3H12Bの遺伝子又はタンパク質の用途及び肝疾患動物モデルの確立方法を提供する。
【解決手段】遺伝子編集技術を利用して、メダカのzc3h12b遺伝子を標的にノックアウトし、Zc3h12bタンパク質産物が欠失したメダカを樹立した。これらはいずれも肝胆管増生の融合と肝細胞脂肪病変、繊維化などの肝臓病変が見られ、月齢の増加に伴って脂肪肝を示し、局部的に嚢腫して壊死していた。肝類洞への顕著なリンパ球浸潤、マクロファージの数の異常な増加が見られ、さらにGPC3、SMA、CK19のヒトにおける腫瘍マーカー陽性細胞も検出され、ZC3H12Bが肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんの治療標的とバイオマーカーとして機能することが示唆された。zc3h12b欠失メダカは肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん又はそれらの病変過程を研究する動物モデルとすることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ZC3H12b遺伝子又はタンパク質、又はそれらのアップレギュレーターが、肝内胆管嚢胞腺腫(biliary cystadenoma、BCA)、肝内胆管嚢胞腺がん(biliary cystadenocarcinoma、BCAC)、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんを治療する薬物の調製における応用。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記アップレギュレーターは、小分子化合物又は生体高分子から選択されることを特徴とする請求項1に記載の応用。
【請求項3】
肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんを治療する薬物組成物であって、ZC3H12B遺伝子又はタンパク質のアップレギュレーター、及び薬学的に受け入れ可能なキャリアを含むことを特徴とする薬物組成物。
【請求項4】
ZC3H12B遺伝子又はタンパク質を診断マーカーとする、肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんの診断試薬又は診断キットの調製における応用。
【請求項5】
ZC3H12B遺伝子又は蛋白量の量を検出する試薬が、肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんの診断試薬又は診断キットの調製における応用。
【請求項6】
ZC3H12Bの遺伝子又はタンパクを標的として、肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんを治療する薬物をスクリーニングする方法であって、
候補物質で、ZC3H12B遺伝子又はタンパク質の発現系を処理することと、
前記系におけるZC3H12B遺伝子又はタンパク質の発現を検出することと、を含み、
前記候補物質がZC3H12B遺伝子又はタンパク質の発現を向上させることができる場合、その候補物質は必要な潜在物質であることを示し、この逆の場合は、候補物質は不要な潜在物質であることを示すことを特徴とする方法。
【請求項7】
肝疾患動物モデルの確立方法において、動物のZC3H12B遺伝子又はタンパク質発現をノックダウンするステップを含むことを特徴とする確立方法。
【請求項8】
前記肝疾患は、肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんであることを特徴とする請求項7に記載の応用。
【請求項9】
前記動物は、ヒト以外の下等から高等脊椎動物から選択されることを特徴とする請求項7に記載の応用。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか1項に記載の方法に従って確立された肝疾患動物モデルの用途において、前記用途は、
a)ヒト及び/又は動物のzc3h12bによる、マクロファージが媒介する脂肪肝の発生及び肝臓がん様の変化の調節に関連する分子機構の研究と、
b)ヒト又は動物のZc3h12bによる肝臓内胆管嚢腺腫、肝臓内胆管嚢胞腺がん又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんの分子発病機構の研究と、
c)Zc3h12bによる肝内胆管嚢胞腺腫又は肝臓内胆管嚢胞腺がんの肝実質の萎縮壊死及び繊維化がんの発病性メカニズムと機構の研究と、
d)ヒトや動物において、雌雄の肝臓の分化又は発達に影響と、肝内胆管嚢胞腺腫又は肝臓内胆管嚢胞腺がんの発生率に内在する雌雄性の差又は外因性環境因子の影響の鑑定スクリーニングと、から選択される用途であることを特徴とする。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は生物医学技術の分野に関し、特に遺伝子やタンパクの新機能及び関連疾患動物モデルの確立に関し、具体的に、ZC3H12Bの遺伝子又はタンパクの用途及び肝疾患をシミュレートする動物モデルの確立方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
肝臓の病気は非腫瘍性と腫瘍性肝疾患の2種類に分類されているが、非腫瘍性肝疾患(一般的な肝炎ウイルスや寄生虫などの病原性感染、化学やアルコール性肝障害、胆石症、胆管奇形など遺伝発達異常)では、肝類洞内の肝細胞、胆管上皮細胞や幹細胞が存在する微小環境が、常に胆管上皮が分泌する胆汁の刺激を受け、また、肝類洞固有のマクロファージ(クッパー細胞、Kupffer cell、KC)と自己免疫系のリンパ球が分泌するサイトカインの影響によって、肝臓局部損傷部位の肝臓細胞が脂肪性病変、繊維化、さらに肝硬変、ひいては肝臓腫瘍性がんに至る。疫学調査資料によると、肝細胞がん(Hepatocellular Carcinoma、HCC)と肝臓内胆管細胞がん(肝内胆管がん、Intrahepatic Cholangiocarcinoma、ICC)は男性と女性の発症割合が異なり、HCCでは、男性と女性の発症率は、約2:1~4:1であり、ICCでは、発症率は女性が男性よりやや高い(3:2)。ICCは、肝胆管上皮細胞、肝細胞、幹細胞、及び胆管周囲付属腺細胞に由来する胆管腺がんである。その発症率は、肝細胞がん(HCC)の肝臓原発性悪性腫瘍に次いで高い。
【0003】
ICCの病原性因子には、肝炎ウイルスや寄生虫などの病原性感染による胆管炎、化学発がん物質や遺伝などの因子が含まれているが、その発病機構と明確な病因は依然不明である上、近年は世界的に上昇傾向にある。ICCの早期には、明らかな臨床症状がないため、早期診断と適時の治療は重要で特別な意義がある。ICC肝臓がんの性差の解釈については、現在の研究は主に性ホルモンと細胞因子を中心に展開されている。しかし、ここ数年、エストロゲン・アンドロゲン受容体の経路と炎症に対する介入の治療計画は、期待される治療結果が臨床的に得られていない。一方、現在の多くの研究結果は、化学誘導による肝臓がん発生動物モデルに由来するものであり、臨床的なHBVとHCV感染によるICC、特に遺伝的要因によるICCの発生過程を完全にシミュレーションできていない。もう一方で、ICCにおいては、細胞の種類が異なるため、性差に関する原因及び機構は、まだ完全に解明されておらず、ICC動物モデルは薬誘導動物モデルが主流であるため、ゲノムレベルでの詳細な研究は不足している。したがって、遺伝子及びタンパク質のICC動物モデルは、肝臓がん発病機構及び性差についての遺伝子レベルの研究、迅速な診断技術の研究開発、並びに標的薬の設計やスクリーニングなどに対して、重要な基礎科学と臨床応用価値がある。
【0004】
Zc3h12タンパク質ファミリーは、免疫応答や炎症反応に制御するCCCH型ジンクフィンガータンパク質の一種であり、1つのCCCH型ジンクフィンガードメイン(DNA又はRNA結合に関与)、1つのPIN Zc3h12機能ドメイン、1つのRNA酵素活性ドメイン、そして1つの独立したZC3H12ファミリーの保存性が高いユビキチン関連ドメイン(UBA)を有することを特徴としている(図2-3参照)。Zc3h12タンパク質ファミリーは、ZC3H12A、ZC3H12B、ZC3H12C、ZC3H12Dの4つのメンバーを含む。これら4つのタンパク質は、アミノ酸配列の相同性は高いが、組織分布は大きく異なっている。ZC3H12タンパク質ファミリーの機能は、まだ完全に解明されていない。Zc3h12bについては、Wawro M.ら(Wawro M., Wawro K., Kochan J., Solecka A., Sowinska W.Lichawska-Ciesla A., et al., Zc3h12b/MCPIP2, a new active member of the ZC3H12 family. RNA. 25 (2019) 840-856.)では、ヒトと哺乳動物のZc3h12bが公開され、炎症性インターロイキン6(proinflammatory interleukin-6 (IL-6) mRNA)と結合して細胞質に存在し、微顆粒様構造(granule-like structure)を形成し、mRNAの転写及びタンパク質への翻訳をコントロールし、細胞周期をG2期で停止させる機能を有する。しかし、Zc3h12bと肝疾患との関係、特にICC及びICCに関連する脂肪肝及び肝臓がんとの関係は、本特許出願の出願日までに報告されておらず、また、マウスや他の動物において、Zc3h12bをノックアウトした肝疾患動物モデルの報告もない。
【発明の概要】
【0005】
発明の内容
本発明の目的は、先行技術の不足に対して、ZC3H12Bの遺伝子又はタンパク質の用途を提供し、かつこれに基づいて肝疾患動物モデルの確立方法を提供することである。
【0006】
本発明の第1の態様では、ZC3H12B遺伝子又はタンパク質、又はそれらのアップレギュレーターが、肝内胆管嚢胞腺腫(biliary cystadenoma、BCA)、肝内胆管嚢胞腺がん(biliary cystadenocarcinoma、BCAC)、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんを治療する薬物の調製における応用を提供する。
【0007】
本発明の好ましい実施形態では、前記アップレギュレーターは、小分子化合物又は生体高分子から選択される。
【0008】
本発明の第2の態様では、肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんを治療する医薬組成物を提供し、前記医薬組成物は、ZC3H12B遺伝子又はタンパク質のアップレギュレーター、及び薬学的に許容されるキャリアを含む。
【0009】
本発明の第3の態様では、ZC3H12B遺伝子又はタンパク質を診断マーカーとする、肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんの診断試薬又は診断キットの調製における応用を提供する。
【0010】
本発明の第4の態様では、ZC3H12B遺伝子又はタンパク質の量を検出する試薬が、肝内胆管嚢胞腺腫、肝内胆管嚢胞腺がん、又はそれらに関連する脂肪肝又は肝臓がんの診断試薬又は診断キットの調製における応用を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
個人
細胞培養容器
1か月前
日本バイリーン株式会社
細胞用支持基材
1か月前
日油株式会社
蛋白質安定化剤
1か月前
東洋紡株式会社
改変型RNAポリメラーゼ
1か月前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
4日前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
4日前
株式会社ファンケル
SEC12タンパク発現促進剤
26日前
株式会社東海ヒット
灌流培養ユニット
1か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
1か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
1か月前
オンキヨー株式会社
浸漬酒の製造方法、及び、浸漬酒
1か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
1か月前
池田食研株式会社
抗疲労用組成物
1か月前
ZACROS株式会社
排気ユニット、及び培養装置
1か月前
個人
移植材料の評価方法
1か月前
bitBiome株式会社
ポリペプチド及びその用途
1か月前
学校法人東京電機大学
酵母、及び食品用添加剤
1か月前
花王株式会社
バイオポリマー製造方法
15日前
相生ユニビオ株式会社
高グルコシルセラミド含有醸造物の製法
21日前
日新蜂蜜株式会社
蜂蜜のアルコール発酵物の製造方法
1か月前
佐竹マルチミクス株式会社
血小板の製造装置の設計方法
12日前
学校法人藤田学園
幹細胞付着用シート
1か月前
JSR株式会社
三次元構造体の製造方法
1か月前
花王株式会社
5’非翻訳領域の改変方法
1か月前
花王株式会社
リパーゼの安定性向上方法
1か月前
横河電機株式会社
装置および方法
1か月前
横河電機株式会社
装置および方法
1か月前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料の製造方法
1か月前
株式会社ジャパンディスプレイ
検出装置
1か月前
株式会社ジャパンディスプレイ
検出装置
19日前
株式会社東芝
脂質粒子の品質評価方法
1か月前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料の製造方法
1か月前
株式会社ジャパンディスプレイ
検出装置
1か月前
住友ベークライト株式会社
デバイス及びその製造方法
1か月前
南京農業大学
分解菌叢複合系を使用する多環芳香族化水素の分解方法
27日前
キリンホールディングス株式会社
低苦味のビールテイスト飲料
1か月前
続きを見る
他の特許を見る